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2019年7月

2019年7月31日 (水)

多重録音備忘録Ⅱ⑯ PCでの楽々編集Ⅱ

例に依って前回巻末に変な含ませをしたが、それだけ音色創出にはまだPC内の方が不利・非力と感じられたからだ。
尤も俺はたまたまPC外の機器が揃ってた為であってどちらさんにも適応する話しじゃないが、もしPC内で限界を感じる様な事があったなら一度「外へ出てみる」価値は大いにあると思う。

PC外の真空管やアナログの機器を使うとそれなりの劣化は避けられぬが、音質に余裕がある今だからこそ試せる冒険とも言えるのだ。
元Dataがデジタルで完全保存・無劣化コピーが容易だからこそ、試して駄目だったら単に不採用になるだけで何の損失も被らずに済むからね。

これ「PCでの…」のお題と一見矛盾に見えるが、PCベースだからこそ劣化を大して気にせず気楽に出来る様になったのであるぞよ。
アナログ時代だったら単に再生→再記録するだけでかなりの劣化があったから、Effectを掛けるにも「Effectだけの損失」では済まなかった。

しかももし原版を維持したけりゃ録ったのとはテープのみならずもう1台別のレコーダも必要で、そこ迄手を尽しといても原版テープは再生する度に消耗が避けられなかった。
確かに一切の劣化を嫌えばPC内のみの方が無難だろうが、無劣化なら全く望んで無い音でも構わんかってのとの今ではバランスの問題になったんだと考えられる。

この場合に浪費を避けるコツは把握が要るが、その1はPC内で可能なのとなるべく対極にあるのを選ぶ処から始まる。
お好み次第ではあるがデジタルが得意なのを外でやる価値は低く、真空管やトランス等基本的にアナログ回路にしか無い物だと好結果に繋がり易い。

その2は上記からも察せるが音色を弄りたい場合が特に適していて、変えたく無い場合はPC内処理の方が適す。
ここで分別に迷いそうなのが例の音圧案件で最終的には両方試すと良いが、高音圧な音色が欲しいのか単に音量レベルに下駄を履かせたいだけなのかを自分で見極めるのが決め手だ。

私見では近年J-POP系のは音色が欲しいだけなのを不要に密度まで上げてしくじってる風に伺えるが、これには歴代の名機のシミュレーションソフトの乱用が疑われる。
あんなに迄無理して掛け捲りたい程気になるならそれらの実機の体験若しくはそれに値する学習が要るってもんで、球コンプが無理でもそれより少し安いが他のよりは似てるオプティカルコンプレッサ(フォトカプラ)なんて機種だってあるのだ。

音量Data調節に用いる素子として真空管やフォトカプラはICやデジタル回路に比すと鈍足で、本来の用途趣旨からすればちっとも向いちゃいない。
それが今となっては典型的棚ボタではあるが、音色を弄るには持って来いなのだ。

何せかなり大袈裟にやらないと幾らもレベルを変えられないんだから、そりゃ音色も大きく変化しちまう訳だ。
しかし演出効果が主なんだったらこっちの方が分り易く、ほぼ理想通りにレベル調節が出来てしまうPC内のにわざと癖を付加した処で安菓子のオマケ域を脱せないのも当然の結末なのだ。

半ば再出だが球やフォトカプラは厳密には実は決して反応が遅くは無く、ヨーイドンの瞬間に動き出していて寧ろ他の高速半導体より早い場合も多々なのだ。
違いが出るのはその後で、半導体は瞬時に最高速に達するがアナログな連中は加速に時間が必要なのだ。

故に性能フル発揮迄の時間だけで計れば半導体の圧勝で、電子理論的観点ではこれが優位にある。
だがだが音響理論と電子理論には違いがあり、その根源には電気だけで考えりゃ済むのと空気の性質も加味せにゃならん処が違っている。

それでこの「空気の分」に相当するのが上記の加速時間で、自然な感じに音を扱うのには昔のの方が偶然都合が良い性質だったって事なのよ。
詳しくは次回へ譲るがとても向いてるのがあるのに、わざわざ向かないので苦労するのもバカバカしかないですかってな。

<つづく>

2019年7月30日 (火)

多重録音備忘録Ⅱ⑮ PCでの楽々編集Ⅰ

マイナス面ばっかじゃ不公平って事って、今度は得意分野とその特徴へ行ってみよう。
その筆頭ってば幾らでもやり直せるのと無劣化だと思うが、これはアナログ時代には絶対的に不可能だった。

またこれには他の発展性も含まれてて、デジタルDataの無劣化コピーを持参すれば別の場所や機材でも作業が可能だ。
アナログテープ時代は厳密に管理調整されてれば未だしも、テープヘッドアジマスや速度の微妙な差等からの問題を危惧すれば録ったレコーダで掛けるしか無かった。

しかもテープ速度が速いのもあってメディアの耐久性からと、連続使用時のヘッド部等の汚れもあったから再生回数に限度があった。
この面では今と比べたら録音なのにかなりLive寄りで、自分でオープンマルチ機を持って無ければ借りる費用の問題だってあるから尚更拍車が掛ったもんだった。

これは「慌てる乞食は貰いが少ない」式で心理的影響も加味されるから、限られた時間内でより失敗を招き易い環境だったと考えられる。
尤も人間には上記の他に「火事場のバカ力」なんてのもあるから、好環境だからって必ず結果が向上するとは限らないのが要注意だ。

ここらから具体的に進めるが、先ず編集での最大のご利益は概出マスタリングだと思う。
原版さえ残して置けばってのはアナログでも共通だが、保存スペースと劣化不安の部分が大巾に異なっている。
そしてデジタルなら弄り方さえ誤らなければ、加工済みの物へ更に加工を加えても劣化しない。

この内保存についてはアナログではホントの原版オンリーだったのが、デジタルではメディアの種類からして自由に選べる。
ついでで今更乍ら例外を挙げとくと、テープ式adatのテープ原版では冷や汗をかかされた。

個人的に録音のデジタル化願望が皆無だったのが時代と合わなかったか、テープ式adatのDataをデジタル信号でPCへ取り込む準備を全くしていなかったのだ。
それが予想に反し時間の経過でテープの方は平気だったのにレコーダの駆動系のヘタリが先に来て、再生だけギリギリセーフな状態を迎えた。

その頃はまだ仕事に頻繁に必須だったので、何も考えずHDD式adatの中古を慌てて購入した。
兎に角元テープのDataを再生可能な状態で保存したかったからの措置で、同時にPCへのインターフェイスも漁ったがそっちは駄目だった。

このadat HD24にはLAN端子が付いてるがそれでの接続は上手く出来ず、7割方俺のせいとは思うも中古品で状態不明なので諦めてしまった。
だが単に放棄したでも無く救いの神たるフリーソフトが見つかったからで、これを使うとadatフォーマットのHDD(ハードディスクドライブ)を一般的なUSB変換アダプタでPCに繋げてDataの読み書きが出来る。

かなり時期的にも状態的にも際どかったがお蔭さんで、テープ→HDD→PCの経路でどうにか全Dataの保全が間に合った。
因みにテープ式adat使用期は無インターフェイスだったのもあって一旦アナログ信号でPCへ送ったりもしてたので、マスタリングも最終段階以外はPC外でやっていた。

因みにⅡでadat HD24を選んだのは中古価格の他、Dataリンクの互換性と概所持のBRCとRMBってマスタコントローラとメータブリッジをそのまま継続使用する為でもあった。
特に自分の太鼓を自分で録るのにレコーダ本体とMixer卓のメータが見えない・手が届かない位置となるので、宅ではかなり重要な問題だった。

結局デジタル録音機を使ってても編集はやり方からしてアナログ・アナクロ式で、当時不便や不足は感じて無かったが今からしたら余計な苦労をしていた様にも感じている。
特に音色等を一切変えたくない場合は…、ね。

<続>

2019年7月29日 (月)

多重録音備忘録Ⅱ⑭ PCでの無理くり編集Ⅱ

前回の続きで「全部弾くより曲が先に出来上がる」の説明から行くが、勿論今だって旧来の方法で曲が作れなくなってはいない。
しかし環境変化と作曲ツールが増えたのが原因で、実際俺ん処でもそんなのの方が多くなった。

ウチのバヤイは合奏頻度と時間の減少が、そしてなんと言ってもオッサン2人の記憶力・体力の低下と即応性に響く反応が鈍ったのが原因と認識している。
機械力を利用出来て助かるのは曲の構成検討時等が顕著で、これは打込みならPCで無理無く編集して即試し聴きが出来る。

Guitar曲の場合Pianoが弾けてもニュアンスが異なる場合もあり、そうなるとGuitarを弾ける2人の組合せ等じゃないと弾き乍らのリアルタイム作曲は難しい。
個人的には未だにマルチプレイヤでどうせ全部演るので、極論的には何でも先ず演っちゃって運が良けりゃ録り終り=曲完成なんて方が楽で宜しい。

しかしこう云う気紛れな自由を阻害せん為にはClickすらお邪魔で、今のユニットでの従兄みたいにClick使用を常としたい場合はメリットが薄れる。
実は当初はClickだけの録音も考えたが、すぐにその場合の苦痛に気付き作戦変更とした。

その音色に多少の差があるにせよメトロノームもClickも単調の権化で、ずっとそれを聴き乍ら脳内発音でカウントしてく拷問を嫌ったのである。
更に俺的には太鼓から入れるのがスタンダードなのに従兄が嫌がるから、Clickの次に録る時是又スパイをやってて捕まって自白させられてる様な拷問状態を招いてしまう。

なので打込みと共存させるのが主目的じゃなく、録りや曲の確認を楽にする為の打込みなのだ。
その中には録った後の編集を楽にするのも含まれてて、音波Dataの編集より打込みDataの編集の方が安全確実で楽チンなのである。

ぼちぼち波形編集の技術面へ進めてくとするが、自由な操作が出来るってもそれで何時も都合の良い音にはならないカラクリを徐々にね。
最初はクロスフェード(Crossfade)についてだが、編集点の繋がりを滑らかにするのに良く使われてる様だが…。

デジタル録音機の場合これって本来は録音の開始・終了時の雑音を回避させる為の技術で、アナログと違って瞬間的に機器がOn/Offした時のショックを和らげる為のだった。
今ではその特性を変えて普通の編集にも使える様になってはいるが、どんな無理な繋ぎでも何とかしてくれる様な代物では決してないのだ。

またデジタルのダイナミックレンジの広さは本来は不要な背景音も記録・再現出来ちまうんで、目的音の背景色が急に青から赤へ変ったかの様な状況が格段に起き易くなっている。
次の音がもう出ていても前の音の余韻等が残ったままとなってたりして、前の音次第で次の音にも何らかの違いが出たりしちまうのだ。

例え音としての差は明確には認められなくても、弄った継ぎ目だけが他と雰囲気が妙に違ってしまったり等となる。
故にミスったブロックだけを挿し替えたり以外の場合、常にやたらと継ぎ目の状態や前後の流れに神経を配らなくてはならなくなる。

しかも今モニタした限りで平気だったらセーフと断言出来ず、聴取環境次第で特定時にだけ露呈するなんてのも大いにあり得るのだ。
アナログなら聴こえなけりゃほぼ「記録されてない」が、デジタルでは聴こえに無関係にDataはしっかり保存されてるからである。

結果的に自由で高度な編集が可能な代わり編集する人が高度なスキルを既に持てていないと、足りない分だけ却って失敗し易いし面倒な事にそれがかなり後になってからしか判明しない場合が多いのだ。
そこで俺的お勧めは1に打込み2にループの活用で、これなら想定外の後から判明失敗を確実に回避出来まっせ。

<続>

2019年7月28日 (日)

多重録音備忘録Ⅱ⑬ PCでの無理くり編集Ⅰ

ここ迄自由な編集が可能となると最早倫理問題ともなり得るが、仕上がりの自然さを気にしなきゃ幾らでも行けるのは吉か凶か。
今時Live時の再現性とか実演奏の可否を気にするのは、俺みたいな過去の人!?だけだろうか。

結局は目的ってかその作品の位置付けにも依ろうが、俺は特例時を除き出来っこない音にしたいとは殆ど思わない。
その昔ドラムマシン登場時に一番印象的だったのがバスドラのフレーズで、人が踏めない連打をアンサンブルに加えた物等だった。

マシンが出来るまではそんな音は耳に出来なかったから新鮮で、少なくとも当時は誰もが入手出来るツインペダルなんてのも皆無だった。
その頃だって多重録音は既に普及してたが、フレーズの為の多重ってのはほぼ皆無だった。
そんなんしてたのはもっと前のBeatles後期作品位がいい処で、使えるフレーズが浮かばんと技術的に可能でも演ろうと誰も思わんかったって感じだ。

けれど暫く続けて耳にしてると我儘な人類は飽きてしまったし、機械の太鼓が合わぬジャンルには持込めず仕舞いとなった。
これに革命!?紛いが起こるとすれば僭越乍ら、俺様の片足での連打辺りじゃろうて。😵

ってつまらん自慢するのが目的じゃなくって、機械時代が発症由来のフレーズを人力で何故やりたくなったのかである。
面白そうが第一ではあるけれど、単なるサーカス芸の為だったらこんな練習嫌いの俺が到達出来る訳ゃ無いのだ。
シンプルでいてそれ迄とひと味違いが出せたらってのがあったからで、複雑では適用条件がとても狭くなるからね。

んでそんなのが例えば近年のデジタルでの編集を無理くり活用すれば、もうどんなのでもアッサリ誰にでも出来てしまう。
けれどそれはサウンドコラージュで構わなきゃの話しで、高音質化が仇となって昔より実は誤魔化しとかバレずにはとても厳しくなったと感じられる。

以前にも触れたが大昔の「尺都合編集」は意識すれば分かったが、無意識でだったら一々気にはなんなかった。
音質以外にも今より恐らく録音の場所・時間・機会・道具が限定的だったのもあったからか、寧ろどう頑張っても全く違う音が出せずに苦労してた位だったからか。

そこで俺的には演奏側の努力ゼロで大巾編集したいなら、今更わざわざ弾くのなんてご苦労さんと考えている。
編集は編集でも今なら録るより前に打込む段階で簡単に出来るし、それなら録った後でする時生じる欠点も一切出なくて済むんだからさ。

では演奏して録ったので編集出来ると助かるのはどんな場合かっつうと、「アぁ~惜しいッ」てな場合なら助けにもなる。
何分今の録音は高音質なだけに音色でもタイミングでも正確に拾えちまうんで、基本的には何回でも同じ演奏が出来る位のレベルじゃないとそれを充分には活用出来ない。

変な表現だがGuitarなら全体としてはもうとっくに弾けてるが、チョーキングの音程の上りの正確さを気にしたら次の音の頭が擦れちったみたいな状況である。
別表現とすればLiveでなら合格だが後から聴き返せるのとしては、僅かな不足が気になるなんて程度の演奏が出来てたらである。

またこの様な俺言い「
マクロ部分挿げ替え」が有効化するのには他にも条件があるに等しく、同一日・同一機材・同一設定の場合じゃないと想定通りにならぬ場合が考えられる。
録音クウォリティの高さのせいで僅かな違いが分かり易くなったので、気温や湿度のせいで楽器の状態が微妙に違うのすら繋がりに不自然さを生じたりもするからだ。

依って成功率の高い心構えとしては全部通しで弾いて録るつもりで演って、どうしても残念な処だけを補填する位じゃないと効果より欠点が上回りそうだ。
近年では全部を弾いてみる前に曲の出来上がる事も多そうなので、完全に弾きこなせる様になるより少し先に録れる位のもんとでも言っとこうか。

<つづく>

2019年7月27日 (土)

多重録音備忘録Ⅱ⑫ PCだけMixの弱点Ⅲ

次なる弱点はって際限無くあるかは分からんが、リアルタイムで弄るのが基本的に危険な処だ。
ウチの従兄みたくFader操作が嫌でPCって人も居ようが、幾らでも試せるとは云え常に予測と結果の繰返しだけで不自由しないかが焦点になる。

例に依って矛盾のオンパレードだが音響屋じゃ無い人程、上記の様な研究室内で白衣の博士が実験するみたいなのはタイムラグが付きまとうので苦手な場合が多そうだ。
Fader操作だって結構スキルは要すけど、感覚に応じての手加減って部分は音楽屋ならそうじゃない人よりは慣れもあるし手に負える筈なのだ。

俺が従兄にFader操作の稽古を付けようとしないのは例外要項ありで、従兄はシンセサイザの操縦等言わば「機械で演る音楽」に慣れてるしそのスキルも持ってるからだ。
だがそうで無い場合機械と人の感性には距離もあるので、頭の中中心で行くより実践体験出来た方がMixの上達は早くなるし感覚が掴み易いと思われる。

PC画面の中のFaderだってマウス等で随時動かせるが、俺的にはそれはリスキーだと考えている。
汎用PCはちっとも音楽・音響用では無いので、新たな描画の指令信号が雑音を伴う事がとても多いからなのだ。
他の一般用途でなら使用者が動かす限り僅かにチリチリなんて鳴っても無問題だが、もしリアルタイム編集つまり聴き乍ら加減し乍ら録ろうとする場合はアウトである。

毎度の如く個人差千差万別だろうけれどその場で試せないのは、楽器の実演奏を想像すれば芸術性をスポイルする可能性が低くないと思われる。
偶然の思い付きを確認するにはイメージが鮮明な内が良く、こう云う類のは殆ど瞬間芸とも考えられるからだ。

複雑な事をするなら兎も角ワンタッチで済むような場合なら特に、リアルタイムで直ちに試せるのが重要なのだ。
なので事前に全て済まさないとならない打込み主体の人にはあまり関係無いかもだが、実演奏主体の人にとっては戦力ダウンとも看做せる。

俺的に一番影響が出そうと感じられるのはEdward Van Halenの「部分Flanger」辺りで、On/Off頻度の高さから訓練は要るものの奏者本人の方がタイミングをとるのが簡単そうってヤツとかだ。
これを録った後にやるってのは奏者に音響屋兼業となるのを強制してる様なもんで、果ては純粋な生楽器奏者にすら電子機器操縦が強要されるのである。

Eddie君ってば他にもToremoro+Digital Delayでアタック音を消したのなんかも思い出されるが、こう云うのだとClickを使ってもやはり後からの方が大変そうだ。
音楽屋の発想はリアルタイムのがほぼ全てだったとして間違っちゃいなく、寧ろそれでこそ音響屋には思い付けんのも出て来るってもんじゃ無かろうか。
どの程度手動若しくはリアルタイムで行くかは様々だろうけど、奏者の特技の性質等に依っては予め考えといた方が実力を発揮出来そうな処ではある。

今回最後はPC雑音についての体験を記しとくが、これが意外な事に新しい機種程どうも芳しく無い様なのだ。
その原因は省電力技術で、しかも電源部の半導体化が一層進んだのに依る。
マザーボードのBIOS設定等である程度は緩和可能だが例に依って完全では無く、物に依っちゃATX電源ユニット自体の回路の都合で回避出来んみたいだ。

電源の状態変化は全てに波及するので例え録音物へ直接の影響が出ない様配慮されてたとしても、原理的に全く無事で済む訳は無いのである。
スペック的に平気なレベルのノイズでもあると無いとじゃ当然音が違って来るので、多重録音みたいにそれが蓄積される場合が多いとなると気にせざるを得ない。

尤も「汎用PC」であれば誰でも録音以外の作業時間の方が圧倒的に長いだろうから、わざわざ今更の大飯喰い・多発熱のなんか持って来る意味が無い。
この辺が中身が同じデジタルでコンピュータ制御でもPCと専用機の差で、概出レイテンシ案件等の他でも未だに独立機が生き残ってる理由なのである。

<続>

2019年7月26日 (金)

多重録音備忘録Ⅱ⑪ PCだけMixの弱点Ⅱ

厳密には次善策・現実的には最適かもな録る時何とかしちゃう式、誰でも思い浮かぶのはMicプリだろうか。
どっこい俺的にはそれは△で、もっと気にせにゃアカンのがLine録りの入り口だ。

Micも使う場合その機種選択とセッティング等例えば許される範囲で少し音源から離して、概出「エアクッション」を利用する等プリ部以外でも補填策が考えられる。
だがLine録りではそれらは皆無くなるから、Preampの音色の比率が凄く高くなるのだ。

チイとばかしあべこべ気味のややこし話しになるが、デジタルマルチトラッカー活用の擬似Bandでは全く気にしなくて良かったんだから変に思えるかもねぇ。
その訳は「出口が違う」からで、擬似Bandの場合は再生時に音色を作れば良いからなの。
今回の項では実機Effectorはほぼ不使用の前提なので、「後からじゃ充分には作れないかも」なのを見越しての事なのだ。

その中でも重要となるのは音の柔らかさで、明瞭度より優先しても損しないと言い切っちまおう。
これって俺の趣味じゃなくて非バーチャル時を想定してで、上記の如くエアクッションの代用なのだ。
もし硬い音が好きだったり平気だったとしてもこれを無視すると、録れたDataが不要にピーキーになってたりして後の作業が面倒となるのは請合いますぜ。

体験的に条件が本案件とだいぶ違うので何なんだけど、Line録り主目的の球プリの自作前後で実際に違いが結構出てましたですよ。
録音機のデジタル化を意識したつもりは無かったが、テープ式adatになってから求めが強まったのは偶然とも言い切れぬ。

アナログオープンリールの時代ですら4から8トラへ移行後は、普通のエレピとかワイルドなBassが欲しい場合はLine録りを避ける様になってたし。
それがadatHDになっても特別歪ませたいとか以外は、球プリLine録りだと特に不具合は感じなくなっていた。

コストと部品入手等の都合で本家大御所Fairchild 670なんかにゃ遠く及ばんが、それでも所謂Directboxとはかなり違うですよ。
因みに今業務用リミッタの名を出したのは勘違いでも偶然でも無くて、リミッティングの程度等に無関係に兎に角通すととても気持ちの良い軟らかい音質になるって訊いてるからだ。

具体的な程度はBeatlesの生音を聴いた事無いから不明だが、音声信号経路にトランスが入ってる真空管音響機器にその傾向があったのは覚えがある。
音響的にトランスは程度差はあるが必ず劣化させる物なんで排除の努力がされて来たが、今に至ると少し様相が変わっている。

それは電子回路の方が劣化が桁違いに低いが、余計な物が加えられてしまう事が多い点だ。
電子回路を能動素子とするとトランスは受動素子で、原理的に自ら何かを仕出かす事は不可能なのだ。
だから落ちるより変えられるのが嫌な場合は、どんな高性能な電子回路よりトランスの方が「マシ」なのである。

そうは言っても録音に耐え得る性能のトランスは高価で重く大きいし、使わんでも録れるのにわざわざ通して劣化させるのも今更ではある。
しかし和らげるのがとても苦手なデジタルなので、それ以外の方法でも少しでも柔らかい方を選ぶのには大変大きな意義が出て来た。

今回前提条件の場合基本的にデジタル録音機に「入る迄」が勝負の全てであるから、かなりシビアっちゃシビアだ。
初球を打ち損じたらノーチャンスってなもんだから、Micを真空管コンデンサのにするとかこっちの方には普段以上の思い切りも必要だと思う。

実際にもう21世紀に入って随分経ったってのに、昔より真空管物の新製品が次々出て来るのはこの現われだ。
時代が進むにつれ安上がりで安易になったっても、ホントに良い音が欲しいとなればやはりそう簡単には行かぬらしい。

<続>

2019年7月25日 (木)

多重録音備忘録Ⅱ⑩ PCだけMixの弱点Ⅰ

こりゃまた失礼、数回分の多重録音備忘録Ⅱの「Ⅱ」を書き漏らしてたので慌てて修正させて頂きました。😓
気を取り直してお題で御座居ますが、個人的にはコレ現行プロジェクトへの一抹の不安でもあります。

例の如く好み他個人差千差万別だけれど、体験的にアナログ若しくは真空管式Effectorが使えないのは「音色創り」にはかなり不利だからでゲス。
何処の世界でもイケメンの寅さんなんてのは無理なもんで、全方位から高音質なんてのはどうしたって優等生にせざるを得んもんなんでありんす。

確かに今では高度なシミュレーションのがあるにはあるんだが、デジタルのでは所詮部分的Lo-Fi化に依って癖を得てるだけの様相なの
だ。
最新のと最古の両方に充分な体験がある上で詳しい人なんて中々居なさそうだから仕方無いかもだけど、旧来のは結果的にあまり高性能じゃなくても「わざと落して」なんかは決して居りませんでした。

ここがもうPCソフトと実機では正反対を向いちゃってて、俺的には「基本理念の誤り」なのでその限りはバーチャル物には一切期待せん様にしとりゃーす。
特定部だけを取り出して比較すれば完璧でも、総体的には必ず差異が生じるのが分かり切ってんだからさ。

尤も全体比較は時間も掛るし気に掛けるべき点も多岐に渡るので、聴き手はおろか製作者サイドでも認識し辛い嫌いがある。
だがちょっとでも気になった人は今でも真空管コンプを求めたりするが如く、特にそれをわざわざ掛けた効果の違いは良くお考え頂きたい処。

昔体験のある身からすれば実は今の方がアナログとか真空管Effectorを気楽に使えるんだが、それは商品の低価格化よりも雑音や明瞭度の都合に依る。
かつてのは録って記録するだけで結構な劣化があったから、そこから更に落ちると困る場合も多かったんだ。

実際Beatlesの準一発録り時代のと多重時代のを比べると、単体楽器の音質は数年古い非多重時代のの方が良かったりする。
多重時代のは明瞭度だけならMicと音源を近付けたお陰で確保されてたが、それ以外の部分では6・7割方劣っていた。

それでも彼等は当時としては別格の高音質だったから下せた英断とも言え、一発録りですら格段にLo-Fiだった黒人系の様な状況だったらもっと仲間を大勢集めるのに恐らく精を出したであろう。
俺がアナログでもそれなりの設備が揃って頑張ってたのはそれから20年位は後だったが、あっちは最高峰こっちは悲しいかな最低峰みたいなもんだから音質劣化への注意は常時必須であった。

せやから今なら遠慮なくどんどん行けちゃう処なんだが、従兄の処へ毎回持ってく勇気はチト湧かない。
もしこれはもう絶対アレがどんぴしゃだなんて判明すりゃ話も違うが、要るかどうか分からんのを毎回全部となると腰が上がらない。

でこっからが皆さんにも大いに関係しそうな処で、PCと独立録音機の外部への雑音の出方差等が懸案となりそうだ。
PCは雑音面ではほぼ家電品扱いなので、外部Effectorがそれを拾う危険が結構ある。
これには接続規格も含まれてて幾らローインピーダンスでもPCのは通常アンバランス(不平衡)、依ってもし拾っちゃったらバランス(平衡接続)みたいにキャンセル出来ない。

んがアンバラなればこそケーブルをより短くしたくなるし、そんで近付けるとンザーチチチッなんてんじゃ敵わんとな。
んで元がPCから始めた人だと先に録音用実機Effectorは持って無いだろうし、奮発するにしても選ぶのがそれなりに大変になりそうだ。

となると万人共通対策法としては、「録る時の音」を最高へ近付けるのが一番かと。
生や半生(電気楽器とか)を録るには入口に絶対にアナログが要るので、その部分にならどんなに奮発しても唯一の事象を除き損する心配が無い。
そう云や変に巷じゃヲタ性のあるオーディオインターフェイスも並んでるが、後からじゃ思った程弄れんからってのがあっるからかも知れない。

処で「唯一の事象」ってのは録るに足らない音しか出せん場合でっせ。
これの実態はあっしにぁ分からんので各自でとして、次回はPC録音で特に要りそうな入力部について書く予定。

<続>

2019年7月24日 (水)

音圧感科学館⑱ デジタル録音とレイテンシⅣ

レイテンシ案件はこれで一旦打ち止めのつもりとして、クドくても最大注意点から行かせて貰いやす。
録る音のData量次第で遅れ具合が違っちまうのがそれで、しかも必ずしも単独パートだけがそうなるとは限らんのも是又厄介の上塗りであります。

加えて機器にとっての負荷が軽い内は一切現れず、症状が前触れ無しに突然出るので対処は困難でしょう。
実は宅ではPC・サウンドカード・ソフトとも何年も前から「録れる状態」にはなってたのに、極最近までadatでしか録らなかったのもPC特有の欠点に翻弄されたく無かったからでした。

Windows等の汎用OSは自動Updateやメンテの機能の完全停止が困難で、止められるだけそう設定しといても何時か何処かで勝手に「OSの都合」で動作する事がある。
万一これが一世一代の名演奏時!?にでも悪さされちゃ敵わんので、録るのは打込み物の.wav化時のみとしてたんだす。

打込みなら録り直しも楽だしもっと言っちゃえば、鳴らす音自体が当てになろうとならなかろうとそのPCに依存してっからね。
現況では拘って鳴らす意味がある様な立派な音源も不所持なんで、古い奴と思われるでしょうが機械の音をそんなに信用して無い訳ね。

それが災いしたかアナログのみ時代と違って多重録音機が低価格なのから出てるが、具体的にどの程度のクラスのであれば安心かを少し知り損ねた感がある。
尤も俺言い「擬似Band」だとかもし多重録音機をフル活用しようとすれば、結局は「単にアナログがデジタルになっただけ」みたいな機種じゃないと対応し切れない箇所が出て来る。

これはPC主体でやろうとしても似たり寄ったりで、サウンドカードやオーディオインターフェイスにもその筋のブランド物ってのがあってかなりお高い。
暫く前迄は中間帯のが出ていたがあまり売れず話題にもならなかったのか姿を消していて、中古を根気良く探せば行き当りそうだがホントに事足りるのかの情報が僅少でハッキリしない。

それから主流が完全デジタルへの移行期の実機デジタルEffectorの事をちょっち記しとくが、その頃のはピッチシフト等重めの動作をさせると露骨にEffect音が遅れたもんだった。
だから録音での後掛けには使えても、Liveのリアルタイムでは旧態依然のアナログ回路オクターバーの方がまだ使えるなんて状況だった。

けれども入力音に依って遅れ方が変わる様な事は無く、今からしたら低性能で情けなくも正直ではあったと思った。
音楽屋にとって困るのは単なる性能より「使える道があるかどうか」で、近年の機器はその点では退化し過ぎてそれこそ危機的状況を迎えつつあるとも思える。

ポピュラー系の音楽を演ってる人ってすぐ新しい物へ飛び付く傾向が感じられるが、自分の用途に合うか満たしてるかの判断は自己責任だ。
売る方が阿漕な商売してても音楽界は世間ではマイナーだし、専門性が高過ぎて消費者センターへ訴えても難しそうだからなぁ。

そこで俺提案としてはケチりたいなら所謂典型的な多重録音機なんてもう買うの止めちゃって、オーバーダブ機能付のハンディレコーダが最安だと思う。
究極はスマホの無料アプリでガラケーすら無縁の俺には無理だけど、近年のPC不所持のお若いのだって落して入れりゃすぐに使えちまう。

因みに上記2つは縁が無いので今ググって至極簡単に出て来たもので、前者は約¥1万・後者は8トラックマルチでやんした。
因みにⅡで知り合いの趣味でYoutubeの投稿動画なんかを見させられてると、人気の高パフォーマンスのが必ずしも高画質・高音質じゃなかったりしてるのも未だにあった。

結局は馬鹿と鋏は使いようで、特に音楽みたいなエンタメもんは余計そうなんじゃと尽々ね。
処で肝心のレイテンシ案件だが上記の様な状況があるので、もし気にするならコストを優先しない方がお勧めである。
タイミング≒ノリに先ず影響が及ぶが、それは只合奏させただけで本来得られるべき音圧をも損ねるのである。

因みにⅢで幾らも詳しくも無いんだけれど現代のスマホはかなりPC的に高性能で、主機能が電話なだけに只のPCよりは音機能を窓際に追いやって無さそうだ。
強いて言えば通信が無線なので大事な作業中に更新なんかが始まる危険度は少し残るが、少なくとも本体だけでやってる分にはそれ以外の点では只のPCよりは安心感が持てると思う。

<新たにつづく>

2019年7月23日 (火)

音圧感科学館⑰ デジタル録音とレイテンシⅢ

前々回に先送りしたレイテンシと音圧の関係、ここ迄チラ見せになっちまったので先ずはちゃんと記しましょ。
ハッキリ言って各パートの出音タイミングは、直接全体の音圧を左右します。

俺的に一番これを実践してたのがBeatlesで、彼等は演奏のみならず歌の方でも強力なコーラスがあった。
彼等の場合印象としては4つの楽器に3つの歌ってのが平常運転で、4人編成でも音のパートは7つもあったんだからさ。
単なる数だったら近年の大所帯アイドルグループの方が多いけれど、歌は勿論楽器にしてもユニゾンのオンパレードだから案外「純然たるパート数」は少ないのだ。

大人数で歌う特徴を活かすのにタイミング・声質・音程等は却って微妙にズレてる位の方が厚みが出せるが、今だとそれはShort DelayやChorus等Effectorでも近似効果が得られる。
ハーモニーだって一定のだったらEffectorでも出来るけど、変幻自在(人の気紛れ含む)とは行かぬ。

そしてこの手の厚みは必ずしも=音圧とはならず、厚いって位だから音量より音色を指しているのだ。
音圧を伴う厚みだと同じパートの増し盛りでは無く、異なるパート・音色の物がタイミングの一致に依って一塊になった場合だ。
強いて言うなら存在的に強い音って感じか、各パートの音色・音量は至って普通なのに集合体としては聴こうとしなくても聴こえちまう様な状態になる。

と最近脱線係数がまた上がってるから気を付けてっと、本題に戻ると「不適度に微妙なタイミングのズレ」があった場合にどうなっちゃうかなのだ。
概述の様に音波には空気の押し引き或は上下方向等と、「往復運動」となっている。

故に例えばバスドラの音波が「山」の時にもしBassのが「谷」になってたりすると、これも概述の「逆相」となり両方の音が小さくなったり低音が無くなったりしてしまうのだ。
音程が違えば基音部には影響が出なくても、太鼓みたいに倍音豊富だとその倍音の一部が聴こえなくなって急に明瞭度が損われたりする事だってある。

具体例っても紙上で音は出せないけれど、我々の録音で実際かなり明確にこれが現われたのだ。
ドラムパートが従前の従兄「首傾げバージョン」から「取敢えず納得バージョン」になったらば、何故か俺のBassの低音が急に力強く元気になった様に聴こえたのだ。

今になって振返ってみると大した演奏力じゃ無いにしても、もし何時も芳しく無かったならとっくにコンビ解消してただろう。
今はかなり長いブランクもあったから忘れ掛けてたが、そう云う化学変化が起こらぬなら他人からももっと評価・支持され無かったのは間違い無い。

もしかしたら従兄は感覚的にそれを覚えていて、何となく気付いてたのかも知れない。
俺と違って先生業をやってれば「他人の音を聴く」機会が多く、何度か聴いてる内にコンディションの予測も出来る様になってるだろうからね。

これが人のせいなら齢のせいと諦めも付くが、妙な機械のせいで翻弄されてたとは堪りませんわ。
機種選択と使用法を誤ったのは従兄だが、専門家の癖に今迄気付けなかったとなると同罪かそれ以上かも…。😢
我々の場合は環境上の都合で先に上手く比較出来なかったけど、皆さんは可能な限り先に色々試してこんな目に遭わないのをお祈り申し上げます。

さてもし運悪くこんなになってしまった場合、普通先ずはEQで補うのを考えるかもですがそうは問屋が卸しちゃくりゃんせん。
逆相で相殺されたって事ぁ、もし効果があるとしたらバスドラかBassのどっちか一方だけでゲス。
しかも同時に鳴る箇所は単独の所より必ず低域が減り、結果的に皆で一斉に鳴らした時程音が小さく弱くなるって逆転現象が起きるのです。

これについては多分概述太鼓のマイキングでやはり従兄が先に発見したが、これは弁解しとくと叩いた本人じゃないと判別が難しかったです。
もし複数楽器(太鼓)を鳴らした時に音量が低下してても、本人以外にゃ意図的にそうしたのかどうかが分からんですから。

更に重要なのは低域程影響が大きくなるので、通常は合奏音がピーキーになって平均音量は下がっちゃうんですわ。
特殊なの以外で人耳に心地よい音ってな、大凡Octave上がる毎に物理的には半分の音量になってるもんなんざんす。
その状態がしかし人耳には同じ音量感に聴こえるからで、詳しくはかなり前なんでどれにかは忘れたけど済まんが拙ブログを漁っておくんなまし。

最後に自戒を込めて今回の敗因を整理しとくと、デジタルでは場合に依っちゃ録る音次第で「遅れ具合が変わる」でやんした。
因みに俺主導のプロジェクト・もっと簡単に言や俺が叩く場合、太鼓が先頭打者にならないケースは僅少でした。
もしかしたら宅でも前から少し起きてたのに、それで見逃してただけなんざんしょか…?。

<続>

2019年7月22日 (月)

音圧感科学館⑯ デジタル録音とレイテンシⅡ

我々が今回体験した事例は所謂レイテンシ案件とは少し異なるかもだが、従兄が叩いて録るに際しそう感じたってんで尊重して続けるとする。
正式に計測してもいないので推測の域を脱し得ぬが、数値的に無問題でも人感覚に支障するなんてケースもあるのでご参考にだうぞ。

従兄所持オールインワン機に俺も僅かな体験があったが、Bass入れで録音トラックが1だったからか何も違和感は無かった。
廉価普及クラスのでも単独機であるからまさかと思ったが、その機器最大数となる8トラック同時録音では実際に何らかのタイミング不安定化があったのは確かな様だった。

俺分析依ればこの機器の制御OSや信号バス速度等に不充分があったと思え、しかしその設計を必ずしも責められるものでも無いと考えている。
このオール機は電池駆動にも対応してるがそうなると電池駆動の連続時間は重要だし、って事ぁ可搬性も必要で大きく重くなっては意味が無い。

結果的に録音機とは云え単に「録り性能」だけを優先する訳にも行かず、それなりの落し所を見付けて妥協点で行ってるんだろう。
だからこそPCへUSB接続して担当をA/D変換だけに減らしたら、リソースに余裕が出来て異なる結果をもたらしたんだと推定している。

この手の機種は大人数で使う頻度は低そうだからその面では妥当な仕様設定なんだろうけど、俺みたいな古単純頭君には24トラの癖にどうして同時録音数だけ8なのとずっと違和感を持ったままだ。
出力にしたって2chステレオしか無く、それだったらPCと同じで専用機の意味無いじゃんとつい思ってしまう。

因みに前出「制御OS」はPCじゃないのに何でと思われるかもだが、デジタル論理回路を動かすには必ず指令を出す部分が必要だ。
しかも指令Data自体がデジタルなのが望ましいとなると、最低でもマイコン(マイクロコンピュータ:これも死語!?)が要る。

マイクロでもコンピュータってからにはそれを働かせる物が要り、それがOS(オペレーティングシステム)である。
PCより簡単な指令しか要らんなら
PCの現行OS何ぞ無用の長物だが、電気マットの温度調節とタイマーだけなんてのよりゃマルチトラッカーは指令も複雑だ。
だから昔懐かしのDOS位は必要でデジタルマルチ機も、言うなれば電気的には機能限定版低性能PCってな処なのだ。

「信号バス速度」の信号バスとはデジタルDataの伝送部の事で、ここの周波数が高い程単位時間あたりの伝送量が多くなる。
コンピュータ性能は一般的にCPUやメモリだけで表現される場合が多いが、それ等の性能を発揮するには信号バス速度が足りてないとならない。

とどのつまりコンピュータ系のは各ハードとOS等の全てが相関関係にあるが、全てに完全対応させようとするとかなり普段ならオーバースペック気味にしとかなきゃなんない。
それが只のPCだったら普段より作業時間を長める事で対処出来るが、音でリアルタイムじゃないととなると本来は限りなく無駄に近くても省けないのである。

だがそれをすればその商品は機能等からすれば割高になり、未経験者にはそっぽを向かれて当然となるだろう。
とは言え俺的には只のマルチ機にだったら無い制約を付けてるからには、その範囲内でならもっと責任ある動作が為されて然るべきとは思うんだが…。

それにしても今更こんなんで狼狽えた俺等は大浦島君も良い処だが、21世紀のデジタルでまさかとの思いに偽りは無い。
単にPCの世界では相性問題を始め理屈と実際の不一致が頻発するのは概知体験済みだったが、専用機でも起こるとなると今後が色々大変そうだ。

こっちサイドとして安全策をとるなら失礼だが、やはりオモチャレベルのは避けるのが賢明だと思った。
安くて得すんのは「使えた・事足りた」場合であって、もし主目的に不都合があったらお金を落して無くしたも同然ですのでねぇ。

<つづく>

2019年7月21日 (日)

音圧感科学館⑮ デジタル録音とレイテンシⅠ

教える方に精を取られ過ぎてたか不調だった従兄がペースを掴めた様で、漸く太鼓録りの具体的な内容に入れつつある。
でメデタシと思いきやお得意の「悪意無き後出しジャンケン」みたく、どうもレイテンシが気になるんだけど言い出しやがってムムムのム。

従兄としては演奏の大問題が解決する前にケチ付けるみたいになるのを気遣ったんだろうが、こっちとしては先に言っとくれよ~ぉである。
すぐに録れそうに無い時程それ以外の問題解決に時間も取れるってもんスから変な正義感…は置いといて、俺としては全く気にも留めて無かったのでチョイ慌て。

音圧でレイテンシて何の因果がと思われますれば、結構大いに関係が御座居ますのです。
その内容へ行く前に親切の押売りで「レイテンシ」(レイテンシー)の簡単な用語解説と洒落込むが、デジタル機器の動作の為の遅延時間でありんす。

厳密にだとアナログでも電子回路の通過はゼロ秒じゃ無いけれど、大抵の場合その時間は入って来る音には無関係で回路毎に一定でがす。
処がデジタルだとデジタルってもアナログから変換せにゃならんし、変換後のData量は入って来た音次第で極端な差が生じる。

すると極端な差のせいで入った音次第でその遅延量も大きく変動し、これが人間如きでは対応不可なので厄介なんですわ。
具体的な遅れ具合の範囲は凡そ0.01(10mSec)~2秒程で、2秒なんてのは現代のPC性能水準ではもう起こらないだろう。

だったら極僅かなんだからどうって事ぁ無いって?、単に普通にPC使うんなら気付く必要も無い位影響なんて無いでしょな。
しかし音楽演奏の録音だと却って僅かなズレの方が問題児で、どうせなら♪1個分とかキッチリ遅れてくれた方がまだマシだ。
これだとノリを制御すんのなんて以前にタイミングを合せるのが困難化し、どんな酷い指揮者に従うよりもっとハチャ滅茶になるのだ。

ここで従兄談をも少し詳報しとくと、以前から彼所持のオールインワンマルチで録る時に何となくタイミング的に違和感は持ってたそうだ。
例えば「んー変だな、さっきのSnareはもうちょっと重くしたつもりだったんだけどナァ」とか。
だが迂闊に俺にバラすとすぐ「んなの買うからぁ」なんてやられんのも恐らく嫌で、確証も無かったから孤独な戦いを続けてたらしい。

それが白日の下となったのは例に依って俺の悪魔の囁きが発端で、彼所持機は「俺:PCには繋げらんないの→従兄:確かUSBで」より物語の始まり始まりぃ。
俺弁解から行くがMixdownをPCにしたいなら、最初からPCで録った方がData移動しなくて楽なんじゃと助言しただけなのよ。

それが従兄は実体MixerのFader操作が何故か苦手なんだそうで、それから解放されるPC内でMixingをやって行きたいんだと。
従兄は非電気屋ってもPC歴は俺より全然長いからとっくに試してそうなもんだが、現用PC機より前のは化石級で本体もOSも非対応だったのもあった様だ。

で兎に角試した処呆けオヤジ連にしては割とアッサリ行けちゃって、そしたら何だか随分色々と音が違うねぇとなったのからまた次が始まっちゃったのだ。
俺は気持ち音質が良くなった程度に感じてて、向上したんだからOKとその後気にもしていなかった。

これ先々週の話しだったがその直後から従兄は色々調べたりしたらしく、彼なりに裏付けも取れたらしい。
従兄としては音質の他に「叩いたまま」が録れてたらしく、でもその時点では復調のせいだけか判別出来なかったみたいだ。

この先は次回へとして恒例の因みにであるがデジタル音響機器やソフトには、本件瑕疵を避けるべくその多くにレイテンシ回避の設定が用意されている。
それがBuffer(直訳すりゃ緩衝器)で、主に2つの方法がある。

その1は予めわざと遅らせてマージンを取っとく式で、サウンドカードや再生専用のに多い。
その2はBufferの数量を変えられる物で、PCのリソースの割振りが出来る物だ。
尤も後者だって沢山使えばその分電子回路を一杯通るから遅延量は増えるが、小さいのを沢山とすればその分遅れを短く出来る差がある。

音楽屋としちゃこんなのせこい次善策だが、PCの成り立ちを考えると已む無しではある。
PCは画も音も出せるし様々な作業に応じてくれるが、総合的判断の結果「画優先」とされている。
殆どのソフトは喋らないし、重い動画の対応もせねばとなると音より大きな準備が要るからだ。
出来ればせめて1つ位は音楽用に特化したマザーボードがあればと思うが、近回述の如くそれ用のLSIの開発・製造に難がある。

<続>

2019年7月20日 (土)

音圧感科学館⑭ デジタル録音とCompressorⅫ

何がこの際ってちょっとBassのコンプに特化するだけだが、兎に角さあぁ行ってみよ~う。
始めは前回の続き部分でコンプするにしても、弾く段階で加減して無いとからだ。

普通人が弾くのに加減する部分は音程感を伴う処に対してなんで、コンプにSide Chain+EQを施すので状況の改善が見られたのは記した通りだ。
尤もこれはどっちかってば楽器単体単位に対しての効果で
最大音量絶対値じゃないので、音程があっても太鼓みたいに極端に倍音が豊富な物にはあまり向いて無い。

歪ませちゃ駄目な電気楽器や生楽器の場合は強弱は音量変化の依存度が高いが、一番コンプしたい太鼓に限って掛けるにしても上記の如くで意図的操縦の難易度が高い。
そこで太鼓とエレキBassのコンビなら、大きくする方には限界があっても小さくするのは割と楽なBassの方でバランスを取った方が上手く行き易いのだ。

と云っても両者は元のダイナミックレンジにかなり差があるから、音量が完全にシンクロするなんてのは稀だしポピュラー系ではそこ迄の必要も無い。
しかし歪ませたエレキGuitarなんかでも絶対最大音量がほぼ一定でも、次の様な音の内容・含有率の変化は案外結構あるもんだ。

それ何処っつったら低音域で、高域は何処を弾いても出てるが下の方に限っては弾かなきゃ幾らも出ないのである。
これはBassでも同じだけれど、Bassの低い方で被るのは殆どバスドラだけだ。
Pianoなんかだってもっと低い音域迄出るし使うが、音色的にその帯域だと倍音主体なので直接的な影響はずっと少なくなる。

パートの役割上Bassは低音の割合が一定以上含まれるのを要求される場合も多く、例え倍音が良く聴こえたって基音系が不足するのは許されない。
この点ではバスドラ以上と言っても過言で無く、何はともあれ和音をしっかり構成・成立させねばなりませぬ。
で、例えばGuitarが下に来た時だけ少しBassが聴こえ難くなったりするのである。

ここで楽器毎の音量変化量と他パートへの越境!?度なんてのを考察してみると、金物系の一部を除き太鼓等パーカッション系はその楽器としての平均音量より大きい時間がとても短い。
太鼓も強コンプして行くとそれが変化するけんど、瞬間だから御免ねって感じでアンサンブル内であんなにデカく鳴らしても平気となっている。

それが弾き方や設定した音色にも依るがBassってな「音程のあるリズム楽器」なんで、アタック部は≒パーカス系なのに持続部とか余韻は≒Guitar等と両面を抱え込んでるのである。
故に優先順位としては先ずバスドラとSnareが基本だけど、太鼓以外のパートとも和音形成の都合上バランスを構築せねばならんのよ。

ほいで又太鼓よりゃダイナミックレンジは狭いが、深歪ませエレキやシンセなんかよりゃ広いって言わばこの面では中間管理職なのだ。
加えてその両極のと比べたら加減もし易く、Bandの人間関係にはドラマーが強いが音に関してだとBassistがそれが値する感じだ。

それだから人に依って様々な手法があるだろうが、俺はなるべくBassの調整を遅らせて全体のバランスがより良く取れる様にしたいのだ。
現行Bandのメンバーは大旧知の者ではあるけれど、今の録音システムになってからの経験値は未だ無きに等しい。
そんな風に録音での加減が熟知出来て無い場合は、先に作り過ぎちゃってると後で不便を強いられるのである。

コンプの項でToneセッティングを話すのもお門違いっぽいが、これについても後からの弄り易さを意識しつつベーシックな部分だけの設定に留めて録っている。
それは音色に依ってコンプの掛かりや掛り方に違いが出るのもあるからで、もし皆がBassに全面的に合せてくれるってんなら話は別だがね。

けどそれが曲に依って合わない場合だってあるから、こう云う世界では誰それが偉いからそいつに合せるなんてのは通用しないのよ。
大体そもそも偉い人程人に合せるのが上手だったりするしのう。

<つづく>

2019年7月19日 (金)

音圧感科学館⑬ デジタル録音とCompressorⅪ

本人のつもりだけか分からんが俺みたいな真摯な!?Bassistは、自らのは勿論だがバスドラもなるべく常に聴こえるバランスを模索する。
更に他パートだってそうだが聴こえんのならそもそもそこで鳴らす必要が無いし、要ると思ったから鳴らしてるんだろうしね。

これ相手がもし極度の無神経ドラマーだったらこっちが必ず聴こえる位に音量を上げて懲らしめてもやるが、それ以外の場合だったら手加減中心でバランスさせられるのでそれを目指す。
録音だって基本線に違いは無いが、両者共「録れる音」が生時とは違う難しさがある。

そんな中試行錯誤の挙句現況ではBassを録る際は、Line録りでもコンプは掛けぬのに至っている。
宅では現環境構築の当初に太鼓の掛け録り対応として、同一コンプを3台揃えたのは概述の通りだ。
なので太鼓の掛け録りも試した事があったが、それ自体にもBassとのバランスの為にも大して役立たなかった。

これが電気的・論理的音量レベルでは統一効果はちゃんとあったんだが、メータ見て合わせといても実際それを聴いたらありゃリャのりぁ~だったからなのだ。
コンプはその動作で音色変化を起こすのも概述したが、それに依って音量が同じになっても音色が全然違ってしまったりする。

これがバスドラやBassみたいな低音域だと基音の聴こえる量の変化巾が大きくなるが、耳が認識する音量は基音の方なのだ。
そこで先ずはコンプのSide ChainにEQを挿入し、基音に対してなるべくコンプがリニアに反応させる様にしてみた。

やってみると耳に対する安定感が向上したから今でもそのままの接続になってるが、それでもバランス目的には機械だけでは不十分だった。
んで他も色々試行錯誤してみた挙句の結論としては、結局は「バランスする様に演奏」されてるのが一番効果大だったのである。

要するにコンプ(勿論リミッタ・レベラ含む)は単純機能なので、元のに従って動作するだけだからなのよね。
ほんで前回記した如く録り前のコンプ設定が最適化に厳しいので、両方共無コンプで先ずはなるべくバランスする様に演奏するスタイルとなっている。

因みにコンプのSide Chainとは制御信号に何らかの特定の性質を与えるとか、第1chの入力で第2chも同一に制御させたい時等に使う物だ。
前者+EQの具体的な方法は各楽器基音部分の周波数のみ増幅或は以外を減衰設定させ、こうすると基音の大小にコンプが反応する様になる。

これは楽器の音程感堅持等にも効力を発揮するが絶対的最大音量に対しては鈍感化するので、電気より聴感音量にに則した状況となるが故にリミッティング等には使っちゃ駄目よだ。
また後者のリンクは大概Stereo Linkボタンが付いてたりするが、上記後者の使用法とは似て非なる物だ。
上記のだと片chだけでの操縦となるのがStereo Linkでは相互に作用し、どちらへの入力でもそれがThreshold 超えると両ch同じ様に動作する違いがある。

これが現行Bandでは休養中のGuitaristだけが奏法上の都合もあって掛け録り派で、尤もコンプは不使用だがEffectorで深目に歪ませてるので電気的音量変化は電子楽器並となっている。
これ等を唯録っただけの段階で合せて聴くと当然アンバランス箇所が出て来るが、音響後処理だけで賄えるか不安がって困らされている。

だが普段はGuitarも自分で弾いてる身からすると、兎に角ピーキーで掛け録りが困難な太鼓と次にBassの処理の方が桁違いに大変なのだ。
Guitarも概Effectならレベルバランス的にはもう電子楽器並って、何とか教育・矯正してかなアカンね。
平らなのより凸凹な方をどんだけ滑らかに出来るかが先に要って、アンサンブルってな独りの神様と人殺し達ってよりゃぐうたらでも犯罪歴は無い連中の集団みたいなのを必要としているもんなのだ。

また未だ不完全なのは承知の上で体験からすると、やはりダイナミックレンジの広い生楽器が演奏でもバランスさせるのが一番大変だった。
なのでBassの加減は太鼓に合わせるのを主と考えていて、その逆には不十分さを覚えている。

今従兄がBassが入ったのを聴いて叩きたいってぇから一応先に入れたけど、まだ仮とは云えその録った太鼓のバランスには俺的には全く承服し兼ねる状況である。
彼としてはバスドラが聴こえ辛くなるのなんて始終あるから気にしてない様子で、Bassだけちゃんと聴こえてりゃ良いと考えてる節がある。

それが彼のドラミングスタイルなのかも知れんけど、こっちとしてはやたら目立ってバカでかい癖に他のも聴こえるBassなのがマイスタイルなんざんすよねぇ。
言うなれば「個人的にだけ無茶なスタイル」ってんでしょうか、他に悪影響が出ないで済ませられる程好き勝手も出来るってもんですんでね。

<例に依ってこの際続く式>

2019年7月18日 (木)

音圧感科学館⑫ デジタル録音とCompressorⅩ

目的に適した機種・動作の選択に続くは掛け録り時の注意事項と、アンサンブルバランス目的の掛け方についてだ。
俺は個人的には今のデジタル録音では、コンプの掛け録りは基本的に不許可としている。
これは何も脅そうってんじゃなく、うっかり掛けてると後でとっても怖ぁ~い目に遭わされたりするからなのだ。

ではアンサンブルバランス案件から始めるが、正味な処音色も何もそんなのはマトモに聴き取れてからの話しだ。
Rock Bandではお馴染みの生楽器と電気・電子楽器コラボの場合、音源から充分離れられれば頻出中の「エアクッション」でその性質差もかなり吸収される。

だが録音では只でさえ音が違ってるのに、生:Line録り・打込み等と余計に掛け離しちまっている。
これをここで問題とするのは演った音⇔奏者耳間と、出た音⇔収音機器の距離が大抵違っている点だ。
早い話しが奏者に聴こえてたのと「違う音を録っちゃった」訳で、どんな達人が神業加減をしたって最低でも「違う音」の分のアンバランスは生じて当然なのよ。

今日は早出の因みにで近年は奏者もヘッドホンモニタで録るのが多いが、超爆音楽器の場合「ヘッドホンからだけの音」を聴けるようにはまだ中々なっていない。
ヘッドホンについては以前述したが高遮音の物は一部例外以外は低音量なので、うるさくないのは大変結構だが外からの音も聴こえてしまう。

反対に数少ない音量無制限タイプのは外の音を殆ど聴こえなくも出来るものの、尋常じゃない猛爆音となる。
先ず健康面が心配されるが例えそれが耐えられても、普通に演奏する時より音が大きくなり過ぎるから正常なモニタには程遠くなる。

かつて打込みがほぼ存在しなかった時分には録音専門のスタジオミュージシャンも居たけれど、本当に良い音を出せてた者はスタジオ裏方専門では無かった。
今にしてみりゃ機械の問題を、人が全部肩代わりするのはやはり無理があったと看做せる。

次に本案件に関係する部分での音源の質についてだが、打込みにしか存在しない音色ってのがあるのかだ。
俺には一切思い当たらんのやけど、もしかしたらボーカロイドとかって思う者も居るかも知れぬ。
せやけどボカロの音源は人の肉声で、高度なEditが出来るが為とてもそうとは思えん感じになってるだけなんよ。

他にも昔では記録困難だった環境音等もあるけれどそれらはどれも元は「生」で、収録時には必ずMicを使っている。
それからデジタルシンセは近年のの詳細は未体験だが、普通楽器として使う時ゃAmpやPAに繋いで音を出す。
すると極力デジタル化してもスピーカって超アナログが、必ず絡んで来るのである。

これの意味する処は「アナログでも再生に耐え得る音」となる様に調整されてる事で、楽器としての実用ダイナミックレンジは結局狭いアナログの方へある程度合わせてる事になる。
少々レベルが低くても平気なデジタル録音でもあるので収録時にコンプは無くても平気で、寧ろ懸念すべきは掛け過ぎや掛け方違いの方なのだ。

例外となるのはAmp歪ませ録りで歪みが軽度、GuitarとAmpの間にコンプなんて繋ぎ方の場合だ。
歪ませは充分深いと余韻部も歪むが、軽い場合だと殆どアタック部しか歪まなかったりする。
けどAmp前にコンプが入ると余韻部も歪んだままとなったりして、弾き方に相違が出て来たりもするからだ。

だが生の迫力再現だとか音のインスタ映えみたいなフルメイク目的なら、加減が自由になり周囲との兼合いを図り乍ら調整可能な後掛けが有利だ。
敢えてそれに逆らいたいと仰る場合、次の点を熟慮されたい。

本来Peak成分が多くその度合いの激しい音に程、音圧を上げるにはリミッタ・レベラ・コンプが要り様になる。
それがポピュラー系一般に於いては太鼓等である場合が多いが、これを何時も掛け録り出来るのかが問題だ。
Micが2本ならステレオコンプ1台で賄えわざわざモノラルのコンプ1台のみ所有ってのは少ないだろうから、コンプを持ってさえいれば事足りるだろう。

しかし現代平均だとMicは7~12本位のケースが多いから、全部掛け録りをしたかったら最低でもステレオコンプで3台は用意しないとマトモに掛けられない。
仮にCymbal等金物系と太鼓系に纏めてから録るにしても4chになるし、最低でもバスドラとSnareは独立させときたいから+2ch=6chは必須だ。

しかも同じドラムセット内で妙な違いが無意図に生じるのもヤバイから、コンプは同一機種・基本的には同一設定としとくのも必要。
更に奏者の体の暖まり加減等で極端な音量変化も起こすので、そもそも録る前に最適設定をするのがとても困難なのだ。

この様に一番「掛っといて欲しい」のに掛けられずに録れてるヤツが居ると、俺みたいなBass屋には苦悩が訪れるがそれは次回の講釈で。

<つづく>

2019年7月17日 (水)

音圧感科学館⑪ デジタル録音とCompressorⅨ

前回のを受けるとデジリバなんかと比べたら、折角デジタルになってもコンプは信号検出・分析・指令部分に随分知能の低さを感じざるを得ない。
もし「お利口さんなコンプ」なんてのが
あったりしたなら、俺視点での「J-POPの悲劇」なんてのも起こらんかったかも知れない。

けれどもその役割が原音場の再現とかじゃ無い以上仕方無いとも看做せるし、それこそ恐ろしくお利口なデジリバがあるのだからとも言える。
資本主義の世の中で機器も高集積化が顕著となると、予算が計上されんと新規開発は困難となった。
最近では高度な物には専用部品を作る必要があるが、売れる確証が無いとそれが危ないのだ。

では何故「お利口コンプ」が売れなさそうなのかだが、専門家視点では録音が向上したからなのである。
昔とは段違いにそのままが記録出来る様になったんだから、元さえ良けりゃ加工なんて要らんでしょって考えだ。
処が無責任な音楽屋は少しでも楽しようとしたか、こんなに機械が発達したんだからそっちで何とかしてよとすっかり堕落しちまった御様子だ。

心理面から考察するともしコンプが今でもこの世にたった1つしか無かったなら、非音響屋で音楽屋の人でも使い方をキチンとマスターする気力が湧いたかも知れない。
でもこんなに色んなのがあると本来は有り難やぁだが機種選びの段階でもうてんやわんや、俺みたいな専門のベテランですら完全網羅する気になんか到底及ばん位だ。

現況では理想的には音楽屋は演奏に・音響屋音創りに専念するのが適してるが、音響機器のデジタル化率が高いせいか音楽的にクリエイティブな人材が昔より音響に来なくなってしまったと痛感しとる。
電子技術的には優れたデジタルも何でも一様に数値化するせいで、人間の直観的操作とはどうも相性が悪いからかね。

音響屋もオーディオ相手だったら未だしも、音楽相手だったらかなり音楽自体に精通してないと厳しい。
特にLine録りみたいに奏者が「創れる場所」が少ないと、音響屋の負担が更に重くなっている。
しかし機械・電気好きな者程どうしても芸術方面等感性への興味が薄くなる傾向が否めず、またここでも2極化ですかいってな様相だ。

音響機器が本体も操作も複雑化した上感覚を反映し辛くなってるので実に厄介だが、総体的には演奏が昔よりは楽になってるのを音楽屋は噛締めて頂きたい。
一発録りしか出来なかった当時だと音量バランスは演者自らで取るしか無かったし、そんな色々があるのに誰かが一寸しくじっただけでもう全員で頭から又演り直しだったんだからさ。

何時もの如くこのままだと迷惑なだけの選挙演説みたいになってもアカンさかい先へ進めるが、何処の世界でも最近は予め学ぶ範囲がだだっ広くなっている。
そんな中最初から狭い範囲だけを追及したりすれば、どうしたって本筋からはズレ易くなってしまう。
なのでもう少し浅くても構わんから、先ずはベーシックを一通りマスターしてからにしましょうや。

個人的認識に過ぎぬが近年は何でもコンプCompの1点張りで、リミッタとかレベラ等他の呼称が随分とマイナー且つ巷でご無沙汰な様だ。
コンプでも多様な使い方があるのさえ分かってりゃ呼び名はどうでも良いけれど、理解不充分の内は名称が異なる方が「どっかが違うらしい」のが分り易いのではと思う。

そこで最初に分別されたいのが音量レベル目的のと音色目的のの判別で、極端な話し音色演出主体のだけがコンプなのだと思い切って思っちゃって頂きたい。
レベルオーバー防止だろうと音圧向上だろうとそれは「音量案件」で、それなら最低でも用途としては本来リミッタやレベラなのだ。

これは慣習的要素も強いので世間ではコンプの方が通じ易いが、エレキGuitarのVibratoとTremoloの内容と通称が逆転してるのと似てるかも知んない。
昔のFender Ampに付いてたVibratoは実際にはTremolo(音量を大小させる)効果で、StratのTremolo Armの方が音程を上下させるVibrato効果となっている。

尤も使う上で間違える様な支障が無くば学術論文じゃないんだから気にせんでも構わんが、コンプの方では多くの者が盛大に勘違いしちゃってるからねぇ。
なので普段なんと呼んでも全然結構だけど、概念だけはキープしとかんとアカンがな。

さて音が空気の振動って前提である以上、現況では無空気で聴く事は不可能だ。
また単に聴こえりゃ良いなら骨伝導なんてのもあるけれど、普通に音楽を楽しむ場合は先ず耳でである。
すると量の多少はあるけれど必ず「空気のクッション」が、常に音源と聴者耳間に介在する。

これは通常音源より耳では必ず音波のPeakが緩和鈍化されてるのを意味し、楽音の「Peakだけの状態差」は想像程は音色に直接は関与して無い事になる。
しかし前回迄に記した如くPeakの程度によって「Peakの後」の部分には大差が現われるので、ここがどんなかは音色に著しく影響がある。

また音圧と音色にも密接な関係はあるけれど貴方が欲しい音の見極めが一番大切で、ホントに音圧が欲しいのか音圧感に優れた音色が欲しい等のどっちなんスかで御座居やす。
Peak抑制に重点を置けば遅いコンプは使えんので、スッキリ綺麗には出来たってアタック時間をそれなりに温存して太くするのが無理になるからね。

最後にプチ呼称解説をしとくがリミッタは直訳したら制限機の通り、設定最大音量以上が出ない様に制限する物だ。
Compressor(コンプ)は上へ倣うと圧縮機で音響用以外のはまんまだが、機器的には大きい音を確かに抑えるけれど総合結果としてはどっちかってぇと小さい処が大きくなると捉えても良さげだ。

レベラ(レベラー)が今では一番難解そうで建設関係者なら水平器(水準器)を思い浮かべるだろうが、音のだと平坦化はするが通常完全に曲頭と終りを同一音量にしたりする訳では無い。
強引な日本語化をすれば平均音量上昇機ってな処で、音的な最大の特徴は音色的改変が一番少ない処である。

今は自動録音っつうと音がしたら勝手に録音が始まるのの方を指すだろうけど、録音がアナログだけ時代の素人向け機器のそれは「録音レベルの自動調整」の事でこれが誰でも知ってたレベラの代表だ。
露骨に歪んじゃ駄目だが音が変わるのも困るこんな用途を満たす方法として、意図的に調整速度を遅くしてあるのがミソなのだ。

阿保みたいやが反応が早いとリミッタやコンプを掛けたみたいに「音が変わっちゃう」からで、掛けたのがバレ難い様にこっそりゆっくり裏で細工ってな按配になってるのだ。
音色はコンプの方が高音圧ぶりっ子だが、従ってホントに上がるのはレベラの方なのだ。

<続>

2019年7月16日 (火)

音圧感科学館⑩ デジタル録音とCompressorⅧ

概出させてるが今日は音源⇔聴者耳間空気とコンプの関係、これを掘れるだけ掘ってみますぜ。
歌わないし管楽器もやんないから空気なんて関係無いわいと避けず、少しでも音を扱う人にはホントはこれこそ根幹的必須要項ですんでね。

改めて考察するが「生の迫力」は何が原因!?視覚!?爆音!?確かにそれもご尤もだが、爆音で無ければ全く訴求力が無いかってばそんな事無いよねえ。
この原因の中で今回は空気の速度にフォーカスするが概述の如く音源から少し離れれば、過高速だと間の空気の弾力に依って遅延させられてしまう。

遅延ったって人が感知出来る様なもんじゃないが、音のアタック部のPeakを変形させるには充分だ。
そしてリアルタイムの空気移動が間に合わない過高速音でも、間に合う速度のと上記とリンクしてるが差異が想定されるのだ。
それはズバリ「圧力」で、太鼓の皮の動きとそれで揺すられる空気の関係を想像されたしである。

音が聴こえた瞬間は皮の移動量より空気の移動量は、「間に合わない」から減っている。
だが皮は実際にもっと沢山押したんだから、耳に未到達でも「皮の直前の空気」は皮の移動量通りに動いている。
もし空気がどうしてもそれより動けないなら皮の振幅が抑制されて、もっと振れ幅が小さくなってる筈なのだ。

って事ぁ過高速音源至近の空気は音が鳴る度に一時的に高気圧となってる訳で、鳴ったより遅れはするがその音若しくは風が後からやって来てる筈だ。
この辺が恐らく音の大小と強弱の違いなんかに関係してると思われ、高圧→勢いが強い→周辺環境に負け難い→ある種の強い音って按配か。

因みにそもそももし気圧変化ゼロだったら、空気動かない=音が伝わんないであるぞなもし。
これが水等液体であれば水平みたいなもんで、風等の外部要因が無かったら落差が無いと流れんのと同じだ。

これへ現実空間と録音の違いを当て嵌めてくと人には聴覚の他に「体感」もあってセンサーは2つだが、Micの方は単体だと通常音だけなので単独センサーしか無い違いがあったのである。
ここへ着目するとBONZOが良く使ってたアンビエントMicってのも、単なる残響では無くどれだけ部屋中に太鼓爆音が充満してたのかを示したかったのもありそうだ。

さて本項は音圧であるからそれとの関係へと進めるが、再生装置に特別な工夫をしないと「サイズ的に大きい音源」の圧力面での再現はもう理屈上だけで不可能となる。
一般的に入手可能なスピーカは46cm程度が限界で、すべからく22inch(約56cm)のバスドラより狭い範囲の空気しか揺する事が出来ない。

単純計算では面積の少ない分をストロークで稼げは体積は一緒に出来、実際スピーカはそうやって働かされている。
しかし空気を押す時点で違いがあればそれが一定距離以上離れた所へ到達する時、その差は大巾に拡大されてしまい似ても似つかない物ににもなり得るのだ。
因みにⅡでスピーカを複数にすれば面積だけなら同等化出来るが、以前述の如く単体時と異なる指向特性が現われる。
すると今度はこの部分で本物からは遠退く等、あちらを立てればこちらが立たずとなってしまう。

これを誤った恥ずかしい方向へ追及しちまったのがJ-POPサウンド等に多いと感じているが、高気圧ってそんなにむさ苦しくて過し難い気候なのかを考えてみるべきなのだ。
幾ら同じ空気の件とは云えいきなり音と気候を一緒にするとは乱暴かもだが、多くの人にとっては寧ろ低気圧の方がやれ古傷が疼くだのと今の梅雨時みたいに鬱陶しくて心地悪いよねえ。

そんで次の段階として過コンプによる音の過密は高気圧なのかがお題で、これは単なるモーレツ社員時代のラッシュアワーと同じである。
ぎゅうぎゅう詰めは体に押圧こそ感じるが、では梅雨時のラッシュでも電車内だけ高気圧になってるかってば断じてそんな事は無い。
音もそうだが特殊加工無しだと空気は透明で見えないからか、密度と圧が別物なのを皆見落してるのだよ。

第3段階へ進むと音に依る高気圧と気候に依る高気圧の差の分析で、気候のは暫くは続いて変わらないが音のは割とすぐに元の空間での気圧へ戻る処が違っている。
つまり気候のは範囲が広く継続時間も長いが、音の方は幾らBONZO氏に頑張って貰っても桁違いに範囲は狭く限定されるし時間的にも花火みたいにたちまち終わってしまう。

特殊空調等が備わって無い限り家の中と外の気圧は一緒だが、音の方だと扉1枚隔てただけでもそれなりの差が途端に出て来る。
もしそうじゃないと窓も何も全部締め切ってても、お熱いタイムも戦慄の夫婦喧嘩も世界中にダダ漏れするでしょ。
これを纏めてくと音に応じて微気圧変動が起き、音が小さくなると大気中の気圧に再び近付いて行ってる訳だ。

それを電子力で置換えるとして「音が小さくなると…」部分が特に俺が訴えたい場所で、コンプリミッタの反応が変化しないと近い感じにならないって事なんだ。
その変化も音量の他に音域や実際に音を出した現場の拡がり方にも呼応させなきゃ駄目で、単に入って来たのを無条件に半分の大きさにするなんてだけじゃ気休めにも足りない。

だが知り得る限りで2次3次関数みたいな反応や設定が出来るのなんて覚えが無く、だったら使い方で工夫して近付けるしか無いんじゃとなるのだ。

<続>

2019年7月15日 (月)

音圧感科学館⑨ デジタル録音とCompressorⅦ

そろそろ指向を変えて、デジタルでも典型的コンプサウンドが欲しいのについて書いて行こう。
それは低域より中域が主体となる楽器に多く、その中で太さが要るのと要らんのの大枠では二手に分かれる。

太さの要るのの典型はエレピで基本線はBassと似ているがそれ以上にコツが要り、音域からしてエレキGuitarとBassの両方の条件が要るのも仕方無い。
Bassでは最悪低域と高域(Bassとしての)が出せてれば何とかなるが、エレピでは全体域が出せてないと途端にショボくなってしまう。

通常は太さ不要の代表はLine録りの生音エレキGuitarのカッティング等で、太さ・滑らかさ・マイルドさが欲しい場合はAmp→Micで拾う方が適している。
なので上記後者の音が欲しいのにLine録りしか出来ない時は、エレピLine録りの場合と近くなり中域を盛って誤魔化すしか無い。

念の為但し書きを加えとくがこれ等は録る時の楽器用プリAmpの設定の話しで、そのプリも極力「球」のであるのが望ましい。
それでないとTone回路での掛り方に問題が出て、他ので代用不可じゃないけれど知識も技術も余計に要るからかなり大変だ。

も1つオマケでDirectboxしか無いよなんて場合、各楽器の基本音色形成は録ってからなになる。
が、通常は先にコンプ掛けたらアカンからね。
それだと後で音色を弄ったら、音程に依って変な音量の凸凹が出来ちゃったりするからな。

処で宅では近年エレピは球Ampがあるのに上記誤魔化し式が常套化してるが、機種が本家のじゃないせいでAmp録りだと高域の伸びに欠けるのが原因だ。
だがかなり注意しないと如何にもLine録りで御座居な音色になって、俺的には最大の魅力と思ってる艶や厚みが得られなくなってしまう。

このCOLUMBIA Elepian  EP-61C決して悪い音じゃ無いが、本家Rhodes等と比べ高域の「上限」の含有量が少ない。
大昔の一般水準では足りたと思われるが、録音のレンジが拡がった今だとこの差が結構分かっちゃうし気になってしまうのだ。

本家はFender系だからか一面でPrecision Bassと楽器出力の周波数特性が似てて、中域主体・高域は柔らか目だが量や帯域は無制限ってな感じだ。
こうなってると高域を上げ気味にしても高域鍵盤だけ音量が増えたりし難いが、宅の紛い物では見事にそれが出て音域毎の音量バランスが崩れるなんてのもある。

俺がここを気にするのも訳ありで音源になってる物はどれも超高域と艶のバランスや、歪みがある場合それを上手く処理出来てる物にお目に掛らないからだ。
実物だと(エレピ+球Amp)若干歪んじゃったかなぁ位では基本音色が不動なのに、サンプリング物では随分とダーティでLo-Fiな上にザラ付きが是又中々で勘弁しとくれよなのである。

体験的にデジタルシンセのYAMAHA DX系のエレピ等の方が圧倒的にHi-Fiではあるが、存在感に長けたエレキGuitar等と同居させるとどうも負け気味だ。
デジタルシンセでは簡単に音色自体を変更出来るから、必要に応じて違う音色を使えばって考えなのかも知れない。
それって間違っちゃいないけど1つの音色から様々な表情ってのが、伴奏等で幅広く使うには意味のある処でもある。

本筋へ戻してくが宅のエレピの場合Line録りのをどう料理してるかっつうと、球プリのMidの他Bassも大胆に増やして凌いでいる。
これをしても音色的には多少太くなる程度で大差無いが、アタック部の雰囲気は目立ち難いがかなり違って来る。

電気楽器のエレピは基本的に「音源を叩いてる」物なので、この部分には打撃故あらゆる帯域成分が含まれている。
これはある意味Bassのサムピング時の応用で、低域が足りないと代用バスドラのつもりがせいぜいタム程度と軽く弱くなっちまうのがヒントだった。
依って一聴で大差が無くても特に後でコンプを掛けるなら、ここの拾え方次第でその反応にはかなりな差が生じる可能性が高い。

こんなんするとデジタル録音が苦手なPeak成分をわざわざ増やすのにも繋がり兼ねんが、高域だけのPeakだとその時間が一層短くなるのでコンプの「掛り漏れ」は多くなる。
そうなるとコンプしたにも拘らず、音圧確保の為の全体音量レベル上シフト出来る量は随分減ってしまうのだ。
なので例えPeakの程度が軽くても後処理がどの程度出来るか、Peakの質も考える必要があるのだ。

それでも高域欲しさのLine録りでこれでは一見矛盾っぽいかもだが、上記現象等のせいか不思議なもんで打撃成分の不足がエレピでは「Line録り臭さ」に一番影響してた様だった。
私的分析に依ればこの「Peakの出方と割合」が、電子音源と「半生」である電気楽器でかなり違うからと推定している。

エレキのカッティングもそうだけどこれ等電気楽器、雛形となった音色は元は球Ampを通した音である。
今更原典に縛らる必要も別に無いけれど、下手に掛け離れ過ぎても違う楽器を使ったに等しくなってしまう。
なので特別な意図無くば弄るにしても沢山は不味く、聴いた印象がかなり違ったとしても実際変更出来る範囲は案外狭いのだ。

んでそれを当初世間の者はテープに録音しLPにした物で、更にAMにせよFMにせよ電波経由で耳にするのが一番多いパターンだったであろう。
だから録音で未コンプでも楽器Amp→盤焼マスタリングと送信時のリミッタと、大凡3段の圧縮が掛った後の音だったと考えられる。

一方太鼓やスラップBass程じゃ無いにしてもこの手のパーカッシブな音は、生で聴く時は音源と聴者耳間の空気のせいで言わば「天然コンプ」が掛っている。
恐らくいち早くこれにBeatlesは気付いたんだと思うが、故に「上手に掛ければ」コンプはあった方が自然な感じに聴こえる場合も出て来るのだ。

この辺詳細はまた明日。

<つづく>

2019年7月14日 (日)

音圧感科学館⑧ デジタル録音とCompressorⅥ

この際なんでホントに続けちゃい~のもっと掘っちゃい~のと行くが、個人的に全盛期のLouis Johnsonみたいな典型的Line録りサウンドは好きじゃない。
っても自分が弾くのに何時もそんなじゃ嫌ってだけで、聴く分には寧ろ快適な位だ。

これと併せて昔比でフラットワウンドの使用率の極端な低下にも触れるが、Bass本来の低音の質等では圧倒的にフラットの方が高級なんだ。
けれど色んな奏法の演り易さや悪環境下での明瞭度確保なんかの都合で、俺自身使わなくなって久しいがBass弾きには知っといて欲しい話しだ。

太鼓で対比させるとラウンド弦はシングルヘッドみたいなもんで、かなり使い方に気を付けないと軽薄で安っぽくて細い音となり易い。
特に真空管Ampの強力なフォローが無くなるLine録りでは顕著になり、後からの加工でどうにか出来る様なレベルでは無い…。

とこの位で後は各自でとしてLine録りBassには必須と思しきコンプでも、何処迄どう使うかが大問題なのが今回のお題だ。
先ず真っ先に要るのがそのお役目で、それ自体の効果が欲しいのかシミュレートなのかの分別である。

例えば病的なロングサスティーンが欲しいとか無闇にパコパコ言わせたいなら正にコンプだねだが、音圧感・迫力・荒々しさが欲しいのならそれは所詮「シミュレート」なのである。
これらは本質的に1に弾き方2にAmpで得られる物であって、またそれで為された音色が既に確立された物として恐らく皆の耳に刷り込まれてるだろうしね。

そこで次善策でもせめてものお慰みとして、シミュレートを「正しく」する位はしないとねぇなのだ。
こう云うテーマとしたので今回は球じゃ無くてもアナログのは、極力デジタルに置換した場合を想定してこう。
この中でそれが無理なのが手弾きの部分とお馴染み「ハイインピーダンス」案件で、こればっかりはデジタルでは解決不可能だ。

久々でプチ脱線するがイメージに反しデジタルは原理的には恐ろしく単純で、その基本は電圧が「あるか無いか」だけで動いている。
単純過ぎる原理で色んな作業をさせようとするからそれなりに複雑化してしまうけれど、だからこそ伝達ミス等はアナログより格段に起き難いのだ。

しかし白黒キッチリ分れ過ぎてる為にファジー(近年死語化したか曖昧)が起こらず、意図的にそうしても何らかの法則が残ってしまう。
なので人間×ハイインピって曖昧の権化みたいなのは無理に置き換えるより存置した方が適切で、その結果が楽器用だとまだ真空管Amp売ってます等となっているのだ。

人間の分は普通本人が居るから良しとして、ハイインピだけはシミュレートが幾らも出来ぬ。
こ奴困ったちゃんで一口にハイインピっても実はかなり値の変動が頻繁に起きていて、それが又あらゆる条件に依ってもたらされるから厳密には再現性がゼロなのだ。
依って個人的にはLine録り主体の人程せめて楽器用球プリだけは、インピーダンス案件の事情からお早目にと尽々思ってる次第。

次に理想としてはパワーコンプの方こそ必須なんだが、これは実体Ampを鳴らすしか無いのでリミッタで代用しまひょ。
パワコン(と段々ギャル語化!?が進展してるが😓)は限界領域近辺にならないと怒らないじゃ無かった起きないので、コンプよりリミッタが向いている。

太鼓もだが経験的にはBassの場合テープコンプレッションも結構な比重があった様で、通常太鼓よりはPeakが大人しいからか太鼓よりも露骨な歪みが出難かったと感じている。
これにも考え様に依っちゃ深い意味がありエレキBassのサウンドが確立した時期のは、生以外で聴いた場合パワコンとテープコンの両方が必然的に掛った後の音だった処だ。

この点からだけだと「何だ結構圧縮しても平気そう」と思われそうだが、テープコンも大きい方は抑え付けられるが小さい方は無視されるだけである。
依って動作的にはコンプよりリミッタの方が近く、しかし昔の機器はどれも反応速度が遅かったから音色印象は今のだとコンプの方が近く感じられるのだ。

これらを統合するとThreshold(掛り始める音量)を低く設定し過ぎるのが何よりご法度で、これがHi-FiとLo-Fiの運命の分岐点だ。
機器性能全般が低かった昔のでも今でも聴くに堪え得る音があるのは、部分的にでも「生のままの音」が残ってる部分があったからと言える。

そうでも無けりゃ幾ら趣味の古い俺みたいなオッサンだって、音は必ず今のの方が全部良いと無理無く断言してる筈だ。
際どい例えだが兄ちゃんよりオヤジの方が若い姉ちゃんへの興味が妙に強いのも希少性のせいで、機会が減る程チャンスと見れば(見果てぬ夢でしか無いのに)勝手に執着する様なもんなのだ。

<続>

2019年7月13日 (土)

音圧感科学館⑦ デジタル録音とCompressorⅤ

前回は音圧向上の原理的部分を記したので、徐々に楽器別等へ進めて行きたい。
クドイがデジタル録音ではレベルオーバー不可なので、そこそこアナログが絡んでる時とは別物との認識が必要だ。

俺言い「完全デジタル録音」の内容は1に音源がそうで、収音でもLine録りしかもデジタル→デジタルの事を指している。
と例に依って大きく出といて腰砕けっぽく見えるかもだが、音源の更に音源は生であったり既にEffectが掛ってるのもあるだろう。

しかし少々技術的背景を披露すると、圧縮度の高い音をExpanderで伸長出来ると言っても大きな問題がある。
もしどの様に圧縮したのかが完全に解明出来れば希望も出て来るが、キッチリ真逆を出来ん限りは何処かに違いが残ってしまう。
これが昔のテープ用のdolby等だったらかなり厳密なお約束(規格)が制定されてたから、全アナログであっても実用上問題が出ない様に配慮されていた。

だがサンプリング音源ではその加工方法等も技の内で、門外不出だし非公開なのも当然だから調べ様も無い。
それに余程特定の物以外は使える範囲は広い程良いので、本来はそのままでJ-POPの極端なのみたいに最初からはしときたく無いのである。

故に特に生楽器系のだと高音質を標榜する物程加工は少ないし、極端なPeakが含まれててもそんなに弄って無い筈だ。
今本邦では高音圧が全盛で主流だが、低音圧でスッキリサッパリした物にしたくなる場合だってあり得るからね。
となれば特殊な例を除くと「加工済み音源だから」と楽をしようっても、そう云う機会が訪れるのは稀そうだ。

では今回はエレキBass・スラッピング・Line録りを生贄に捧げるとして、何時もの様にスラッピング自体から行ってみるぞ。
今ではスラッピングだとLine録りの方が圧倒的に多そうだが、これも最初はAmp録りから始まってた物だ。

メジャーでの始祖たるLarry Grahamの談話では、打楽器不在Liveでの次善策から始まったとある。
俺的にはこれの「Live」がキーワードで、それに依ってAmpの設定等に制約があった事となるのだ。
メジャーっつってもLarry氏が売れたのはスラッピングが知れ渡って受けてからであって、始めた頃に出力に余裕のあるAmpを何時も使えてたとは到底思えんのよ。

これに基づいてスラッピングサウンドの形成条件を整理してくと、
1.弦を打付けるのとそれ以外の弾くのでは打付けの方がPeak音量は大きくなる
2.必要音量≒Ampの最大音量→普通に指等で弾いて歪みが許容範囲に収まる程度のAmpのGain
3.ヘッドルームに余裕が無いから打付けた分にはパワーコンプレッションが必ず掛る
となる。  

これがもたらす結果は音色的にはパーカッシブになるが、電気的には耳に感じる程突出したPeakは表れないとなる。
これはバランス的に大きい基音だけ「ゆがみ」で抑えられ・弄られなかった倍音は相対的にバランスが上がり、尚且つ元からの倍音の他に歪みが加わってトータルの倍音含有率は上がってるのだ。

どう云う事かっつうと「打付け」は通常より時間はとても短いが弦振幅が大きいので、その瞬間の基音と倍音の割合は音色に反して基音がとても大きくなってるのだ。
確かに指の腹で弾くよりは倍音は出るけれど、意図的にハーモニクスを鳴らしたりブリッジスレスレを硬く尖ったピックで引っ掻くのよりは全然少ない。

それでもネック寄りを指で弾いたのより耳には基音が少なく感じるのは、沢山出るのは打付けた初回だけだからだ。
弦が指板等に衝突して途端に振幅にブレーキが掛るからで、しかも初回のも基音と云っても衝撃音でそれに一般的な音程感が無いからだ。

因みにこのブリッジスレスレ…をわざとやってるのがクラビ等で、生ピアノがフェルトで叩いてるのに倍音を結構出せるのもその場所が弦の「端っこ」だからだ。
ピアノも硬いので叩きゃもっと倍音は出せるが、それやっちゃうとお姉ちゃんのチェンバロとの差が減るからね。
バスドラムのビータがデフォルトではフェルトで皮の中心狙いってのも、兎に角何を置いても圧倒的に低い音が欲しいからだ。

しかし電気楽器のBassでは楽器だけで作れた音色では無いので、Line録りの場合パワーコンプレッションの分が無くなる。
そこでLine録りの方を自らの音色とするBassist等だと倍音獲得の為に、弾き辛くなっても指板の後端では無くRearpickupを叩くイメージ位後ろ寄りで弾いている。

因みにⅡでAmp+スピーカよりLine録りの方が不要高域迄拾える程だが、そんな音場でAmpの時と同じ帯域に留まってると何だが隅っこに寄ってる様な感じとなってしまうのもある。
細身でプロポーションが良いと単独では平均身長位に見えてたのが、他人と並んだらチビなのがバレちゃったってなもんだ。

兎に角これで倍音含有率をクリアさせると、電気的にはより一層ピーキーな波形となるのだ。
そのせいかスラッピング率の高いBassist等程「歪むコンプ」を欲する傾向が強い様で、しかし全デジタルだとこれは結構厳しい物がある。

幾ら頑張ってもこの用途には「向いて無いデジタル」で途方に呉れる位なら、何かしらの真空管物を持って来てしまう方が手っ取り早くなる。
それも無理な場合音色との兼合いはあるが上記の様に太鼓に近い位ピーキーになってるから、これも「コンプの前にリミッタ」がお勧めなのだ。

<つづく>

2019年7月12日 (金)

音圧感科学館⑥ デジタル録音とCompressorⅣ

念押し兼昨日のおさらいから入りやすが、少し箇条書きにしてみまひょ。
1.コンプは音の出だしとその後の音量差の大きい音に程掛けた効果が表れる
2.持続音にコンプしても音圧向上には全く効果が無い
3.コンプリミッタを掛けるとダイナミックレンジは狭まる
でありんす。

恐らく世間認識だと音圧=コンプと思われてそうだが、ちょっと待ったあぁぁぁぁ。
以下に概念図を掲げるので先ずは見るべし。

Photo_20190711220401
画力表現力の不足から問題点があるやもであるが、何も無いよりゃマシ精神で御免被る。
では説明に入るがコンプリミッタを典型的な掛け方をした時の、音圧向上効果の具合を視覚化しようって趣旨だ。

折れ線グラフ状のは音量変化を表してて、上段はアタック部とそれ以降のバランスの違うのを右に2つ描いてみた。
この横方向3種は左の波形をノーマルとして中は滑らか目な・右はパーカッシブなののつもりで、音色に依る効果の違いも一度にと欲張って!?みた。

そして2段目はアタック部(1段目の原波形ではオレンジ色)にリミッタを、3段目はDecay部(1段目では緑)にコンプが掛った後の様子をイメージ化してある。
どっもレシオは2:1の設定で普通ならOV基準線(各段下の黒実線)から描くのを、高音圧志願って事で敢えて0dB(各段上側点線)側へシフトさせて描いてみた。

また線色の上記未説明分は青:サスティーン部(余韻)・紫と赤はEffectに依って改変された部分で、4段目は黄色:原波形・水色:如何にもなコンデンサMic・ピンク:旧態依然な低速ダイナミックMicで拾えた音の様子。
現実は音もEffectorもMicも多種多様ですから上図以外の場合も大いにありだが、基本原理を理解するには邪魔なので敢えて飽く迄イメージとして居ります。

先ずはここでの「掛け方の前提条件」を示しとくがコンプでもリミッタでも無神経に深く強く掛ければ、それ即ち単なるLow-Fi化でダイナミックレンジを狭めるだけとなる。
これが特にデジタル録音だと不味いのは、不要な雑音も「簡単に良く聴こえる」処迄音量増加させてしまうからだ。

そこで今回例では音量変化率の大きい部分にだけコンプとリミッタの各々の特徴(相違)を明確化させる意図で、リミッタはアタック部・コンプはDecay部にだけ作用させた場合としてある。

では4段目は後回しにして本題に進むが、基本的にオレンジ色以外の部分が上寄りになってるの程高音圧化している。
ここでの注目点は中の滑らか目のだけコンプの方が若干効果大で、それ以外はリミッタの方が効果が大きい処だ。
これはアナログと違って最大音量厳守のデジタルでは、如何に波形の全体が「上へ寄せられるか」が肝だからよ。

現実的には音色の都合もあるので何時もこの図の様には行かぬ場合も多々であるが、デジタルではコンプだけで音圧を求めるのは理に反するのを指摘しとくわ。
さてオマケ的な4段目だがコンデンサの波形が「全体的」に右にズレてるのは電子回路での遅れが主因で、旧ダイナミックのの線が基準線から浮いてるのは小音量への感度の不足が原因だ。

どちらもアタック部の標高が下がっちまってるがその理由は異なっていて、コンデンサは小音量は得意でも大音量は苦手なののせい。
旧ダイナミックのは単に反応があまり良くないせいで、音色的にだとコンデンサはリミッタ・旧ダイナミックはコンプが原音に少し掛った様なのに印象的には近い。

但しMicで変ったのとEffectorでなったのでは図の如く結構違いもあるし、前者はもし「そうじゃない音」が欲しくなっても後からでは変更不可なのにご用心である。

<続>

2019年7月11日 (木)

音圧感科学館➄ デジタル録音とCompressorⅢ

いやぁ~のっけから何ざんすが、デジタルだと滑らかに掛んなくなっちゃったねぇ。
ったって気のせいも大いにあるんだろうけど、音楽では融通が効かないのはやっぱ不便ですわ。

とボヤいてても始まらんので傾向と対策であるが、音圧科学館と銘打ったからにはその観点から判断してこう。
前回述のリミッタ先を実際やった感じでは、取敢えずPeakよりRMSつまり平均音量に基づいてバランスを取れる様になった。

アナログテープ録音未経験者には分から無さそうだが、デジタルで1回だけ並リミッティング後のがテープで未加工のと同程度って感じがしましたよ。
個人的にはオーディオ屋も兼業なのでLED Peakメータが使えれば昔から針式VUメータよりそっちを好んで使ってたけど、昔周りはVUの方がMixし易いって人が多かったのもこれで頷けるってな具合だ。

因みにVUとはVolune Unitの事で大雑把に言えば「聴いた感じの音量」を表示させてて、Peakの方は音声「電気」信号の実情を正確に示している。
なので
LED PeakでもVUでも殆ど同じレベルの振れ方をする様になってれば、その対象が減衰音系のだと大体それで高音圧なサウンドになっている。

尤もVUは音量の平均値を求める都合で0.3秒経ってから表示されるので太鼓みたいなピーキーな音源に対しては、0.3秒より音が早く減衰したりするので実際よりも針が振れない性質がある。
しかし人の感覚としては極端に短い音は時間的に量が少い分小さ目に感じるので、実音量より低音圧と認識されるケースが多い。

今のデジタル録音機等ではレベルオーバーが大敵なのでVU表示の出来ないのも多いかもだが、PeakとVUで大体同じに振れる迄掛けたらもうそれ以上コンプしても音圧はそんなに上がらないのを指摘しとこう。
それ以上は平均音量は上がるけれど曲の強弱が不足したりノイジーになったり等犠牲になる部分の方が多く、むさ苦しくはなるがパワフルにはホントはなってくんないからね。

そこで決め手となりそうなのは音のアタック部で、これを敢えてリミッタ的なのとコンプ的なので分けて考えてはどうかって話しだ。
依ってコンプリミッタと銘打って両方に使えるのもあるけれど、基本としては上記にだとリミッタがPeakにコンプは平均音量に対応する物ってのにお気付き願いたい。

と言うのもMic1つとってもSure 57等とAudix Dシリーズ等を比較すると、Mic自体の反応速度に差があって速いの程今風な音に聴こえるからだ。
これ単に昔はそんなの聴けなかったからってだけなんだけど、その耳より速くなったのをデジタル記録したらどうなってんのかだ。

良く云や斬新だが悪く云や不自然若しくはオーバースペックで、特にOn Micでは人耳より極端にPeakがピーキーになってる訳だ。
尤もこの高速反応は小さいのとか音の僅かな違いを捉えるには必要で、アタック部だけの為にそうされた訳じゃ無い。

しかし過ピーキーなまま幾らコンプしても抑えたい処にはあまり効いてくれず、その為に音色を犠牲にしてコンプのアタックタイムを短くするのもナンセンスだ。
なので音色以前に「人耳に無益なPeak」を先ず処置してしまうのがお勧めで、アナログと違って全デジタルだと考えて意図的にやらないと駄目そうだ。

因みにⅡで最近恒例化しつつあるおバカコーナーでごんすが、音量変化の無い持続音にコンプを掛けたらどうなっちまうかだ。
普通はコンプの設定しといたアタックタイム時間だけ遅れて掛り始めるので、発音された瞬間にアタック部に元は無かったPeakが生じる。

これに依って音の鳴り始めが少し目立つ様にはなるが、平均音圧としてはPeakが出来た分寧ろ下がってしまう。
この様に場合に依っては何でも闇雲にコンプしても、却って音圧を下げてしまう場合だってあるのだ。
わざとPeakを作って効果がありそうなのは、Bassの明瞭度やリズムを強調したい場合位だろう。

実際俺自身が大昔に暫く「パッコーン」とさせてた事もあったが録音の為でも無くレベル安定化の為でも無く、ただただ個性的な音色が欲しかっただけだったが。
但し深く掛け過ぎりゃ強弱も大小も無くなっちまうから、今のJ-POPみたいにしちゃいませんでしたので呉々も。

<つづく>

2019年7月10日 (水)

音圧感科学館④ デジタル録音とCompressorⅡ

Compressor自体はおろか録音機器のデジタル化等で非音楽的になったのを前回指摘したが、それをどう料理して行くかが今回のお題だ。
先ず最初にパワーコンプレッションだのテープコンプレッションだのは無理なので諦めて、とは言いたくないが拘るならどうにかして実機で施すのがお勧めだ。

取敢えずこれの構造的差異を記すがテープのの象徴的部分は磁気飽和による部分で、パワーのの方は出力トランスとスピーカとの「非リニアな関係」が主役だ。
なので磁気テープや出力トランスとスピーカを持って来ない限り、「その様な反応」を得るのは厳しい。

しかし只諦めろとも言ってらんないので対策の一例を披露するが、飽く迄次善策に過ぎんし直球勝負で打ち取れる相手じゃないのを周知したかったってね。
相手を良く知るのが最初なんで例に依って本家の分析へ行くが、これ等は歪みってより「ゆがみ」だってのが最初のポイントだ。

音色の前に本業の音量から行くとコンプでも大きい処は小さくなのは似ているが、上記等のは小さい処は大きくにはなってないのが違っている。
ここから学べるのはつまりコンプじゃなくリミッタの方がまだ近いって処で、実際有名所の元祖たるBeatlesのは音色はコンプでも使った機器はリミッタだった。

これは超高性能業務用機器ではあったが真空管式の大掛かりな回路構成の物で、今のPC内でやるのと比べりゃ遅いしちっとも完璧なリミッティングは出来て無かった。
尤もそれ以外の機器も当初は皆トロい管球式だったから大凡時間的には間に合っていたし、業務機器のインピーダンス(当時は600Ω)に合せるべく用いられたトランスのお陰で多少の不作法は吸収される按配だったのだ。

だが少々遅いのだからアタック部に動作遅れを生じ、音色としては今のと比較したら誰が聴いたって「コンプでしょ」となっていた訳。
それプラス今のデジタルだと0.0001dBでも入力レベルをオーバーさせたら音が忽ち破綻するから、もし運良く本家のFairchild670を用意出来ても当時のままの使い方ではリスキーになってしまう。

でどーするてっば先ずはMixバランスの都合を考えて「コンプじゃ無くリミッタ」を掛けるんだが、申し訳無い程いい加減で済まんが俺は今回の自分達ので初めてこれを試している。
一応その言い訳をさせて貰うと是迄は何時もPC内では無くデジタルでも実機でやってたからで、アナログ部分があちこちに挟まっていたからなのですわ。

つまりデジタルの入り口部だけ気を付けてりゃ済んでたのが、今回に至って全部デジタルになったので転ばぬ先の杖をと思い始めたんですと。
それもまだ本チャン太鼓未録なので本格的にはやってもしょうがないし、だからって全然試せないのも困ると。
そこで細かい音色には目を瞑って、ラフMixだけ可能にして色々細工を試そうとしたのだ。
VST Pluginのどれを本採用するかさえ未定だが、自然な音色を優先するとリミッティングの完璧度が下がるのはこちらでも一緒だった。

今回先にリミッタとしたのには他にも魂胆があって、それはPC内オンリーでは球コンプが使えないのもあった。
所謂「コンプ掛けた音色」はアタックタイムが遅めな程らしく(掛ってるのが分り易く)なるもんで、しかしそうして音色を優先すればアタック部のPeak抑制効果は下がってしまう。

この時にアナログ回路での「ゆがみ」が利用できると、限度はあるがそれなりにPeakの緩和が図れた。
アタック部のコンプ漏れした部分は通常時間的にとても短いので、厳密には歪んでても真空管回路等ではそれが許容され目立ち難いのだ。

高度なシミュレートをしてもデジタルでこれが苦手なのは原理由来で、アナログ信号は連続変化なのがデジタルでは恐ろしく細かく出来ても所詮は「階段波」だからなのだ。
この段の間部分は聴く時にはアナログ回路を利用して間を埋めて坂道(連続化)に出来てるが、デジタル→デジタルではそれをする事が出来ない。

アナログの曖昧さが無いのは正確さには繋がるけれど、上記みたいな「バレ難い誤魔化し」が出来なくなってしまったのだ。
現実空間での音のアタック部は別に誤魔化したんじゃ無く空気クッションで鈍っただけなんだが、だからって何時でも何でもOff Mic収録って訳にゃいかんからのう。

<つづく>

2019年7月 9日 (火)

音圧感科学館③ デジタル録音とCompressorⅠ

近年本邦全盛の高音圧サウンドも元を辿ればアナログ録音しか無かった時代に確立された物なので、録音のアナログとデジタルでの「印象差」から分析してみよう。
実際初めてデジタルの音を聴いた時綺麗だが物足りなさも感じたが、後で知ったその根本原因は何ともアホなもんだった。

それは裸の王様でも腰抜かすんじゃ位で、無意識にもアナログ録音では歪ませちゃってたからでしたっと。
でお終いじゃ話しが出来んから追及すると、完全無歪は無理なアナログテープが更にその原因にあった。
これが俗に言う「テープコンプレッション」で、掛けたく無くてもするつもりが無くても避けらんなかった。

その音色は真空管Ampのパワーコンプレッションとも似てるしで、電気楽器だったら都合2回弱いコンプかリミッタを掛けた様なもんになっていた。
場合に依っちゃドラム等生楽器でもMicのダイナミックレンジ不足のせいで、実際より強弱の巾が狭くしか収録出来ていなかったのだ。

テープ録音での楽器の収録ではdbx等(ノイズリダクション+ダイナミックレンジ拡大)の登場迄は、僅かな歪みよりピアニシモ部がノイズに埋もれなくさせる方が大変な位だったしね。
けれども概述の如く音源⇔人耳間には空気のクッションが介在してるから、元々音源自体が発したのよりはマイルドに聴こえてたのとこれ等は偶然近かったのだ。

これを「正しく」現代に持ち込むにはすべからくコンプを掛けてるんだが、案外その再現は困難だ。
それは歪みを音色的に目立たせずに歪ませるのが、デジタルではとても苦手だからなのよ。
何せアナログ時代のは「間違って仕方無く歪んでた」だけで、結果と違ってやる方は「歪ませるもんか」と頑張ってたんだからさ。

デジタルので俺が最初に体験したのはSONY DPS-F7ってのに付いてたSoft Clipperで、使えなくは無いがレベル抑えが控え目な割に音色変質が大きいと感じられた。
近年のはどれでも進化したのは分かるけど、やはり偶然を「違う物で」完全再現させるのはとても困難な様だ。

人の聴感をAIでも用いてマクロ制御し再現させたらその内近付けるかもだが、人の聴感のData収集の時間とコストを考えると現況では見通しが暗そうだ。
それともう1つは概述だがLine録りとMicとその距離等の問題で、その時点でもう耳より不要に強弱等がワイドな音になっしまってる処である。

この件をしつこく持出すのはコンプサウンド確立期と密接にリンクしてたからで、一番今と違ってたのは「生の出音」だがその他録音機器以外にも沢山相違点があるのがかなり忘れられ掛けている様だ。
「生の出音違い」に関しては敢えて断言させて頂くが、今昔の機材性能差で昔の人の方が音への人力依存度が格段に高かったのがその理由。

必ずしも昔の人の方が良い音を出してた訳じゃ無いが、悪環境に対する「耐性」が昔の人の方が高かったのは論を待たない。
そして今迄提示しそびれてた気がするのがCompressorの「掛り具合」で、全体傾向としては昔のは今のみたいに強くは掛けられなかった処だ。

音色目的で使われ出してから徐々に真空管からトランジスタそしてICへと素子が変遷して来たが、これ等使用部品は音色だけじゃ無く増幅率にもかなりの差がある。
これに依って聴いた感じがどうだろうと少なくとも電気的には、昔のは最近のみたいに深く強く掛けるのなんて不可能だったのだ。

そして性能的には今のの方が良いにもかかわらず、業務用途では古いの程優先的に使われている。
厳密には不明も現在真空管式テープレコーダの新品販売は覚えが無いが、Compressorとかだったら一寸昔じゃあり得んかった¥3万代からわんさか出とるですとばい。

こうなったのは個人的には嬉しいけれど手放しで喜ぶのは考えもので、それだけ電気的性能は上がったが録音機器の音楽的性能が下がってる証拠かも知れんのだ。
言い出すと遠大となりそうなので自重し乍ら行くが、体験からはこれが楽器の方にも同じ傾向が益々と感じられる。
Live時の明瞭度を優先し過ぎたか、演奏環境が良くなる程ガッカリな音色になってくっつう…。

今昔でコンプも違えばそれ以外もこんなにであるから、誰もが弄りたくなる気持ちは分かるがそれにはやり方が。
で、それはまた明日。

<つづく>

2019年7月 8日 (月)

多重録音備忘録Ⅱ⑨ Mixdownが苦手なソフトMTR?Ⅲ

世の中そう都合良くは行かぬのが常ではあるが、多くない体験量とは云えPCソフトの方が「接続の自由」が無いのには少々呆れてしまった。
実機でこれを達成するにはその分コネクタ(Jack)をテンコ盛りしなきゃなんないし、多チャンネルの場合それに必要なケーブルも膨大な本数となる。

過去のに苦労して辛酸を味わった者としては、こんな部分こそバーチャルなPCに期待したいのである。
プログラムを組む都合もあるやもだがトラック数を無制限にする位なら、ちったあルーティングにもリソースを振って貰いたいもんだ。

現代環境に於いて特にこれから手掛ける場合だとPC回避なんて不可に近いので、単に「昔は良かった」式で愚痴り続けるつもりは毛頭御座居ません。
只結構想像と違ってて手古摺ったのと実機に対しての弱点も見えて来たので、様々な体験からその特質みたいなのを参考に提示してみようと思ったです。

先ずPCだとほぼトラック数無制限の件についてだが、俺的にはこれは濃い目のグレーゾーンと感じてしまった。
動画のエンコード等と比べりゃ音声関係は全然軽負荷ではあるけれど、Data量が巨大になればそれなりに動作に遅れが出て来る。

ハイスペックPCを持って来りゃ平気ったって、映像編集より楽器等へ予算を取られる音楽屋如きがそう簡単に持てるもんじゃ無いざんしょ。
そうすっと体験的には一般用途だったらオーディオトラック数はせいぜい48位あれば困らないので、それ以上も可能ってな殆ど意味を為して無いのだ。

その後漸く見つけたReaperでの裏技として、「Effector送り専用」のトラックを新規追加ってのがある。
これをステレオトラックとしとけば各トラックのPanpotをそのまま反映させられたが、前回触れた如くトラック毎の送り量加減が出来ないのでもし全トラックの送り量を違えたけりゃこれを丸々倍作らなきゃなんない。

加えて送り用トラックはレベル調整専用となってしまうので、更にそれらを再纏めした「Effector掛け専用ステレオトラック」迄追加せにゃならんとね。
これってホントは裏技じゃないかもだが異常な手間を取られるので、実機での基準に従って敢えて「裏」のままとさせといて頂こう。
 
どんなに苦労しようと出来ないよりゃマシだけれど、トラック数が倍以上となった上でEffectorのリソースも加わるのには心配し切りだ。
もし最初から決まった数のSubルートが設定されてたら、使わん時はプチお荷物だけど使ってもPCが急に重くなる心配は減るからだ。

近年は打込み率が上昇してるのもあって予め欲しい残響が付いてる音源を鳴らすなんてのも増えた様だが、アンサンブルとしての整合性を考えるとそれではまやかしに過ぎない。
だいいちPC内DAW(MTR)使用ならフリーのEffector Pluginがタダで手に入るんだから、アナログ録音主体時代のシンセのみたいな価値は今はもう無くなってますわい。

残響付き音源が価値を発揮するのは上記以外ではMidiプレーヤで鳴らす場合で、Midiには直接的なEffectorのDataは含められないからね。
今となっては俺なんかの手法は亜流化したのかも知れんけど、だからってベーシックにやれなくて構わんとは到底思えんぞよ。

これでは幾ら弄っても基礎がちっとも学べなく、苦労した分の正当報酬たる録音技術のスキルアップが図れない。
またもし真剣にプロになりたいと思ってたなら基礎は決して避けては通れなく、普段使わずともメカニズムやその手法を用いる意味を知らないと真価を発揮させられないもんなのだ。

これへ理論的異議を少し喰らわしてやるならばトラックとBus等のSubルートでは、実機アナログオーディオと違ってPC内たどかなり条件に相違があるのだ。
アナログオーディオではMixer卓でコピー&ペーストなんて出来ないから、何の為のだろうと基本的には経路を増やすだけになる。

がPC内のトラックではそれがオーディオ用だろうとMidi用だろうと編集の自由の確保が必要で、しかしEffector等の都合で用いる只の信号経路にはそんなの不要なのだ。
故に「只の信号経路」の方では編集に必要な波形描写等の機能が要らんから、PC内ソフトではその分を軽く出来るんだがねぇ。

打込み(Midi)トラック数にしても宅みたいにフリーソフトシンセ音源を1つだけで使うとなると、Midiのチャンネル数の制約で16より多くてもどうせ使えない。
数の制限は無い程有難いのは確かだがそれが「何処か」が大問題で、デジタルでPCの利点を活かすにはMixer部の充実こそがと思うのは俺だけだろう
?。

<続>

2019年7月 7日 (日)

多重録音備忘録Ⅱ⑧ Mixdownが苦手なソフトMTR?Ⅱ

今回のはホントにホントの続きとなるがReverbへの「正規のステレオ入力」は、音源の位置に対してそれに見合った響きを与えるのには必要なのだ。
尤もそれだけに着目すると全部混ぜた後に一括で掛けりゃ良さげと思われるだろうが、それでは主に次の2点に不都合が生じてしまう。

1つ目は現実世界は3次元なのに記録がステレオと「2次元止まり」な処で、リアリティを出すには何らかの補填が必要な処。
そこで厳密には次善策でしかないが、聴者と音源の距離差を残響の深さで表現しようって作戦だ。
この作戦を遂行するには各音源へのReverbの掛かりの深さを変えられるのが必須となり、そうするには「混ざった後」では無理なのだ。

例えば普通メロパートは大き目・伴奏パートは小さ目にMixしたりするがそれへ「只の一括掛け」を安易にしちまうと、
主役のメロパートの方が脇役の伴奏パートよりエコーが深くなった様に聴こえてしまったりする。
アンサンブルバランスがそのままReverbへの「送り量」となるから、物理的には実際に「同じ割合」の残響が付加されている。

のに何故ってば大抵は原音より残響はかなり小音量なので、他の音に隠され易いからなのだ。
依って電気的には残響を横一列並びに設定したつもりが、これをバーチャル映像化させたら手前に脇役・奥の方に主役と妙な並びとなるのだ。

それでも伴奏パートのを意図的に少しボヤケさせればマシになるが、近年の様に明瞭度を確保したいなら全体の聴き取りを劣化させるだけになる。
演出に依っては主役が真ん中だが舞台奥の高所に位置するなんて場合だってあるけれど、少なくとも上記現象を含めて調整しないと意図と結果は不一致になってしまう。

2つ目は楽器音の主体が低音と高音の物で掛け方を変えたい場合で、これには明瞭度と「後掛け」特有の問題が内包されている。
これに際し先ずは色んな場所での生演奏をイメージして貰いたいが、奏者達は必然的に環境に応じた加減をして何処でも何時もの自分達の音に聴こえる様に調整してるよね。

又しても2つで済まんが更にその中には主にアンサンブルとしての音量バランスと、会場残響特性等に対する音色調整がある。
例えばバスドラムが小さ目に聴こえてしまう場合は、普段より強く踏んで補おうとする。
低音が響き過ぎる場所だったら、Bass AmpのBassツマミを普段より下げて補う等々だ。

ここでご注目頂きたいのは実際の加減を図るのはリハーサル時だったとしても、調整自体は現場で音を出し乍らのリアルタイムで行われている部分だ。
これを録音で同列化するには最低でも、録る前にどんなReverbをどの位に掛けるか事前に決定してなくてはならない。

だがこれをした処で完全な一発録りの場合以外「バーチャル故の弱点」で、アンサンブルのバランスがどうなるかの正確な予測が出来ないのだ。
特に今の俺ん処みたく音の数より演る人数が少なけりゃ一度に全部でせーのってなもう絶対不可能で、録り終えて初めて並べて聴けるんだからさ。

そんでどーすっかてば後で何とか帳尻を合わせるしか無く、ある意味「時分割式独り分業」とでも仮に命名しとくか。
分かり切った話し独りで同時に出来る事なんて幾らも無いが、録音機の力を借りてちょっとだけ時間をズラせば対応策も出て来るのだ。

つまり各楽器を弾く時は只の奏者になるべく成り切り、後で音響調整する時は大スタジオのミキサー氏にでも成ったつもりで行っちゃえばっと。
勿論実行するには必要なスキルは身に付けなきゃなんないんが、取敢えずは自分の演奏・その次にその曲に必要な部分さえ獲得出来たら限定的だが挑戦は始められるのだ。

暴走防止でこの辺で案件復帰を果たすが、これが現況体験時点でだとどうもPCソフトでは従兄言い「帯に短したすきに長し」だったのである。
先ず「Effect後掛け」の項に記した如くステレオMixのだったら「残響音もステレオ」なのが当然自然必然で、勝手にモノに変換何ぞされちゃお話しにならんわい。

それが試した3つのフリーソフトの中でトラックへ直接施すので合格したのはたった1つで、Reaperだけだった。
但しこれは前回公開!?した「上図1」のルーティングが不可能で、これで掛ければ余計な「Reverb音のダブり」の回避が出来ない。

そんな中Music Studio ProducerだけはサブのルートとしてステレオのBusを8持ってて、何とか我々の要求に応じられそうだった。
只近年レベルでは見栄えに劣るのは開発の古さからも仕方無いが、未だ原因把握してないものの現行OSでPluginの読込みが上手く行かないのがあった。

Mixdownを考える迄は万能で使い易かったAudacityに至ってはどっちも駄目で、俺的にはこれは「中掛け迄専用」の位置付けになりやした。
「Reverbへのステレオ送り」ではR君とA君はわざわざその為だけに、「ステレオトラック」を作っとく等裏技を駆使すれば出来る事は出来る。

Pluginの読込み問題 についてはMSPでは稼働させようとした時に後から追加のの一部でWin 8.1だとErrorが出たが、ReaperではOS無関係にそもそも認識されないのが多かった。
念の為のおさらいを入れとくとこれ等3つはOSがxp~8.1迄稼働するのは確認済みで、但し古いMSPは上記以外の機能不全の恐れとAudacityではOS次第で対応バージョンに違いがある。

現時点での我々間の相談の結果ではMSP君が一応候補となってるが、新しいソフトになる程使い難くなって来てるのは大変気掛かりだ。

<続々>

2019年7月 6日 (土)

多重録音備忘録Ⅱ⑦ Mixdownが苦手なソフトMTR?Ⅰ

従兄が太鼓録りに苦戦してる待ち時間の有効活用策で、俺の方はPCでのMixdownの予習中だ。
始めにお断りでハイスペックPC概所持とか予算をお持ちだと、我々の現況とは状況が異なる可能性があります。

我々の音楽用PCの現況はCPUデュアルコア・メモリ4G・OSはxpで、特に俺の方は有償ソフト購入予算ゼロでありんす。
でも古くてもフリーのでも上手く探せるとそこそこのが見つかったり、最新の高級なのでもニーズに余り合わない事も暫しと半分痩せ我慢!?。

けれど歴が古いお陰もあって俺は実機使用なら事足りてるので、無条件で徹底的に自分に合ったソフトを探す根性が湧かない。
何しろ個人的趣味の真空管を過去の希少例を除き、PCでは使えないのもありますよってにな。

しかしこんな個人事情を抜きにしても音楽を演ろうって時に、それが楽器なら未だしもそれ以外のツール案件で手間暇が掛り過ぎるのでは大きなお世話でごんす。
今回我々にとって障害となってるのは「Effectの掛かり方」で、主に以下の2点が面倒を起こしている。

1つ目は最近拙ブログで提示した「後掛け」を正規の方法で行えないヤツで、各トラックにMaster以外に出力のルートが無いのが原因だ。
2つ目のも同じくルーティングの問題だが、モノラルトラックではステレオ出力のEffectorの出力がご丁寧にモノラル化されてしまう処だ。

Photo_20190704180901
上図1は俺言い「マトモなMixdownが出来るMixer」の概念図で、実機の場合録音機出力とMixer入力チャンネルは通常直結するので「Track ○」と表記した。
また実際は大抵入力チャンネル数はもっと多いが、クローン状態となってるだけなのでこれも2迄としている。

因みにSubと表記してるのは機種次第でEffect SendとかAUX 3等と様々だからで、Effect Send表記以外となってるものは接続等次第で他の用途にも使える様になっているからだ。
もし入出力がモノラルのEffecotrしか無かったなら上図1
と違ってても無問題だが、代表選手として入出力共折角ステレオになってるReverbを使うのにこうじゃないと真価が発揮出来なくなってしまうのだ。

因みにⅡで上図1では「ch Insert」(トラック個別に掛けたい場合でモノ出力)か、「Main Insert」(一括ステレオ入出力)の所にEffectorを嵌めれられる。
しかしモノ出力Effectorでも複数トラックのを「別加減」で掛けたい時だと、Reverbみたいに別ルートを取らなきゃならんで違うのはEffector出力が単にモノラルとなるだけだ。

ここでReverbの入出力の略歴を参考提示しとくが、最初期はモノラルだったと思って良いだろう。
残響付加がReverb以前はハコの響きやエコーチャンバーだったから、収録を工夫すれば5.1chサラウンドだって今よりゃ楽に実施出来ただろう。

が惜しむらくも、その頃は再生装置も配布媒体もモノラルのしか無かったから考えるだけ無駄ってもんだ。😓
音楽の市販品が全てステレオとなったのは案外遅くて、これはレコードでもテープでもポータブルプレイヤの完全ステレオ化がかなり遅かったのも影響していた様だ。

技術・コスト等の他に上記がどれだけ影響したかは不明だが、宅にあるデジリバ黎明期のYAMAHA REV-7の頃迄のは「正規のステレオ入力」が付いてた機種なんて普及品レベルのだと記憶に御座居ません。
ここで「正規」なんて言ってるのは、Effectへの送りが機器内部で勝手にモノラルにMixされちまってたからなのだ。

Photo_20190704183501
突然おバカな上図2を登場させたが、空間内で場所違いの音源がどう響くのかの想像を補助する目的である。
図では俺の描写力の都合で2次元化してるが本来は当然3次元で、取敢えず天井・左右の壁・床からの距離が夫々の音源で異なってるのを青と赤の丸で示している。

左右だけに限定して一例示すると左に青・右寄りに赤があるが、青の響きなら左壁からのより右壁からのの方のが遠いから「後から響いて」来るだろう。
とてつもなく広大な空間じゃない限りはその時間差を直接耳で感知は出来ないが、赤の響きだったら向きは逆・距離差の分の時間差もあって青のとは違う響きになるのだけは何とか頑張って理解しとくれやす。

現実の響きではこれに上下方向と前後方向のも加わってるが、通常のステレオ(2ch)では左右差の記録しか出来てないんだからせめて「左右差」だけは死守しときたいのだ。
それには実機であれソフトであれReverbにはせめて「正規のステレオ入力」位は必要で、結果的に近年のは皆そうなっている。(※モノラル出力楽器専用のは除く)

んでそれを活かすには兎に角Reverbへの送りがステレオで、メイン出力へのPanpotと同期若しくは同じに設定出来るのが必要なんだけど…。

<つづく>

2019年7月 5日 (金)

音圧感科学館②

音響理論と楽器音では歪みの定義が異なるが、歪んでてもそれが殆ど耳に感知されぬのを解析して行こう。
ではチョイお久で音波形の概念図とその説明からスタートだ。

1
基本設定として最左の水色のが無歪状態の原波形で、参考として最右に描いた紫の矩形波(方形波)を除き水色以外の色になってる部分が「歪んだ場所」だ。
そして音色的には水色のと形が違う程「歪んだ音」に聴こえ、上下点線で示した限界領域近くで波形に角があるの程倍音が多く出ている。

実際は点線は最左の上下最大値よりもっと上は上・下は下に位置するが、波形形状の比較し易さを狙って敢えてこの位置に描いてみている。
歪みって言葉にはゆがみって読みもあるが、図中黄緑みたいなのが正に「ゆがみ」である。

これ見かけは水色の背が縮まっただけつまり音量が下がっただけとほぼ同じだが、本来得られるべき水色の音量になっていないのもオーディオ的には立派なゆがみなのだ。
そして根底は原音再生が至上命題のオーディオにとっては音量だろうが音色だろうが、何処でも僅かでも元と違えば歪みの内で害悪なのだ。

しかし楽器では表現に支障せず音色に問題が無ければ必ずしも歪み扱いする必要は無く、黄緑のは音色としては無歪と聴こえている。
現実はもっと複雑怪奇であるが概念としては上図で充分なので、各波形と音色の関係を次に述べて行こう。

音色的に生若しくは無歪みと聴こえるのは水色と黄緑ので、黄色赤と警戒色が強まるにつれドギツイ音色に聴こえる様になって行く。
黄色は頭打ち部分にまだ丸みが残っているが赤のはバッサリ切り落としたかの如くで、これ等によって水色部分との「角の尖り方」に差を生じている。

上図をエレキGuitarの音色で表せば赤があるのがDistortion・黄色のあるのがOverdrive、黄緑はパワーコンプレッションで紫は差し詰めFuzzってな感じだ。
波形の角が尖るにつれ刺激的な音色になり、0Vの中心横黒線と波形の間の面積が広くなる程むさ苦しい音色となり…。

ハイ出ましたこの「むさ苦しい」が「平均音圧」で御座居まして、最大音量では無く「最小音量の大きいの」が聴感上は高音圧となるのです。
最右紫の矩形波ではほぼ小音量時が無く、絶え間なく最大音量が連続しとりますなぁ。

因みにスピーカコーン紙の動きからも分かる様に、音は「行ったり来たり」しないと鳴らない。
なので音量は0Vの中心横黒線に近い程小さく・遠い程大きくなっていて、波の振れる向きが上か下かは音量には無関係だ。

オマケの因みにⅡで波形が上か下だけの片側になってる物は所謂「直流」で、それでスピーカを動かす事は出来ても殆ど音は出てくれない。
空気を一方向へ押すか引くかしただけでは震えにならぬので、風を起こせても音にはなってくれない訳よ。

今回は高音圧の候補に敢えてむさ苦しく古めかしいFuzzを登場させたが、音圧の高さは一歩間違えたら「ただむさ苦しいだけ」なのをお気付き頂く為であります。
それと近年残念な皆様方に共通してるのが、聴感と云うものへの知識不足であります。

人耳は測定器では無いので「絶対値判定」は大変苦手で、聴感覚は殆どが「対比」によって得られているのです。
なので爆音誇示をしたくても何処かに少し静かとか小さくなる場所を設けとかないと、どれだけ大きいか・強いか・激しいかは明確には捉えられなくなっちゃうの。

確かに近年無理くりコンプはひ弱・空虚・隙間みたいなのは無くせるけれど、強いとか威勢が良いとか元気に出来てる訳じゃ御座んせん。
せいぜい効果があるのは聴き始めの5秒か10秒が良い処で、後は延々起伏不足なのがだらだら続くだけで専ら聴く疲労度を増す効果しかありまへんのや。

そしてこれは単なる強弱のみならず音圧に対しても同じで、何処かに「薄い場所」を用意しとかん限り「厚さ」を訴えかける事はでけへんのだす

つまり弱い部分を無くさずに高音圧になると良い訳で、それが上図では最右以外の状態なのですわ。

一番分り難い黄緑のも高さと巾の割合を最左の水色と比べるよろし、俺の体形じゃないがずんぐりむっくりはやっぱスリムよりゃ逞しいんじゃいっ???。
サイズの絶対値や強度の影響はあるけれど、棒でも骨でも細長いのより太短いのの方が折れ難いよねえ。

私見ですがFuzzって音色はワイルドなんだけど、ロングトーンのチョーキングがパワフルに聴こえるのはそれよりナチュラルな歪ませの方と感じてるのは俺だけかな!?。
これは個人差や好みがあるから断定不可ではあるが、一本調子だと強いも弱いも分り難くなるのは誰にも共通では。

<続>

2019年7月 4日 (木)

音圧感科学館①

前回の又今度が即やって来てポピュラー音楽等でよく意識される音圧感について、我流だが考察してこうって趣旨で御座居。
これは単なる実際の音量とは似て非なる物でもあるので、音響理論以上に人の聴感も併せて考察を要すので先ずはそこから行かせて貰おう。

人耳ってな実用上問題無くも学術的には実に厄介な代物で、音量・音色等様々な状況に応じて基本性能自体がかなり変化しちまうもんなのだ。
なので音量に対しての感覚はちっともリニアじゃ無く、その結果必ずしも単なる爆音が最高の音圧とは聴こえない。

聴感上の音圧はどっちかってば最大音量より「音の内容」に左右され、例えば隙間が無いとか聴こえない所が無いってのにそれを感じる。
現代人にとってだとそれに歪みとか音量最大時の「頭打ち感」も加わってて、「これ以上もう大きく出来そうに無い感じ」なんてのも大いに貢献している。

この内明確に「音が割れる」=「普通の歪み」の方は分かり易いので今回は外して、物理的には歪み出してるが聴感上は殆ど歪んで無い様な場合のを進めてこう。
最初は一部ではチト有名な「パワーコンプレッション」 を挙げるが、耳には歪んで無くても音波形を見てみると立派な頭打ちが始まってるのが見られるものだ。

管球式Ampパワー段歪みが別名「パワーコンプレッション」と呼ばれるのも正にこれで、パワー段で掛ったコンプみたいって訳だ。
歪みと称さないのは聴感からのせいで、電気・物理的には歪み始めてるが音色変化が人耳には歪む一歩手前な感じだ。

これで変わって聴こえるのは音色じゃ無く音圧感で、冒頭に記した如く音にいっぱいいっぱい感が出て来るものだ。
これも概述の通り他楽器でも大抵は起こせる現象だが、決め手となるのは奏者は意図的に音色を「歪ませようとは思ってない」処だ。

エレキGuitarの歪ませサウンドでもFuzz等は限界感満載でむさ苦しいが、所謂Overdriveなんかだと寧ろとっても爽やかだ。
これからも分かる様に歪み度合いと音圧感は、必ずしも比例はしてないのである。

次に前回プロローグを述べた電気楽器の「PickupのOverdrive」だがこれは意識的に歪ませた音色にしてる時には余り影響が無く、音色的には生音じゃないといけない時には無類の威力を発揮する。
これの典型例は「指弾きBass」と感じてるが、ピック等より軟らかい指先でタッチ感やアタックを明瞭に出すにはこれしか無いと考えられる。

弦を爪で弾いたりすりゃ倍音は沢山出せるが、それでは今度は基音が極小化して音色は細く音程感も不足してしまう。
ピック弾きの場合でも倍音だけに注力すると極端な話し、クラビネットの低音域かよな音色となって普通には使えなくなる。
そこで今回案件の登場となるんだが解析はまた明日として、耳に目立たぬ歪みに依って音量は殆ど増えずに倍音が増加しているのだ。

個人的にはBassや太鼓ではフル活用したいと思ってるが、何故少し歪んでるのに耳が感知し辛いかを述べとこう。
俺は音響屋且つ元オーディオヲタでもあるので、以前もし無歪だったらどれだけクリアになるかと色々試してみた事があった。
処が電気楽器Ampと来たらどんな小音量でも殆どのは最初から無歪では無くて、結局パワーコンプレッション領域迄はロクに音色は変わりませんでしたとさっと。

その程度がオーディオであれば明らかに濁ったのが分かる位だったが、楽器だと何故かそれでも全然平気であった。
それよりも楽器の場合は「音の勢い」みたいなのが僅かでも下がると駄目で、良い音っつっても楽器とオーディオでは随分違うもんだと感心しきりであった。

因みにオーディオでパワーコンプレッション領域に入るとどう聴こえるかってば、確かに力強くはなるがそれよりうるさくけたたましくなって聴き疲れ全開である。
これは出してる音域の違いとか音数のせいだと思うが、まだちゃんとアナライズしてないので何れ機会があればとしとこう。

<つづく>

2019年7月 3日 (水)

多重録音備忘録Ⅱ⑥ Effect中掛け

前回迄はMixdown時の一括Effect例を書いたので、今度はトラック毎の個別掛けについて触れて行こう。

以前にも記したが個別掛けの後掛けの利点は自由な調整の他トラック数の節約にもなるが、近年の様にPC内作業が主流になって来るとかつて程のご利益は無いかも知れない。
最低数の実機Effectorを使い回すとなると、もし1つ目を掛け録り出来ても当然だが2つ目以降は必ず後掛けとなる。

これがPC内Pluginとなると使用数の制限は減るけれど、動作の重い物だと状況に依っちゃ全部一斉には厳しくなる場合も想定される。
そこで普通の使い方をする場合でMixdownよりは事前のを仮に「中掛け」と称すてして、中掛け・後掛けのどっちが適してるかをEffectの種類で大別してみよう。

これの基本条件になるのは先ずは「効果の浅さ」で、その次は「効果のタイプ」だ。
意味深に!?深さと言わず浅さとしたのは、「Effect掛ってる感は無いが生音と違うのは分かる」様な場合を指している。

この場合はEffect音は「ギリギリ聴こえるかどうか」位となるから、周囲音次第でその限界値は変動する。
故に可能な限りこの手のはMixdown時に、同時に施す方が成功率が高いと云える。
例外としては個別コンプ等が考えられ、その中でもリミッタとして用いる場合は中掛け向きだ。

ここで改めてCompressorの用法についてひとくさりさせて頂くが、近年本邦の何でも掛け過ぎはそこ迄したいなら手弾きなんてもう止めてしまうべきだ。
現代にはサンプリングやそれをループさせたりして音源化が可能なので、これを打込みで鳴らした方が音量の均一性は圧倒的優位なのだ。

しかも邪道ではあっても「元ネタ」は奏者本人の物を使うんだから個性が損われはせず、常套化してるClick使用の手弾きとかなり近い感じとなるだけだ。
これと全手弾きで最大音量に関してはほぼ同一化させられるが、最大の相違はノイズレベルで無理くりコンプは元ネタの雑音を盛大に増幅してくれるのを決して忘れちゃならぬぞなもし。

ノイジーになればその音はもとより他の音の聴き取りも低下させるので、聴き取れる様にする為だけに各パート間に音量バランスの仁義なき戦いが勃発するのであ~る。
近年のコンプ使用目的は音圧感の増大がメインだが、ホントにコンプせん限りパワフルな音は得られんのか是非再考願いたい。

近年の状況しか知らないと恐らく分からない可能性が高いが、多くの楽器は規定以上の強さで鳴らせばそれだけで少し歪むものだ。
近年の「堅牢過ぎる胴」の太鼓では困難化したけれどそれ以外でなら、想定以上に皮が動けば胴も微妙な変形を起こして出音が歪むのだ。

電気楽器でも設計値より弦等の振幅が大きくなると、Pickupが過大入力となってやはり出音に歪みが現われる。
これはPUのCoilが過大電流となるのの他にPUの磁界に対しての磁気歪みもあり、どっちかっつうと後者の方が発生し易い。

これの詳細は又今度として先へ進むがこれ等の歪みは電気的に意図的に企てたの比べると、歪み自体は地味で目立たぬので音色としての歪みを求めるなら効果は小さい。
だが管球式Ampパワー段の歪みと同傾向の特性を持っていて、音の太さや音圧感の向上には一番効果的なのだがこれも詳細は又今度。

上記を踏まえるとコンプがホントに必須となるのは音圧目的じゃ無く、一点の曇りも無い繊細な音を滑らかに聴かせたい時等となる。
また聴いた感じに大差無いが1ヵ所だけレベルが大きくなってたなんてのを補正するのがリミッタで、これの主犯は演奏力じゃ無く実音と電気信号の性質差だ。

更にリミッタを掛けるタイミングが超例外案件で、そのパートをアンサンブル内でどう用いるかに依って変わって来る。
近年ではニーズが薄れたが昔の狭いダイナミックレンジのにピーキーな音を収める場合は掛け録りが良く、歪みに対してマージンを取ると小さい方がテープのヒスノイズに埋もれてしまうのを避ける為だった。

次に今昔問わず比較的大きいバランスにするのだったら中掛け推奨で、その方がMixバランスを取るのが楽になる。
これ等以外の場合でアンサンブル内バランスが未定だったりすると、必要に応じてMixdown時に個別後掛けとなるのだ。

現代のデジタルだと録音側の雑音を気にしなくて平気になったので、歪みに対して充分なマージンを取りさえすれば「只拾うだけ」が可能となった。
その点では昔の先掛けの多くは今なら中掛けがそれに対応したものと考えられ、後から出来るのを何も慌てて先にやる事ぁ無いんじゃってね。

<つづく>

2019年7月 2日 (火)

多重録音備忘録Ⅱ➄ Effect後掛けⅢ

やると言って前回本題未到達を反省して、今回はのっけから具体的に行きまっせ。
先ずは条件設定からとなるが実機かPC内かは直接は関係無いが、現況俺の処ではソフトの関係で同じ方法は取れていない。
その件については後程として、ある程度本格的なMixer卓があるものとして進めさせて頂こう。

ここで言う「ある程度云々」とは各チャンネルからメイン出力とは別系統の出力を持ってるのと、各チャンネル以外に補助入力を持っているのを指している。
最初はReverbをチャンネル毎に深さを違えて掛けるのから行くが、この方法だけだと深さが違うだけで同じタイプの残響しか得られない。

って弱点を先に言うと何やねんと思われそうだが、それだからこそ色々助かる処が実は多いのだ。
この手法の基本趣旨は「空想上の演奏場所」の設定を自由にするもので、概少述したかもだがReverbが掛る前の「素材」は同列になるべく無残響なのが望ましい。

これが揃うと響かない部屋での眼前からだだっ広い空間迄自由に選べる様になり、実際に収録した場所と無関係に音場を構築可能になる。
そして各チャンネル毎に深さを違えられる意味は聴者と各楽器との距離をシミュレート出来る事にもつながり、それに依ってメンバーの立ち位置も再現したり変更したりが自在となるのだ。

更に近年だとこれがかなり重要な意味を持つのは、Mic収録ならハコの響きも拾えるがLine録りではそれが不可なのに大いに関係ありなのだ。
現実的にはドラムセットの様なある程度の空間を要し爆音の物を、無残響で収録するのはとても困難だ。
だが僅かでも「残響のある物」が含まれればこそ、完全無残響の物と意図無しに混ざれば気持ち悪くなるだけ。

また収録時点で残響不要には録る場所をある程度自由に選べるのにも繋がってて、違う日に違う場所で録って来たのをまとめる事も出来る。
完璧には程遠いけれど実際にMixdownでのReverbは同時に一斉に掛けるので、機械に入った影武者みたいなもんだが奴等はその時点で「合奏」するのである。

一般レベルでこれの例外扱いが出来るのは例えば「低音だけのBass」等で、聴く時に恐らく少しは響いてしまうだろうからってな他力本願である。
但しスラッピングの高域のピシッ・パシッなんてのが入ってたらその部分だけでも少しは響かせる様にしとかないと、Bassistだけ目前に迫って来て脅されてるみたいになったりして恐くなっちまう。

この手法はベーシックな音場を想定したものなので、演奏者が同じ空間に同居してる様でないとならないので響き方も違っては駄目なのだ。
そして状況次第でかなり程度差が出るけれど、トラック毎に別掛けすると最悪夫々の残響同士が変な干渉作用を起こしたりするのだ。

これは実際の現場の「空気の動き」を想像するといいんだが、例えば強風のさ中だと手で覆いでもしないとライターの火を点せない様なもんだ。
ライターのガスが押し出される圧力より風の方が強いと、火打石の火花にガスが届かないからである。

音の場合も同一空間で大音量のと同時だと、小音量のは音源の極近くの空気しか揺すれなくなる。
故に多くの場合壁・床・天井等迄到達出来なくなり、それ等からの反射が起きなくなるから単独時と違って「響けなくなる」
のである。

これ個別掛けしても大音量のは残響も大きくなるから小音量の小音量残響は影に隠れて聴こえなくなるけれど、空気なら無含有なのが僅かでも混入してて同じなる訳無いんだわ。
音としては殆ど同じにしか聴こえなくても、何となく雰囲気は違ってしまうのは責任請合いしやすぜ旦那。
んでここで重視すべきなのは残響は演奏自体じゃ無く、場所と云う「雰囲気」の表現なのを忘れちゃならんのよ。

そして調整に際しても個別とは大きな違いがあって、全体を聴き乍ら任意のトラックの調整が自由に出来るのだ。
もしこれを個別に調整してくと上記の様な負の作用もあり、例えばトラック3だけチョイ減らしでOKと聴こえてたのに実際やったら全体の印象がガラッと変わっちったなんてなったりする。

全員で相談したい案件を2グループに別れてやると各グループ内では平気でも、グループ間の連絡に伝言ゲームみたいな危惧が生じるって寸法なのだ。
そもそもReverbなんて掛けた時点でその音場はもうバーチャルではあるが、その中でなら一番「実在感」を得られるのがこの手法なのだ。

電気の交流信号(音は通常これになる)でも2つあれば変調作用等は起こるが、弱い方の入ってる影響がゼロとなる事は決して無い。
しかし空気(実在の音)では弱い方の音源から離れると前述の現象で、その場所では弱い方の音が完全にゼロとなるのも簡単にしょっちゅう起きている。

多重録音に奏者対応力が低過ぎたらあまり意味を為さなくなるけれど、バラ録りなのに一体感を極力得たいのなら他の方法はお勧め致し兼ねまする。

<つづく>

2019年7月 1日 (月)

多重録音備忘録Ⅱ④ Effect後掛けⅡ

今回はMixdownは未だアナログだった当時の手法を、参考に徐々に書いてきますヨォ。
俺知りではその時代位に一応一通りの手法が出揃った感じだったので、デジタルに変わっても基本思想みたいなのは不変な気がする。

それより昔は後掛けなんて機材事情で不可能だったし、逆に掛け録りの音は巷に溢れていた。
そんな中新鮮さを求めたのと漸く念願叶ってのと2通りあったけど、特に生楽器に対するEffectは大いに進化した。

歌は別格としてもSnareにだけReverbを深く掛けるなんてのには、収録時点で個別収音してなきゃ無理だ。
だがトラック数が限られてれば大抵はその為に誰かに犠牲になって貰うしか無いし、全部を掛け録りするにはEffector自体もその分の数が揃って無ければやはり無理。

なので録音観点からはトラック数・マルチMic・Effect後掛けは密接な関係を持っていて、今に至るにはこれ等の相互作用も貢献している。
最初はEffector自体に及んだ影響だが従前は各楽器やMicに合せた仕様も要ったが、録音機に入ってからなら電気的にはほぼ単一規格だけで全てに使える様になった。

今でもMicpreの付いてるコンプはそこそこ散見されるが、元は単に音質向上を狙ったとかどうせ使うんだからって理由では無かったのだ。
大昔のMixer卓はチャンネル数が少ないばかりか、ニーズも僅少だったからそもそもEffectorとの接続等考えられてなかったのだ。

録音では基本Effectとなりそうなエコーも1に録る場所自体の響き2にエコーチャンバーと、当時の貧相な電子機器なんて高級な録音に使うの無理でしたから。
卓にインサーションやAUX付く様になったのだってずっと後だったしで、要するにEffector側で対応しない限り繋ぐのも掛けるのも無理だった言わばその名残でもあるのだ。

それが今ではMixをPC内で処理するならMixer卓の必要性が低くなって、その分音のインターフェイス部の需要が高まったからってのはある。
もし太鼓のマルチ録り等をしないならMicpreは僅かしか要らないので、アナデジ変換インターフェイスからそれを省ければ小型化出来るしコストダウンが図れるのだ。

今の視点で見たら卓に互換性が無いが為同じEffectを得るにしても、「それぞれ用」を持って来なきゃならなかったんだわ。
それに対し今はトラック個別に「中間作業」をしても音質劣化しなくなったから、個別用なら同じ効果を得る物はせいぜい2ch分あれば何にでも掛けられる様になったのだ。

但しこれも「後掛け」で構わなきゃの話しで、掛け録りでしかも一発録りならこの部分も「昔乍ら」が要求される。
前々回記した宅の太鼓用8ch分激安コンプは正直「失敗談」以外の何物でも無いが、宅では狭小でも一発録りの仕事が入る可能性が残ってるから過ちを直ちには認めなかった!?かどうだか…。

何れにせよ殊録音となると後掛けは大きな武器になるので、生演奏時のままの感覚で判断されぬよう注意されたい。
ここから今やデジタル更にPC内Pluginが主流となりつつあるEffectorの略歴と行くが、単一じゃないのは惜しいがPC内Pluginは基本的にはVSTを筆頭に規格のお陰で高い自由度が得られている。

当初は放送用途等の補正や最適化から出現したEffectorだが、その次に一般化したのだとやはり電気楽器用だろう。
この時点で両者には目的の違いが明確にあって音楽的性格が強かったのは楽器用の方だけだったが、大きさ等の都合からの性能差等でもその存在は別物だったと看做せる。

今では楽器用の癖に19inchラックタイプなんてのもちっとも珍しく無くなったが、録音時に使って気に入ったのを舞台へ持って来た等がその由来と俺は感じている。
コンパクトなストンプスタイルのでも最近のは大きさと性能はかなり無関係となって来て、黎明期のデジカメより並のスマホの方が高精細写真が撮れるわフルHD動画すらとご同様だ。

その昔は俺みたいなのを筆頭に「何もせんよりゃマシ」発想で、Guitar用のDelayを無理矢理歌になんてのも結構多かった。
しかしそんな無茶が出来たのは録音もえらくチープだったからで、今だと意図的特例時以外は恐らくもう通用しないだろう。
尤も電気楽器奏者以外は独立機購入機会も失せたに等しいから、年寄りの戯言と化したかのかねぇ。

<つづく>

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