音楽備忘録⑩ Funkってどうすりゃ演れるのⅩ
前回はそもそも普段から「ちゃんと跳ねられてるか」の問題提起をしたつもりだが、最初はこれの誤認し易いケースを例示しよう。
その1はシャッフルのジャァーカ・ジャァーカとジャッカ・ジャッカで御座居。
ジャッカと演らずジャァーカはそれより粘っこいのを狙ってるんだから、それだったら少し位跳ね損ねても平気そうに思えるだろう。
だがもしジャァーカ…の伴奏にタッタターなんてメロが乗るとどうなるかで、メロも極力だるそうに弾くとしても基本3拍子なので跳ね具合は幾らも減らせない。
伴奏はずっと1拍3拍しか鳴らさなくても、メロは2拍目だけ鳴らす様な場合も考えられるからねぇ。
これからすると跳ね自体をあまり劣化させるのは得策じゃ無く、跳ねてるのを目立ち難くするのが無難と考えられる。
しかし原因が何だろうと聴いた感じが似てると一々普段は誰も気にせんから、自分がどの程度ちゃんと跳ねられてるかを案外分かって無いままで居たりするもんなのだ。
因みに余韻の短い楽器ではジャァーカとジャッカの違いが殆ど出せなかったりもするが、曲の伴奏フレーズがいたずらに楽器の都合に左右されるのは感心しない。
例えば太鼓でClosed Hi-Hatの閉じ具合をわざと緩めたりした時に、他パートと音の伸びが逆になったりし兼ねんからねぇ。
次2(に)Guitarカッティングをしてる姿を想像して貰うとして、4拍子系はジャカジャカの腕(若しくは手首)の振りは上下等速だ。
それがシャッフルだとダウンから弾き始めた場合、アップの時だけ高速化しているだろう。
せめて逆順なら引力は何時も「下向き」だからまだマシだが、1拍目しか弾かない場合等も考えるとダウンスタートの方が演り易い。
その結果慣れて来るとダウン時はほぼ脱力のみでアップ時だけ急いで力を入れる様な感じになって来るが、それでも慣性と引力の両方と喧嘩するんだから最初からそれなりに労力を要すだろう。
これが人差し指と中指で弾く(ここでは主にBassを想定)のであれば、太鼓の両手Hi-Hatに近似なので出来栄えは兎も角労力は本来は少なくなる。
対して鍵盤系でコード弾きとなると達人だとダブルストロークを使うかも知れんが、多分一番労力も要して只刻むだけでも中々大変だ。
それで左手と右手に分割してブンガブンガなんて演るので良く代用されてたりもするが、実は疲れて面倒な弾き方に慣れてる人程跳ねさせるのが上手になってる場合が多いのだ。
っつうかそれ位大変でも最初から頑張ってないと足りるだけ跳ねさせらんない訳で、嫌が応にも自然と注意力が働いている事だろう。
太鼓や指弾きBassだって楽と迄は言えぬが、他の絶対にシングルストロークしか使えない楽器よりはかなり負担が少ない。
因みにⅡで是迄に登場させた4種の楽器をどれも扱った経験からすると、太鼓が一番この盲点ってか落し穴に嵌り易かった。
俺の中では太鼓が一番歴が浅いのもあるとは思うが、Hi-Hat若しくはRideのチッキだけに注意を払ってられんのもあるかも知んない。
それ以外の全てでも太鼓は僅かでも気が緩むとそれが現われ易いものの様で、実は肉体より精神エネルギーを膨大に要求される感じを受けている。
尤も他楽器でも目一杯の歯切れやノリの良さを追及してる時は、殆ど全精力をそこへ注ぎ込んでいたみたいだ。
もし精神異常等が無かったらとても悲しくて凹んでたら元気一杯の音にならないのは当たり前だから、少々厳しくても気持ちのままの音が出てくれてた方が正常だしちゃんと表現力も持ててる訳だ。
単に4拍子かシャッフル系かだけだったらテキトーに演ってもどうにか手に負えるが、跳ね難いのを跳ねさせるだとか標準以上のが欲しいとなると理屈や技術だけでは不充分な場合がとても多い。
変なアドバイスだがとても浮かれてる様な時に、先ず試してそれを記録しといてみては如何だろうか。
誰だって凹んでる時のよりは、きっともっと跳ねてると思うんだけどな。
<つづく>
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