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2019年6月 7日 (金)

多重録音備忘録㉖ 番外編 擬似Bandの勧めⅢ

前回の内「Amp歪ませ」と「Effectorは後回し」には色んな意味を含んでいるので、クドイかもだがもう少し突っ込んでおこう。

この件にしたって例に依って結果オーライ大魔王が原因の成行きでしか無かったんだが、一応その根底にはEffectorの質の問題があった。
使用頻度は近年では低目となっちゃいるが、俺は結構早い段階から一通り手を出していた。

だから持って無い訳でも無く、寧ろ買ったのが大昔のせいで古いのばかりな位だ。
最初は必然的にGuitar用のばかりだったが録音での用途も考えて、それなりに一通り揃えた後はコンパクトタイプは避け新規購入はラックタイプとなって行った。

その結果録音ではラック・Liveでは従前からのコンパクトとなっていたが、ある時お客さんからChorusの音質の低さにクレームが付いてしまった。
俺自身はちっとも気にしてなかったが、Liveより録音音源の方を先に聴いていたら当然の感想なのは否めない。

歪みの方にしても是又結果オーライ大魔王らしく、所持Ampが偶然整流管式だった関係で録音ではAmp歪ませとしていただけの話しだった。(これをキチンとシミュレートしてるストンプが無いっ!)
自宅でこのAmpをフルテンで鳴らせる様になる迄は他所でのFender Ampの体験から、「どうせジャリジャリ言って駄目だっぺ」とずっと思い込んですらいた。

尚且つ生耳で聴いただけの時点ではまだ懐疑が残ってて、お試しで録ったのを聴いてから漸く確信が持てたってな遅さだった。
後になって良く考えてみりゃ過去名作のにFenderのでもスムーズな歪みのも一杯あったんだが、試して体験する迄はその差が整流管のせいだったのが分かって無かったのだ。

しかし自主Liveでなら数度持ってった事もあるが、最大出力等が原因で普通のLivehouseへ無理して持込むにも難があった。
俺がLivehouseで演ったのは大抵所属グループが上とかメジャーを目指してて、尚且つ歌メインのだったので瞬時音色切替等の問題も古いタイプのAmpなので引っ掛かっていた。
けれど外で常用してる大昔のGuyatoneのを改造・改良した真空管式Distortion、こっちには幸い苦情が出ずに
済んで結果的にChorusだけコンパクトタイプのを相棒から借りて凌いでいる。

俺が球Amp歪ませに執着してるのには冒頭の他以下の理由があり、その筆頭は「Rock Guitarの歪み」とは基本「そう云う物だった」から始まっている。
その後様々な都合でEffectorで歪ませる方が一般化して久しいが、それは前出の如くLiveでの使い勝手の問題であった。

一発録りしか出来なかった時代と違い、多重録音のお陰で一度には出せない音色を一曲の中に入れられる様になる。
だが録音で可能な限り頑張った結果一部の例外を除き、Liveでの再現性に問題が出て来てしまう。
金満君だとAmpの方だけなら物量作戦で複数台の使い分けも可能だが、一切音の途切れ無しに瞬時にGuitarを持ち替えるのはプリンセス天功だって難しそうだ。

またBeatlesのお客が聴いてくれないからLive止めたは極端にしても、会場等の都合で奏者側が幾ら腐心してもLiveで同じ音を出せぬ場合があるのに皆が気付き始める。
そんなこんなで録りと生を別物と考えるとかLiveに妥協は付き物的発想が広まって、Effectorとそのニーズも増えて一般化して行った。

俺的にはそうなり出した時点での状況の中に大きなポイントがあったと思ってるが、それはプロは基本的には「使い分けていた」処にある。
だが録音現場の内部事情なんて事に依っちゃ披露したくもないので、外部に居た者にとってはどれ程使い分けされてたかが分からなかった訳だ。
ここでAmp歪ませとEffector歪みの差を今一度羅列しとくが、音質・明瞭度・雑音・使い勝手辺りが代表的な処で順に紐解いて行く。

①音質
 総体的にはAmpの方が柔らかく耳馴染みが良かったり、同程度の歪みでは迫力に勝っている。
 但し歪みの深さ・種類等は、Effectorの方が自由になる。
②明瞭度・雑音
 設定次第では覆る可能性も残るが、信号経路・機器数の少ないAmp歪ませの方が原理的には絶対優位だ。
 判定を下す前に気を付けられたいのが聴く音量で、録ってから両者を同一音量にすると一聴瞭然と思う。
③使い勝手
 これは殆どの部分でEffectorの圧勝だが、設定変更無しで出せる音の種類・範囲は限定される。

この辺で歪み方式に関して一旦打ち止めにするに際し、当たり前すぎて忘れられてそうなのの思い出し喚起をしとく。
歪み系Effectorは生音が欲しけりゃOffれば良いから、歪ませる設定で余韻等が小さくなって「歪み損ねた」分は半ば必然的にけしからん音となり易い。

だが歪ませを特には意識されてないAmpだと寧ろ歪まなかった時こそ本来の音が出て来る位で、この差は表現巾等に対してはとてつもなく響く部分だ。
Liveではあって当り前のお客さんや会場の出す音が録音では無くなってその分小さいとか弱い部分がより聴こえる様になるので、その部分を担う上記の差が全体のクウォリティに直結するのである。

ではChorusの続きへ戻るが例えばSteve LukatherのToto全盛期のはステレオになってるが、LiveでもMarshallのAmp歪ませを併用するにはAmpが2台必要と貧民には全く非現実的だ。
だがそれが録音ならEffectorさえステレオOutになってりゃOKで、他の場合にもこれは広く応用可能だ。

そして今では宅でもPCでは無制限も同然・独立機でも24トラックあるから良いが、当初は8トラオープンだったので極力空きトラック数を残しときたかったのもあったのだ。
加えて概述の音像定位の「最終段階での自由」を考慮すると、録る時モノラルでも完成時に大体同じ音が得られるならわざわざ余計に消費したって仕方無いと。

またトラックに余裕が増せばバージョン違いなんかも入れとける様になるから、今になっても基本方針に変更が出なかったのだ。
尤も素人時代!?にはキーボード内臓のEffectが一番上等なんて事もあったので、そう云う場合には迷わず2トラック奢ってやったもんだ。
とか言っちゃっといてその当時の録音機は、ステレオカセットデッキ×2だったが。😃

こんな風に少しは学んで多くは体験してみて、少なくともRockが全盛期だった頃は「後で出来るのはそれ抜きで」状態で録られていた訳だ。
プチ余談として本番では歪んだエレキのも、作る時はアコギでなんて輩もかつてのアメリカ南部には居ったがな。
それ位業界さんはファッションよりプロポーションを、何時も気にしてたってね。

また最近は耳にしなくなったが「しっかり弾く程Effectの乗りも良くなる」と昔は始終語られてて、どうせならそう云う状況でちゃんと叩ける様になりたいと思ったのがこうなった。
非生楽器だと生演奏時点でレベルを安定化させるのも可能だが、ドラマーにとってそれは良し悪しだ。
普段は急激な音量変化は無い方が聴き易いが、それだと太鼓のこっちがフォルテシモアクセントの時は聴こえなくなったりする。

しかし相手方は機械のお陰でレベルは一定でも、弾く強さで音色は変化している。
それを音量だけで計ってもし本チャンを録ったら、恐らく太鼓だけアクセント時の音色が貧弱なんて風におかしくなりそうだ。
純粋に材料の味とか焼きや煮込みの加減を知るには、余計な味付けは無い程分かり易いって寸法なのだ。

こんなのが現場じゃないと知れない部分と思われ、どんなにドキュメンタリーの動画が発表されてても音の実態までは分からない。
恐ろしくドデカいAmpの壁がそびえ立ってても、フルボリュームかどうかが分からない。
Ampはフルなのが見えたってその時Guitarのは?・途中のEffectorのは?、全部が全部見えてるのってあったっけ?。

もしそれ全部をクリアした処でホントに全部のスピーカに線つながってんの?、仕舞いにゃ口パクやられてたって現場の音は聴こえないから本当の処は分からない。
この際だから追い打ち掛けちゃうと、そもそも人が演ってるのを自分で演って必ず同じ様に感じられるかなんてちぃっとも分かりまへんがな。

とどのつまりは体験せんと分からんってこって、実際そうして叩いてみると「叩かれてた」時とは全然違ったよ。
そしてちょっくら偏屈気味だがもう1つ利点があって、人から言われるのが嫌な人でも違いが知れる処な。
普通だと胃を痛くするか痣作るかなんかし乍ら、散々葛藤に耐え続けないと獲得できないものだからね。

<この項一応おわり>

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