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2019年6月23日 (日)

多重録音備忘録㊹ 打込みと編集Ⅲ

こんな俺らしく!?かリズムについては時代に全く感知せず、物理的精度は無関心それでいてキレやニュアンスそして「ノリ」にはヲタ級の拘りを持っちまってる。
が実態は認識し辛いリズムパターン等へは努力を要してるが、リズムを取る事にはたまたま余り苦労しなかったからか普段はちっとも気にしてなかったりする。

なので「リズム表現巾の狭い」打込み同居なら楽するのを優先しようとも思ったが、ご覧の通りの有様で見事に期待の梯子が外されちまったってか最初からそんなの掛って無かったか。
使用機器や求める音次第で例に依って個人差万別だろうけど、音楽性を優先すると打込みでも音響的編集プロセスの完全排除が達成されぬ場合があるのは良く分ったよ。

前々回述の従兄談みたいにその気が皆無でも対策が要ったそうだから、それだと打込みも楽じゃないってなるんだねぇ。
只従兄は太鼓の先生になった位生楽器のそれもリズムのをずっと続けてた人だから、「幾らなんだってこれは自分じゃ無くて機械の方が変」と確信が持てたんだとも思えた。

楽器が何も弾けずそれ故リズムの訓練も皆無の人だとどうだったのかで、最悪だと単にフレーズが駄目とか違う処へ原因を求めてしまったかも知れない。
打込みは編曲のアウトライン等はやってく内にスキルアップが望めるが、それ以外の多くの部分で楽器と違って音楽の実践的向上の貢献はあまり見込めないのを特記しときたい。

本邦ではポピュラー系では歌詞最重視傾向が相変わらず強いので、先ずは歌詞次にメロが成立してたら他要素の影響度は低いみたいだ。
だがポピュラー系の中でも特にRock系等では、それ以前のリズムの刻みの個性だけで成り立ってる様なのも山程あったのがその特質なのだ。

このリズム表現(フレーズより刻ませ加減等)の代わりにテンコ盛り複雑化して来たのは、ポピュラーの観点からは遠ざかってしまってる。
それで音楽が売れなくなって来たとしても至極当然で、ある意味これの打開策として「打込みなのに編集」ってのが切り札となる可能性があるかも知れない。

現代では「打込み出来る」は多くの場合「PC等を持ってる」で、それなら殆ど手間だけの問題で誰でもすぐに挑戦が始められるのだ。
そこには「それ用のスキル習得」がセットになってっから億劫に感じるかもだが、この手のは元来は「音楽する」のに必須の物だから別に方法のせいじゃ無いんだよね。

ヒット曲の実態をプチ分析するとそれが白日のもととなるんだが、結構周期的に過去にあったのの応用・活用されてるのが多く見受けられる。
先ずはパターンを拝借したのが筆頭だがサウンドだけなんてのもあって、しかしトリビュートとかパロディ要素が無い場合はかなり限定的な部分借用が大多数だ。

これは温故知新式で新鮮さを得る為の1つの戦法なんだが、元ネタは思いの外カビ臭いのが多いのも特徴だ。
だからって皆それをやれなんて言いはしないが、やはり現状打破が要る際は何処かに「新案」は必要だ。
だが純粋に新しいのだけだとポピュラーには馴染みが無い分親近感等が不足しがちになったりするので、用い方や組合せ等へそれを求める事が多くなるのだ。

今となっては打込み物もかなり普及したので、そのままでは以前の様にまた新作とは行かなくなったのではと思っている。
かと言って昨今は俺の成長期の頃みたいに新楽器がどしどしでも無いみたいなんで、単に生演奏率を上げればってのも駄目っぽい。

そこで残ってるのが打込みなのに音響編集有りとか辺りで、これだって無限では無いけれど打込みだけの範囲でこねくり回すよりは今迄出来なかったのが達成されそうだと思う。
尤も俺自身はそんなの全く狙っても居ないし、成行きの結果に過ぎないのがだらしないか


今回の因みには誤解されたら困るのでここは一寸詳しく行っとくが、元来ミュージシャンが言ってた「パクリ」は盗用とか丸々使っちゃったってのでは決して無い。
正確な文言にすれば「インスパイアされた」なんてので、近年は美術界から果てはSNSなんか迄で見られる露骨なコピペ等とは全く異質のものなのであるぞなもし。

少し利口なミュージシャンだったら特に生演奏の場合、フレーズ等を丸々そのまま演ったつもりでも奏者の差が消せないのに直ちに気付く。
もし後発の者の方が上手かったとしてもそのせいで本家より楽に弾けたりすれば、それだけでも緊張感が減ったりして「味」が変わってしまうよね。

しかも本家は前から演ってたのをこっちは今始めたばかりの模倣品となれば、そんな真似したらわざわざこっちの拙さを宣伝するだけになっちまうんだからさ。
これも本家の方が下手だったとしても慣れてると大胆に行けるが、後発は上手くて慎重さを隠せても勢いでは完全に負けるだろうからねぇ。

昔業界に蔓延ってた「Band用語」(我々はこの時点でもうドンバと言っていた)は、一寸スカしてヤサぶった言い回しをしてたが案外「照れ隠し」も内包されてたって按配だ。
正確にだとあの偉大なお方の思想や発想から学ばせて頂きましたなんてなるけど、それじゃ特にRock系とかだと馴染まんから悪ぶって「パクった」なんてうそぶいてただけなんよ。

そしてフレーズの引用もあったけど「パクリの核心」は、そんな表面じゃ無くアプローチだとか発想なんですわ。
フレーズだけだと元ネタが出尽くしたらもうお終いだが、手法を解明・理解出来たのなら後で幾らでも類型を作り出せるからね。
そもそも音楽なんてもんはどっかで耳にした音がその人なりに変身して後から出て来る様なもんで…、キリが無いからこれはまたそのうちに。

いやぁ~しかし最近過ごし辛い気候にもなって来たから、そんな風にでも思ってないと億劫になって来ちゃったよ。
作品の完成度って普通は大事だけど、それを充分追求出来るだけの下地があったらの話しだと思うんだよねぇ。
そりゃ紅白歌合戦とかオリンピックの式典とかで「やらかしちゃった」ら人生に響くだろうが、医者と違って失敗しても直に誰かが死んだりせんのが音楽の特権だかんね。

それを思うと職業音楽家の場合は普通に日常的に演ったのが、なるべくそのままで使える様に持ってくのが合ってると考えられるんだわ。
こう云うのを鍛えるには録音なら「本チャン」てのが大切で、失敗したら「今のは練習でした」なんて白々しいけど後から平気でそんなんしちゃう位が良いのかなってね。

<つづく>

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