音圧感科学館⑧ デジタル録音とCompressorⅥ
この際なんでホントに続けちゃい~のもっと掘っちゃい~のと行くが、個人的に全盛期のLouis Johnsonみたいな典型的Line録りサウンドは好きじゃない。
っても自分が弾くのに何時もそんなじゃ嫌ってだけで、聴く分には寧ろ快適な位だ。
これと併せて昔比でフラットワウンドの使用率の極端な低下にも触れるが、Bass本来の低音の質等では圧倒的にフラットの方が高級なんだ。
けれど色んな奏法の演り易さや悪環境下での明瞭度確保なんかの都合で、俺自身使わなくなって久しいがBass弾きには知っといて欲しい話しだ。
太鼓で対比させるとラウンド弦はシングルヘッドみたいなもんで、かなり使い方に気を付けないと軽薄で安っぽくて細い音となり易い。
特に真空管Ampの強力なフォローが無くなるLine録りでは顕著になり、後からの加工でどうにか出来る様なレベルでは無い…。
とこの位で後は各自でとしてLine録りBassには必須と思しきコンプでも、何処迄どう使うかが大問題なのが今回のお題だ。
先ず真っ先に要るのがそのお役目で、それ自体の効果が欲しいのかシミュレートなのかの分別である。
例えば病的なロングサスティーンが欲しいとか無闇にパコパコ言わせたいなら正にコンプだねだが、音圧感・迫力・荒々しさが欲しいのならそれは所詮「シミュレート」なのである。
これらは本質的に1に弾き方2にAmpで得られる物であって、またそれで為された音色が既に確立された物として恐らく皆の耳に刷り込まれてるだろうしね。
そこで次善策でもせめてものお慰みとして、シミュレートを「正しく」する位はしないとねぇなのだ。
こう云うテーマとしたので今回は球じゃ無くてもアナログのは、極力デジタルに置換した場合を想定してこう。
この中でそれが無理なのが手弾きの部分とお馴染み「ハイインピーダンス」案件で、こればっかりはデジタルでは解決不可能だ。
久々でプチ脱線するがイメージに反しデジタルは原理的には恐ろしく単純で、その基本は電圧が「あるか無いか」だけで動いている。
単純過ぎる原理で色んな作業をさせようとするからそれなりに複雑化してしまうけれど、だからこそ伝達ミス等はアナログより格段に起き難いのだ。
しかし白黒キッチリ分れ過ぎてる為にファジー(近年死語化したか曖昧)が起こらず、意図的にそうしても何らかの法則が残ってしまう。
なので人間×ハイインピって曖昧の権化みたいなのは無理に置き換えるより存置した方が適切で、その結果が楽器用だとまだ真空管Amp売ってます等となっているのだ。
人間の分は普通本人が居るから良しとして、ハイインピだけはシミュレートが幾らも出来ぬ。
こ奴困ったちゃんで一口にハイインピっても実はかなり値の変動が頻繁に起きていて、それが又あらゆる条件に依ってもたらされるから厳密には再現性がゼロなのだ。
依って個人的にはLine録り主体の人程せめて楽器用球プリだけは、インピーダンス案件の事情からお早目にと尽々思ってる次第。
次に理想としてはパワーコンプの方こそ必須なんだが、これは実体Ampを鳴らすしか無いのでリミッタで代用しまひょ。
パワコン(と段々ギャル語化!?が進展してるが😓)は限界領域近辺にならないと怒らないじゃ無かった起きないので、コンプよりリミッタが向いている。
太鼓もだが経験的にはBassの場合テープコンプレッションも結構な比重があった様で、通常太鼓よりはPeakが大人しいからか太鼓よりも露骨な歪みが出難かったと感じている。
これにも考え様に依っちゃ深い意味がありエレキBassのサウンドが確立した時期のは、生以外で聴いた場合パワコンとテープコンの両方が必然的に掛った後の音だった処だ。
この点からだけだと「何だ結構圧縮しても平気そう」と思われそうだが、テープコンも大きい方は抑え付けられるが小さい方は無視されるだけである。
依って動作的にはコンプよりリミッタの方が近く、しかし昔の機器はどれも反応速度が遅かったから音色印象は今のだとコンプの方が近く感じられるのだ。
これらを統合するとThreshold(掛り始める音量)を低く設定し過ぎるのが何よりご法度で、これがHi-FiとLo-Fiの運命の分岐点だ。
機器性能全般が低かった昔のでも今でも聴くに堪え得る音があるのは、部分的にでも「生のままの音」が残ってる部分があったからと言える。
そうでも無けりゃ幾ら趣味の古い俺みたいなオッサンだって、音は必ず今のの方が全部良いと無理無く断言してる筈だ。
際どい例えだが兄ちゃんよりオヤジの方が若い姉ちゃんへの興味が妙に強いのも希少性のせいで、機会が減る程チャンスと見れば(見果てぬ夢でしか無いのに)勝手に執着する様なもんなのだ。
<続>
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