音圧感科学館⑮ デジタル録音とレイテンシⅠ
教える方に精を取られ過ぎてたか不調だった従兄がペースを掴めた様で、漸く太鼓録りの具体的な内容に入れつつある。
でメデタシと思いきやお得意の「悪意無き後出しジャンケン」みたく、どうもレイテンシが気になるんだけど言い出しやがってムムムのム。
従兄としては演奏の大問題が解決する前にケチ付けるみたいになるのを気遣ったんだろうが、こっちとしては先に言っとくれよ~ぉである。
すぐに録れそうに無い時程それ以外の問題解決に時間も取れるってもんスから変な正義感…は置いといて、俺としては全く気にも留めて無かったのでチョイ慌て。
音圧でレイテンシて何の因果がと思われますれば、結構大いに関係が御座居ますのです。
その内容へ行く前に親切の押売りで「レイテンシ」(レイテンシー)の簡単な用語解説と洒落込むが、デジタル機器の動作の為の遅延時間でありんす。
厳密にだとアナログでも電子回路の通過はゼロ秒じゃ無いけれど、大抵の場合その時間は入って来る音には無関係で回路毎に一定でがす。
処がデジタルだとデジタルってもアナログから変換せにゃならんし、変換後のData量は入って来た音次第で極端な差が生じる。
すると極端な差のせいで入った音次第でその遅延量も大きく変動し、これが人間如きでは対応不可なので厄介なんですわ。
具体的な遅れ具合の範囲は凡そ0.01(10mSec)~2秒程で、2秒なんてのは現代のPC性能水準ではもう起こらないだろう。
だったら極僅かなんだからどうって事ぁ無いって?、単に普通にPC使うんなら気付く必要も無い位影響なんて無いでしょな。
しかし音楽演奏の録音だと却って僅かなズレの方が問題児で、どうせなら♪1個分とかキッチリ遅れてくれた方がまだマシだ。
これだとノリを制御すんのなんて以前にタイミングを合せるのが困難化し、どんな酷い指揮者に従うよりもっとハチャ滅茶になるのだ。
ここで従兄談をも少し詳報しとくと、以前から彼所持のオールインワンマルチで録る時に何となくタイミング的に違和感は持ってたそうだ。
例えば「んー変だな、さっきのSnareはもうちょっと重くしたつもりだったんだけどナァ」とか。
だが迂闊に俺にバラすとすぐ「んなの買うからぁ」なんてやられんのも恐らく嫌で、確証も無かったから孤独な戦いを続けてたらしい。
それが白日の下となったのは例に依って俺の悪魔の囁きが発端で、彼所持機は「俺:PCには繋げらんないの→従兄:確かUSBで」より物語の始まり始まりぃ。
俺弁解から行くがMixdownをPCにしたいなら、最初からPCで録った方がData移動しなくて楽なんじゃと助言しただけなのよ。
それが従兄は実体MixerのFader操作が何故か苦手なんだそうで、それから解放されるPC内でMixingをやって行きたいんだと。
従兄は非電気屋ってもPC歴は俺より全然長いからとっくに試してそうなもんだが、現用PC機より前のは化石級で本体もOSも非対応だったのもあった様だ。
で兎に角試した処呆けオヤジ連にしては割とアッサリ行けちゃって、そしたら何だか随分色々と音が違うねぇとなったのからまた次が始まっちゃったのだ。
俺は気持ち音質が良くなった程度に感じてて、向上したんだからOKとその後気にもしていなかった。
これ先々週の話しだったがその直後から従兄は色々調べたりしたらしく、彼なりに裏付けも取れたらしい。
従兄としては音質の他に「叩いたまま」が録れてたらしく、でもその時点では復調のせいだけか判別出来なかったみたいだ。
この先は次回へとして恒例の因みにであるがデジタル音響機器やソフトには、本件瑕疵を避けるべくその多くにレイテンシ回避の設定が用意されている。
それがBuffer(直訳すりゃ緩衝器)で、主に2つの方法がある。
その1は予めわざと遅らせてマージンを取っとく式で、サウンドカードや再生専用のに多い。
その2はBufferの数量を変えられる物で、PCのリソースの割振りが出来る物だ。
尤も後者だって沢山使えばその分電子回路を一杯通るから遅延量は増えるが、小さいのを沢山とすればその分遅れを短く出来る差がある。
音楽屋としちゃこんなのせこい次善策だが、PCの成り立ちを考えると已む無しではある。
PCは画も音も出せるし様々な作業に応じてくれるが、総合的判断の結果「画優先」とされている。
殆どのソフトは喋らないし、重い動画の対応もせねばとなると音より大きな準備が要るからだ。
出来ればせめて1つ位は音楽用に特化したマザーボードがあればと思うが、近回述の如くそれ用のLSIの開発・製造に難がある。
<続>
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