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2019年9月 7日 (土)

音楽備忘録㉛ チープなReverb下手に掛けるなッ!!のⅢ

本案件で鍵を握る低音についてまたぞろ順番に難があるが、改めて低音の伝わり方・聴こえ方に触れておこう。
では皆さんへちょいと質問なんですが、あなたは「純粋な低音」を聴いた事はありますか!?。

ここで云う「純粋」とは倍音含有量ゼロで音程では普通の4弦エレキBassなら大凡3弦の開放音より低い部分、周波数だと大体100Hzより低い物が対象だ。
電子鍵盤楽器を扱ってたら無加工の正弦波を鳴らせば聴けるが、一般的には恐らくあまり体験した事が無いと思う。

普段耳に出来る低音は感覚的には倍音が幾らも含まれて無いと感じてても、いざホントに無添加純正のを知るとかなりどれも倍音豊富なのに気付かされるもんなのだ。
俺自身も大昔のアナログシンセでさわり程度、ハッキリ認識出来たのは専門学校での測定用発振器を使い倒して以降だった。

無倍音低音ってのは実に存在感が希薄で何か唸ってて揺すられてる気もするけど、その割に幾らも音がしてる様には聴こえないねぇってな感じがするのだ。
つまり明瞭度なんて最初から全く持って無く、音程だってかなり不鮮明な物なのだ。

普段我々が耳にする低音(楽音)は物理的にはかなり倍音が豊富なのばかりで、倍音のお陰で音程も何処から鳴って何処で止んだか等も判別出来てるのだ。
それに対し無倍音低音は人耳には得体の知れない暗騒音としか殆ど認知出来ず、騒音って位だから音楽には通常はマイナス作用しかもたらさない。

これを本題とリンクさせればそもそも純粋な低音は、全くエコーを掛けなくたって最初からお邪魔虫なので御座居。
なので万が一にもわざわざそれを加えたり増やす様な真似をしちゃったら、もうお終いなのであるよ。

加えて草臥れ儲けなのが「分り難い」って事は生音だけに限らず、折角加えた残響音としても輪を掛けて分り難い音にしかなってくんない。
前回エコーの基本定義(Delay)で述べた様に音が「1個なのが2個になって」なので、2音の間隔が短くても最低でも「1個だけとのは違う」のが分からないと全く効果が出ないんです。

因みに楽器の音をAmpやEQで低音を増減すると音色の変化は誰にでも分かるけど、あれは倍音のアシストがあるからそれだって分かるのです。
これについては色々テンコ盛りなので次回をご期待願う!?として、演ってるのがClassicでもポピュラー系的録音をしたいのなら少しは勉強しとくんなまし。

兎角Classicよりその地位が低く認識されがちなポピュラー系でも、電気系の道具も常用する部分では侮ってはいけません。
その反対に利用可能アイテムが少ない中で何とか音楽や演奏を成立させてる部分では、古いと思ってもポピュラー系の人もClassicを舐めちゃいけないですがね。

本日の例示へ行くと無倍音低音は鉄道だと機関車で、楽器の低音は電車みたいな立場にある。
運転士はどっちにも乗れるけど、お客さんだと機関車じゃ乗せて貰えないよね。
これが音楽だと演奏・製作者は運転士なのでどっちも乗れるけど、聴者はお客さんだから電車にしか乗れない。
演ってる方は意図的に弾いたから分かってるが、聴いてる方は「聴こえてからじゃなきゃ分からない」んですよ。

<続>

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