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2019年6月 1日 (土)

多重録音備忘録⑭ Mic録りとLine録りⅡ

2回目の今回は、普通はLine録りの物について考察する。
その典型はシンセ等の電子楽器と打込み物であるが、シンセについては過去にはそれなりに例外もあったのだ。

とか言っちゃってほぼLive時限定なんだが、大きくない会場でのPA常用は結構日本が先進国っぽい。
その証拠ってば大袈裟だが全盛期のDeep PurpleのLive画像をご覧あれ、所謂コロガシたるフットモニタの数が極端に少ないでしょ。

これは黎明期はPAがVocal Amp等と呼ばれていて、Rock系の歌手は電気楽器奏者と同感覚でMicとこのVocal Ampを操っていたんだ。
俺位から上の世代では演り始めた頃は音楽誌広告にPAありと掲載されてても、行ってみたらVocal Ampでしたなんてのも実際ザラにあったがや。

だから電子楽器だって初期はPAより楽器Ampで鳴らす方が当たり前で、シンセの登場前にエレピ・クラビ・電気Organ…等が既に使われてたのも関係してたろう。
尤もStudio録音でわざわざMic経由で拾うのは滅多に無かったろうが、絶対Lineじゃなきゃ録れんもんじゃないのも確かなのだ。

それよりLineじゃないと難しいのが打込みで、その原因は「再生チャンネル数」にもある。
かつて単体パートの電子機器例えば
ドラムマシン等の全盛期、それ等の上級機種には大抵パラアウト(パートor楽器別出力)が用意されていた。

しかし録るのから混ぜて落すの迄全部PC内だけで処理出来る方が便利なので、今では自分で後から追設せんと出力はほぼステレオだけとなってしまった。
それが打込み主体の場合はいいが生も利用したかったり、その割合が上がった時等には昔より不便を感じている。

ここ数年メンバーの体調不良や多忙なんかでまだ成果として結実してないのが歯がゆいが、在籍ユニットの製作方式が正にこれなのだ。
俺自身は生でも機械でも何処を担当しても平気ではあるが、演り易さも含め曲に応じての適した手段も知ってるつもりだ。

なので現況の手持ち機材やメンバーでは極力「Click不使用の生」が最適と思えるんだが、俺加入前は演り難かったからか俺以外の2人は今の方法に興味津々なのだ。
それでも太鼓が機械だったらそんなに大変にゃならんのだが、折角メンバーにドラム教師が居るのにそんな真似をしては勿体無いし面白味も減りそうだ。

只曲作り途上の段階では機械利用には大きな利点があり、ちょっと狡いけど「弾ける様になる前に試せる」ってのはある。
編曲や担当パートの都合もあって現況打込むのは俺だけだが、彼等にしてみりゃ録るか分からんのの練習は最小限に出来るから助かってるらしい。

こっちはより面白くなるなら手間は気にならん方だし、楽器担当数にせよ音響に関してにせよどの道沢山こなさなきゃなんないのは一緒。
だから覚悟も充分出来ちゃ居るけれど、機器の都合で最適解が取れないストレスだけはちと厳しい。

さて先ず太鼓生での必要条件は同時録音チャンネル数で、録った後で自由に弄れる為にはワンポイントや3点録りでは物足りない。
それが諸事情もあって現況従兄の所で彼所持機器で録らねばならず、同時録音は8トラのオールインワンデジタルマルチって条件が付いている。

故に太鼓を録る時一緒に他のもは、この技術的制約で現況は不可だ。
どっちかってば恐らく「せーの」の方が得意なベテラン集団でも、こんなので多重化してるとも。

えーこのまま放置して帰って来れんとヤバイから戻るとするが、今俺達が瀕してる状況に一番効果的なのはPCだけで賄える様にする事だろう。
尤も例えば24In-24Outの追設となると恐らく中古のマルチトラッカーより高く付くだろうから、貧民集団には願望レベルだ。

なので録る物の生比率が半分程度以上が多そうなら、昔乍らの単純なマルチトラックレコーダの方がお勧めだ。
ここでの「昔乍らの単純」とは入出力・同時録音・トラックの、何れもが同数の物を指してる積りだ。
「自分で録れるドラマー」の場合は特にで、従兄本人にも失礼乍らとっくの昔から耳タコ苦言を浴びせてしまっている。

従兄所持のはトラック数が折角
24あるのに、同時録音数制約は一発録りマルチがほぼ不可・トラック別出力が無いから概述俺言い「擬似Band」にもそのせいで使えない。
なのでもしPC等を持ってないなら未だしも、持ってたら重複若しくは代替可能な部分が多いだけとなるのだ。

従兄は音響は趣味なだけで専門家では無いのだから仕方無いが、「制約の多いオールインワンマルチ」程不便な物は無いと俺は感じている。
これは俺的にもし「少しでも弾けたらなるべく生」激奨なのもあるんだが、打込み不可な生の「時間差演奏!?」こそ多重録音じゃないと出来ないんだからねぇ。

そりゃ太鼓の録音は先ず場所で苦労するし、マルチにするにゃMicも沢山要って負担が軽くない。
ミスりゃ演り直さにゃアカンしで、作業面だけで見ちまうとロクなもんじゃない。

だが単に曲の概要を聴かせたいだけでも機械と生では違いがあって、特にそれが奏者自身が作者の場合に大きく出るもんなのだ。
近年は皆体裁を気にしてかメモ録りでも、小奇麗さ優先で打込みが主流の様だ。
だが例えド下手な弾き語りでも、作者自身の演奏には「何処をどうしたいか」は強烈に反映されるものだ。

それどころか寧ろ下手な程技で表現出来ないから、「技以外の部分」で何とか伝えようと自然と必死になってしまうだろう。
こんなのは不正確で稚拙かも知れんが、しかし機械には不可能な芸術表現には相違無い。
近い将来の予測としては体裁だけの作品なら、ボチボチその作者は人から「AI」へ移行するのではと思っている。

更に本題へ急旋回で復帰させるが、これ等を加味すると基本的にはMic録りを優先させとくのが利口だろう。
大昔のテープレコーダにはMic入力しか付いて無いのもあったけど、理論上Micが使えてLineが無理は存在しないんです。

只無駄に入力感度が高いだけなので信号が歪まん処迄下げてやりゃ、雑音的には不利だけと録れる事は録れるんです。
もし逆にLine入力しか無かったってMicプリをその前へ繋ぎゃ行けるが、前者だと最低限なら抵抗器1本間に入れるだけで済むけど後者はお高く付きまっせ。

<つづく>

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