多重録音備忘録Ⅱ④ Effect後掛けⅡ
今回はMixdownは未だアナログだった当時の手法を、参考に徐々に書いてきますヨォ。
俺知りではその時代位に一応一通りの手法が出揃った感じだったので、デジタルに変わっても基本思想みたいなのは不変な気がする。
それより昔は後掛けなんて機材事情で不可能だったし、逆に掛け録りの音は巷に溢れていた。
そんな中新鮮さを求めたのと漸く念願叶ってのと2通りあったけど、特に生楽器に対するEffectは大いに進化した。
歌は別格としてもSnareにだけReverbを深く掛けるなんてのには、収録時点で個別収音してなきゃ無理だ。
だがトラック数が限られてれば大抵はその為に誰かに犠牲になって貰うしか無いし、全部を掛け録りするにはEffector自体もその分の数が揃って無ければやはり無理。
なので録音観点からはトラック数・マルチMic・Effect後掛けは密接な関係を持っていて、今に至るにはこれ等の相互作用も貢献している。
最初はEffector自体に及んだ影響だが従前は各楽器やMicに合せた仕様も要ったが、録音機に入ってからなら電気的にはほぼ単一規格だけで全てに使える様になった。
今でもMicpreの付いてるコンプはそこそこ散見されるが、元は単に音質向上を狙ったとかどうせ使うんだからって理由では無かったのだ。
大昔のMixer卓はチャンネル数が少ないばかりか、ニーズも僅少だったからそもそもEffectorとの接続等考えられてなかったのだ。
録音では基本Effectとなりそうなエコーも1に録る場所自体の響き2にエコーチャンバーと、当時の貧相な電子機器なんて高級な録音に使うの無理でしたから。
卓にインサーションやAUX付く様になったのだってずっと後だったしで、要するにEffector側で対応しない限り繋ぐのも掛けるのも無理だった言わばその名残でもあるのだ。
それが今ではMixをPC内で処理するならMixer卓の必要性が低くなって、その分音のインターフェイス部の需要が高まったからってのはある。
もし太鼓のマルチ録り等をしないならMicpreは僅かしか要らないので、アナデジ変換インターフェイスからそれを省ければ小型化出来るしコストダウンが図れるのだ。
今の視点で見たら卓に互換性が無いが為同じEffectを得るにしても、「それぞれ用」を持って来なきゃならなかったんだわ。
それに対し今はトラック個別に「中間作業」をしても音質劣化しなくなったから、個別用なら同じ効果を得る物はせいぜい2ch分あれば何にでも掛けられる様になったのだ。
但しこれも「後掛け」で構わなきゃの話しで、掛け録りでしかも一発録りならこの部分も「昔乍ら」が要求される。
前々回記した宅の太鼓用8ch分激安コンプは正直「失敗談」以外の何物でも無いが、宅では狭小でも一発録りの仕事が入る可能性が残ってるから過ちを直ちには認めなかった!?かどうだか…。
何れにせよ殊録音となると後掛けは大きな武器になるので、生演奏時のままの感覚で判断されぬよう注意されたい。
ここから今やデジタル更にPC内Pluginが主流となりつつあるEffectorの略歴と行くが、単一じゃないのは惜しいがPC内Pluginは基本的にはVSTを筆頭に規格のお陰で高い自由度が得られている。
当初は放送用途等の補正や最適化から出現したEffectorだが、その次に一般化したのだとやはり電気楽器用だろう。
この時点で両者には目的の違いが明確にあって音楽的性格が強かったのは楽器用の方だけだったが、大きさ等の都合からの性能差等でもその存在は別物だったと看做せる。
今では楽器用の癖に19inchラックタイプなんてのもちっとも珍しく無くなったが、録音時に使って気に入ったのを舞台へ持って来た等がその由来と俺は感じている。
コンパクトなストンプスタイルのでも最近のは大きさと性能はかなり無関係となって来て、黎明期のデジカメより並のスマホの方が高精細写真が撮れるわフルHD動画すらとご同様だ。
その昔は俺みたいなのを筆頭に「何もせんよりゃマシ」発想で、Guitar用のDelayを無理矢理歌になんてのも結構多かった。
しかしそんな無茶が出来たのは録音もえらくチープだったからで、今だと意図的特例時以外は恐らくもう通用しないだろう。
尤も電気楽器奏者以外は独立機購入機会も失せたに等しいから、年寄りの戯言と化したかのかねぇ。
<つづく>
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