多重録音備忘録Ⅱ② トラック数事前計算の必要は薄れたが…
録音のデジタル化の利点は当初は音だったが、今となってみればPCに取り込める等「他所でも作業が出来る」のが嚆矢と感じている。
昔だって記録媒体を持ち込めば不可能では無かったが、テープでは速度・ヘッドアジマス(角度)その他諸々の微妙な違いから逃れられなかった。
それに無劣化でトラック数を後から増やすのは容易では無く、事前の準備が無ければほぼ不可能だった。
それが冒頭の如くPC等へしまっといたり貯めといたり出来るのだから、録る前に考える必要はほぼ無くなったかの様に見えるだろう。
だがまさに今「そうでも無かった」を体験中なのが暫く前に概述したウチのBandの太鼓録りで、太鼓のみで満席である。
それプラス打込みのMidiのチャンネル数もご同様で不適切音色を後加工する都合で複数に分散してて、気付いたら16ch満杯になっちまってたじゃあぁ~りませんの。
これだってデジタルですから更に曲自体をパート2とか作りゃどうにか出来るかもだが、そこ迄手間が増えるのなら利便性がかなり低下しちまう。
最近の手間案件で俺の心は一層Click排除・実演・実機Mixに傾いてるが、インターネットとデジタルの利点を考えるとそうも言い切れぬ。
従兄の都合で太鼓録りを始め活動は極力彼宅となっていて、しかし上記の通りとなったから人間と実機以外はネット経由で何時でも拙宅に来られるのだ。
現況の我々にとってはどっちの家でも近似環境を構築出来る方が良さげで、尚且つOSを選ばぬソフトをデフォとすると汎用性が上がる。
従兄宅では太鼓教室の部屋はネット接続不可でそれを逆手に取って、PCも余剰機にxpを入れている。
しかし居室の方はWin 10となってるので、どっちかにしか使えないソフトだと僅かな空き時間に一寸弄るなんてのが不可になるからだ。
従前から使用中のAudacityはOS対応次第でバージョンが違ったりもするけれど、大枠ではどっちでも作業に相違は出ていない。
これ等の件はやり始めてから気付いたのも多いが、自由度が高まった今日のデジタル録音機でも場所は違うがやはり事前準備は結構要るみたいだと実感させられた。
俺はマスタリングは多数もPCでのMixdown体験はこれからなので不明点も多いが、トラック数が多い程動作が重くなるのは間違い無い。
従兄居室のPCはどの程度のスペックか知らないが、宅のや教室に置いてあるのは凡庸レベルだ。
なので下手に数を多くせざるを得ない手法を選ぶと危なさそうで、ソフトが無制限でも鵜呑みに出来そうに無い。
体験からするとReverbやトータルコンプorリミッタを掛けるに際し、全体を聴きながらじゃないと微妙な加減をするのはとても困難だ。
各トラックのバランスを少しでも変えればEffect量がそれに応じるのは先掛けしてても同じだが、EffectへのSend量で補填出来るのは後掛けだけだ。
出鱈目で良きゃ2度掛けもあるけれど、コンプならアタック部・Reverbなら初期反射部が妙ちくりんな事となってしまう。
そのせいで聴こえ方も変わるから再バランス・再Effectなんてやってくと、ようこそ無限ループへだ。
しかしだからって全部を最終段階で一遍にとなるとリソース大丈夫かとなりそうだから、結局は実機Mixdownと同じ様な算段が要りそうだ。
どう云う事かっつうと高級Effectorは金満大手Studio以外では台数に限りがあるのが普通だから、例えば2トラック毎に掛けて行ったりしている。
宅でも当初太鼓用コンプとして使えるけど激安のを8ch分と、基本的には太鼓以外を想定して無妥協用に1台だけ球コンプを投入した。
激安君(それでも一応dbxのだが)の音に問題こそ無かったが、試しに球ので掛けて以降殆ど何にも用いず仕舞いとなって久しい。
せーので終わらんのは面倒だが、それでも録音がデジタルになったからこそ躊躇せず選択可能となった措置だ。
アナログテープ時代だったら劣化が怖くて、余程の特殊ニーズでも無けりゃ即却下だった処だ。
因みにそのせいか分からんが少なくとも本邦アマミュージシャンの間には「後掛け」は全くマイナーみたいで、昔はそれで口論になる事も暫しであったのぅ。
口喧嘩の方は忘れちゃったので割愛として、次回は「Effect後掛け」に特化するやも。
<続>
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