音楽備忘録⑥ Funkってどうすりゃ演れるのⅥ
所謂Funkとは少し違うIsley Brothersも引き合いに出したが、変な誤解を与えてもいけないのでもう少し加えさせとくれ。
その訳をこれから暫し記すが他のと比べて一番ドラムに依存せずにうねっているからで、その原因の俺分析ではどうやらBassのノリが鍵を握っている様だった。
これを演ってるMarvin Isleyも時間の経過に沿って段々スラップを多用する様になってたが、スラップを不使用でもFunky度に何の差も無かった処が注目点だ。
イメージ的に近年だとFunk≒スラップな気配を感じるが、Funkの全盛期のBassには思いの外スラップは少なかった。
ちょっと意地悪になるやも知れんが非スラップでFunkyにするには、ある意味非スラップを感じさせぬ様なフレージングとタイミングが要る分高度とも考えられる。
それとそんなのを演ったFunkyな連中は余計な拘りとかが無かったからか、スラップも上手い癖に指弾きはおろか平然とピック弾きすら持ち出す始末であった。
かなりマイナーでコアヲタな例になって済まんがInstant Funkってグループのデビューアルバム、Get Down with the Philly Jump(’76)の1曲目が中々に凄い。
これIt Ain’t Reggae(But It’s Funky)ってのだが、オートワウの効果を最大限に引出す為かピック弾きになってるのだ。
俺みたいに古いのを聴き慣れていてもこいつ等以外でFunk Bassのピック弾きはAverage White Band位しか思い浮かばんが、内容充分ももしやサムピングが苦手なのかと一瞬過った。
何せ10曲中9曲目迄典型的なスラッピングが出て来なかったからなんだが、最後の最後に至って高速サムピングが炸裂し寧ろ一番得意だったのねとなった。
当時は他のでも今より曲中全部をスラップで通す方が少なかったが、その辺も含めてスラップに頼り過ぎる危険みたいなのを感じている。
スラップは効果を最大化しようとすると自然と跳ね気味になる事も多いが、それは必ずしも曲のリズムの完全把握とかノリに完全に嵌れてたから跳ねたとは言い難いのだ。
また全く個人的な掟!?だが俺はピックも指もスラップも何時も使いたいから、極度に奏法に特化した様な弾き方やセッティングは敢えて避けている。
高速スラップは軽く小さく弾かないと苦しいがその為に細い弦を低く張ったりしてると、今度は指やピックで太く重い音が出せなくなってしまったりする。
曲単位での変更なら楽器を持ち替えたりする手はあるが、それでは1曲の中で自由に適した奏法を選択するのが無理となってしまう。
現実的には普通のピックでは一旦意図的でも落してしまうと、休符が無ければ即持ち直したりは出来ない。
なのでどう頑張った処で完全に制約を無くせはしないが、曲事情では無く奏法都合でAmpの設定を毎回変えるの等は配慮さえしとけば回避出来るのだ。
この様に何時でも何処でも使える様にするには悪い意味での最適化が為されてては不都合で、それはリズムのタイミング等の件でも同様だ。
今回案件では編成・奏法に頼り過ぎていたら危険かもって事で、初期のChuck Berryみたいにバックが全員JazzでもしっかりRock出来ればもう無敵だ。
そして奏者がそう云う状態になれた時、何時でも何処でも必要とあらば必要なだけ跳ねさせられる様になれると思うのだ。
取組み始めは分かり易いのからの方が断然良いが、本質をマスターするには「見付け難いが跳ねてたじゃん」みたいなのが最高のお手本となるもんなのだ。
<つづく>
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