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2019年7月13日 (土)

音圧感科学館⑦ デジタル録音とCompressorⅤ

前回は音圧向上の原理的部分を記したので、徐々に楽器別等へ進めて行きたい。
クドイがデジタル録音ではレベルオーバー不可なので、そこそこアナログが絡んでる時とは別物との認識が必要だ。

俺言い「完全デジタル録音」の内容は1に音源がそうで、収音でもLine録りしかもデジタル→デジタルの事を指している。
と例に依って大きく出といて腰砕けっぽく見えるかもだが、音源の更に音源は生であったり既にEffectが掛ってるのもあるだろう。

しかし少々技術的背景を披露すると、圧縮度の高い音をExpanderで伸長出来ると言っても大きな問題がある。
もしどの様に圧縮したのかが完全に解明出来れば希望も出て来るが、キッチリ真逆を出来ん限りは何処かに違いが残ってしまう。
これが昔のテープ用のdolby等だったらかなり厳密なお約束(規格)が制定されてたから、全アナログであっても実用上問題が出ない様に配慮されていた。

だがサンプリング音源ではその加工方法等も技の内で、門外不出だし非公開なのも当然だから調べ様も無い。
それに余程特定の物以外は使える範囲は広い程良いので、本来はそのままでJ-POPの極端なのみたいに最初からはしときたく無いのである。

故に特に生楽器系のだと高音質を標榜する物程加工は少ないし、極端なPeakが含まれててもそんなに弄って無い筈だ。
今本邦では高音圧が全盛で主流だが、低音圧でスッキリサッパリした物にしたくなる場合だってあり得るからね。
となれば特殊な例を除くと「加工済み音源だから」と楽をしようっても、そう云う機会が訪れるのは稀そうだ。

では今回はエレキBass・スラッピング・Line録りを生贄に捧げるとして、何時もの様にスラッピング自体から行ってみるぞ。
今ではスラッピングだとLine録りの方が圧倒的に多そうだが、これも最初はAmp録りから始まってた物だ。

メジャーでの始祖たるLarry Grahamの談話では、打楽器不在Liveでの次善策から始まったとある。
俺的にはこれの「Live」がキーワードで、それに依ってAmpの設定等に制約があった事となるのだ。
メジャーっつってもLarry氏が売れたのはスラッピングが知れ渡って受けてからであって、始めた頃に出力に余裕のあるAmpを何時も使えてたとは到底思えんのよ。

これに基づいてスラッピングサウンドの形成条件を整理してくと、
1.弦を打付けるのとそれ以外の弾くのでは打付けの方がPeak音量は大きくなる
2.必要音量≒Ampの最大音量→普通に指等で弾いて歪みが許容範囲に収まる程度のAmpのGain
3.ヘッドルームに余裕が無いから打付けた分にはパワーコンプレッションが必ず掛る
となる。  

これがもたらす結果は音色的にはパーカッシブになるが、電気的には耳に感じる程突出したPeakは表れないとなる。
これはバランス的に大きい基音だけ「ゆがみ」で抑えられ・弄られなかった倍音は相対的にバランスが上がり、尚且つ元からの倍音の他に歪みが加わってトータルの倍音含有率は上がってるのだ。

どう云う事かっつうと「打付け」は通常より時間はとても短いが弦振幅が大きいので、その瞬間の基音と倍音の割合は音色に反して基音がとても大きくなってるのだ。
確かに指の腹で弾くよりは倍音は出るけれど、意図的にハーモニクスを鳴らしたりブリッジスレスレを硬く尖ったピックで引っ掻くのよりは全然少ない。

それでもネック寄りを指で弾いたのより耳には基音が少なく感じるのは、沢山出るのは打付けた初回だけだからだ。
弦が指板等に衝突して途端に振幅にブレーキが掛るからで、しかも初回のも基音と云っても衝撃音でそれに一般的な音程感が無いからだ。

因みにこのブリッジスレスレ…をわざとやってるのがクラビ等で、生ピアノがフェルトで叩いてるのに倍音を結構出せるのもその場所が弦の「端っこ」だからだ。
ピアノも硬いので叩きゃもっと倍音は出せるが、それやっちゃうとお姉ちゃんのチェンバロとの差が減るからね。
バスドラムのビータがデフォルトではフェルトで皮の中心狙いってのも、兎に角何を置いても圧倒的に低い音が欲しいからだ。

しかし電気楽器のBassでは楽器だけで作れた音色では無いので、Line録りの場合パワーコンプレッションの分が無くなる。
そこでLine録りの方を自らの音色とするBassist等だと倍音獲得の為に、弾き辛くなっても指板の後端では無くRearpickupを叩くイメージ位後ろ寄りで弾いている。

因みにⅡでAmp+スピーカよりLine録りの方が不要高域迄拾える程だが、そんな音場でAmpの時と同じ帯域に留まってると何だが隅っこに寄ってる様な感じとなってしまうのもある。
細身でプロポーションが良いと単独では平均身長位に見えてたのが、他人と並んだらチビなのがバレちゃったってなもんだ。

兎に角これで倍音含有率をクリアさせると、電気的にはより一層ピーキーな波形となるのだ。
そのせいかスラッピング率の高いBassist等程「歪むコンプ」を欲する傾向が強い様で、しかし全デジタルだとこれは結構厳しい物がある。

幾ら頑張ってもこの用途には「向いて無いデジタル」で途方に呉れる位なら、何かしらの真空管物を持って来てしまう方が手っ取り早くなる。
それも無理な場合音色との兼合いはあるが上記の様に太鼓に近い位ピーキーになってるから、これも「コンプの前にリミッタ」がお勧めなのだ。

<つづく>

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