音楽備忘録③ Funkってどうすりゃ演れるのⅢ
では前回出の用語!?解説に早速取り掛かるが、「跳ね」は部分的な聴感上そのままで「うねり」は小節単位から大きく眺めた場合の印象だ。
基本的には跳ね要素が支配するんだが3拍子系なら所謂シャッフル等でまんまだが、4拍子系ではリズムの全体は足のスキップみたいに飛び跳ねはしないからウネリなのである。
そもそも跳ねとはっつうとタッタタッタなんて刻み間隔が不揃いだとなるもんで、タッタタッタなんて休符が短縮して等間隔に近付くとベタっとして来るもんだ。
それでも刻みの尺度つまり数が3つの内は全体への影響は少なく、ゆったり感を出す為にわざとキレを落す場合等もある。
だが4拍子系ではタアアタタアアタなんてやってもギクシャクするだけで勢いは出せないので、象徴例として俺の大好物のHi-Hatでのチッチキを色々捏ね繰り回して解説してこう。
又この場合のチッチキは8Beatなら最小は8では無く16分音符で、16分の表=8分音符のタイミングはBeat堅持の為弄らんのを前提とする。
ここでFunkの秘密その1が見え隠れし出した感じだが、原理的には跳ねない拍子でそれを得るには8Beatに聴こえて隠れ16Beatじゃないと無理なのがお分かり頂けるだろうか。
但しチキチキタキチキなんて叩き方をする純然たる物で弄ると、チッキチッキタッキチッキとハーフタイムシャッフルになって只の3拍子系へ変化するだけだからそれとも違っている。
先ずはややこしいのは抜きにしてチッチキをどうするとより跳ねるかから考えて貰うが、「ッ」の長さがそれを司っている。
ここを極端に短く仕舞いには無くすとチチキとなって全く跳ねなくなり、正規より長くすると元のの音符は倍の長さだがJazz 4Beatのスウィングと同じになる。
これが秘密その2とも言え捉え方に依っては「スウィングの倍刻み」とも考えられ、この辺がムード的には無縁そうなのにFunkがJazzの親戚である理由だ。
雰囲気が掛離れる訳は俺言い「規定刻み数」(誰でもキッチリ合せなきゃいけない音符)が倍増してるからで、しかもFunkでは常にチッチキと刻む場合が少ないのもあるからだろう。
もう少しFunkとスウィングの差を掘るとスウィングではチィンチッキなんて感じで、理屈では2個目の位置ズラしだけで成立するが雰囲気的には頭以外の2つが後ろに寄った感じだ。
厳密にはFunkも原理的には近似なんだが如何せん刻みが細かくなるので、大きな偏寄は与えられんし僅かな偏寄ではその効果が殆ど聴き取れなくなるのが違っている。
その結果半ば必然的にスウィングは間隔の狭さ具合で、Funkは間隔の長い場所の加減でその表現をする事となっている。
JazzのCymbalレガートは全然聴こえん程3つ目が小さいのは不許可であるが、それよりもチィンチッキ、チィンチッキの下線部分の間隔の狭さが命だ。
現実的には4Beatはテンポの速いのも多いから必ずしも偏寄量が多いと言えぬが合せにゃいかんのは4つだけ、Funkは少なくて8・ウネリ許容があっても16とBeatの縛りは遥かにキツイ。
失礼な表現をするとこの厳しさから逃避したのがDiscoとも看做せ、ホントは16Beatの癖にドンタンドンタンの4つだけ合せりゃOKってね。
何れにしてもこんなの楽譜的には旧来のしきたりからすれば脱法行為そのもので、結果的に譜面で正確に表すのが不可能となってしまった。
けれども音楽って元は譜面より先にあった物で、便利ではあるが譜面に縛られるのはあべこべだってのの証明でもある。
大体に於いて人類なんてものは善より悪に妙な興味を抱くもんで、しかし音楽のリズムがちょっと位寄ったからって誰も被害を被りはしないのだ。
盗みや殺しは悪そのものだがこう云う害の無い物は、それこそ楽しい悪戯と認識して大いに享受してええじゃないか。
<つづく>
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