音圧感科学館⑯ デジタル録音とレイテンシⅡ
我々が今回体験した事例は所謂レイテンシ案件とは少し異なるかもだが、従兄が叩いて録るに際しそう感じたってんで尊重して続けるとする。
正式に計測してもいないので推測の域を脱し得ぬが、数値的に無問題でも人感覚に支障するなんてケースもあるのでご参考にだうぞ。
従兄所持オールインワン機に俺も僅かな体験があったが、Bass入れで録音トラックが1だったからか何も違和感は無かった。
廉価普及クラスのでも単独機であるからまさかと思ったが、その機器最大数となる8トラック同時録音では実際に何らかのタイミング不安定化があったのは確かな様だった。
俺分析依ればこの機器の制御OSや信号バス速度等に不充分があったと思え、しかしその設計を必ずしも責められるものでも無いと考えている。
このオール機は電池駆動にも対応してるがそうなると電池駆動の連続時間は重要だし、って事ぁ可搬性も必要で大きく重くなっては意味が無い。
結果的に録音機とは云え単に「録り性能」だけを優先する訳にも行かず、それなりの落し所を見付けて妥協点で行ってるんだろう。
だからこそPCへUSB接続して担当をA/D変換だけに減らしたら、リソースに余裕が出来て異なる結果をもたらしたんだと推定している。
この手の機種は大人数で使う頻度は低そうだからその面では妥当な仕様設定なんだろうけど、俺みたいな古単純頭君には24トラの癖にどうして同時録音数だけ8なのとずっと違和感を持ったままだ。
出力にしたって2chステレオしか無く、それだったらPCと同じで専用機の意味無いじゃんとつい思ってしまう。
因みに前出「制御OS」はPCじゃないのに何でと思われるかもだが、デジタル論理回路を動かすには必ず指令を出す部分が必要だ。
しかも指令Data自体がデジタルなのが望ましいとなると、最低でもマイコン(マイクロコンピュータ:これも死語!?)が要る。
マイクロでもコンピュータってからにはそれを働かせる物が要り、それがOS(オペレーティングシステム)である。
PCより簡単な指令しか要らんならPCの現行OS何ぞ無用の長物だが、電気マットの温度調節とタイマーだけなんてのよりゃマルチトラッカーは指令も複雑だ。
だから昔懐かしのDOS位は必要でデジタルマルチ機も、言うなれば電気的には機能限定版低性能PCってな処なのだ。
「信号バス速度」の信号バスとはデジタルDataの伝送部の事で、ここの周波数が高い程単位時間あたりの伝送量が多くなる。
コンピュータ性能は一般的にCPUやメモリだけで表現される場合が多いが、それ等の性能を発揮するには信号バス速度が足りてないとならない。
とどのつまりコンピュータ系のは各ハードとOS等の全てが相関関係にあるが、全てに完全対応させようとするとかなり普段ならオーバースペック気味にしとかなきゃなんない。
それが只のPCだったら普段より作業時間を長める事で対処出来るが、音でリアルタイムじゃないととなると本来は限りなく無駄に近くても省けないのである。
だがそれをすればその商品は機能等からすれば割高になり、未経験者にはそっぽを向かれて当然となるだろう。
とは言え俺的には只のマルチ機にだったら無い制約を付けてるからには、その範囲内でならもっと責任ある動作が為されて然るべきとは思うんだが…。
それにしても今更こんなんで狼狽えた俺等は大浦島君も良い処だが、21世紀のデジタルでまさかとの思いに偽りは無い。
単にPCの世界では相性問題を始め理屈と実際の不一致が頻発するのは概知体験済みだったが、専用機でも起こるとなると今後が色々大変そうだ。
こっちサイドとして安全策をとるなら失礼だが、やはりオモチャレベルのは避けるのが賢明だと思った。
安くて得すんのは「使えた・事足りた」場合であって、もし主目的に不都合があったらお金を落して無くしたも同然ですのでねぇ。
<つづく>
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