多重録音備忘録㉑ Line録りⅤ エレキBassⅠ
世間では近年は極普通の光景、俺の現Bandでは非難轟々!?のBass Line録り編のはじまりはじまり。
ここは俺が本職なのでウルサイかっつうと案外どうでも平気なんだけど、低域に劣化や変な凸凹が勝手に付いちゃうようなのは勘弁だ。
他パート次第の部分が多いのもBassの特徴で、アンサンブル内では差し詰め交番か警備員室みたいなものと思っている。
要するにイザって時にお留守だとマズく、だがその時が他パート夫々によってかなり違ってるのだ。
だから基本的にはBass音の中でも低音だけは、「常に聴こえる」状態に録れてるのが宜しいとなる。
それに従ってLow-Endに着目すると、余程良いAmpでも無かったらLine録りの一本勝ちだ。
だが存在感等では往々にして貧弱になり、好みの音色を堅持しようとすると各弦の音量バランスに問題が出易くなる。
これは概出の様に楽器としての体裁をスピーカで作った部分が無くなってるからで、単にEQを2台若しくは2度掛けすれば解消する様な単純なものでは無い。
Ampの電子回路部や出力トランスとスピーカは随時相互に影響し合っているから、これを他の手段で再現するのは困難だし何とかやろうとすればとても大掛かりな事となる。
尤もBassの場合手持ち機材と所望音の都合で収音方法を選択せねばならず、物質面を除けば一番選択に苦慮させられるとの認識がある。
これが上記の様な按配なので音響にある程度以上詳しい人なら単純に最適選択でも良いが、そうじゃない人は許容範囲の枠を拡大してギリギリ迄Amp→Mic録りとした方が大抵は好結果が得られるだろう。
パッと聴きの小奇麗さではLine録り優勢のケースが多いが、近年の諸君は余りにもそれだけに囚われ過ぎで残念になってると思うぞなもし。
チョイ際どい表現になっちゃうがそれって目一杯おめかししてる時の彼女で、でもアンサンブルに入ってから物を言うのは彼女自身のプロポーションなんだよね。
著しく失礼さが増すが単独で外見からであれば、その豊かな胸が盛られた物かどうかはその筋の専門家にしか判別出来ない。
だがもし他の胸サイズの違う全員が同じ様に胸盛りさんだったらどうなるかで、要するに単体単位で向上させても他の音が加わったらそんなの即水泡に帰す訳だ。
依って収録当初段階で注意すべきは小奇麗さじゃ無く、どんな聴き方をしてもへこたれないとか違っては聴こえない様な音にしとくと後で祭りとなれるのさ。
これを上の失礼でセクハラ紛いので例えると、盛るにしたって素人とプロのモデルや女優さんではやはり技術の差が出るのは避けられんってな感じ。
処で丁度近年悩まされてるのがレベルバランスで概述と少し重複するが、現況みたいに基本が3ピースのBandの場合Guitarと太鼓のどちらへよりそれを確保しとくかだ。
個人的には太鼓優先と考えてて、それは体験的にも太鼓奏者の演奏の仕方に大きく影響するからだ。
場合にも依るけれど特にBassとバスドラ等を同時に鳴らす場面では、両方がバランス良く聴こえるのがアンサンブル的に好ましい。
もしバスドラが良くは聴こえんでも良いなら、奏者の判断次第でそこはそもそも「踏まんでも」構わんとなるからね。
ウチのGuitaristは奏法上の都合+好みでEffectほぼ全掛け録り派なので、Guitarの音量レベル変動は少ない。
それと収録しただけで未加工のBassとバランスを比べると、当然そんなにバランスしてないがそれを嫌うので弱っているのだ。
Guitarへ沿わせて弾くの自体は別に難しくないが、それをしちまうと加工後に今度は太鼓間バランスに支障を来すのが目に見えている。
こんな時に特にLine録りだと「Ampに依るクッション」も無くなるので、余計に中間段階ではアンバランスが「拡大して聴こえる」のでLine録りまで嫌っちゃってる。
これとは別観点でもLine録りには不利があり、それは曲中で特にその冒頭部にBassを単独で鳴らす部分があったりする時だ。
前回迄にも記した如くLine録りはタッチノイズを一聴「実際以上に目立たせる」性質があり、一度アンサンブル内に入れば「そうでも無かったか」となるのだが…。
バカ正直に考えれば概述の通りこの部分の音は元来なら聴こえない物なので単純に削り取れば済むのだが、Bassに限っては必ずしもそうならない側面があるのだ。
元からGuitarよりは出音の音域が広いBassだが、それは単純思考でも倍音はAmpスピーカの上限迄とほぼ同程度で下が1オクターヴ分広いで分かるだろう。
それで必然的にBassの方が倍音が多くなるが、但しこれは量では無く種類が増えるとか分布周波数帯域が広いって意味なのだ。
これは音質調整で量を増やすのは可能だが、下手に増やすとBassとしては音色に死活問題を生じる。
Bass音の核は低音だが元が中域より聴こえ辛いので、倍音を増やし過ぎるといとも簡単に低音がそれ等高音に「食われて」しまうのだ。
依って「Bassに適した倍音」はGuitar等のそれより、「広く薄く」って事になる。
ここで漸く上記へリンクするんだが、それ故Ampだと得られない倍音も結構存在意義が出て来るのだ。
単体では耳障りなだけのタッチノイズ(少し無理すれば倍音とも捉えられる)も、アンサンブルへ入ると輪郭の明瞭化を助ける効果がBassに限ってはあるのである。
具体的にはそうして録られてる作品を聴くと全体では何の楽器が出したのか皆目見当が付かぬ様な、高域の「ぴちっ・カシッ・ツッ・チッ」なたいな変な音が他の邪魔にはなってないが入っている。
その中でBassをクローズアップさせてもこの音は本体とはかなりかけ離れてるので、それと気付くにはかなりの時間を要したりする。
ここ迄だけを読めばだったら要らねんじゃって思えるだろうが、不思議なもんでもしそれを取り除くと何故かBassがカーテンの後ろへ隠れちゃったみたいにしか聴こえんくなるのだ。
これ以上の詳細は次回へ譲るが、この倍音orタッチノイズには次の様な副産物もある。
Bassの主要音と乖離してるお陰でBass自体の音色とは割と無関係に明瞭度向上に活用出来、Line録りがAmp→Micより元々存在感等に劣るのをある程度補填出来るのだ。
Bassの音色がBrightでも良けりゃそれ程でも無いが、アーシーとかマイルドじゃないといけない時でLine録りだともうこれ以外に補填手段は無いからね。
<唐突だが長くなったから次>
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