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2019年8月 8日 (木)

音楽備忘録① Funkってどうすりゃ演れるのⅠ

こないだ従兄からちょっとした質問を受けての話しで、有名女流ドラマーさんからの質問の悪く言やたらい回しであった。
なんて意地悪を止すと少しでも正確な情報を提供しようとした結果みたいだが、俺的には質問自体が若干本質からズレてたのが気になっている。

その内容は「ファンクにホーンセクションの入ったバンドって、最初にやったのは誰」で、恐らくはルーツから新たに学びたかったのであろう。
最近の本邦では概述の如くラジオでスタンダードが掛らんのやさかい尤もな感じではあるが、Funkの場合はDisco等と違って少々特殊なのである。

音楽ジャンルの細かい部分の発症は大別すると2つのケースが想定されるが、自らが勝手に名乗り出して流行らせたのと聴者側から徐々に呼ばれたのがあると思っている。
前者は極端に言えば内容は従前のと僅かな差しか無くてもイメージの問題で、単に広く認知されれば出来上がりだ。

またある意味専門化が定義を考案してるのだから実際の効果の程はさて置き、分類したい時に判断が曖昧で困る様な事は起こり難い。
しかし後者のパターンはその頃の聴者の印象が主体であるから、厳密には実体験でしか判別感覚を獲得出来ないのだ。

この点でDisco等の様に特定のリズムパターン等があれば良いが、Funkは実に曖昧で理屈で考えるのは限り無く不可能に近いのである。
この際ってんで言語自体を生まれて初めて調べてみて、驚愕の事実を知っちまったい。

Funkの訳その1は臆病・憂鬱・その2は何と悪臭って、オッタマゲーのげーでやんす。
ここ迄だとちっともあの楽しい音とリンクせんでどないなっとんねんやが、どうも悪臭が事の発端だった模様だ。
全く嫌な気分にさせられるが当時の白人が黒人に対して勝手にでっち上げたイメージで体臭に対して使い出したらしく、体臭って実際は肌の色が薄い程強いもんなのにねえである。

こうして当初は悪意のみで使われ出して言葉に裏用途が生じ、それが段々と毒部分が時間経過で浄化され違う意味が主体へと変わって行ったらしい。
臭いは臭いでも泥が頭に付いて泥臭い、原始的或は根源的ってのが加わる。

これが黒人が奏でる音の特徴を象徴する様になって、第3の意味である奴等の音は「Funky」だってな具合だ。
因みに今でも上記1と2の訳も健在且つ順番もそのままなのだそうで、うっかり知らずに変な使い方をあっちでしたら撃ち殺されそうだ。

って何十年もどっぷり浸って演って来た癖に酷く杜撰であるが、苦し紛れの言い訳かもだが感覚だけで捉えてたからこそ何となくマスター出来ちゃってたと思えるのはある意味本質にはちゃんと沿っていたってか。
恥を忍んで(恥じらいがあるとは思えん俺だが)こんなのも掲出したのは、それだけ感覚的なだけのものなのを知って頂く趣旨で御座居。

感性の芸術たる音楽なんつったって実際演るには49%は頭を使った方が好結果が得られるが、もし理屈が感性を上回るとこう云う部分は手に負えなくなるのだ。
Funkであれば今では過去例が沢山あるから似てれば通用するかも知れないが、核心はFunkyかどうかであってこっちは形なんか存在しないのだ。

その昔ヤクザ映画を見終えた人達が映画館から出て来ると、入ってった時と違って皆ひっかしがった姿勢でゾロゾロ出て来たりしていた。
要するに強烈に看過されてすっかりその気になっちゃって、まだその白昼夢から覚めていなかったからの現象であろう。

例えばそんな風に完全だろうが不完全だろうが、先ずは気持ちだけはその気になってしまうのがこの手のには必須条項なのだ。
ヤクザ映画の場合は目付きが悪化したり猫背になったりと姿勢に一番出そうだが、Funkの場合はそこが「気分の問題」なのである。

<つづく>

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