多重録音備忘録Ⅱ③ Effect後掛けⅠ
従前から拙ブログでは散出してる「Effect後掛け」について、極力掘り下げる、つもり。
俺が拘り出したキッカケは名作分析なのは概述だが、その頃はYoutubeなんて無かったから「見た」訳では無い。
では単なる空想かってばてんでも無く、それ以外にその音が得られっこ無かったからだった。
最初に一番苦悩したのがBeatlesサウンドで、弾き方も録り方も基本的なのは全て全部やらかしてたんだから全く初心者向きでは無かった。
しかも近年になって本人達が実演動画を出したのを見たりすると、Effectのせいと思ってたのが演奏自体で演ってたのねぇなんて始末だ。
なのでもう詳細分析は放棄しちまったが、先ず演奏だけで出来る事はなるべく人力だけとするのが鉄則なのはよーわーりまったいっと。
別に復習させようってんじゃないけど前々回記述の通り、「早い段階で施す程」効果絶大ですから。
そして散々試行錯誤・体験したのからすると、現状本邦の一般環境下ではLiveと録音は別物視するしか無いと勝手に悟り申した。
近年実情に疎いのが毎度の杜撰さだがここが第1ポイントなので、Liveの場合から順を追って詳しく行かせとくれ。
1.太鼓がPA使用前提の制約
本邦Livehouseの殆どではPA使用の都合に合せざるを得なかったりで、倍音抑制タイプ皮が付けられてたりする。
その機会は少なさそうだが「付加したミュート」じゃないから、一定以上にオープンサウンドに出来ない。
太鼓って楽器に対する打撃力が足りないと倍音ヘヴィになるから、近年の非力若しくは非力歌唱に合せたりするのも手伝って倍音抑制したくなってると伺える。
でもPAレスだと剛腕君でも過ミュートなので通る音を出すにはコツが要り、そんな場合はミュートを減らせるに越した事は無いのだ。
2.Amp歪ませが殆ど不可
昔だってそれでバランスを取るのは結構簡単じゃ無かったけれど、今本邦で一番障害となってるのは声量不足だ。
それでも普通Peak音量は太鼓の方が大きいんだから一見無関係っぽいが、音が瞬間的なのと歪ませて持続性が高くなった物とでは妨害率が違って来る。
因みにAmp歪ませ時の出力は殆ど設計に依って決まり、後はスピーカユニットの能率と組合せで音量が定まっている。
そのグループやジャンルに適したAmpを用いれば手に負えぬ事は無いが、ボリウムツマミで微調整する様な真似は不可だ。
因みにⅡでこれ用のパワーアッテネータも売られてるが音色変質ゼロは無理だし、音色変化が少ない方式の物程「選べる」出力は大雑把になっている。
又本来当り前の現象だが歪ませ度合いに依って、最大音量も多少つられて変動する。
3.電気楽器Effectの高頻度切替
本邦の一般的状況下では専属技師の帯同が厳しい上Livehouse毎の設備差が大きいので、お抱えさんに任せりゃPA全体が店の人に任せれば緻密な切替が困難だ。
奏者が自らで行うには機材制約からも、上記と重複があるがAmp歪ませが使えない。
4.Livehouseの経営姿勢
本邦では集客の都合とお客の志向性からか収益性の高い場所が中心となるので、文化事業としての側面が恐ろしく低く抑えられている。
これの害悪は店の個性を持たせ難い・流行に左右されず長期間営業を続ける等が出来なくなって、「○○の聖地」等を成立させ辛くなっている。
その結果各ジャンルへの整合性が落ちてしまい、演者がポータブルで持ち込む機材で求める音を賄う必要が生じている。
上記は全てに対して負の作用をしはしないが、「Live時の手法」がそれに依って一択化してるのは確かだ。
録音でも様々な制約を受ける場合が多いが、少なくともその制約を受ける場所を選べる余地は沢山あるだろう。
なので各自の意向次第ではあるが微調整の可否等も考慮すると、今の本邦環境下では「2本立て」とする方が得策と思われるのだ。
では今度は通常「後掛け」じゃないと出来ないのを、概出以外を中心に列挙してみよう。
1.楽器音はモノラルだがEffect音はステレオとなる物
特別恵まれた場合同一Ampを2台用いるとかPAからの出力に頼れば可能ではあるが、特に後者は舞台上と客席での音が異なってしまう。
前者についてもEffect自体を歪ませぬには、Ampパワー段歪ませ不可・別途歪み系Effectorが必要となる。
2.生楽器は如何なる場合も後掛けしか出来ない
ハンドミュート等電気力を用いない物は除くが、太鼓等の爆音楽器では掛け録りしても「掛った音」をモニタし乍ら演奏するのはとても厳しい。
3.Effect変更が自在になる
万一Effect不要となった場合すら、無問題で簡単に処理可能。
4.Effectと音色調整を個別に行える
先に掛けちゃってるのの音色調整を後からしたくなった場合、Effect音も変化させてしまう。
尤も音楽屋は音響屋とは限らんのだから録り直し(弾き直し)の方が楽な人も居るだろうが、その場合Mix作業を依頼出来る人は確保出来てるんだろうか?。
「先送り」すると苦手部分の作業が増えるだけに見えるけれど、不慣れたればこそその部分がやり直し出来たり専念できる方が良いと思うのだ。
録り直しより加工し直しは通常は防音設備不要だし、PC使用で構わなきゃスタジオ以外でも作業出来る様になってんだよね。
昔はそんなの全く無理だったんですから。
<続>
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