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2019年6月 5日 (水)

多重録音備忘録㉔ 番外編 擬似Bandの勧めⅠ

以前のより詳しく先ずは背景から述べて行くが、これを一番お勧めしたいのはポピュラー系ドラマーだ。
俺はまだ全然ドラマーとしては途上国だけれど、実際これをやる前後で人からの評価が大きく変わった。

例に依って結果オーライ大魔王の事だからそこ迄最初から狙ってやったのではないが、Bandにはまだちょっと入れて貰えない位の腕の人にとっては結構貴重な練習手段になりそうだと思った。
何処の世界でもそうだが一線を越えたい時、案外その下と上の距離が離れてたりする。

それ故運良くクリアした者は環境にもグッと恵まれ、向上速度も桁違いに加速する。
だが運悪く惜しい処で何時も選に漏れると、只でさえ足りない腕を向上させたいのに適した環境にすら中々あり付けなかったりするもんだ。

これって才能が開花後だったら良いが開花前だと断然人には分り難く、斬新で個性的であればある程未完成な故に中々理解され難いもんだ。
あんなどうしようもないと思ってたのが突然大変な事にってのが天才型で、順当に上昇してのは秀才型か若しくは勤勉なだけの只の人なのよ。

それからすると初対面が最低最悪でもその中にこそ真の天才が紛れ込んでる訳で、当りが出る確率は低いけどそう云う人から向上する機会を奪うのは後で後悔に繋がったりもすんだわな。
ここの突破力も一面では才能の内と云えなくも無いが、その手の才能は営業力とかで音楽のじゃない。

故にプロにはすぐになれたけど何時まで経っても大した事無いままなんてのが落ちで、社会全体としては何の益ももたらさない。
近年本邦では少子化と孤立化が著しく、それでも只暮らして行くだけならテクノロジーの発達で昔より人力は要らなくなっている。

だがもし仲間が足りないってだけで打込みにしちまってたりしてたら惜しい話しで、打込みに本当に意義があるのは楽器演奏が何らかの理由で出来ない人にとってな筈だ。
ちょっと不思議かもだが例えばボカロで曲を出すの1つにしても、最初の内なら歌える人の方が大抵は上手に仕上げられるだろう。

しかし暫く続けて行くと歌えない人のの方が訴求力に長けて来て、それは恐らく全精力を残らず注ぎ込めてるからなんだと思う。
完全にでは無いけれど「歌えるのに歌わない」は見方に依っては「手抜き」をした分だけ、作品の何処かの濃度が薄まってる可能性があるのだ。

例えば自分が歌えるギリギリの高さの音程を出そうとすると、誰だって全身全霊で叫ばなくてはならなくなる。
そこ迄行かなくても余程の達人ででも無けりゃ、どんな音程でも全く同じ負荷で歌えるなんて事は無い。
楽器演奏も同じで速さや難易度に応じて、普通は負荷が変動するものだ。
それが少しでも既に身に染み付いてると打込む時、少なくともそれから脱却出来る迄はもうこの時点で弾けない人に負けてる事になる。

又また失礼乍らかの小室哲哉氏を見ていても、近年の方が本人の生演奏率が高まってる様に伺える。
かつてどっかで目にした本人談に依れば元々はHardrock Guitaristになりたかったんだそうで、しかし思った様に演奏力が上がらなかったのでそれに頼らなくて済む方法としてあの様な演り方へ辿り着いたとの事だった。
なので電脳系新人類に見えてたのが、Grand Pianoを人前で弾き出した時はかなりびっくりしちゃったな。

実際には幼少時からClassic Pianoはずっと習ってたらしいが、ある意味十何年も苦労を重ねて来た物を一時的にでも放棄するのは物凄く勇気が要る事だ。
普通だったらGuitarはしまっとくにしても、シンセ&同期モノより慣れ親しんだ生Pianoへ先に手を出す処じゃないだろうか。
恐らくそうする迄には散々色々試行錯誤して、心を鬼にして冷徹な迄にシビアに判断を下した結果なのであろう。

そこで諦めるにしても適正を見極めるのにはなるべく「それらしい状況」へ身を置くのが相応しいので、集団合奏のバーチャルリアリティー版の登場は如何ですかってなるのね。
例に依って楽器を車と例えるなら、擬似Bandは差し詰め教習所の練習コースって感じだ。
これに倣えばド下手でも素人Bandは仮免取得後の路上教習、打込みはゲームのとかそれと近似だが教習所の中に置いてある運転シミュレータってか。

太鼓練習のソースとして本家のを鳴らしてそれに合わせるのは昔からある方法だが、昔ならそれでなぞれる位になったら次は割とすぐ知合いに声掛けてであった。
俺の世代ではもうそれ程じゃ無くなってたが、黎明期には演ってる人自体が少なかったから玉石混交が当たり前だった様だ。

曲ネタだって今より少なかったから共通レパートリーが自然と多くなってたし、本邦限定だと今より誰もがスタンダードナンバーは避けては通れない道だったのもある。
そんな環境であれば初心者にとっては参加し易いし、そこからの飛躍も大いに望めただろう。

因みに上で本邦限定と言ったのは他の多くの国や分野では今でもスタンダードの権威たるや絶大で、旧態依然でもシンプルな為にその仕組みや原因が理解し易いのを大切にしている。
そしてこのスタンダードが本当の真価を発揮するのはかなり時間が経ってからで、欧米等ではジジババと孫なんかが仲良く「同じ若しくはとても近い気持ち」で合奏出来たりしている。

時間の経過は世代の垣根だけじゃ無く浸透の広さにも繋がっていて、国境すら楽々乗越えてしまう。
これ等は人付き合いの面でも大きな収穫になるが、それ以外にも仲間が見付け易くなる処がある。
だが今の本邦にはそれが無く俺的には憤慨し切りなるも無いものは仕方無いから、それなら近年本邦お得意の機械を使ったバーチャルリアリティーで補ってはって発想なのだ。

プレリュード的にこの擬似Band特有の利点を少し漏出させとくと、例えばGuitar Ampなんかで「Ampの歪み」が使えちゃったりする。
その秘密は普通ならPAかヘッドホンで鳴らす処を、各楽器夫々のAmpで鳴らすからなんだ。

感性が鈍くない人だったら実験してみりゃ分かると思うが、歪みはEffectorでも作れるがそれをPAから流すとかなりニュアンスが変化しちまうもんだ。
例え楽器Ampスピーカの特性をシミュレートしても、何となく音量の割に騒々しい感じになる事暫しである。

練習しようと思う曲のが元からEffector歪ませだったらまだしも、Amp歪ませの物を再現したかったらこの方法じゃないと厳しいだろう。
それと沢山の音をもし全部普通の2chのPAから太鼓に負けない様に再生させるのは結構大変で、何とか音量が足りても実際のBandで演る時よりかなり音の分解能が下がって聴き取りが悪化しちゃうんだよね…。

<始まったばっかりなんだからそりゃ続くさ>

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