音楽備忘録⑮ Mixer卓の話しⅠ:入力Jackの実態とGainツマミ
今回からとある事情でクソガキに教えるニーズが生じたが、口頭だけでは忘れられるだろうし個人宛だけに綴るのも億劫ってんでこうする事にした。
また普通の説明書的なものならそれ自体を読めば済むので、書いて無いけど知らんと不便なのをなるべく取上げてくつもりだ。
普通なら信号経路の概略としてチャート図等から行くべきだがそれは取説に載ってるのもあるので、最初は入力Jackの実態辺りから始めよう。
その1は間違えて挿し込めちゃうヤツで、MicシールドからのPlugがPhoneタイプ(標準プラグ)の場合等。
昔は一般用のだとCannon ConectorなんてMicにも卓(ミキサー)にも付いて無かったが、最近は音楽用のとなるとPhoneの方が珍しくなった。
が完全に無くなっては居ない様でそうすると、現行卓ではLineレベル専用のPhone Jackに挿さってしまう。
他に電気楽器でもシンセみたいに出力がLineレベルになってればバッチリだが、PreampレスのエレキGuitar・BassのシールドでもPlugは全く同じのだから挿さっちまう。
が、それだと信号レベルのミスマッチ等で必要な音量迄上げられなかったり雑音がとても増えてしまう。
しかも近年は知ってる人には草臥れて知らん人にはより分り難くなったのが、CannonとPhoneの兼用Jackだ。
1つで両方扱えるのは場所を取らなくて良いけれど、Plugの抜き差しがかなり固いのが多い。
もし親切設計でどっちのPlugを挿してもMicとLineの感度切替が可能なら平気だが、誤った接続をしててもそれがとても視認し辛くなってしまった。
因みにPlug・Jackは抜挿しの固い方が接触不良が起こり難そうに思えるが必ずしもそうでも無く、固くて助かるのは間違ってケーブルが引っ張れても抜け難いのだけだ。
信号レベルミスマッチも含めその2のGainツマミへ入るが、そもそも卓にはFader(直線的に動かせるボリウム) って音量調節ツマミがあるのに何で2重装備されてるかだ。
これの意義は現代では「歪ませる心配無く音量調節が出来る」事で、完全では無いものの有無で結構な違いが出て来る。
理屈的にはGain(時々Trimとも表記・呼称)ツマミは入力感度最適化用で、Faderが音量調節用だ。
なのでどっちのツマミでも音量を変えられはするが決定的な違いがあって、Faderなら音量ゼロに出来るがGainではそれが出来ない。
この分業制度はその昔なら雑音低減にも大いに効力があったがデジタルではそれよりも、例えばソロの時に大きくして元へまた戻す場合を想像しとくれ。
音量ツマミが1つだけでも出来るけれどその場合一定値より大きくすると歪み始めるが、他の沢山のと一緒に聴いてると僅かなオーバーで僅かに歪み出しても感知し難い。
だが単独で目一杯弾いて貰って歪まない処へGAINを設定しとけば、その時Faderをフルアップにしといたなら後で歪む心配を無くせるのだ。
またこれにはもう1つ意味があって、Mixingのやり方を示唆してくれる。
もしソロパートのFaderをフルアップにしても音量不足だったらどうするか?、でも上記設定済みだったらそれ以上大きくしたらもう歪んじゃうから出来ないよね。
すると他のをバランスが取れる処迄下げる事となるが、それこそが正にMixingなのである。
この手の音処理作業では人は増やすとか加える方だけに意識が向きがちだが、機械には明確な限界があるからインフレ一辺倒なんて不可能なのだ。
必要次第で抑えるとか控えるって意識も大切で、実際の作業では盛るのと削ぐのの両方への意識が同等なのが一番好結果が得られるのだ。
因みに近年のPC USB接続オーディオインターフェイスだと、本体にはMic入力にGainツマミしか付いて無いのもあると思う。
これFaderはPC内のソフト(アプリ)に付いてるからで、ツマミの場所が実機Mixer卓とは分離しちゃってるが内容には違いは無いですから。
<つづく>
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