音楽備忘録㊶ 速過ぎて冷徹に一定のテンポⅡ
今回から現状機械が出してるテンポってかリズムへ寄せてみるが、再三出だが機械にとってのと音楽にとっての安定には結構な相違があるのを念押ししとこう。
これはある意味電波時計の存在意義とも似ていて、人間が系統立てた物理法則と自然界に未だズレが残ってるのと同じ様なもんだ。
安定してはいるが地球の自転は完全に等速ではないので、どんなに正確な時計を作っても何時か何処かで僅かだが必ずズレが生じる。
それを電波通信で自動修正してくれる物だが、実在の音の世界では間に自由奔放の権化みたいな空気が介在するのもあってより顕著に誤差が出るもんなのだ。
故に音では無く音楽って観点からだと機械の出すリズムは安定はしているが、意外と「不正確」な物となってしまうのだ。
ここで機械が出すのと人が出すリズムの最大の相違へ目を向けると、前者は聴いてないし加減してないが後者は大抵は無意識にそれをしている処ではないだろうか。
これは音源や環境等様々な要因の組合せで生じる差異に対し、現在迄の機械は修正機能を持っていないからだ。
今後AI等の搭載で機械も「聴く耳」でも持つ様になれば改善されそうだが、「見る目」も与えられて聴衆の様子迄となるとその頃には俺はもうこの世に居ないかも知れない。
それでも物理的安定度では機械とても優秀だが、「音楽の安定」となると俺言い「最適化能力」の無いのが仇となっている。
音と言えば誰にも聴かれなくても成立するが、音楽は必ず誰かに聴かれる前提で成立してるものだ。
なので聴者に対してリニアなのが正確とか安定で、もしそれが物理的にはズレてたとしてもそんなの知ったこっちゃ無いのである。
この為フレーズや演奏されてる場所の状況等に依って時間的には僅かだが、ベストタイミングはかなり多種多様でメトロノーム通りとはなっていないのだ。
ではベストを諦めざるを得ない機械でどうしたら少しは人間に対抗出来るかっつうと、その1は人が出来ない事をやらせる作戦だ。
今となっちゃもう時効もいい処だがこれが実施された当初は「人々が聴いた事がある物は殆どが人力の」だったから、今迄訊いた事が無い世界で斬新さがあった。
フレーズに関しても同様で「弾ける人が居ないから避けられてた・思い付けなかった」物等が、実現可能となったのは朗報だった。
しかし人間だって俺みたいなどっかのアホが間違って進化する場合もあって、片足の16分音符は2個位迄しか踏めない筈のが覆っちまう事だってある。
質の悪いのがエエ加減な人間様の所業って処で、まさかン10年以上続けてて50歳も過ぎてそんなのが起きようとは本人だって全く予想出来なかった。
故に機械の作戦その1は期間限定商品が多く敵がエエ加減なだけに、その賞味期限も設定困難と頼り無い。
その他にもスピード感を得る或は維持する目的で作戦その2(苦肉の策で遅い処を無くす)が実施され、実は当初から負けが確定してるにも係わらず未だにしがみついてる者が多い様だ。
何故勝てないってばシステム的に出来る事が人より少ないからで、それには少し俺言い「ノリの科学」知識が必要だ。
これも再三出だが音楽の表現には「比較に依って得られる」物が多く、テンポやリズムにもそれは適用されている。
単純物理思考ではテンポが速まる程勢いは出るもんだが、全体が速ければそれが一番元気に聴こえるかってえとそうでもないのが実情だ。
それは前出フレーズ次第で違って聴こえるのがあるのでどんなにハイテンポに設定しといても、「その部分」だけあたかも少し遅くなった様に聴こえちまうからだ。
これが出ると「調子に乗った聴者」にとっては来る音が予測より遅かった為、勢い(興奮とか気持ちの隆盛)を簡単に削がれてしまう。
だが現行機械では基本的にはこれへ非対応なので、先ずこの点で勝ち目が無い。
尤もだからって機械が全部アウトにはならないが、無理強いをしたって仕方無いのを知って頂きたいのだ。
<つづく>
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