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2019年7月17日 (水)

音圧感科学館⑪ デジタル録音とCompressorⅨ

前回のを受けるとデジリバなんかと比べたら、折角デジタルになってもコンプは信号検出・分析・指令部分に随分知能の低さを感じざるを得ない。
もし「お利口さんなコンプ」なんてのが
あったりしたなら、俺視点での「J-POPの悲劇」なんてのも起こらんかったかも知れない。

けれどもその役割が原音場の再現とかじゃ無い以上仕方無いとも看做せるし、それこそ恐ろしくお利口なデジリバがあるのだからとも言える。
資本主義の世の中で機器も高集積化が顕著となると、予算が計上されんと新規開発は困難となった。
最近では高度な物には専用部品を作る必要があるが、売れる確証が無いとそれが危ないのだ。

では何故「お利口コンプ」が売れなさそうなのかだが、専門家視点では録音が向上したからなのである。
昔とは段違いにそのままが記録出来る様になったんだから、元さえ良けりゃ加工なんて要らんでしょって考えだ。
処が無責任な音楽屋は少しでも楽しようとしたか、こんなに機械が発達したんだからそっちで何とかしてよとすっかり堕落しちまった御様子だ。

心理面から考察するともしコンプが今でもこの世にたった1つしか無かったなら、非音響屋で音楽屋の人でも使い方をキチンとマスターする気力が湧いたかも知れない。
でもこんなに色んなのがあると本来は有り難やぁだが機種選びの段階でもうてんやわんや、俺みたいな専門のベテランですら完全網羅する気になんか到底及ばん位だ。

現況では理想的には音楽屋は演奏に・音響屋音創りに専念するのが適してるが、音響機器のデジタル化率が高いせいか音楽的にクリエイティブな人材が昔より音響に来なくなってしまったと痛感しとる。
電子技術的には優れたデジタルも何でも一様に数値化するせいで、人間の直観的操作とはどうも相性が悪いからかね。

音響屋もオーディオ相手だったら未だしも、音楽相手だったらかなり音楽自体に精通してないと厳しい。
特にLine録りみたいに奏者が「創れる場所」が少ないと、音響屋の負担が更に重くなっている。
しかし機械・電気好きな者程どうしても芸術方面等感性への興味が薄くなる傾向が否めず、またここでも2極化ですかいってな様相だ。

音響機器が本体も操作も複雑化した上感覚を反映し辛くなってるので実に厄介だが、総体的には演奏が昔よりは楽になってるのを音楽屋は噛締めて頂きたい。
一発録りしか出来なかった当時だと音量バランスは演者自らで取るしか無かったし、そんな色々があるのに誰かが一寸しくじっただけでもう全員で頭から又演り直しだったんだからさ。

何時もの如くこのままだと迷惑なだけの選挙演説みたいになってもアカンさかい先へ進めるが、何処の世界でも最近は予め学ぶ範囲がだだっ広くなっている。
そんな中最初から狭い範囲だけを追及したりすれば、どうしたって本筋からはズレ易くなってしまう。
なのでもう少し浅くても構わんから、先ずはベーシックを一通りマスターしてからにしましょうや。

個人的認識に過ぎぬが近年は何でもコンプCompの1点張りで、リミッタとかレベラ等他の呼称が随分とマイナー且つ巷でご無沙汰な様だ。
コンプでも多様な使い方があるのさえ分かってりゃ呼び名はどうでも良いけれど、理解不充分の内は名称が異なる方が「どっかが違うらしい」のが分り易いのではと思う。

そこで最初に分別されたいのが音量レベル目的のと音色目的のの判別で、極端な話し音色演出主体のだけがコンプなのだと思い切って思っちゃって頂きたい。
レベルオーバー防止だろうと音圧向上だろうとそれは「音量案件」で、それなら最低でも用途としては本来リミッタやレベラなのだ。

これは慣習的要素も強いので世間ではコンプの方が通じ易いが、エレキGuitarのVibratoとTremoloの内容と通称が逆転してるのと似てるかも知んない。
昔のFender Ampに付いてたVibratoは実際にはTremolo(音量を大小させる)効果で、StratのTremolo Armの方が音程を上下させるVibrato効果となっている。

尤も使う上で間違える様な支障が無くば学術論文じゃないんだから気にせんでも構わんが、コンプの方では多くの者が盛大に勘違いしちゃってるからねぇ。
なので普段なんと呼んでも全然結構だけど、概念だけはキープしとかんとアカンがな。

さて音が空気の振動って前提である以上、現況では無空気で聴く事は不可能だ。
また単に聴こえりゃ良いなら骨伝導なんてのもあるけれど、普通に音楽を楽しむ場合は先ず耳でである。
すると量の多少はあるけれど必ず「空気のクッション」が、常に音源と聴者耳間に介在する。

これは通常音源より耳では必ず音波のPeakが緩和鈍化されてるのを意味し、楽音の「Peakだけの状態差」は想像程は音色に直接は関与して無い事になる。
しかし前回迄に記した如くPeakの程度によって「Peakの後」の部分には大差が現われるので、ここがどんなかは音色に著しく影響がある。

また音圧と音色にも密接な関係はあるけれど貴方が欲しい音の見極めが一番大切で、ホントに音圧が欲しいのか音圧感に優れた音色が欲しい等のどっちなんスかで御座居やす。
Peak抑制に重点を置けば遅いコンプは使えんので、スッキリ綺麗には出来たってアタック時間をそれなりに温存して太くするのが無理になるからね。

最後にプチ呼称解説をしとくがリミッタは直訳したら制限機の通り、設定最大音量以上が出ない様に制限する物だ。
Compressor(コンプ)は上へ倣うと圧縮機で音響用以外のはまんまだが、機器的には大きい音を確かに抑えるけれど総合結果としてはどっちかってぇと小さい処が大きくなると捉えても良さげだ。

レベラ(レベラー)が今では一番難解そうで建設関係者なら水平器(水準器)を思い浮かべるだろうが、音のだと平坦化はするが通常完全に曲頭と終りを同一音量にしたりする訳では無い。
強引な日本語化をすれば平均音量上昇機ってな処で、音的な最大の特徴は音色的改変が一番少ない処である。

今は自動録音っつうと音がしたら勝手に録音が始まるのの方を指すだろうけど、録音がアナログだけ時代の素人向け機器のそれは「録音レベルの自動調整」の事でこれが誰でも知ってたレベラの代表だ。
露骨に歪んじゃ駄目だが音が変わるのも困るこんな用途を満たす方法として、意図的に調整速度を遅くしてあるのがミソなのだ。

阿保みたいやが反応が早いとリミッタやコンプを掛けたみたいに「音が変わっちゃう」からで、掛けたのがバレ難い様にこっそりゆっくり裏で細工ってな按配になってるのだ。
音色はコンプの方が高音圧ぶりっ子だが、従ってホントに上がるのはレベラの方なのだ。

<続>

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