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2019年6月18日 (火)

多重録音備忘録㊵ 実態編集と仮想編集

近年のデジタル化は編集の自由度等を格段に向上させて有難い限りだが、音色やニュアンスの点では若干の後退も感じられる。
Micやスピーカ本体の電気⇔音変換部は未だ完全アナログなのを一例として、音自体の研究は電子回路程まだ進んでいないのが実情だ。

それでも普通に音楽を聴く分にはそんなに問題にならないが、音楽製作となると便利さだけでデジタルを盲信するには時期尚早と考えている。
よくブラインドテストで選別不可だったから同じだなんてやってるけど、その場ですぐに分かる違いは無いってだけで完全同質と見做すのは慌てん坊さんですぜ。

では何処に影響があるのかっつうと、それは「音を創る」場合だ。
もう少し丁寧な表現をすれば特定条件下だけの音になら大差無いが、「変化して行く」等の時にその様子や反応にはかなりの違いが実際残ったままなのだ。

俺がどうなんて当てにならんのは外して実情を眺めれば答えは明確に出ていて、ホントに同じなら例えばエレキGuitar用の真空管Ampなんて1台だって売れっこ無いでしょ。
勿論視覚や匂い(あんまり焦げ臭かったら只の故障で危険ある)等の差はあるが、それだけに出費出来る人が昨今の不景気にあんなに居る訳無いんざんす。

とエキサイトモードに誤進入するとお題がこなせんのでこれ位にしといて、編集でのアナログとデジタルの適正と使い分けについてぶって行きましょう。
アナログと比べるとデジタルは音を変えるのは得意とは言い難いんだけど、お馴染み!?の逆視点でいくと音を「変えたくない」時には寧ろ好都合なんですわ。

毎度の化石体験の例示行っちゃいますが、大昔オープンマルチで作ったので配布用カセットテープを量産した時でありました。
磁気テープはアナログな上に磁気⇔電気信号変換の為、磁気ヘッドがテープに押し付けられてずっと擦って行く。
現況こんな如何にも擦り減りそうな事をやってるのってったら、電車の架線とパンタグラフ位なもんで特にテープスピードが速きゃその分どんどん減って行きます。

なのでコピー数が2~3なら未だしも元Dataのマスタテープを死守する為に、マザーテープって1次コピーを先に作ってそこからカセットへなんてするのが常識でした。
配布品の数に依ってはそれでも初期と後期でコピー品に差が出る場合もあるので、我々身内では更にパパテープ・ママテープと称するのなんてのを作った事すらあったでやんす。

こうすれば比較的品質の均一は保てるんだけど、そもそも1回ダビングしただけで音質は落ちちゃってんだよねえ。
これは不足トラック数補填策でピンポン録音するのも同じ事で機械から見たら単なるダビングで、普通は再生機と録音機が別なのが只同一機になっただけなんですわ。

何か少しでもやりぁ必ず劣化するシステムで、それ故ダビングせずにテープ自体を切り貼りする編集方法も普通だった。
尤も例え神業切り貼りが出来ても接続部は摩耗し易くなるので、マルチ用の巾広高価テープでそれをするのは貧民には切り辛いカードでやんした。

この手の類ではデジタルは夢の妖精さん以上で、幾ら煮ようが焼こうが劣化の心配なんぞ皆無で御座居ます。
なので音色等は弄らず全体の体裁を整えるとか、曲の尺をFade In・Out等で合せるのなんかには最早一択でありませう。
単純な曲全体の音量上げ下げ等にしても「やり直し」が簡単に出来るので、最終決定前の状態は言うなればバーチャルみたいなもんでがんす。

しかしこの「バーチャル」(仮想)がもしかしたら音加工には弱点で、それは以下の様な現象が起きないからだ。
楽器の音色で部分的不足を感じた時には例えば「低音だけ」増やしたいとかなるもんだが、実は全く同じ音で低音だけが増えるって状況は存在しないんです。

例え電気的にそれを完全達成しても聴く時は只の空気の振動でしかないので、様々な周波数の空気の震え同士が干渉して少し変質してしまうんですよ。
故に変な言い方だが寧ろ電気的に多少不完全な位の方が、出て来る音との差が縮まる事が多いんでやんす。

これ空気は自由なのでもしスピーカが揺するのを止めても、さっき揺すられた風が収まる迄音はそのまんま等と反応が若干鈍いんだよね。
依って電子機器の操作で音を変える場合上記の差が少ない程、思い通りの音が作れたり操作が楽になるって寸法だす。

社会性がも少しありそうな別表現をするなら積極的に音を弄りたきゃアナログ、なるべく音の質を変えずに加工したい時はデジタルが優勢って感じっしょっか。
因みに登場時一大革命だったデジタルリバーブですけど、金に糸目を付けぬ等なら残響装置としてデジリバはちっとも一等賞じゃありません。

雑音の無さや響きの種類を半ば無限に選べるのは秀逸だが、響きの質そのものに関してはかつての高額業界用にあった様な深みは御座居ません。
例えばルームエコーならとても綺麗ではあるが「どの部屋」みたいな部分がデジタルでは曖昧で、Lexiconみたいにかなり頑張ってるのもあるけど気紛れ要素の完全再現は困難だ。

これすら技術的には不可能じゃなくなってるだろうけど、もし偽物にそこ迄やらせると多分本物より高額になってしまうだろう。
なのでもし価格や大きさメンテ面でハードルが低い物だったら、積極的音創りの為だと例えアナログでも現物を持って
来ちまった方が話が早いのだ。

また俺体験ではPC内のは有償本格派は未体験なので断言は出来ぬが、これ迄の処では独立機の方が2~3枚上手と感じられた。
現行は25年位前からのLexicon PCM-80 がメインだが、それ以前初めて買ったデジリバのYAMAHA REV-7もまだサブで使っている。

後者は設計時期は古くグレードだって低いが、そこを逆手に取ってPC内のプラグインの等との比較はこっちを基準としてみた。
このREV-7は古いのでEffectへの内部の送りはモノラルと、今の常識からしたらGuitar用のコンパクトタイプよりショボイかもな代物だ。

しかしそれでもPC内のよりはまだ音に奥行等が感じられて、痩せても枯れても専用機たる所以の様だ。
これも柔らか頭思考すれば当然かもでPCは他の何にでも使えるが、専用機はそれしか能が無いんだからポジションを死守するべく作られてて当然なのだ。

なので選べるとか迷ったりした様な場合だったら、デジタルのでも実機を優先した方が高打率が狙えると思う。
尤も昔と比べたら兎に角ツール性能は底上げが著しく、真の意味での使う人の腕次第割合が上がってそうだ。

<つづく>

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