多重録音備忘録Ⅱ⑱ 電子素子速度と音の関係Ⅱ
本日はフォトカプラ大会を開催するが、無理くり日本語化すると光結合器なんて変な名前になるが一体何者か。
こ奴が生まれたニーズは電気的に2つの回路を隔離する為だった、って余計分り難くしちたったか。😓
苦し目の例えをするならトランス等も同じ部分を持っていて、電気を一旦磁気に変換して受け渡しをしている。
トランスでは主目的は電圧・電流の変換だがそれだけで良いならCoilは1つで良く、例えば100回巻かれてる10巻きの部分からタップ線を付けて取出せば1/10の電圧に変換出来る。
だが一番お馴染みの普通の電源トランスは最低でもCoilが2組に分かれてるが、こうしとくと1次側AC100Vが直接2次側へは繋がって無いから感電事故を防げるのだ。
これが2つの回路を隔離するニーズの代表例だが、これ以外にも必要性が生じる場合は色々とある。
この中で電圧・電流変換等の機能が不要で、その代りもっと小さく軽く出来ないかの要望に応えたのがフォトカプラだ。
ここでは更に音楽関係に利用して効果があるタイプの物へ絞ってくが、それが俗にアナログ・フォトカプラ等と呼ばれているCdS(硫化カドミウムセル)フォトカプラだ。
古くは普通の電球やネオンランプを現在は主にLEDを光らせて(制御側:発光素子)、明るさで抵抗値が変化するCdS(作用側:受光素子)を動作させる構造だ。
イメージとしては光の明暗でボリウムやFaderのツマミを動かしてる様なもんで、制御側で生じた雑音等が制御される側へ原理的には混入しないのが特徴だ。
更に増幅素子では無いので素子自体が発する雑音は無きに等しく、瞬間動作じゃないからこそ所謂Clickノイズも出様が無い利点もある。
Guitar Ampの入力ch切替等は後で盛大に増幅するので僅かな雑音でも酷く大きくなってしまうが、そんな用途にも向いていて実際俺も現メンバーのAmp修理・改造の際にこれを用いている。
この部品は先ず光らせてそれを受けたら抵抗値が減少してのプロセスを経るのでその分時間が掛り、作用の仕方も一気には変化せずジワリと動作する。
本来遅いより速くて反応の良い程良い部品となる処だが、音を扱う場合速過ぎると音波の波形を壊したり雑音が出たりする場合が多い。
なので半導体で切替える物もわざと急激に切替わらない様な工夫を追加されてるのが多く、それだけ手間を掛けても心臓部が増幅素子な為素子由来の雑音が例え僅かであっても強制的に追加されてしまっている。
実際はやれ早い遅いっても人が計るのなんか無理な程少しの違いであるが、差し詰め出てる音を止めるのにスイッチを切っちゃうかサッとボリウムツマミをゼロに捻っちゃうかの様な違いだ。
そもそも電気にも突入電流等と呼ばれる現象があり、急に電気を流すとその頭の部分だけ大きな電流が流れる性質を持っている。
これがスイッチングノイズの正体でスイッチOnが無音時ならかなり小さくなるが、どんなに僅かでも通常雑音ゼロって事ぁ無い→無音でも電流有となるので結局急にだと無くせないのだ。
尤も近年の音響機器は何処を急に弄っても雑音が出ない様な回路が追加されてるから体験し辛そうだが、例えばGuitarなんかを弾いてる最中にシールドが急に抜けた時とかは大抵は無事では済まないよね。
すべからく音を扱う回路ではジワリと動作するのが向いていて、そうすると音の改変や雑音付加が一番回避出来るのだ。
リミッタ等では電気で記録する為の最適化とも看做せるので音色だけを気にしてられない側面もあるが、例え歪まずに済んだって使えない音になっては本末転倒だ。
しかしこの用途でなら今はデジタルの波形編集でそのブロックだけ選択して、上下高さ(音量)を縮めちまうなんて「嘘が簡単につける」!?様になった。
これはある意味非リアルタイム編集で、この面ではデジタル(PC)は時間を止めるタイムマシンと考えると良さそうだ。
止めとけば何でも自由に変えられるが裏を返せば止めて無きゃ無力な訳で、レイテンシ案件等も含めると意外とリアルタイムは苦手なのが想像出来ると思うがどうでしょう。
<続>
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