音楽備忘録㉖ Mixer卓の話しⅠ:バーチャル機とリアル機の相違Ⅴ
今日のテーマはバーチャル機でどうやって音色を作るかだが、ぶっちゃけ大胆なのは原理的に不可能です。
ハイお終いじゃ続きが書けないから視野を広げて貰うとして、MicやLine入力で収音する物についてはバーチャル機に「入る前」に極力所望へ近付けるのがより必須となったって事なのだ。
内容へ入る前にお断りしときたいが現行デジタル音響機器の多くが弄るのが苦手なのは、必ずしも設計・思想等がもたらした欠点では無い。
アナログしか無かった昔は作り上げた音が録ったら必ず変わっちゃって、苦労が水の泡となってとても苦労させられていた。
「弄れる道具」は既にアナログ時代でもそれなりに充実してたので、アナログでは無理だったそうじゃない側へ振っただけなのだ。
その後複雑なプログラムの切替・それ自体の記憶容量・小型化…等様々な理由で、アナログでも一応実現出来てた物にもデジタルのが登場した。
デジリバ等はアナログのより透明感に勝ったりもするが、元の主目的は音色じゃなく小型化・コストダウン・残響種類の豊富さ等だった。
全体としてだと今だって残響は求める響きの部屋で演奏したのが最高峰だが、場所を見付けて確保する他にも「録る道具」迄完全じゃないと拾い切れんとかそりゃ大変だからね。
そして買い手視点ではアナログのが廃版になって入手難も発生してるが、基本線としては単に販売量低下で維持出来なくなったのが原因だ。
それ故一旦市場から消えた真空管音響機器等は、音楽用のだと昔より遥かに豊富な機種・種類が売られている。
慣れや流行りの影響を受けて何だか「今更旧式のアナログ」みたいな雰囲気もそこここに漂ってる感じだが、正味な処は実は誰もアナログ駄目なんて言ってないのである。
かく言う俺自身「中途半端な年寄り」だからか、少し前までは無自覚でもそんなバイアスが掛ってたせいで余計な苦労をしてた様だった。
では「昔からあったから古いから駄目」意識を捨てて進めるとするが、本案件でも主に2通りのパターンが想定されるのでそれを。
1.楽器部分自体を高音色化させる
2.MicやPreamp若しくはオーディオインターフェイスを高音色化させる
これ等は元々音響機器がどんなのかとは無関係な有効策だが、音の行き過ぎた硬さ・キツさ等の軽減を欲した場合リアル機より必定と考えられる。
これの考察には例に依って過去からの学びが要るのでそこへ行くが、やはり真空管やトランスの存在の影響はとても大きかった様だ。
理論解析ではこれ等は現代デジタル音響機器と比せば全く非リニアで、当時としては最善を尽くしたにしても今となっては結果オーライも良い処だ。
しかし当時の録音技師だって考え無かった訳じゃ無く、音が柔らかいのは結構だが明瞭度が不足してたのをLine録り等で補填したりとちゃんと「調整」はしていたのだ。
またこの案件の真犯人はどっちかってば卓や録音機では無いのだが、何処で充足させようとそれは聴き手には無関係だ。
なので正しい表現をすれば機器がリニアになったからこそ、より「やるべき処」で処理しなきゃなんなくなっただけの話しなのだ。
で具体化させてくとたった1つの楽器演奏しかしない人なら上出では1.が、生楽器が含まれてたり複数楽器を操ったり歌ったりもする人は2.を主眼にするのが高効率となりそうだ。
それと体験から過去機への補足をしておくが今比では低性能だが、性能の技術的限界が低かった代わり古いの程「音的実用性」への配慮は高くなっていた。
これだって単なる苦肉の策だったんだが、近年のは余りにも音色的に論理的過ぎる嫌いが感じられる。
オーディオ理論的にはほぼ完璧でも音楽で要るのはそこよりも求める物とか使える音になってるかが肝で、その点再生装置より制作に用いる物は相当楽器寄りと考えるのが適しているんだかね。
<続>
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