音楽備忘録55 ちっとも細かく無い所の演奏姿勢Ⅱ
ドラマー等の場合はスローンの影響も大きいので先ずこれが問題だが、他楽器で道具が直接は影響しなくても考えるべき点があるものだ。
そこで今回はスローン案件と併せて、エレキ奏者の姿勢等にも触れて行こう。
私的ではあるがスローン案件は体験からすると条件整理が出来たが、座面径とクッションの組合せが解決の糸口と感じられた。
もし座面径が大きいのであれば中心に座らない・座れない場合が当初から想定出来るので、クッションが厚過ぎたり弾力があり過ぎるとイケナイ。(理由は前回述済み)
なので大きいならせめて固目・薄目(低弾力)にしてあると良いんだが、近年の多くは演奏し易さより座り心地重視と最早インテリア化しちまったか!?。
それでか高級なのは良いが高価な割に必ずしも全体が長持ちしてはくれず、下手をすると却って状態の悪さを黙認して使う事にも繋がってる気がする。
個人的希望としてはせめてもっと消耗品とするか一生モノとするか、設計思想の段階でハッキリさせといて欲しい。
折角ドラム用ハードウェアは割と規格化が進んでるのに特にスローンだと、交換部品の高価格やバリエーション充実度が低いのではそれこそ企画倒れじゃないのさ。
さて後半はエレキの演奏姿勢の話しだが、只弾くだけなら特殊形状の以外は自由だ。
だが様々な奏法や楽器形状の利点を考えると昔Char氏が語った如く、基本的に「エレキは立って弾く物」ってのは真理を突いていると思う。
第1点は他のどんなのでも立って演奏出来るもんじゃ無いって処で、必要が無いと座る方が楽だがそれに捉われ過ぎては特権を放棄する事にもなり兼ねない。
歌う場合はMicワークの自由度が座ってるのより上がるし、場合に依っちゃ「隣の人のMicへ乱入」なんてのは座ってたらまず不可能だ。
第2点は楽器と体の位置関係の問題で、座っていると一般的な形状のでは変更が不可能だ。
普段は楽器が不要に動かない方が弾き易く感じるだろうが、ホントは「必要とあらば位置を変えられる」のは一部楽器にだけ与えられた特権なのだ。
Full Concert Grand Pianoみたいなのだと、弾いてる時は人の方で動くしかないでしょう。
それでいて座ってる分動けないんだから、かなり変な無理な姿勢が必要になっても必死に堪えるしか無い。
でも立っててぶら下げてるだけのエレキ等だったら必要時だけ一寸付き出すなんてのも簡単で、しかしStrap無しで座ってたらボディの窪みで半固定になってるからそうは行かなくなる。
第3点は上記のハイブリッドみたいなもんで立ち疲れたら奏法上支障が無い間だけ、何処かへ寄り掛かるとかしててまた普通に立つのなんてのも労せず自由になる処だ。
しかし自由となると自己責任がセットで付いて来るんだが、人はどうしても表面的な楽さだけを求めてしまいがちだ。
ここで是非再考して欲しいのは立ってたから出来た奏法がある点で、音色以上に奏法は楽器の個性に影響があるのだ。
例えばGuitar系でも本家程巧くは出来ないがViolinのBowで擦って音を出せるし、Violinにも指で弾くPizzicato奏法は存在している。
大きさは違うが某社の俗称Violin BassにはGuitar版もあったから、Ampへ繋がなきゃそれで擦ってたら原理的には殆ど同じ音が出る事になる。
それがあまりそうは聴こえない場合が多いのは道具や奏法ばかりでは無く、体に対して楽器の位置や保持の仕方が全く違うのが恐らく最大の要因であろう。
楽に弾いて悪い場合はそんなに多くも無いけれど、奏法選択の自由度とか楽器と体の位置関係は音に当然影響がある。
依って今回指摘した観点を忘れて座るのと、確かめた上で座るのでは何処かに違いが出てる可能性が高い。
プロは面白味や見栄えの為に敢えて変な姿勢や構え方をする場合もあるが、録音時もそうしてるとは限らないし他の楽器でもそうだ。
本件関連で過去体験で意外に感じたのがEdward Van Halenで音色的には当時お初だったのに、構えはそんなに低くも無いしCharもそうだが演ってる内容からしたら随分と薄く軟らかいピックを使っていた処だ。
我々外野からどう見えようと彼等はちゃんと考えた結果そうしてた様で、前者は半音下げチューニング・後者は使用楽器の事情でどっちも弦のテンションが平均より弱目なのに対応させた結果なのだろう。
因みにこれの手前味噌一例としては筆者はBassもアコギも頻用する関係とジャンル的趣味性から、彼等とは逆に弦を09では無く10を張る事でMedium Heavyピックで至って極普通の感触を得られる様にしている。
最近ピックがMedium Heavyは若干入手難なのには参っているが、暫くGuitarばかり弾いててBassに持ち替えたらすぐバテたになるのが怖くて…夫々に色々事情ってのはあるもんなのだ。
<つづく>
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