音楽備忘録㊽ 速過ぎて冷徹に一定のテンポⅨ
本題の無駄速テンポに対してかなり遠回り感が強い感じだが、大事だしあらゆる角度から知って貰いたくてこんなになっている。
そこで再確認しとくと機械はスピードを出すのは得意だが、スピード感を出すのはえらく苦手である…だ。
重複覚悟で少し概要を整理してくが非一定のテンポが機械は苦手な点で、例えば徐々に速くなって行く様なヤツだ。
機械でも人も含めて高級になればある程度は可能だろうが、聴者を始め奏者等の気持ちに沿わせるのはかなり難しそうだ。
ってのもその「速くなり方」自体に無限のパターンがあり、これを反映させる為のData収集が膨大な上に適正化させるのも難しいからだ。
サビだけバカ騒ぎでそれ以外はシレッとした曲を盛り上げようとした時、サビ部だけテンポが速まるなんてのもありがちじゃないかな。
或はどんどん速まるが最後には元の速さへ戻ってるのとか、但しこれ等は皆物理的分析での話しなのだ。
聴者感覚的には上記の「サビだけ速い」も目論見通り興奮して貰えてたならそうは聴こえず、「盛り上がってるネェ」とか単に「遅れてはいない」と感じる場合の方が多い筈だ。
また聴き始めは速いと思っても人って慣れがあるから、暫く経つと速さを感じなくなったりもするよね。
そいでもし予測より僅かでも遅かったら気持ちに水を差されたみたいになって、音のおとぎの国からすぐ現実へ引き戻されてしまいそう。
ホントは聴き手が興奮したせいで当初のテンポじゃノロく感じる様になっただけの事なんだが、「首尾一貫して飽く迄冷静に聴いて欲しい曲」なんてのでも無い限りそうなってはアウトだ。
こんなのを機械で何とか実現しようとするならアニメ映画を作るのと似た様なもんで、理想を追求したら全て架空でも各奏者のキャラクタ設定迄必要となる。
例えばその架空BandのGuitaristはAコードに何故かやたらと興奮するとか、Drummerは16Beat嫌いでそうなると急に元気が失せる等々…。
どしてそんなにするかってば奏者の組合せ次第で盛上り・下がり方に違いが出るからで、少しでも偽物にリアリティを持たせて感情移入をし易くしたいからだ。
その根底には曲の元となった感情は人が感じた本物だからで、「嘘の気持ち」に聴こえては困るでしょ。
大昔何処ぞの映画プロデューサが免許も腕も無いのにサーキットでレーシングバイクをぶっ飛ばして、案の定!?事故って大怪我をしたなんて話もあったのぉ。
それを俺はずっと因果応報と思ってたけど、今にしてみると大馬鹿だけどもしかしたら作品作りの為に体験が欲しかったのかもと気付ける様になった。
或はそんな膨大な手間を省いて最低限つまり「遅れはしない」だけを確保しようとすれば、聴者がどんなに興奮してもそれを確実に上回る速さにしとく位が関の山だろう。
それが俺的「無駄速テンポ」の原因と思っているが、聴者の気持ちへ寄り添うのが欠けてる独りよがりに感じられてしまった。
もう1つ加えときたいのがポピュラー系での「機械音楽」についてで、本邦は当然乍ら諸外国でもそれの嚆矢はYMO辺りだったと思う。
ジャンルとしては「Popな」テクノとなるが、如何にもロボットが演ってそうになってても実際は殆どが「手弾き」だったのだ。
今からしたら妙な感じだがその頃迄は「人間味を排除した感じ」のが、例え機械を使ってても無かったから斬新だったのだ。
当時は機械のレベルが低かったから音楽に聴こえる様にすると人間味が漏れちゃって、それを抑えると機械的には出来てもモールス信号かなんかみたいに音楽には聴こえなくなっちまってたからなのである。
私見ではホントに機械に演奏させる様になったらテクノが退化した様に感じてるが、ここには「聴くのは結局今も生身の人間」ってのが鍵になってると考えている。
下らん話しだが上記のロボットってのも飽く迄人が勝手に想像したもんで、想像と実際が違っても聴者に一切責任なんて無いんだからさ。
それが最近じゃ逆転して過修正のせい等で、人が演ったのの方が機械的になってたりするんだから分からんもんだ。
只困るのはそれを全く意図せず作った曲迄「機械化」してるからで、それならせめて作曲だけでも打込みにすべきだろう。
今だと機械で生っぽく・人で機械っぽくも出来はするが、所詮それ等は手法選択の誤りで一時のデモンストレーションに終るのは最初から分かってるんだから。
<つづく>
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