音楽備忘録㉓ Mixer卓の話しⅠ:バーチャル機とリアル機の相違Ⅱ
前回その方式・原理の都合でデジタルは音色生成が苦手なのをバラしちまったが、若干ヲタ度向上ももう少し内容詳細に触れとく事にしますわ。
単に沢山提示すりゃ理解されるもんでも無いんだけれど、それ位色んな原因があるから苦手ってのが少しでも感じて貰えると嬉しゅう御座居ます!?。
デジタル音響電子回路内で音色へ貢献出来る部分は先ず劣化の少なさで、それ以外ではせいぜいジッター(Jitter)の改善程度しか無い。
ジッターは和訳すると「いらいらする」等だそうで、音が本来より時間的に僅かだが早くとか遅れて出てしまうのを指している。
それもずっと定量的に変化する(これはレイテンシ)のでは無く、突発的にとかランダムに発生するもの限定だ。
依ってアナログでは録音機みたいに記録メディア部分の機械的精度以外では、原理的にレイテンシはあってもジッターは発生しない。
これは全体的には高性能なデジタルでの完全排除不能な数少ない弱点であるが、この手の微妙な失態こそが案外「音色の印象」には大きく影響する様だ。
アナログでは結構な劣化があってもそれが定量的なので不完全ではあるが少しは補填可能で、代表例の高域の減少ならEQ等で手当てが一応出来る。
だがデジタルでは基本的には回路内の担当LSI・IC(集積回路素子)自体を高級化する以外道が無く、設計側としてはほぼ素子機種選択とその組合せが腕の見せ所となっている。
楽器界では古典的で手の掛かる物でも全部が歴史物化しては居らず、一部は結構未だ日常的に使われている。
乗物でも特に味に拘るとこっちは非日常的ではあるが、SL(蒸気機関車)も未だに絶滅しては居ない。
それ以外でも電動式の価格がかなり低下して来ても、未だ人力オンリーの自転車が街に溢れている。
音楽製作界で他と一寸様相を異にするのは旧来のの方が高コストな処で、基本的に何十年も前からあった音楽を作るのにも新しい道具の方が使われ易い様だ。
但しとても注意しなきゃいけないのが他分野ではシステム刷新と並行して機能拡大が図られてるが、こっちでは寧ろ削られてる部分の方が多くなってる処だ。
計算に基づいて合理化される度合いが上がると数の売り難さを問題にせざるを得ず、現代の製造システムでは数が少ないと内容に比例しない高コストとなっちまうからね。
だがその代り昔より少ない予算しか無くても、取敢えず始められる様になったのは悪い事じゃない。
これを毎度の妙ちくりん比喩へ持ってけばスマホはインバータエアコンで黒電話は扇風機に対し、実機卓が旧式クーラーでバーチャル機は一時話題になった「羽根の無い扇風機」ってな按配だ。
昔より窓を開けてられなくなったし夜中でも暑くなったから、人が長く居る場所では扇風機では耐え難いし熱中症の危険がある。
だが録音なんて一般生活の中で見たら廊下を通ってる瞬間みたいなもんだから、クーラーが無くても生命の危険は殆ど無いからなぁ。
でもじっとしてる部屋でよりか大抵は誰でも何か作業してる台所とか、洗濯機も回ってたりする脱衣所の暑さってかなり苦痛になる事があるじゃない。
だから多分無意識だとは思うけど道具に変な制約なんかなるべく無い方が良いし、売る側には申し訳無いけど「気付き難い欠点」は使う側にとっちゃ最悪なんだよねぇ。
近年本邦じゃ何でも忖度で既得権益の為に必要な正しい情報が得難いのも困りもので、穏健な従兄も流石に最近の太鼓雑誌の錯誤練習法にはキレちゃってるわ。
何が不味いって怪我したり体を壊す危険性があるからで、責任取る気なんてどうせ無いならせめてそう云うのだけは絶対避けるべきなんだけどょオ。
こう云うのって視野の狭さが原因で、これからの時代国内だけを対象にしてたんじゃもうお話しにもならんのだがなぁ。
だってさぁYoutubeじゃあらゆる国のあらゆる音楽が、隣り合わせになって出て来るんだものよ。
すべからく自衛策ってか人夫々ニーズだって違う訳だし、情報や知識も受け身だけで済まそうとするのは危険だし無理がある。
自分にフィットするのが何時も新しい物になるとは限らんから、新旧やデジタル・アナログ等の枠を取り払って検討しないとね。
<続>
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