音楽備忘録⑲ 基本的な歌唱の話しⅡ
今回は声量の意義についての考察ですが最近はより体裁を気にするのか、皆さん妙に控え目なご様子ですね。
確かに大昔のもう殆ど暴力的怒鳴りだけの軍歌みたいなのは、一緒に叫ぶなのら未だしも聴くだけの人にとっては殆ど騒音公害なだけではありましたが…。
先ず冒頭に指摘しときたいのが話し声と歌声の音量バランスで、本来であれば危機的状況以外でなら歌の方が大きくて当然な処だ。
それが近年は若者なら友人とのやり取りで興奮した時とか、年寄りならキレた時とか酔っ払った時の方が大声ってのはどうにも頂けない。
歌った時と上記のを両方を目に出来る機会は少ないかも知れんけど、「迷惑なら掛けられます」ってなるんだから可笑しいよね。
偶然だとしてもそうなってれば自らの体裁を崩すより迷惑掛ける方が平気ってなって、信用を失うのにも繋がる危険があるんですがねぇ。
とは言え歌でも恰好悪くても平気な人は少ないだろうからここで救いの手となるんだが、小さく歌えば必ずコントロールし易いのかを良く考えて欲しいのだ。
実際声量だけに注力したら他の部分は制御出来なくなるけど、それって大きくする方だけに作用するのかが考察点だ。
例えば興奮してる時にヒソヒソ話しをしようとしても、僅かな気の緩みで所望より大きな声が出ちゃったりするじゃない?。
一番声の制御がし易いのは「状況に対して自然な声量」の時で、それ故会話より小音量で歌っては実は制御はかなりし辛くなってるんですわ。
俺から見ると良く皆あんなにオシッコ我慢してるみたいな状態で歌ってるわと、ちっとも憧れないけど感心しちゃうよ。
ここから少しそのメカニズムを説明してくが小声歌いの最初のポイントは、出せる音量の大小範囲をわざと狭めたのと同じになってる処だ。
何かの加減が要る時にその幅が狭まれば、とても微妙な調節が要求されるんだから困難化するのだ。
それとこれが多分最大の影響が出るんだが、声量を制限すると本来は出せる高音域がその分出せなくなる処。
小声で高い音を無理に出そうとしても出ないだけで喉を傷める心配は無いけれど、それって一番高度なテクニックを要する部分なのだ。
人にはそれぞれに音域があるもんだがその端っこになると、誰でも音程を出すだけで精一杯になるもんだ。
高い方で限界に近付くと大きい声でしか出せなく、低い方の限界近くでは小さい声でしか誰でも出せなくなるのだ。
この時高い方はうるさくなって困るけれど、歌の場合は低い方で聴き取れなくなる方がもっと困る筈なのよ。
これを現代的!?にド素人でもMicで歌うとして、ウルサイ高い音程の時はMicを遠ざけなんてのが所謂マイクワークってヤツだ。
だから低くて小さくなる時はMicを近付けりゃ良いんだが、ここで所謂ボーカル用Micの性質が問題になって来るのだ。
見た目か流行りかは知らんが今時歌用ってば例え模倣品でもShure SM58タイプの独壇場で、このMicは兎に角ハウリングし難いのを最優先の設計としてある。
これは周りがとてもウルサイ処でも使える設定なので口とMicがくっ付いても平気な位、張り付いて歌う前提となっているのだ。
結果として小さくする為に離れる方はフォローしてくれっけど、普段より近付いて大きくする方が殆ど出来ないんですわ。
まあ普通なら爆音下で小声で歌う訳ゃ無いからこれで良いんだけど、それを大してウルサく無い場所でも使う様になったから生じたミスマッチとも看做せるがね。
今回最後に貴方の歌の声量の適正診断例を提示しとくがこの手のMicだと、本来であればカラオケルーム程度の音量でだとまともな使い方をしてたら絶対にハウリングは起こらないものだ。
もし時々「ピー」とか「キーン」なんてハウリングが起きる様なら、よっぽどMicが口から遠く無い限り歌声が小さ過ぎる証だよ。
<つづく>
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