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2019年7月30日 (火)

多重録音備忘録Ⅱ⑮ PCでの楽々編集Ⅰ

マイナス面ばっかじゃ不公平って事って、今度は得意分野とその特徴へ行ってみよう。
その筆頭ってば幾らでもやり直せるのと無劣化だと思うが、これはアナログ時代には絶対的に不可能だった。

またこれには他の発展性も含まれてて、デジタルDataの無劣化コピーを持参すれば別の場所や機材でも作業が可能だ。
アナログテープ時代は厳密に管理調整されてれば未だしも、テープヘッドアジマスや速度の微妙な差等からの問題を危惧すれば録ったレコーダで掛けるしか無かった。

しかもテープ速度が速いのもあってメディアの耐久性からと、連続使用時のヘッド部等の汚れもあったから再生回数に限度があった。
この面では今と比べたら録音なのにかなりLive寄りで、自分でオープンマルチ機を持って無ければ借りる費用の問題だってあるから尚更拍車が掛ったもんだった。

これは「慌てる乞食は貰いが少ない」式で心理的影響も加味されるから、限られた時間内でより失敗を招き易い環境だったと考えられる。
尤も人間には上記の他に「火事場のバカ力」なんてのもあるから、好環境だからって必ず結果が向上するとは限らないのが要注意だ。

ここらから具体的に進めるが、先ず編集での最大のご利益は概出マスタリングだと思う。
原版さえ残して置けばってのはアナログでも共通だが、保存スペースと劣化不安の部分が大巾に異なっている。
そしてデジタルなら弄り方さえ誤らなければ、加工済みの物へ更に加工を加えても劣化しない。

この内保存についてはアナログではホントの原版オンリーだったのが、デジタルではメディアの種類からして自由に選べる。
ついでで今更乍ら例外を挙げとくと、テープ式adatのテープ原版では冷や汗をかかされた。

個人的に録音のデジタル化願望が皆無だったのが時代と合わなかったか、テープ式adatのDataをデジタル信号でPCへ取り込む準備を全くしていなかったのだ。
それが予想に反し時間の経過でテープの方は平気だったのにレコーダの駆動系のヘタリが先に来て、再生だけギリギリセーフな状態を迎えた。

その頃はまだ仕事に頻繁に必須だったので、何も考えずHDD式adatの中古を慌てて購入した。
兎に角元テープのDataを再生可能な状態で保存したかったからの措置で、同時にPCへのインターフェイスも漁ったがそっちは駄目だった。

このadat HD24にはLAN端子が付いてるがそれでの接続は上手く出来ず、7割方俺のせいとは思うも中古品で状態不明なので諦めてしまった。
だが単に放棄したでも無く救いの神たるフリーソフトが見つかったからで、これを使うとadatフォーマットのHDD(ハードディスクドライブ)を一般的なUSB変換アダプタでPCに繋げてDataの読み書きが出来る。

かなり時期的にも状態的にも際どかったがお蔭さんで、テープ→HDD→PCの経路でどうにか全Dataの保全が間に合った。
因みにテープ式adat使用期は無インターフェイスだったのもあって一旦アナログ信号でPCへ送ったりもしてたので、マスタリングも最終段階以外はPC外でやっていた。

因みにⅡでadat HD24を選んだのは中古価格の他、Dataリンクの互換性と概所持のBRCとRMBってマスタコントローラとメータブリッジをそのまま継続使用する為でもあった。
特に自分の太鼓を自分で録るのにレコーダ本体とMixer卓のメータが見えない・手が届かない位置となるので、宅ではかなり重要な問題だった。

結局デジタル録音機を使ってても編集はやり方からしてアナログ・アナクロ式で、当時不便や不足は感じて無かったが今からしたら余計な苦労をしていた様にも感じている。
特に音色等を一切変えたくない場合は…、ね。

<続>

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