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2019年6月

2019年6月30日 (日)

多重録音備忘録Ⅱ③ Effect後掛けⅠ

従前から拙ブログでは散出してる「Effect後掛け」について、極力掘り下げる、つもり。
俺が拘り出したキッカケは名作分析なのは概述だが、その頃はYoutubeなんて無かったから「見た」訳では無い。
では単なる空想かってばてんでも無く、それ以外にその音が得られっこ無かったからだった。

最初に一番苦悩したのがBeatlesサウンドで、弾き方も録り方も基本的なのは全て全部やらかしてたんだから全く初心者向きでは無かった。
しかも近年になって本人達が実演動画を出したのを見たりすると、Effectのせいと思ってたのが演奏自体で演ってたのねぇなんて始末だ。

なのでもう詳細分析は放棄しちまったが、先ず演奏だけで出来る事はなるべく人力だけとするのが鉄則なのはよーわーりまったいっと。
別に復習させようってんじゃないけど前々回記述の通り、「早い段階で施す程」効果絶大ですから。

そして散々試行錯誤・体験したのからすると、現状本邦の一般環境下ではLiveと録音は別物視するしか無いと勝手に悟り申した。
近年実情に疎いのが毎度の杜撰さだがここが第1ポイントなので、Liveの場合から順を追って詳しく行かせとくれ。

1.太鼓がPA使用前提の制約
本邦Livehouseの殆どではPA使用の都合に合せざるを得なかったりで、倍音抑制タイプ皮が付けられてたりする。
その機会は少なさそうだが「付加したミュート」じゃないから、一定以上にオープンサウンドに出来ない。

太鼓って楽器に対する打撃力が足りないと倍音ヘヴィになるから、近年の非力若しくは非力歌唱に合せたりするのも手伝って倍音抑制したくなってると伺える。
でもPAレスだと剛腕君でも過ミュートなので通る音を出すにはコツが要り、そんな場合はミュートを減らせるに越した事は無いのだ。

2.Amp歪ませが殆ど不可
昔だってそれでバランスを取るのは結構簡単じゃ無かったけれど、今本邦で一番障害となってるのは声量不足だ。
それでも普通Peak音量は太鼓の方が大きいんだから一見無関係っぽいが、音が瞬間的なのと歪ませて持続性が高くなった物とでは妨害率が違って来る。

因みにAmp歪ませ時の出力は殆ど設計に依って決まり、後はスピーカユニットの能率と組合せで音量が定まっている。
そのグループやジャンルに適したAmpを用いれば手に負えぬ事は無いが、ボリウムツマミで微調整する様な真似は不可だ。

因みにⅡでこれ用のパワーアッテネータも売られてるが音色変質ゼロは無理だし、音色変化が少ない方式の物程「選べる」出力は大雑把になっている。
又本来当り前の現象だが歪ませ度合いに依って、最大音量も多少つられて変動する。

3.電気楽器Effectの高頻度切替
本邦の一般的状況下では専属技師の帯同が厳しい上Livehouse毎の設備差が大きいので、お抱えさんに任せりゃPA全体が店の人に任せれば緻密な切替が困難だ。
奏者が自らで行うには機材制約からも、上記と重複があるがAmp歪ませが使えない。

4.Livehouseの経営姿勢
本邦では集客の都合とお客の志向性からか収益性の高い場所が中心となるので、文化事業としての側面が恐ろしく低く抑えられている。
これの害悪は店の個性を持たせ難い・流行に左右されず長期間営業を続ける等が出来なくなって、「○○の聖地」等を成立させ辛くなっている。
その結果各ジャンルへの整合性が落ちてしまい、演者がポータブルで持ち込む機材で求める音を賄う必要が生じている。

上記は全てに対して負の作用をしはしないが、「Live時の手法」がそれに依って一択化してるのは確かだ。
録音でも様々な制約を受ける場合が多いが、少なくともその制約を受ける場所を選べる余地は沢山あるだろう。
なので各自の意向次第ではあるが微調整の可否等も考慮すると、今の本邦環境下では「2本立て」とする方が得策と思われるのだ。

では今度は通常「後掛け」じゃないと出来ないのを、概出以外を中心に列挙してみよう。

1.楽器音はモノラルだがEffect音はステレオとなる物
特別恵まれた場合同一Ampを2台用いるとかPAからの出力に頼れば可能ではあるが、特に後者は舞台上と客席での音が異なってしまう。
前者についてもEffect自体を歪ませぬには、Ampパワー段歪ませ不可・別途歪み系Effectorが必要となる。

2.生楽器は如何なる場合も後掛けしか出来ない
ハンドミュート等電気力を用いない物は除くが、太鼓等の爆音楽器では掛け録りしても「掛った音」をモニタし乍ら演奏するのはとても厳しい。

3.Effect変更が自在になる
万一Effect不要となった場合すら、無問題で簡単に処理可能。

4.Effectと音色調整を個別に行える
先に掛けちゃってるのの音色調整を後からしたくなった場合、Effect音も変化させてしまう。

尤も音楽屋は音響屋とは限らんのだから録り直し(弾き直し)の方が楽な人も居るだろうが、その場合Mix作業を依頼出来る人は確保出来てるんだろうか?。
「先送り」すると苦手部分の作業が増えるだけに見えるけれど、不慣れたればこそその部分がやり直し出来たり専念できる方が良いと思うのだ。

録り直しより加工し直しは通常は防音設備不要だし、PC使用で構わなきゃスタジオ以外でも作業出来る様になってんだよね。
昔はそんなの全く無理だったんですから。

<続>

2019年6月29日 (土)

多重録音備忘録Ⅱ② トラック数事前計算の必要は薄れたが…

録音のデジタル化の利点は当初は音だったが、今となってみればPCに取り込める等「他所でも作業が出来る」のが嚆矢と感じている。

昔だって記録媒体を持ち込めば不可能では無かったが、テープでは速度・ヘッドアジマス(角度)その他諸々の微妙な違いから逃れられなかった。
それに無劣化でトラック数を後から増やすのは容易では無く、事前の準備が無ければほぼ不可能だった。

それが冒頭の如くPC等へしまっといたり貯めといたり出来るのだから、録る前に考える必要はほぼ無くなったかの様に見えるだろう。
だがまさに今「そうでも無かった」を体験中なのが暫く前に概述したウチのBandの太鼓録りで、太鼓のみで満席である。

それプラス打込みのMidiのチャンネル数もご同様で不適切音色を後加工する都合で複数に分散してて、気付いたら16ch満杯になっちまってたじゃあぁ~りませんの。
これだってデジタルですから更に曲自体をパート2とか作りゃどうにか出来るかもだが、そこ迄手間が増えるのなら利便性がかなり低下しちまう。

最近の手間案件で俺の心は一層Click排除・実演・実機Mixに傾いてるが、インターネットとデジタルの利点を考えるとそうも言い切れぬ。
従兄の都合で太鼓録りを始め活動は極力彼宅となっていて、しかし上記の通りとなったから人間と実機以外はネット経由で何時でも拙宅に来られるのだ。

現況の我々にとってはどっちの家でも近似環境を構築出来る方が良さげで、尚且つOSを選ばぬソフトをデフォとすると汎用性が上がる。
従兄宅では太鼓教室の部屋はネット接続不可でそれを逆手に取って、PCも余剰機にxpを入れている。
しかし居室の方はWin 10となってるので、どっちかにしか使えないソフトだと僅かな空き時間に一寸弄るなんてのが不可になるからだ。

従前から使用中のAudacityはOS対応次第でバージョンが違ったりもするけれど、大枠ではどっちでも作業に相違は出ていない。
これ等の件はやり始めてから気付いたのも多いが、自由度が高まった今日のデジタル録音機でも場所は違うがやはり事前準備は結構要るみたいだと実感させられた。

俺はマスタリングは多数もPCでのMixdown体験はこれからなので不明点も多いが、トラック数が多い程動作が重くなるのは間違い無い。
従兄居室のPCはどの程度のスペックか知らないが、宅のや教室に置いてあるのは凡庸レベルだ。
なので下手に数を多くせざるを得ない手法を選ぶと危なさそうで、ソフトが無制限でも鵜呑みに出来そうに無い。

体験からするとReverbやトータルコンプorリミッタを掛けるに際し、全体を聴きながらじゃないと微妙な加減をするのはとても困難だ。
各トラックのバランスを少しでも変えればEffect量がそれに応じるのは先掛けしてても同じだが、EffectへのSend量で補填出来るのは後掛けだけだ。

出鱈目で良きゃ2度掛けもあるけれど、コンプならアタック部・Reverbなら初期反射部が妙ちくりんな事となってしまう。
そのせいで聴こえ方も変わるから再バランス・再Effectなんてやってくと、ようこそ無限ループへだ。

しかしだからって全部を最終段階で一遍にとなるとリソース大丈夫かとなりそうだから、結局は実機Mixdownと同じ様な算段が要りそうだ。
どう云う事かっつうと高級Effectorは金満大手Studio以外では台数に限りがあるのが普通だから、例えば2トラック毎に掛けて行ったりしている。

宅でも当初太鼓用コンプとして使えるけど激安のを8ch分と、基本的には太鼓以外を想定して無妥協用に1台だけ球コンプを投入した。
激安君(それでも一応dbxのだが)の音に問題こそ無かったが、試しに球ので掛けて以降殆ど何にも用いず仕舞いとなって久しい。

せーので終わらんのは面倒だが、それでも録音がデジタルになったからこそ躊躇せず選択可能となった措置だ。
アナログテープ時代だったら劣化が怖くて、余程の特殊ニーズでも無けりゃ即却下だった処だ。
因みにそのせいか分からんが少なくとも本邦アマミュージシャンの間には「後掛け」は全くマイナーみたいで、昔はそれで口論になる事も暫しであったのぅ。
口喧嘩の方は忘れちゃったので割愛として、次回は「Effect後掛け」に特化するやも。

<続>

2019年6月28日 (金)

多重録音備忘録Ⅱ① 得意な収録方法をゲット

Mix主体と告知しといて何なのよ的だが、後をどう出来るか次第で使えぬ収録方法も出て来るからよん。
例えば普通の3点録りした太鼓へ後からSnareにだけ深くReverb掛けるの無理とか、こんがらがーの面倒くさーだがこれは鶏と卵案件の典型なのだ。

理論的思考のみだと収録方法はニーズ次第でそれへの最適化と答えが出るが、我儘な人間様が演るとなると必ずしもそれがBestにならん場合も出て来るもんだ。
全くニーズにそぐわないのは候補落選となるが、それ以外だったらパフォーマンスの発揮し易さとを天秤に掛けて選ぶのが宜しいでしょう。

また多くの場合「これから録る物」ってな余り演り慣れて無い曲が多いので、一発録りより失敗の心配が少ない多重録音の出番なんてなっている。
もし何年もLiveで演って慣れてるがたまたままだ録って無かったなんてんなら、録音より録るハコやその時の使用機材に大枚注ぎ込むのが良いでしょう。

クドイが忘れた頃かもにやって来る俺格言!?で、音が良くなるのに効果があるのは奏者→楽器→Micと来て録音なんて後ろ寄りですから。
でも現実的には上記と逆のケースが多いので、機材等へ経費を掛けるにしても継続性が確保出来る範囲にするのが要りそうだ。

またもしアナタがベテランの達人で無いなら、扱い易さと何時でも狙ったのに近い音が確実に得られる様なのを基準に選ぶのをお勧めする。
機材がBestでパフォーマンスがBetterなのとその逆の、どっちが総合得点が上回るのかは上述の通りだ。

これをエレキBassで当て嵌めて行くと、最大公約数的にはLine録りで音色微調整やEffectは後掛けとなる。
その理由はバカみたいに単純だが、大別すると再現性や音色調整巾の広さと収音条件にある。

前者から行くが一聴只ブンブン鳴ってりゃ良さげで単調ともとれるBassが、僅かな違いでもアンサンブル内に於いては
大きな影響を全体に与えたりするからだ。
既に固まってるアンサンブルでもいざ録ってみると、何処かしらが普段と微妙に違って聴こえたりするのは良くある事だ。

なのでもし絶対Amp(スピーカ)からの音じゃないとなんて要望が無いなら、全部録れた後から調整出来るのが望ましい。
しアンサンブルと相談しつつもそれに影響が無いポイントも見つけられ、そこは自由になるので最終的にイメージした音色へ一番近付ける確率が高い。

Amp録りでうっかり歪ませ過ぎた場合、録った後で歪みを取り除くのはもう無理だ。
Line録りだって歪みを「掛け録り」すれば同じだけど、後掛けしたからって歪みが変質する様な事は殆ど無い。
第3手段で「Amp歪ませ」を「後掛け」ってのも考えられるが、その時「録った物」はLine録りになるのが普通だしAmpを2度通せばノイジーで癖付き過ぎなんてなりそうだ。

後者については概述の如く最低域等を完全に拾えるMicは意外と手元に無い事が多いし、なまじLine録りが一般化したせいか録音に適したAmpも思いの外少なくなっているのに依る。
尤も今回テーマとしては再現性と録音機会を増やせるのが主眼で、Line録りなら防音設備不要ってのが肝。

エレキだと弾いても音が僅かしか出ない=自宅や深夜等何時でも何処でも録れるとなるので、ある意味音色よりもパフォーマンスと奏者コンディションに忖度した格好だ。
それと個人的な感想ではあるが使用本体楽器の問題もあって、近年ので本邦製のになる程Ampへ繋いでも「劣化したLine録りの音」なんて傾向が強い様に感じられる。

これは良く言えば実情に合わせた設計とも云え、後々迄記録に残る録音(Line録り)時程最高の音色となる様にと考えれば当然の設定だろう。
なのでもしAmp録りに拘りがあるなら、楽器本体もそれに適した物を選んでおかないと効果半減の危惧がある。

また近年忘れられがちなのがPreampやBufferの内蔵の有無で、伝統的なAmp録りが好きならこれ等が入って無いかOffに出来ないとこれも効果が減少する。
加えて毎度の真空管かどうか問題も同様だが、音色差も勿論だが最大の違いは「反応」なのだ。

近年の様に音響処理が高度化・高シミュレート化が進んで来ると、音色についてはかなりどうとでも出来る様になって来た。
しかし上述の「反応」だけは元が「何もしないで只繋いだ」のだけに、かなり厳しいのも仕方無い。

因みに最近はバスドラへ複数の収音装置を構えるのなんかが流行ってる様だが、余程高い専門レベルを持合せてないと位相やら色んな問題で上手く混ぜるのは大変だ。
BassでもAmpとLineの両方で録っといてってのがあるが、録音がデジタル化して劣化僅少となった今は上記同様あまりお勧めし兼ねる。

録音がボロいテープの時代は混ぜたく無くても全部闇鍋状態となってたから、煮込まれた後では入れた具材が殆ど判別付かなくなっていた。
それが今では正反対となったので、今度は継ぎ目無しに混ぜるのが苦手となったって寸法なのだ。

またこれ等の手法にはその分トラック数も余計に取られるんだから、少なくとも必然性が低いなら下手にあれこれやらない方が後で困らずに済むでしょう。
そもそも録音機側に制約がある事も多いので、そっちから逆算してかないと勝手に収録方法だけ選んどいても「それ無理」って!!!。😓

<つづく>

2019年6月27日 (木)

多重録音備忘録㊻ 作業煩雑さの害悪

現行プロジェクトが太鼓録れ待ちの為少しMixdownの予習をしてみたが、慣れの問題とも思うが現時点でのお試しではPCだとかなり面倒と感じてしまった。
今回試したのはお馴染みAudacity・Music Studio Producer(以下ではMSPと略称させる)・Reaperの3つだったが、どれもちょっちねであった。

Audacityは概知だったがトラック個別編集には◎だが、1台のReverbへのSend量差で各トラックへの掛かりの深さを全体俯瞰しながら加減するのが出来ない。
今迄Midiにしか使ってなかったMSPもオーディオを読込めるので初めてオーディオだけを試してみたが、原因不明でAudacityで大丈夫だった同一規格のWAVEの一部が何故か読み込み出来なかった。

今回は早出の因みにだが原因すら探してない相変らずの杜撰さも、宅環境では本来MSPで可能とされてるMidiとオーディオの同居がどうも調子悪かったからだ。
依って取りたてて必要性も無かったので不使用としてたが、上記「1台のReverb…」案件は可能なので勇気を出してとなったのだが…。

またReaperは元は従兄のPCのサウンドカードの試験の為に探し出した物で、折角見栄えも恰好良いがやはり慣れる意欲がどうも足りない。
俺的な最大理由は「読み込み操作が面倒」な処で、作業自体に重要じゃない処へ手間を取られるのが気に食わなかった。

しかし正直に昔を思い出せば録音媒体がテープの時は1回聴く毎に巻き戻しが要ったし、頭出しをするのも波形表示なんて無いから中々一発では決まらない。
作業後テープ保管の際もオープンのだと「化粧巻き」と言って、リール内の巻きに凸凹が無い様にしとかないと変な癖がテープに付いたりと実際の手間は今より多かった筈だ。

だが手間の理由と結果がかつては一目瞭然だったのが、 どうも必然性が見えないものに手間が掛るのがいけなかったらしい。
一々「中に入って見て来ないと駄目」となると、人次第だろうが感性作業に集中したい時には流れを堰き止められる様な感じだ。

今後時間が取れる様なら将来も考慮すると勉強を続けるだろうが、有料・シェア・要登録のソフトに手を出すのははばかられる。
PCの場合OSが新型に切替わるのはユーザー都合と大抵はズレるし、某独占的企業は独断で仕様激変なんてのが是迄にも始終あったから。

実機系だって故障・劣化は当然起こるが直すかどうか、更にどう直すかを選んだりと自分時間で考えられる。
それでも宅みたいに過去機がダブついてでもいれば未だ良いが、PC複数台所持が困難な場合はそんな時を迎えたらソフトは海の藻屑となってしまう。

編集やMixdownは演奏じゃないからと思ったりするだろうけど、音楽を作るのの一環の場合は同列視するのが正しいと思っている。
これから紐解くとスタイルや方式が何であれ、熟練が要るしその比重の重さに気付いて貰えるだろうか。

ニーズ次第で多少の変動はあるけれど操作スキルで必要なのは、新しいのを覚えるよりも自在に加減出来る様になる方が有効戦力になるのだ。
特に音色面での音楽の電気的技術が一通り出尽くした感のある今日こそ、もう「加減」にしかオリジナリティを形成する余地が残っていないと考えられるのだ。

元から録音ってのは演奏に慣れてる者にとっては余計な段取りが何かと増えるもんだが、音響屋より演奏家の人だったら演奏に比重を掛けるのが好結果に繋がる。
特に大して考えなくても理由が分かってる作業はまだ良いが、少しでも余計な気を取られるものに対しては極力「先送り」するのが宜しいであろう。

大昔の作品を考えればこれは明白で今のより格段に酷い録音のでも、パフォーマンスの素晴らしさのせいで今でも喜々として聴かれてるではないか。
やはり例に依って個人差千差万別だが何か変に引っ掛かる様な処があったらなら、それを回避可能なら避けるに越した事は無いと考えられる。
そこで収録時もだが上記を踏まえた主にMix時の手順ってか、段取りみたいなのを次回から綴ってみよう。

<つづく>

2019年6月26日 (水)

プロの定義② 基準の内容編

前回は音楽を演る側にとっての相応しい自覚等で、世間の経済面だけの呼称に振り回されるなみたいなのを記した。
そして結局は当事者にとっては実力等の飽く迄「内容」が重要なのを少し示したつもりだが、その具体的な部分へ進めて行こう。

実際楽器演奏に必要な部分も目的次第で違いが色々あるが、プロ・アマで一番違うべきなのは上手さでは無い。
それよりもどれ位要望に応えられるかが本来の分水嶺で、リクエストに一切答えられない様ならどんな凄腕でもそれはアマチュアだ。
現実的にはどんな達人プロでも限界はあるけれど、スポーツの記録等と音楽の価値が違うのは明確な基準が音楽には無い処なのだ。

今では生演奏の仕事が激減したのとジャンルの多様化もあって、昔よりは何でも弾けるニーズは目に見え辛くなっている。
だがClassic系等より楽譜に頼れないRock系では、少なくとも世界標準のスタンダードも知らないのでは話しすら始められない。

どうした事か近年本邦でだけスタンダードナンバー軽視の傾向が見られるが、音楽だけの特権的共通言語でもあるのでこれは実に勿体無い。
山と言われたら川と答えるのと一緒なのでこれが駄目だと本来とても合う仲間と出逢えてても見分けが付けられず、仲間を作るのすら大変になっちゃうんだがね。

生楽器で基本的に楽器には音色加工をしない物なら、初見(しょけん:譜面を見ると同時に弾ける)が利けば何とか出来る。
だが旧来からの楽譜には電気楽器等の歪ませ具合等を定量的に表す規格が無く、どんなに譜面が得意でもそれだけでは音色を合せるのが不可能だ。

一方Classicやオケ系では譜面が全く読めないとアマ楽団にだって参加困難とかになるけれど、それだって「楽器が弾ける」のに「譜面が無いから弾けない」は非関係者には全く合点が行かない理由となる。
ジャンルや種類に無関係に音程が出せる楽器だったら、ドミソドミソって演ってとか言われて出来ない「奏者」は滅多に居ないんだからさ。

アマなら個人の密かな趣味だから弾ける弾けないに関わらず今ここでは嫌と言っても通るけど、プロの現場では後ででもお金を貰うんだからその分を弾かない訳には行かない。
そしてこう云う部分について近年本邦の呼称や雇用形態には、大きな瑕疵があるのが要警戒なのだ。

メジャー系のプロモータは今の流行りに合ってる連中を探して来て契約するが、ブームの続いてる間は稼ぐ面だけでは商売になるだろう。
しかし流行りが変わった時に着いて来れなかったりどこかしらが不適合になれば、アッと言う間に契約終了若しくは破棄される。

これは当初は雇う側が人権無視だっただけだが、最近では雇われる側にも大いに問題点が散見される様になって来た。
つまり余りにも演れる事が少な過ぎたのに、それを放置したり改善させる気を持ってなかったりしたからだ。
その一因にプロのプライドだとか自覚が大いに影響してるのは確かで、「稼げたからプロ」「稼げてるからこのままで構わん」って認識の過ちだ。

絶対評価基準が持てなく生活必需品でも無い音楽は、元来ロクに商売にならない分野なのは最初から判明してる事実だ。
普通に真面目にコツコツやってれば長く継続の保証がある分野とは違うんだから、同列視するのにそもそも無理があったのだ。

見掛け上一時的に巨大ビジネス化したからって、所詮は祭りの屋台が偶然大繁盛しちゃっただけなのよ。
祭りがあるよと訊いて売れる物があるのに屋台を出さん手は無いけれど、どう見たって「祭りをやってない日」の方が普通は圧倒的に多い。

そんな状況下では技術や知識等の専門性を堅持して、いつ祭りが開催されてもすぐに屋台を出せる様な継続性こそがプロなんじゃないかな。
それも将来開催される祭りがどんなのになるかはその時になってからじゃないと分からないんだから、ある程度近い未来の以外は予測して備えるのも無理になる。

それでも確実に力になるのはベーシックな実力で、それを突詰めれば簡単でも構わんから兎に角「弾けるか」が問題になるのでは。
これ等を敢えてシンプルにまとめると音楽のプロとは、何とか要望に対して納得してもらえる音を出せるかどうかって事に尽きるのでは。

<この項一旦終り>

2019年6月25日 (火)

プロの定義① 基準編

益々身分不相応拡張著しいが、一石を投じさせて頂きたい。
キッカケは認知度ではメジャー在籍経験がこれを支配するのは納得だが、専門的スキル不足のままでプロと呼んだりそう捉えて構わんとは思えない処だ。

免許証等がある分野だったら良し悪しは別として、兎に角分類は簡単だ。
だが芸術みたいに絶対評価が不可能なものだと、何らかの資格制度を設けた処で実質的にはそれすら曖昧なライセンスとなってしまう。

現代本邦は資本主義社会なのでそれに則れば収入面からの判別をするのが当然だし、英語のProfessionalを意味も含めてそのまま使ってるならこの話しはこれでお終いになる

だが日本語でのプロって言葉の中には専門家等の意味も大きく含まれてるので、幾ら儲かっててもスキル不足の者迄含めるのは本来お門違いってもんだろう。

英語を採り入れるなら知識や実力が達人ってのに対応するExpertとかSpecialistってのがあるが、現状の本邦でそれを簡略化したエキとかスぺなんてのは無いから使い辛い。
音楽でもそうだがコピーして勉強になるのは不都合でもそれも含めた場合で、都合の良い処だけ安易に失敬して来りゃこんなもんだわね。

「食えてるからプロ」で不味いのは音楽ビジネスとしてならとても立派でも、ミュージシャンや音楽家としてはアマチュアの足元にすら及ばない者迄含まれてしまうからだ。
売れたらプロの音楽家では無くそれだけだったらスターやタレントとかアイドルと呼ぶのが相応しく、全く売れて無くても人並み外れて専門性や技術力があってもそんなのはどうでも良い事になっちまう。

これは世間で職業を訊かれ会社員なんて答えるのが一般化してるのと同様で、うやむやに出来て都合が良いなんて面だけに気を取られてるのと一緒だ。
だがそれだとヤバイ会社で社名を言い辛い場合等も含まれてる訳で、相手はこっちが思ってる程何時も都合良く解釈してくれてるとは限らない。

またこれはプライド(誇り)の面でも顕著で、過去のとは違うが妙な職種差別もプンプン臭って来て臭くて堪らん。
音楽ビジネスのプロだってとても凄い事なのに、どうも音楽界だとミュージシャンの方が良く思われてる節がある。
ミュージシャンは自らが立ち上げた企業で大儲けとならん限り、世間一般で言う社長とか重役なんて呼び名とは本来無縁なものだ。

なので音楽ビジネスのプロならそう云うのを前面に出すのが本来一番恰好が付く筈で、無理して音楽家ぶる必要なんて無いんだけどねぇ。
一方プロミュージシャンの99%以上はもし晴れて社長と名乗れても、ビジネス界観点では零細企業主の域を脱し得ない。

それと現在はミュージシャンも経済活動の一種と認知されてるが何時の時代もそうだった訳じゃ無く、今でもマイナージャンルのみに携わってたらどんな凄腕・大天才でもそれだけからの収入では暮らせて無いだろう。
しかしそんじゃ専門家に足りないのかってばそんな苦境でも続けられてる位だから、超専門家である可能性が高い。

世間に悪影響の無い範囲でならどう称したって構わんけれど、そんなのでその立場の人が劣化する様なら考えなきゃいかん。
収入観点では本邦では役職名や企業名でもそれを表せるのでそっちにして貰って、こう云う業界のはスキルに対する呼称と是非して頂きたいもんだ。

例えば相撲とレスリングを比較すると近年劣勢のプロレスですら、実質的な業績ではレスリングの方が遥かに上を行っている。
伝統芸能などを社会で支援するのは良い事だけどこれや税制の優遇等をもし全部排除して比べたら、恐らく相撲も歌舞伎も廃線検討すべきローカル線並に成り下がると思う。

更に別視点からとするなら学校の公立・私立なんかの学費と上記を比べりゃ一目瞭然で、公立系の相撲の方が大抵観戦チケットが高額なんだから随分妙な話しだ。
俺的には国技を広め親しんで貰うには寧ろ大巾値下げして、子供が小遣いでも見られる様にする方が将来の繁栄に繋がると思うんだけどねえ。

角度を変えて格闘家としての「本質」で比較すれば相撲に他流試合が無いのもあって、現況だと恐らく相撲以外の方が平均スキルは高いだろう。
でもだからって相撲の価値が減るもんでもなく、減るとしたら今相撲をとってる力士や協会がだらしないだけだろう。

概吠えだが実際の仕事内容が何であれ就業形態のみで「会社員」って馬鹿かじゃないが、そんな呼称を最優先するのは「金持ちじゃなきゃ偉くない」とか「金持ちだったらどんなロクでなしでも偉い」と認めてる様なもんじゃんか。
それじゃあ幾ら暴対法でヤクザさんを居なくしたって、国民全員がコソ泥化しても無理無いでしょうよ。

ここで特技を持ってない只のサラリーマンでは難しいけれど、何か技的なものを持ってる人なら違う呼称が使える。
それは楽器が弾ける者だったら担当パートの呼称で、PianistだのGuitaristってのだ。
世間での呼称や認識はこちらで操縦不可だからそれは諦めたとして、上手くなりたいのに良い意味での自覚が持てる呼称を放棄するのは勿体無い。

どう名乗りどう呼ばれどう思ったとしても、それで実力が落ちなきゃ結構ですがね。
そして意識の持ち方次第でアプローチ等に後から違いが出て来るのも考え処で、少なくとも「実際にやって見せる」必要がある分野では「名実ともに」じゃないと無理みたいですけど…。

<続>

2019年6月24日 (月)

多重録音備忘録㊺ 実機Effector

暫く前に買って持ち続けられそうなのは実機の方がと書いたが、その典型例は真空管Effector等だ。
最終的には音のニーズ次第でデジタルとアナログ或は本物とバーチャルの「使い分け」となるが、それには違いをより熟知してないとね。

冒頭から少し脱線気味となるが最近凄く気になったのが、Youtubeに投稿された自作作品でのReverbサウンドだ。
動画Fileのサイズ等色々制約が掛ってるのは分かるけど、それにしても変に籠った響きのを平気で使ってる連中が随分多いったら。

これ過半数が録音スタジオでのGrand Piano録音なのに、画を見なけりゃデジタルPianoにしか聴こえん様な音になっちまってたのが実に残念だった。
主犯がReverbで共犯がEQ辺りかと思うが、特に低音側がもう「弦を叩いた音」では全く無くなってしまっていたのだ。

それが化石アナログ機だってんなら未だしも、恐らくそんなのは1つとして無いだろうに。
単に操作不慣れでプリセットを使ったならそんな変な設定のはありそうにないので、恐らく何らかの点を気にして失礼だが「下手に弄った」結果であろう。

全くいい加減な推測に過ぎんけど一寸思い浮かぶのは滑らかさとかで、或は本当の深みとは全然別物だが高音が目立たない方が「深っぽい」とでも思ったんだろうか。
低域そのものは中高域に比べると音質を作ったり変化させられる持ちカードが元から少ないってか、変えてもそれがとても聴こえ難いって方が正しいがそんな性質がある。
反対に中高域は僅かの違いもすぐ分かるので、そこを余り響かさせなきゃ安全ではあるのかも知れない。

だが低域だけが不要に響けば上記の如く明瞭度等を阻害するだけで、聴き取り負担を増加させるだけなのだ。
しかもその程度の事をするだけなら立派なデジリバなんて全くオーバースペックで、ホントの処はよく分かんないけどわざわざ作品クウォリティを下げてしまっている。

かつて録音がテープが主役だった当時は録ると元より先ず大抵は籠ったから、下を響かせ過ぎるのは駄目と皆が気付き易かったのかも知れん。
ある意味無変化デジタルの弊害なのか、確かに昔よりどんなMixしてても無理すりゃ聴き取れる率は上がったがね。

入手・状態・メンテ等多くで難があるから今更お勧めはしないけど、こうなる位だったら昔の「低機能エコー」の方がマシな結果を招いたであろう事は断言出来る。
その手の多くにはEQなんて付いちゃいねんだから、どんなに響きがチープでもあんなに迄籠る心配は皆無なのだ。

近年の多機能機とかPC内のだと操作が煩雑になるのもだが、それ以上に「見落とし」(音なんだからホントは聴き落し!?)を起こし易くなるのも大きなポイントだ。
加えてデジタル機の多くは操作部の共用化されてるのが一般的で、サイズやコストダウンにはこれは大事な要素だ。
だがやった設定が一目瞭然とは行かないし、違うページのDataを交互に調整する際にも余計に時間が掛ったりする。

近年この点についてはLive使用を意識したシンセNord Leadみたいに、割と調整部を本体表面に「全出し」するのも出て来ている。
が楽器自体じゃないからか特にマルチタイプのEffectorではスペース的にも困難だが、デジタルのは悪く言えばプログラムセレクト以外の大半は天岩戸へお籠り状態だ。

これはPC内の物では近年考慮されたのも増えてるが、それでも他機も含めてずっと全部画面に並べとくのは結構厳しそうだ。
原始人の俺にゃサッパリだが何故かやたらとミュージシャン程PCはモバイルとかノートを持ちたがってる様に伺え、それでは画面が狭く増やすのも大変なのでこんな場面ではとても不利になるがこれが現状だろう。

楽器を弾かない人には実機Effectorって敷居が高い気もするし、演奏時使えない分余計にコスパも不利になる。
だがもしかなり高頻度で使うのが分かってるのがあったとしたらものは考え様で、類型過去例を紹介しとこう。

古株さんには何だ知っとるわいそんなのかいであるが、その昔Hammond Organ用Amp(スピーカ)のLeslieでエレキGuitarを鳴らすのがちょっと流行った頃があった。
音的には独特の癖があるPhaserなだけだから、それだけだったら大した事ぁ無い。

だがそのEffect音や響きを皆はそれ迄何時もOrgan特有音色の一部として耳にしてたので、あたかも「Guitar ぽいOrgan」なんて風に感じられてたのだ。
歪ませないでGuitar Ampの内蔵スプリングReverbを深ぁく掛けると、その音を聴いた多くの人がああThe Venturesねって思うのと同じメカニズムだ。

因みにLeslieとは言うなれば管球式・機械式Phaserとでもなるか、ともすれば単調な電気Organの音に「うねり効果」を与える物だ。
上記で独特の癖としたのは少しFlangingも掛ってたからで、それは構造由来の物で開発時期が古いだけに何と再生用スピーカ自体を実際に回していたって珍品!?だ。

Tonewheel式よりはまだ入手可能性が高いLeslieだが、コストもさる事乍らそのガタイがもう殆どタンスなので今更人に勧めはしないですよ。
只俺的着目点で1つだけ特記しとくと増幅部が真空管で、Guitar Amp程じゃないけど歪ませも古くから込みで活用されてた。

ここ迄だとPhaser+真空管Amp歪ませは普通のGuitar用のでも出来るけど、その順番が逆になる事で音色に違いが出るのを忘れるべからずなのだ。
現代他の方法でこれをするには歪ませをストンプにするか、録音したのにPhaserを後掛けするしかない。
つまり現行式だとLiveだと完全再現が不可能になるのが、LeslieのPhasingは既に歪んだ音へスピーカを回して掛けてんだから唯一完全対応なのだ。

因みに俺が当ブログで「Amp歪ませ」と称してるのは主にパワーアンプ部で歪ませてるのを指してて、プリ部だけでのものだったらストンプ等でも完全再現がほぼ可能だ。
これは飽く迄ヒントのつもりなので打込みに対して即効性は低いけれど、こんな目線で探して行くと今迄に無い面白発見率を上げられるのは請合いだ。

こんな風に楽器に依っては本体音色とほぼ同列存在となってるEffect音ってのもあるんで、Effectorだけでも本物にする事で実在感を増すなんてのも大いに考えられるのだ。
そしてこれは音源自体の改変が出来ない物程有効性も高まるので、その面からは打込みにこそ効果絶大とも思えるんだが。

<続>

2019年6月23日 (日)

多重録音備忘録㊹ 打込みと編集Ⅲ

こんな俺らしく!?かリズムについては時代に全く感知せず、物理的精度は無関心それでいてキレやニュアンスそして「ノリ」にはヲタ級の拘りを持っちまってる。
が実態は認識し辛いリズムパターン等へは努力を要してるが、リズムを取る事にはたまたま余り苦労しなかったからか普段はちっとも気にしてなかったりする。

なので「リズム表現巾の狭い」打込み同居なら楽するのを優先しようとも思ったが、ご覧の通りの有様で見事に期待の梯子が外されちまったってか最初からそんなの掛って無かったか。
使用機器や求める音次第で例に依って個人差万別だろうけど、音楽性を優先すると打込みでも音響的編集プロセスの完全排除が達成されぬ場合があるのは良く分ったよ。

前々回述の従兄談みたいにその気が皆無でも対策が要ったそうだから、それだと打込みも楽じゃないってなるんだねぇ。
只従兄は太鼓の先生になった位生楽器のそれもリズムのをずっと続けてた人だから、「幾らなんだってこれは自分じゃ無くて機械の方が変」と確信が持てたんだとも思えた。

楽器が何も弾けずそれ故リズムの訓練も皆無の人だとどうだったのかで、最悪だと単にフレーズが駄目とか違う処へ原因を求めてしまったかも知れない。
打込みは編曲のアウトライン等はやってく内にスキルアップが望めるが、それ以外の多くの部分で楽器と違って音楽の実践的向上の貢献はあまり見込めないのを特記しときたい。

本邦ではポピュラー系では歌詞最重視傾向が相変わらず強いので、先ずは歌詞次にメロが成立してたら他要素の影響度は低いみたいだ。
だがポピュラー系の中でも特にRock系等では、それ以前のリズムの刻みの個性だけで成り立ってる様なのも山程あったのがその特質なのだ。

このリズム表現(フレーズより刻ませ加減等)の代わりにテンコ盛り複雑化して来たのは、ポピュラーの観点からは遠ざかってしまってる。
それで音楽が売れなくなって来たとしても至極当然で、ある意味これの打開策として「打込みなのに編集」ってのが切り札となる可能性があるかも知れない。

現代では「打込み出来る」は多くの場合「PC等を持ってる」で、それなら殆ど手間だけの問題で誰でもすぐに挑戦が始められるのだ。
そこには「それ用のスキル習得」がセットになってっから億劫に感じるかもだが、この手のは元来は「音楽する」のに必須の物だから別に方法のせいじゃ無いんだよね。

ヒット曲の実態をプチ分析するとそれが白日のもととなるんだが、結構周期的に過去にあったのの応用・活用されてるのが多く見受けられる。
先ずはパターンを拝借したのが筆頭だがサウンドだけなんてのもあって、しかしトリビュートとかパロディ要素が無い場合はかなり限定的な部分借用が大多数だ。

これは温故知新式で新鮮さを得る為の1つの戦法なんだが、元ネタは思いの外カビ臭いのが多いのも特徴だ。
だからって皆それをやれなんて言いはしないが、やはり現状打破が要る際は何処かに「新案」は必要だ。
だが純粋に新しいのだけだとポピュラーには馴染みが無い分親近感等が不足しがちになったりするので、用い方や組合せ等へそれを求める事が多くなるのだ。

今となっては打込み物もかなり普及したので、そのままでは以前の様にまた新作とは行かなくなったのではと思っている。
かと言って昨今は俺の成長期の頃みたいに新楽器がどしどしでも無いみたいなんで、単に生演奏率を上げればってのも駄目っぽい。

そこで残ってるのが打込みなのに音響編集有りとか辺りで、これだって無限では無いけれど打込みだけの範囲でこねくり回すよりは今迄出来なかったのが達成されそうだと思う。
尤も俺自身はそんなの全く狙っても居ないし、成行きの結果に過ぎないのがだらしないか


今回の因みには誤解されたら困るのでここは一寸詳しく行っとくが、元来ミュージシャンが言ってた「パクリ」は盗用とか丸々使っちゃったってのでは決して無い。
正確な文言にすれば「インスパイアされた」なんてので、近年は美術界から果てはSNSなんか迄で見られる露骨なコピペ等とは全く異質のものなのであるぞなもし。

少し利口なミュージシャンだったら特に生演奏の場合、フレーズ等を丸々そのまま演ったつもりでも奏者の差が消せないのに直ちに気付く。
もし後発の者の方が上手かったとしてもそのせいで本家より楽に弾けたりすれば、それだけでも緊張感が減ったりして「味」が変わってしまうよね。

しかも本家は前から演ってたのをこっちは今始めたばかりの模倣品となれば、そんな真似したらわざわざこっちの拙さを宣伝するだけになっちまうんだからさ。
これも本家の方が下手だったとしても慣れてると大胆に行けるが、後発は上手くて慎重さを隠せても勢いでは完全に負けるだろうからねぇ。

昔業界に蔓延ってた「Band用語」(我々はこの時点でもうドンバと言っていた)は、一寸スカしてヤサぶった言い回しをしてたが案外「照れ隠し」も内包されてたって按配だ。
正確にだとあの偉大なお方の思想や発想から学ばせて頂きましたなんてなるけど、それじゃ特にRock系とかだと馴染まんから悪ぶって「パクった」なんてうそぶいてただけなんよ。

そしてフレーズの引用もあったけど「パクリの核心」は、そんな表面じゃ無くアプローチだとか発想なんですわ。
フレーズだけだと元ネタが出尽くしたらもうお終いだが、手法を解明・理解出来たのなら後で幾らでも類型を作り出せるからね。
そもそも音楽なんてもんはどっかで耳にした音がその人なりに変身して後から出て来る様なもんで…、キリが無いからこれはまたそのうちに。

いやぁ~しかし最近過ごし辛い気候にもなって来たから、そんな風にでも思ってないと億劫になって来ちゃったよ。
作品の完成度って普通は大事だけど、それを充分追求出来るだけの下地があったらの話しだと思うんだよねぇ。
そりゃ紅白歌合戦とかオリンピックの式典とかで「やらかしちゃった」ら人生に響くだろうが、医者と違って失敗しても直に誰かが死んだりせんのが音楽の特権だかんね。

それを思うと職業音楽家の場合は普通に日常的に演ったのが、なるべくそのままで使える様に持ってくのが合ってると考えられるんだわ。
こう云うのを鍛えるには録音なら「本チャン」てのが大切で、失敗したら「今のは練習でした」なんて白々しいけど後から平気でそんなんしちゃう位が良いのかなってね。

<つづく>

2019年6月22日 (土)

多重録音備忘録㊸ 打込みと編集Ⅱ

打込みストリングスサウンド編集修正は何とかなったの続きだが、それなのに問題になったのは打込み別パートの音色変更から発生した。
今回のはマリンバ音色で打込んだ裏メロので、従前は単に鳴らして録っただけで別に平気だったヤツだ。

問題点とは実際の発音タイミングが打込んだそれに正しく呼応して無かった処で、変更後の音色が「短い減衰音」系だったのも関係したかもだった。
実は他にシンセベースも入れててこれもAudacityの波形画面で見ると怪しげだったが、それは「打込んだ」Clickに対して必ずしも同じ距離感(タイミング)では無かった処だ。

それでも音域の低さ=波長の長さのお陰だったのか、シンベの方は耳には特に違和感が出なかった。
のが音色差と音域差(こっちのは高くて短め)のせいか、意識しなくてもあからさまに分かる不具合を2つ発症したのだ。
これに際し別録りトラックの現行同期方法を先に記すが、それは各トラックの先頭部に「共通の音」を入れて目印(耳印!?)としてるのとClick自体も打込んで作ってる処だ。

基本となるClickトラックすら録音機とMidi同期不可の都合で音声ファイル化してるが、最初は生楽器用のカウント分だけを開始部に追加していた。
処がそれだとMidiの再生ボタンの他に録音ソフトのボタンを押したり、それをしたマウスから楽器演奏の体制へ移ったりするのにかなり慌ただしくなっていた。

それで時間稼ぎだけなら単に助走期間を長くすりゃ良いが、それだと今度は長大になってカウントをカウントするのに数が増え過ぎて紛らわしくなってしまう。
そこで対策として敢えて再生開始位置に1音鳴らした後、わざと空白域を設ける事としたのだ。

Midiソフトには別個でメトロノーム音機能が付いてるが上記等のカスタマイズと、昔からの習慣のこっちがより大きそうだがそれが理由でわざわざ作るのがデフォ化している。
この習慣ってのは俺の場合ドラムだけ機械の時代が由来で、今と同様な理由で只のClick音では使い勝手が悪かったからだ。

もし機械操作と演奏が必ず別人とか、コンダクターやディレクターが録音現場に常駐だったら違った可能性が高い。
だが俺みたいなのの場合ベーシックを録るのに足りる頭数が揃ってたらClickはほぼ不使用なので、結構両極端な場合が多いからであろう。

んで結果的に現況は録音開始時に先ず1つだけ「ピッ」と鳴る様にしてたので、各トラックにも同じ様に入れとけばこのピッのタイミングだけを揃えればそれで同期が取れるって算段なのだ。
当初俺はPCを多重には不使用としてたので懐疑的だったが、この筋では先輩格の従兄がデジタルでは非同期でも大体行けてたってんでやり始めた。

因みに従兄からはピッを入れたとは訊いてないが音色に依って様々な発音タイミングのを、感性頼みじゃ無く理屈で合せられたらってのが入ってる。
これはデジタルの打込みの特権だから、どうせだったらそれで省力化が図れればって狙いだった。

実際それで曲の頭と最後で32分音符1個分すらズレもしなかったのですっかり安心しちゃってたが、それとは別なのが今回お目見えしたのだった。
先ずは折角のピッで合せると今迄のではどれもOKだったのに今回のだけは却ってズレちまい、それを今更過ぎる手加減で克服してもまだ別の不具合が…。

それは曲全体長では特に問題は無いが途中で譜割り(タイミング)がチョイとオカシクなるみたいなヤツで、例えば1小節目頭をピッタシにすると何故か2小節目の中頃が露骨にズレるなんて様相だった。
結局はデジタルで打込みなのを敢えて「忘れたフリ」をして、最大公約数式で全体で一番マシなタイミングを探して調整する羽目になった。

これの犯人を見付けるべく過程で前述の如くシンベでも不完璧だったのを思い出し、従前録音トラック迄捜査範囲を広げる次第となった。
結論的にはClick自体の精度にも疑惑を持ったが、確認した処で逮捕権が無きに等しい立場なのでそこ迄やっていない。

しかしPCの動作構成を考えるとこれは起こり得るケースで、それは内部信号伝達が「時分割式」になってるからだ。
恐ろしく高速なので通常人が感知出来る領域を超えてるが、擦れ違い不可な狭小トンネルや工事個所等にある片側交互通行なんかと似た原理に依っているのだ。
つまり外見と違って内部では、ずっと定速で連続走行はしていないのである。

これは専用機でもコントロール部にCPUが使われてれば影響の可能性が残るもので、実用上問題にならん場合が多いしなるべく不具合が無い様に作られちゃいるが完壁を望むには難しい構造手法だ。
これって非打込みのClickやメトロノームにもデジタル回路のだと適用されるんだが、近年テクを持ってしても一般レベルのだと想像よりは実は不正確でしたってね。

確かに普及品機械式メトロノームとかアナログ電子回路のよりゃ格段に高精度なんだけど、少なくとも全くズレが無いんじゃないのは知ってても良いかもと思った次第。
そして構造面からだと一面では機械やアナログ回路の方が、安定度の高い部分があった可能性も浮上して来た。

機械やアナログはデジタルみたいに複雑なのの同時進行は不可だから、動かしたらずっと大体同じ調子で連続で動いている。
これ等は温度等諸々の環境条件等に左右されるので、♩=120になる様に設定しといても寒いと121とか暑いと119とかの変動は確かにある。

だが小節の途中でとか例えば5拍目だけが微妙にモタるなんてのは起き難く、とても大雑把だけど逞しいってか雑だが頼り甲斐があるってな感じにもとれる。
音楽的に必要な正確性は寸分違わぬテンポかってぇとそっちじゃ無く、始まったらリズムの流れに不要な凹凸の無いのの方が必須なのだ。

この点に着目するともしかしてデジタルばっかでリズムトレーニングすると、アナログでやるより上記部分に鈍感症となる懸念が芽生えて来ましたよ。
近年過去比だとノリに秀でた者の出現が減った様に感じてたが、こんなのがその原因の一翼をもし担ってたとすれば滑稽な話しだわねぇ。

<続>

2019年6月21日 (金)

多重録音備忘録㊷ 打込みと編集Ⅰ

タイトルだけだと変な話しで、打込みだと録ってからの編集なんて普通は不要だもんね。
だから若干レアケースだとは思うんだが、現実的に今の俺ん処じゃ必須なんですわ。

さて前回告知の画の前に(もうすぐ下に見えてるが)、打込みでも一筋縄ってか素直に入れても駄目な話しを訊いたのでそれ本日の前菜。
昔従兄がYAMAHA QY-20だかを使ってた時、音数が多いとその所だけモタったんですって。
それで仕方無いからモタる拍のだけ、わざと前倒し打込みしたんだそうな。
昔から余所でもそんなの結構あったらしく、さりとて近年の立派なPCやなんかじゃあんま起んないんだろうけど。

Photo_20190621031901
唐突に出ました久々概念図、折角なので!?唐突に図説行きやす。
上の表みたいなのと鉄橋みたいなの(それ言ったら下のもだが😓)都合4段は「打込み前ズラしの必然性」とでも命名しとくかで、その下の丸囲み数字の付いてるのが概述の裏技的編集のだす。

上4段は我々現用中の「Music Studio Producer」って古いソフトので、表擬きのはこれでは「ピアノロールウインドウ」と称されるのの概念略図だ。
鉄橋擬きと書いたのは俺称超簡易音量グラフで、打込んだ結果出た音の様子を色毎対応で表してみた。

こっちを続けるが表擬き内の色の長方形が打込んだ様子で、黄色のは聴いて問題を特には感じなかったもの。
但し最上段最左最巾広みたいに単純に音の欲しい分を打込むと、今回のみたいな限りなく持続音に近い減衰音の音色だとレガートになり過ぎたりする場合も出た。
そこで後ろをわざと少し短く詰めといてやったら、上記の様な心配が不要になった。

だがオレンジ色位の短さとなると最大音量到達遅れが気になり出し、場合に依っちゃ16分音符の裏みたいに聴こえたりもし出した。
そこで窮余の策でその下の段の青・紫・赤・緑等の様にわざとズラすと、アンサンブル内では辛うじて許容出来る迄となった。

この中で紫だけ「突っ込み度」が高くなってるが、「その箇所だけ都合」ならそれ位が良かった。
紫みたいに割とすぐ前に前の音があれば直下のグラフみたいに、前の音の余韻(青線)とターゲットの音の立ち上がり(紫線)交差点がほぼ「音符頭」と一致してビュウティフォーだ。

だが直前がもぬけの殻だとそれでは立ち上がり部が早過ぎて、前拍後部に濁りを生じたりの懸念が出て来る。
又そこ迄突っ込ませるとズラし不要音との「間隔」不揃いも気になって来るので、青・赤・緑の長方形位の程度で我慢しとくのが無難だった。
因みにグラフの山高さ(実際は音量)で言うと幾らバランス小さ目でも、流石に半分位の高さになれば鳴ってるのが分り出した。

続いて丸囲み数字のへ進めるが図示したのは「2音毎にクレシェンドしたい」のケースで、打込みサイドではそれが出来なかった場合の方策だ。
①は同じ音色なので素直に1トラックへ収録した状況で、②はそれをPCのAudacityの付属Effectで加工した様子だ。

求める音は最下段⑦の緑線の状態なんだが、この手順では赤線で示した第1グループの余韻部に不要な変な挙動が加わってしまう。
要するにPCでも前後音の重なり部分がある状況だと、一緒に居るから共犯者と断定される仕組みなのだ。
尤も因みにⅡで当初からそうなると予測が付いてたから俺は試すの自体を省略したが、少なくとも全くの無問題じゃ済まないのは責任保障とでもしときやしょう。

そこで無問題の第2グループの余韻部と同状況を作る事を手順1とし、個別にEffect加工してから両者を合体させるのを手順2としてみた。
で③④が別トラックに収録した様子・➄⑥がそれを加工した様子だが、これを可能にするには打込み自体を別トラックとしとく必要がある。

因みにⅢでこんなのはMixer卓のFaderでも、実機シンセのボリウムでだって似た真似は簡単に出来る。
がそれも1トラックだと同じ問題が起き、使う道具やシステムが違っても手間としては似たり寄ったりとなる。
更に第3の手としてシンセなら予めこれ用に専用音色を作っとくのもあるし、実際Liveなんかじゃ常套手段ではある。
しかし前に出た音はそのままにしといて指令が来てからの音だけ新しい別挙動をさせる、「モーフィング」機能が搭載されてないと録音ではボロ出ましたと聴かれる場合有りだ。

MSP(Midiソフト)もAudacityも2ch迄なら同時に使えるし、再生トラックのを左右一杯に振切っとけば一応音は独立する筈だ。
だがPC内部は通常ハイエンドオーディオや独立型マルチトラッカーみたいに完全独立とはなってないので、クロストーク等の心配を無くす為にモノ再生でモノ収録とした。

又MSP+S-YXG50だと無操作時は常時Effect Onとなってるが、モノ音にステレオ感を与える為に左右のEffectは「別物」となっている。
なので音源音は綺麗に分離出来ても2ch同時にするとこれに不要差異が生じるので、これもOffにしている。

ここまでやって概述の様に合成して何とか単体音としては許容範囲に収まったが、これをAudacityにマウントして従前に録音済みのトラックとで並べてみたら!!!の!。

<それ次回>

2019年6月20日 (木)

多重録音備忘録㊶ PC編集での利点

先日半ば愚痴ってた打込みストリングス案件、結果オーライの真骨頂かPCならではの編集作業をする事になった。
そのキッカケはフレージングのプチ改良で、新しいフレーズだとどんな感じになるのかを手っ取り早く聴きたくなったのが原因だった。

先ずは現在進行形のの段取りってか全体の手法を前提として記しとくが、この録音は打込み+生演奏・デジタルマルチトラッカー収録の多重録音と迄は決定事項となっている。
今回は従兄と2人だけなのでClickなんか止そうよと懇願するも敢無く却下、俺が最初に打込みを作ったのも曲のアウトライン説明や検討目的なだけだった。

何しろ打込み用の音源もソフトもかなり古いしフリー物で細かい事は余り出来んしで、その面からも俺的には本チャン使用がためらわれるのが元にあった。
だが今頃気付くお間抜けオジサンで、ちゃんと考えてみたらドラムとBassを一遍に録るには従兄のマルチトラッカーじゃ同時録音数が足りなかったのねぇ~ハラホレヒレハレ…。

で本編に入ると俺は最近結構コンスタントに鍵盤を弾いちゃいるが本職じゃないので、とてもじゃないが弾き乍ら全貌把握するのはチイとばかし無理がある。
弾いて録って聴く手も無くは無いが他のパートにも試したいのがあったので、時間的に考えると打込みの方が早い。
そこで本チャンに耐えうるかは度外視して、兎に角打込んでみたのだった。

立ち上がりの遅い音色で新案フレーズの刻ませるのだと露骨に遅れるので、概述した裏技でわざと前の小節に食い込ませる様に「発音指令」のタイミングをずらして行ってみた。
当初は前小節の後部に余計な「濁り」が生じるのを懸念してたが、アンサンブル内での音量バランスが小さ目なのと元からこの音色はリリースも長かった関係で取敢えずはセーフとなった。

チョビ解析を述べると立ち上がり部よりリリース部の方が音量が大きかったから、ノッポの背後のチビが隠れた状態に偶然収まったらしい。
と一山超えたってもう1つFade Inってかクレシェンドさせたいのは打込みの方で試すも駄目で、Midiソフトにパラメータとしては「ノートオフベロシティ」が付いてたが音源の方が受付ちゃくれんでした。

そして冒頭に書いた通り打込みと生両方で普通ならMidiとマルチトラッカーを同期させて鳴らす処、我々の所持機材ではそれが出来ないっ!

ので面倒だがMidiを一旦PC内で再生・録音してWAV(音声)ファイル化し、それを従兄のオールインワンマルチやPC内のAudacityへマウントって事となっている。

また現用Midiソフトは出力は2ch Stereoのみ・個別Effectを掛けたきゃプラグイン対応(元から少しは入ってたが)と、「好きにする」には役不足なのもあった。
ホントは妙だがこの手のVSTを始めとするプラグインはご多聞に漏れず、PC専売特許!?の相性問題に引っ掛かるのも暫しである意味確証が持てない。

もしそれで不都合が出たら歴の古いオヤジ供はEffectorは独立機も既に持ってるので、PC内だけで済ませられるか分からない。
っつうかプラグインの好みのと合うのを探す手間・時間等を考えると、古めかしくても年寄りには手慣れた従前の方法の方が多分安全なのだ。

結局は半端もんの寄せ集め的域なのか何でもかんでも総動員って、もっと小袈裟にしたいけど昔みたいにやる前に諦めなきゃなんなかったよりゃマシと気を取り直すのだ。
宅では録音の仕事もやってる(現在諸事情でほぼ過去形😢)のでアナログMixer卓でも本案件はやれるが、元音がデジタルなのでそれを活かそうとPC内(Audacity)で加工するとした。

ここらで漸く核心へ辿り着くんだが、今回はトラック数無制限を活かす事となった。
加工対象が上述の通り始めも終りも間延びした音色であるから、当然前後のが重なる時間もそこそこある。
すると前の音はそのままで次の音だけ弄りたいったって、同じトラックに録ってたらそれは無理だ。

また普段俺はどうしてもの必然性無くばEffectの掛け録りはしないが、今回は別理由で後掛けでないと駄目な条件が付いた。
それは残響・空間系の物で、これ等は楽器音より当然遅くまで僅かにせよ響き続けるもんだ。
もし掛け録りしたのへ加工すると「その直前の音に掛ってる」Effect音まで変動するから、その部分だけが変なGate Reverbみたいになっちまうからだ。

そこで面倒手間のバーゲンセールになるがEffectは忘れずにOffにして(そのままだと最初から掛る仕様)、「続くとマズい部分」を敢えて別トラック収録させて加工後に合成するのを考え出した。
Audacityの音声ファイル書き出し機能にこんな用途の想定があったか不明だが、これを利用して一気に纏めてしまおうって作戦だった。

結果的にAudacityでの作業はあっさり滞り無く終わったが、雑音が加わるとかソースに何らの改ざん等も一切無しに行くのは流石PCか。
どっこい今回の用途ではギリギリ許容範囲に収まりそうではあるが、別の点でとんでもない事が発覚。
これと今回の詳細は言葉だけじゃ苦しいので次回図示かなんかもするつもりだが、Midiの杜撰さかPCの欠点かそれとも…。

<つづく>

2019年6月18日 (火)

多重録音備忘録㊵ 実態編集と仮想編集

近年のデジタル化は編集の自由度等を格段に向上させて有難い限りだが、音色やニュアンスの点では若干の後退も感じられる。
Micやスピーカ本体の電気⇔音変換部は未だ完全アナログなのを一例として、音自体の研究は電子回路程まだ進んでいないのが実情だ。

それでも普通に音楽を聴く分にはそんなに問題にならないが、音楽製作となると便利さだけでデジタルを盲信するには時期尚早と考えている。
よくブラインドテストで選別不可だったから同じだなんてやってるけど、その場ですぐに分かる違いは無いってだけで完全同質と見做すのは慌てん坊さんですぜ。

では何処に影響があるのかっつうと、それは「音を創る」場合だ。
もう少し丁寧な表現をすれば特定条件下だけの音になら大差無いが、「変化して行く」等の時にその様子や反応にはかなりの違いが実際残ったままなのだ。

俺がどうなんて当てにならんのは外して実情を眺めれば答えは明確に出ていて、ホントに同じなら例えばエレキGuitar用の真空管Ampなんて1台だって売れっこ無いでしょ。
勿論視覚や匂い(あんまり焦げ臭かったら只の故障で危険ある)等の差はあるが、それだけに出費出来る人が昨今の不景気にあんなに居る訳無いんざんす。

とエキサイトモードに誤進入するとお題がこなせんのでこれ位にしといて、編集でのアナログとデジタルの適正と使い分けについてぶって行きましょう。
アナログと比べるとデジタルは音を変えるのは得意とは言い難いんだけど、お馴染み!?の逆視点でいくと音を「変えたくない」時には寧ろ好都合なんですわ。

毎度の化石体験の例示行っちゃいますが、大昔オープンマルチで作ったので配布用カセットテープを量産した時でありました。
磁気テープはアナログな上に磁気⇔電気信号変換の為、磁気ヘッドがテープに押し付けられてずっと擦って行く。
現況こんな如何にも擦り減りそうな事をやってるのってったら、電車の架線とパンタグラフ位なもんで特にテープスピードが速きゃその分どんどん減って行きます。

なのでコピー数が2~3なら未だしも元Dataのマスタテープを死守する為に、マザーテープって1次コピーを先に作ってそこからカセットへなんてするのが常識でした。
配布品の数に依ってはそれでも初期と後期でコピー品に差が出る場合もあるので、我々身内では更にパパテープ・ママテープと称するのなんてのを作った事すらあったでやんす。

こうすれば比較的品質の均一は保てるんだけど、そもそも1回ダビングしただけで音質は落ちちゃってんだよねえ。
これは不足トラック数補填策でピンポン録音するのも同じ事で機械から見たら単なるダビングで、普通は再生機と録音機が別なのが只同一機になっただけなんですわ。

何か少しでもやりぁ必ず劣化するシステムで、それ故ダビングせずにテープ自体を切り貼りする編集方法も普通だった。
尤も例え神業切り貼りが出来ても接続部は摩耗し易くなるので、マルチ用の巾広高価テープでそれをするのは貧民には切り辛いカードでやんした。

この手の類ではデジタルは夢の妖精さん以上で、幾ら煮ようが焼こうが劣化の心配なんぞ皆無で御座居ます。
なので音色等は弄らず全体の体裁を整えるとか、曲の尺をFade In・Out等で合せるのなんかには最早一択でありませう。
単純な曲全体の音量上げ下げ等にしても「やり直し」が簡単に出来るので、最終決定前の状態は言うなればバーチャルみたいなもんでがんす。

しかしこの「バーチャル」(仮想)がもしかしたら音加工には弱点で、それは以下の様な現象が起きないからだ。
楽器の音色で部分的不足を感じた時には例えば「低音だけ」増やしたいとかなるもんだが、実は全く同じ音で低音だけが増えるって状況は存在しないんです。

例え電気的にそれを完全達成しても聴く時は只の空気の振動でしかないので、様々な周波数の空気の震え同士が干渉して少し変質してしまうんですよ。
故に変な言い方だが寧ろ電気的に多少不完全な位の方が、出て来る音との差が縮まる事が多いんでやんす。

これ空気は自由なのでもしスピーカが揺するのを止めても、さっき揺すられた風が収まる迄音はそのまんま等と反応が若干鈍いんだよね。
依って電子機器の操作で音を変える場合上記の差が少ない程、思い通りの音が作れたり操作が楽になるって寸法だす。

社会性がも少しありそうな別表現をするなら積極的に音を弄りたきゃアナログ、なるべく音の質を変えずに加工したい時はデジタルが優勢って感じっしょっか。
因みに登場時一大革命だったデジタルリバーブですけど、金に糸目を付けぬ等なら残響装置としてデジリバはちっとも一等賞じゃありません。

雑音の無さや響きの種類を半ば無限に選べるのは秀逸だが、響きの質そのものに関してはかつての高額業界用にあった様な深みは御座居ません。
例えばルームエコーならとても綺麗ではあるが「どの部屋」みたいな部分がデジタルでは曖昧で、Lexiconみたいにかなり頑張ってるのもあるけど気紛れ要素の完全再現は困難だ。

これすら技術的には不可能じゃなくなってるだろうけど、もし偽物にそこ迄やらせると多分本物より高額になってしまうだろう。
なのでもし価格や大きさメンテ面でハードルが低い物だったら、積極的音創りの為だと例えアナログでも現物を持って
来ちまった方が話が早いのだ。

また俺体験ではPC内のは有償本格派は未体験なので断言は出来ぬが、これ迄の処では独立機の方が2~3枚上手と感じられた。
現行は25年位前からのLexicon PCM-80 がメインだが、それ以前初めて買ったデジリバのYAMAHA REV-7もまだサブで使っている。

後者は設計時期は古くグレードだって低いが、そこを逆手に取ってPC内のプラグインの等との比較はこっちを基準としてみた。
このREV-7は古いのでEffectへの内部の送りはモノラルと、今の常識からしたらGuitar用のコンパクトタイプよりショボイかもな代物だ。

しかしそれでもPC内のよりはまだ音に奥行等が感じられて、痩せても枯れても専用機たる所以の様だ。
これも柔らか頭思考すれば当然かもでPCは他の何にでも使えるが、専用機はそれしか能が無いんだからポジションを死守するべく作られてて当然なのだ。

なので選べるとか迷ったりした様な場合だったら、デジタルのでも実機を優先した方が高打率が狙えると思う。
尤も昔と比べたら兎に角ツール性能は底上げが著しく、真の意味での使う人の腕次第割合が上がってそうだ。

<つづく>

2019年6月17日 (月)

多重録音備忘録㊴ 編集悲喜こもごもⅠ

早速展開させるがもう1つの課題とは、打込んだストリングスの音の立ち上がり遅さの問題だ。
フリーソフト故音色の限りがキツく、今の曲に合うのだと遅いのしか入って無かったのが事の始まりだ。
白玉系(全音符とか2分音符)を鳴らす分に全く無問題だったが、後から8分音符で刻ませようとしたら酷い遅れ感が出てしまった。

楽譜的理屈では音符分の長さ内の何処で最大音量になってもOKな筈だが実はここに落し穴があって、それは打込みでも同発想に基づいてるが最大音量地点が極力音符の頭に近くないと駄目な処だ。
他パートが減衰音で音量が結構落ちた処へストリングスの音量ピークが来るもんだから、聴いた感じでは遅れてる様にしか聴こえなくなってしまうのだ。

こんなの昔からあったけれど何が違うってば、俺言い誤魔化し芸が少し通用しなくなっちゃった処である。
録音がアナログ時代はそのダイナミックレンジは良くて凡そ70dB程度だったのが今デジタルでは悪くても90dBはあり、この20dBの差が上記裏技を無効にしてしまった。

どーゆー事かっつうと遅れる音の所だけわざと少し本来の位置より早める(前にずらす)だけなんだが、それだけを単純思考したら寸前の拍に変な音が混じったりしそうだよねぇ。
処が立ち上がりの遅い音の初期部分は小音量なんで、録音するとその機器の雑音に負けて隠れてくれたのである。
限度はあるしちっさな裏技に過ぎないけど、それでもギリギリ惜しい処でなんて時には重宝するんだよね。

特にアンサンブル内でのバランスが小さければ最大音量がMaxよりかなり下回るから、その分誤魔化せる領域も広がるのである。
それが録音だけじゃ無しに音源もデジタルであると、基本的に音量如何に拘わらずまず音があるか無いかがくっきりハッキリと出ちまうんだから切ないもんだ。

更に壁となってるのがFade In奏法擬き案件で、当初想定ではシンセでそう云う音色を作っといて凌ぐ算段だった。
処が俺的には仮として選択したソフト音源の音色を、従兄が妙に気に入ってしまったのだ。
従兄からの借り物FM音源シンセはソフトと同時期・同メーカの物だが、ちょいと弄った限りでは何だか同じ音が見つからなかった。

FM音源シンセの音創りは現Bandになってから必要に迫られてなので、実歴はまだ1年にも満たない有様だ。
これも音源・ソフト・俺のスキル等の複合原因からだが、では何とかして打込んでその音を編集でFade In加工したらってぇと以下の懸念がある。

以前述べたがデジタルは基本的に論理回路内では整数が最小単位で、今回使用ソフトを筆頭に128段階の物が一般的だ。
そして設定最大音量が例えば127中の80だとすると、加減巾がそれに連れて80段階に減ってしまうのだ。
因みに128段なのに最大値が127となるのは、音量ゼロの0に1つ取られてるからその分減っている。

今回の曲ではそれが設定的に80にも達しないので、もし悪戦苦闘してプログラムしても音量上昇に「階段感」が残る確率が高そうだ。
上昇率が時間的に短きゃそれでも平気な場合もあるが、今回のはテンポもゆっくり目だしそれが2小節弱に渡っているので試す元気が湧かない。

試しに改良前の波形を拡大して眺めてみたら、タイミングはClickから微妙に遅れてるし直前音との切れ目が聴感以上に随分曖昧になっていたのだ。
これだと上記裏技やaudacityでEffectを掛けた場所とそうでない場所の、繋ぎ目部分の処理と仕上がりが普通に単トラックへ施すのは危険そうだ。

結局は何でも色々試してみるしか無さそうだがこれはこっちの内部事情なのでこの辺で一旦閉店しとくとして、打込みでも只ちょっとこんな風に表現を変えようとしただけでこんな騒ぎになる場合もあるのを提示したかったのよ。

なので楽器に自信が無かったりすると打込めばと思うだろうけど、もし音楽的に妥協を排すとなると手間や苦労は方法には一切無関係だったってね。
単に苦労する場所やタイミングが変わるだけで、まあ本質的に良ぉ~く考えたら当然なんだけどさぁ。

そこで本日の格言!?みたくまとめると、「録る時楽すりゃその分編集がご苦労さん」だ。
現実的には各々が得意な場所に面倒仕事を割り振ると宜しいが、その前に是非気を付けて熟慮して欲しい処がある。
俺的にはそれが近年本邦J-POPを筆頭に負の効果をもたらしている様に感じられてるが、打込みで演り難い音や表現を避けてるかもな処だ。

機械で音楽を作るのが目新しかった内ならそれもアリだろうが、今みたいにとっくに当り前になっててまだ機械に振り回されてんじゃ余りにみっともないじゃないスカ。
何ででもどうとでも音楽が演れる様になった今だからこそ、手段を選ばず求めたままを演れる様になったのにって。

美術界なんかじゃ水彩にするか油絵にするかは得手不得手よりモチーフに合せるのが昔から当り前なのに、何で音楽界だけそんな見すぼらしい状態で平気なのか俺には分かんないや。
録音での編集だって本来は同じで現実的には色んな制約も掛って来るけど、基本は求める音の結果からの逆算だかんね。

<続>

2019年6月16日 (日)

多重録音備忘録㊳ 理論的正確と音楽的正確の違い

近年では機械の演奏した音にすっかり飼い慣らされてる感満載なので、特に平成以降に生まれた人だったりすると気にならんかも知れない。
だがメトロノームやClickの有無で弾いたのを比べたら、恐らく全く同じタイミングになってる人は稀な筈だ。
余程のリズム音痴さんじゃなけりゃ、それがある意味お題の一部の証拠ですよ。

本案件は本来音楽自体の問題なんだが、近年生演奏だけの人達でも録音ではClickってんでここへ登場させやした。
そしてこれにはLiveと録音で演る側だけじゃ無く、聴く側にも色々違いがあるのに関係ありと踏んだからだ。
聴くのが一回こっきりなら流せるレベルのヨレも、何回も繰り返されれば誰だって無視出来なくなるのは当然だろう。

それが分かってるから誰だって録音の方が丁寧にと思うのは間違いじゃないが、だからって自動車教習所の修了試験みたいに「事なかれ」となっては余計苦しくなるのが録音だ。
Liveではあった視覚・MC・音量等の武器は使えない戦いに挑むのだから、理想的には最低でも音の抑揚だけは録音の方が上回ってないととてもじゃないが対抗出来ん筈なのよ。

けれど上記の如く聴き手の環境如何で音量ってカードは当てに出来ん等、使える手段が録音ではかなり限定されてしまうのだ。
特に低域爆音に依る振動等は普通の再生装置では望むべくも無く、明瞭度や綺麗さは確保できてもそれ以上を音色に求めるのは困難だ。

正に消去法的だがとなればこそ自由になるのがリズムで、それも微妙なタイミング等の相違である。
使わなくても録れる物へのClick使用を俺が嫌な理由の1つがこれで、例えば曲の進行に従って僅かづつテンポが「自然と」上がるのなんかが困難化してしまう。

手間暇掛けて分析シミュレートすれば全く不可能ではないけれど、そのData収集の為の元演奏はどうせClickレスなのだ。
大体に於いてそうして散々捏ね繰り回してるとそれをやってる内に腕が上がったり、Clickレスにもすっかり慣れてリズムが安定して来たりするのが落ちであろう。

対Classic系比だとポピュラー系はそんなにテンポが変わらんもんではあるが、それも飽く迄「感覚的には」の話しなのだ。
近年ではClassic系の打込み物も多数見られるが、俺的に実はClassicの方がリズム面ではまだ打込みに向いてると思っている。

Classicはテンポの上げ下げは頻繁だが、割と小節単位とかその適用範囲がポピュラー系より広いのが多い。
だがポピュラー系で癖の強いのになると例えば8Beatの7拍目だけ微妙にショートなんて、瞬間芸的になのが実に多いのだ。
しかもそれが今回お題の音楽的正確が原因の、特例だったりするのである。

フレーズや音色・テンポ等多要素による音の化学変化のせいで、紙の上の理論のままとは実際出してみると音がズレる現象があるからだ。
こんな事言うと嘘臭く感じるだろうが少なくとも小節の頭等を除けば、音楽的正確を優先したら九分九厘はClickとズレて当り前なのだ。

ピッタリ合って構わない1%とは無機質な「ダダダ」みたいな連続音の場合で、それ以外のは聴いただけでは判断困難な程度だが音の感じをマトモにするとズレている。
では例に依って例として今俺が手掛けてる曲の編集で、先週Intro小節数半減が決まった作業での出来事がある。

これは打込みと手弾きが構想としては半々の物で、抑揚の要る要らないで大体打込みと手弾きに分けている。
実作業では打込みソフト・スキルとも俺がだらしないので構想に反するのも現れ出してるが、必然的に手弾きのは抑揚表現の責務が重くなっている。

その結果フレーズフィーリングを保たせると、厳密にはClickとはズレる場所と箇所が多くなっている。
これが聴くだけなら無問題だしそうなるべく弾いたんだが、Clickを存置したまま編集しようとすると只の打込みの様に簡単には行かなかった。

打込み分は取り去る分の時間を計って単純に抜けば良いし、寧ろそうしないと音だってズレて聴こえる。
だが手弾きので同じにやっても元は合ってたタイミングが微妙にズレるので、波形を拡大して見てみたら正に本案件を目の当たりにしたのだ。
折角見えてるのでそれで合わせると音は変な感じになり、仕方無いから計った時間は目安としてしか用いず音で判断して漸くさっき縮め終えた処だ。

若干案件からはズレるがもう1つ課題を抱えてて、それを次回のネタとして何となく編集の話しに進んでるのである。

<続>

2019年6月15日 (土)

多重録音備忘録㊲ Click不使用での演奏

勇気が湧かんとか予定が無い方もどっかでその内参考になると思うので、斜め読み歓迎でどうかスルーだけはご勘弁を。
先ずClick以前に楽器に依ってタイミングの取り方が自然と違ってしまったりする例から、例に依って個人差がありそうだがご披露しやす。

単に演奏力や慣れの問題だろうとは云え俺がまあまあ叩ける様になった頃、Guitar・Bassでは問題無いのに太鼓だとズレる事があった。
当時太鼓では余裕僅少とは云えリズム感覚を逸してた訳では無く、でも録ってみると時々「節目」みたいな処がおかしくなっていた。

今迄の体験では上手く弾けなくてズレるのはあっても、リズムを取れていてズレたのは太鼓が初めてだった。
ので暫くは理由不明だったが、結論としては他楽器以上の爆音が俺にとっては原因になってた様だ。
慣れ親しんだ爆音だが少なくともドカァンと演った時に他の音の聴こえる割合は、他では体験しなかった程小さいor聴き取れない時間が長いのを発見。

電気楽器等より音量の上下が激しく生楽器特に太鼓はダイナミックレンジが広大故の現象で、それへの感覚対応が出来て無かったんだね。
これ要するにパソコンのブラインドタッチが出来ないみたいなもんで、各キーが丸々見えてないと押せない=丸々聴こえてないと合せられないになってたとです。

因みに練習不熱心ってか殆どやる気もないので何だけど、未だにブラインドタッチ出来ません。😢
もしかしたら「そんなタイプ」だから、上記みたいな顛末が起きたのかも分からんですが…。
その後この問題はメトロノーム訓練もしたけど、それ鳴らさなくても高遮音ヘッドホンを被ったままで練習して脱却致しやした。

被らないで叩いたままを被って演ってみますれば、あらヤダこんな処やあんな処でズレてるやんけとまあ嫌な位粗が良く分る事。
これ誰でも同じじゃ当然無いとは思うけど特に担当パートが単独の人だと比較対象が無いだけに、こんな弱点みたいなのが残ってても気付き難そうでありんす。

この俺失敗談からの壮大な!?教訓は、聴こえてるかどうかに一々左右されちゃ居らんかでありんす。
Click使用録音の場合当然その「聴こえ」には誰だって注意するだろうけど、楽器音の方は完成品よりは大抵は低若しくは未加工だからどうしたって両者を常にバランス良くモニタするのは困難だ。
かと言って聴き取りだけの都合で楽器に過加工したら、演奏で加減する都合上とても宜しくないですから。

実際どうなってるかは知らんけどClassic系で音量差が絶大なのなかんかだと、絶対小さい方か大きい方のどっちかで全く聴こえんくなるの請合いだす。
別にそれでってんでも無いだろうけど、指揮(指揮者)は視覚でやってるよね。
そう云や市販メトロノームにゃランプも大抵付いてたっけか、録音のClickも発光用トラックがあったら違うのかもってな。

スーパー世間知らず君ですから当てにゃならんけど、少なくとも音と同時に光るのが録音じゃ一般的じゃ無いのは確かな気がする。
それからするとさしものClick君も本人のせいじゃないけど、常に頼れる存在とは言い難いのがお分かり頂けるでせうか?。

では原点に立ち返ってリズムのズレの実質的な許容範囲を考察してくが、只の音では無く音楽なんだったら「音楽的ズレ」は基本的には無許容とお考え頂きたい。
厳しい様に感じるかもだがこれって実に簡単な話しで、もし適正範囲を逸脱すれば只の音になっちゃうからヨン。
んで私見としてはせめて過半数は音楽になってるのが望ましく、それに到達出来て無いと例えば誰にも興味を持たれる事の無いBGMなんて結末を迎えるかと存じます。

俺は未だに不所持だがそんな浦島君の子孫みたいなのを放っとくと、現代人の大概はケータイの呼び出し音を筆頭に「機械音」に皆飼い慣らされて居りますな。
これが普段音楽を聴く趣味の無い人にもですから当節の風潮としては、慣れ親しんだ着エロもとい着メロみたいなのが一番身近な音楽ってなってるんだろうね。

こんな環境下では誰だって理論的リズムの逸脱に過敏にならざるを得ないから、どーしたってそっちが先に気になっちゃうんだろうね。
そう云やカラオケの一般化のせいか昔より音痴が減ったと感じるが、歌声が小さ過ぎりゃどうせ聴こえんから音痴でも平気なのは何ともシュールなナンセンスだわ。

そこで達人たちの独り多重の過去例を聴いてみて真っ先に印象に残るのは、ある意味「極度のマイペース」感で出来の良いの程それが顕著に感じられた。
また理論的精度はその人が他の誰かと一緒に演ったのと比べると、何故か7~8割って調子だった。

ともするとこの7~8割辺りでマルチプレイヤは本職より雑とか下手と誤認してる向きも多い様だが、俺はそれは7割方不正解ではと思っている。
こう云った理屈で解析し易い部分に本邦人はすぐ擦り寄る様だが、だったらもし誰かがカバーしてたら必ずそっちの方が売れてないとおかしいやね。

色んな事情等もあっての独り多重だろうけど少なくとも既に名声を得られてからの作品だったら、達人を呼び寄せるのも朝飯前だった筈なんだよね。
そう考えると要は理屈より音楽とか体裁より独自の世界観を尊重しての選択って事になり、元から重視した場所が違ってたって事になる。

現実的には我々如きじゃ中々そうはならないけれど、Click常用派の方に2つ程質問したい。
アナタはClickさえあれば誰でも全く安心して聴ける程、安定して正確に演れてますか。
では正確を何時もお求めになられて居られるんですから、練習ではClickを常用してらっしゃいますか?。

つまりですねぇ練習は自分勝手に若干の悦にも入り、本番だとClickってんじゃ本当はそれ逆なんですよ。
コンテストとかだと楽曲特有の必然性無しにClickは今でもあまり許可にならんだろうし、Liveだってお客さんとのアドリブでの掛け合いなんかを自由にやらかすのにゃ不便でしょ。

Classic系を習って演ってる人だと大抵メトロノームは買わされるし、もし嫌いでも先生に言い渡されて仕方無く使い乍ら練習してたりするわな。
それがポピュラー系だとドラマーとかパーカッショニスト以外だと、持ってすら居ない人ってそれでも結構普通だったりしてるよねぇ。

んだばClassicの方がポピュラーよりリズム命かってば逆なんだから、何だか矛盾しちゃってないかい!?。
そんな風にもし普段ロクに機械のテンポを経験してないなら、普段通りの方がまだ好結果が得られると思うのは俺だけかい!?。

これだけで終わりにならんのが親切(お節介!?)な当ブログ、Clickやメトロノーム以外にも機械慣れする方法はある。
俺がClick使用が嫌いな割に使ってもそんなに困らないのはこれが原因で、毎度の結果オーライだが叩けぬ内は太鼓が機械だったからだ。

一概には断言出来んがこれだとこっちには飽く迄代理ドラマーとしての認識しかないから、相手が機械って意識も一々持ちはしないのだ。
すると合わせられる様になる他に、生身の人間と演ってる時に醸し出してるノリ等要素への抑制が掛らずに済んでしまう。

衣装を着けたマネキンも遠くからの後ろ姿だったりすると、確実に分かるのは誰か居る止まりだったりする。
それがもし裸だと上下半身の継ぎ目とかが見えて、最初から作りものとバレるよね。
だから機械だって機械より楽器っぽく聴こえたらその要素は薄れる訳で、余計な潜在意識を減らすにはメトロノームよりドラムマシンとかの方が助けになりそうだと思うんだ。

<続>

2019年6月13日 (木)

多重録音備忘録㊱ Clickの使用・不使用の結果差

初めに筆者の体験巾の広さの程度を知って頂きたく、改めて関係箇所を一寸羅列しておこう。

カセットデッキ×2を卒業して4トラオープンとは云えマトモな多重録音をやり出した頃、俺は既に音響は専門家・音楽でもセミプロになっていた。
しかし音楽の中ではパートに依ってはまだド素人のが残ってたので、コアな独り芝居じゃないがかなり両極を同時体験していたと思われるのだ。
なのでこれから記す体験例が、上級者・初心者向け情報のごちゃ混ぜとなりそうなのはお許し願いたい。

ではClickの使用の利点から行くが、誰でもすぐに気付くのはテンポ・リズムの安定化だろう。
どっこいちょっち狡いがそんなのより「録音では」
大きく影響するのがあって、それは編集に対しての相違だ。

過去名作にも類例が多々見られるんだが、Bandが盛り上がり過ぎて尺(曲長さ)が合わなくなるなんてのは良く起きる現象だ。
理屈ではレコード録音と分かってんだから尺を最優先すりゃ良さげにも思えるが、盛り上がり命の曲だとそれでは元気不足となってしまったりする場合も出て来る。

また作った・録った順番に依っては録る時点で曲毎の尺の割振りがまだ未定なんてのもザラだから、録ってから適宣切り抜いたりFade Outさせたり等となり易い。
当時のLPレコードは全体容量がCDより小さいだけじゃ無く、例えテープで出すにしても何れも表面・裏面に分割されるから1ブロックが更に短かったのもあろう。

例えば曲終りでアドリブ大会が始まったのだと、その頭の方と後ろの方では多くの場合テンポが少し位上がってても当然なのだ。
だが演ってる連中は楽しくても聴き手には全部とはならない事も多く、そんな時プロデューサ・ディレクタとしては不要部分を「中抜き」したりするのである。

すると結果的に作品のこの部分の途中で、気にすれば分かる位急にテンポが速まってしまったりするのだ。
今みたいに安定一定が当たり前のご時勢だったらよしてたかもだが、音楽の「魅力度」を最優先とした結果だったんだと思う。

俺自身は30過ぎに叩いて録ったドラムでこれを味わわざるを得ぬ状況を迎えたが、こっちは単にClickに合せる余裕すら無かっただけなのは何とも哀れな話しだ。
こう云う面では打込みやClick使用なら心配無用となるが、近年プロでClick使用が常套化したのは恐らく編集時の安全確保ではと思っている。

だがその結果大手の現場人は無能上司・経営者のせいかもだが、テンポ正確・音質綺麗・構成OK…なのになんで売れないのと勘違いしてそうだ。
市販ポピュラー音楽に求められるのは娯楽性であって、音楽教材に必要な正確性では無いんだよねぇえ。
だから面白く無きゃ他がどんなに良くたって、そんなの駄目に決まってんじゃんっての。

故にCM Song等みたいに商業性が著しく高い場合は仕方無いとしても、個性が大事となるアーティスト作品でそれをするのは単なる手法ミスなんですよ。
特に打込み物と同居無しで全部人が演奏するので、熱量や盛り上がり度が重視されるジャンルだったら尚更ですわ。

生だと下手なんて言われたくない気持ちも分かるけど、機械でしか演れない人が熱量や盛り上がりが欲しい時どう苦労してるかを考えてみるべきですよ。
恐ろしい手間を厭わなきゃ生のリズムの揺らぎ等をシミュレートするのも不可能じゃないけれど、弾けないんだから「自分固有の盛上り方」をそこに反映させるのは殆ど無理なんだよね。

確かに弾けなくたって鼻歌・手拍子なんかでテンポは出せるけど、それが楽器を弾いてる時と同じになる保証が無いし大抵は多分少し違って来るからね。
コアヲタとしてチャレンジするなら未だしも、どれだけウケるか不明な1曲だけにやたらと時間を掛けても構わんのかとなってしまう。

これ等からすると要は使い分けが肝でもし手弾きで打込みに勝ってる様に聴こえるのがあったとしても、実際に測定したら間違い無く正確さでは負けてるのを保障しますよ。
だが前述の通り数学的正確と音楽的正解にはズレのあるのがしょっちゅうなので、もし手弾きの方が良く感じられたならきっと音楽的に上回ってたのが原因だ。
キッチリ分析するとハッキリ答えが出るんだけど、普通音響屋じゃない人はそんなの試さなかったり適正に出来なかったりするから気付き難いかも知れないが。

因みに恐らく近年ポピュラー系では皆無なClick・所謂リズム楽器無しで、多重録音をしたらどうなるかの体験談をば。
俺は初期はカセットデッキ×2で録ってたと書いたが、それを始めた当初はリズムマシンをまだ持ってなかったの。
だから必然的に最初に録るパートは「ノーカウント」になったんだけど、昔だからかアホだからか全く何も気にしなかったし特に気にはならなかった。

それで各パートが寸分違わず揃ってたかってばノーだったけど、単に奏力不足やモニタ不適切等の方が原因となっていた。
太鼓より他の楽器が先に始まるのってのも昔からあるが、単にそれで最後迄行っちゃっただけって感じだったな。
その頃は兎に角曲が作れたのに浸って没頭してたから余り遭遇しなかったけど、Click無くて苦労するとしたら「始める時のテンポ」の方が影響があると思う。

俺は未実施なままだけど過去にプロの現場で叩く直前にClickをちょっとだけ聴いて、自分の感覚と実際のテンポのズレを修正してから始めるってのは訊いた事がある。
運転中に標識や信号をチラ見確認する様なもんで、青信号で走り出したらそんなのより飛び出しとか怖いから前を見る方が中心になるのと似た様なもんだ。

これは特に他の誰かと録る場合にはかなり大事みたいで、自分だけよりコンビでタイミングを取り合ったり組上げる方へ神経持ってけないと意味無くなるからね。
その時のメンバーが自分に対して悪い意味で頑なじゃ無かったなら、どっちの人も独りで演ったのとは少し違いが現われたりするもんだ。

それこそがコンビネーションがもたらした「化学変化」でロクに違いが出ない出せない様なら、組合せが不味いか合奏が分かって無いだけだ。
だったら弾く時具体的にどうなんのは、次回の講釈へ。

<続>

多重録音備忘録㉟ 打込みと生演奏でのClick使用

近年常態化しつつある感じの生演奏録音でのClick使用是非を、打込みとの比較も交えてぶってやるぅ。

これだけテンポが微動だにしないのに皆の耳が慣れて来ると、気にしなきゃどうって事ぁ無いムードになりつつあるか。
けれど結構機械或は論理と音楽では「正確」にもズレが生じるもんで、先ずは体験例から記して行こう。
今時滅多に無さそうってんで少し掘ってくので、例によって無興味な方はお手数ですが適宣斜め読みなり読み飛ばし等願います。

俺はドラマースタートが弦や鍵盤より遅かったので、10代は録音では叩かせて貰える様な状態に達して無かった。
その後も暫くは太鼓はアルバイト的な取り組み方だったから、20代の内はお遊び的で構わんの以外は録音ではドラムマシンだった。

10代で最初に買ったのはフレーズは自分で弄れるがリズムマシンの自作キットのヤツで、一部ヲタにはもしや伝説!?のAMDEK HCK-100ってのだった。
元締めが一緒だから若干似ては居たものの本家Roland TR-606より「色々お安く」て、本家にはあった「Tomっぽい音」2つは省かれてたって代物だ。

当時のこの手のは余程のハイエンド機以外はリズムパターン等のメモリ量も僅少で、スタートボタンを押したら録るだけとは行かなかった。
現況しか知らない人には驚かれそうだが小節数等パターンの長さは固定等々で、機械演奏の癖にタイミングを計って手動で適宣パターンを切替えるなんてのも全然当たり前の操作スキルだった。

それが出す音が太鼓系の短い減衰音なので僅かなタイミングのズレも一切許されず、それでいてSWを動かしてからの反応は必ずしも良くは無いなんて面倒があった。
けれども音楽するのにどうにもならんって程困りはせず、単純なだけにノリやら何やらは気にならんってか気にしようも無かったが特に問題とはならなかった。

そこへ余計な神経を使わなきゃなんなくなって来たのは2代目を使い出してからで、多分20代になってから買ったドラムマシンYAMAHA RX-5の時だ。
かなりヨレちゃってるが一応まだ生きていて、でも殆ど太鼓練習用のClickとして位にしか今は使ってない。

これは初代とはあらゆる点で雲泥の差があってそれは助かったけれど、12bitとは言え音がサンプリングなったせいかその「タイミング」に以前より違和感を感じるのが格段に増えちゃったのだ。
それはフレーズやパターンに依って論理的には絶対正確なのに、聴こえる音が音楽的にはどうしてもモタったり突っ込んだりしてる様にしか聴こえないのが出て来た事だった。

今になって考察すると初代のはパターンロジック部以外は全てアナログ回路だったし、テンポの基準は水晶発振素子だったけどその調整がデジタルみたいに数値で規定出来るもんじゃ無かった。
一応目盛りは書かれてても全く只の安物可変抵抗器(ボリウムポット)で速度調節させるので、所謂ガリ等の接触不良が起こればテンポも直ちに揺れてしまう。

また上述の如くあった反応遅れもアナログ回路部で起きた分は、アナログ故に厳密に一定値には恐らくなってなかったろう。
つまり凡人よりゃ間違い無く正確なのだが細部まで聴いてったらかなり大雑把で、気紛れ要素もふんだんに含んでた可能性が高い。

結果的に怪我の功名でしか無いが、ズレ自体にも更にズレがあったから許容出来てたっぽいのだ。
それが理論的には圧倒的優位に立ってた全デジタルの2代目では本当に正確になったので、科学論理と音楽の実際での合ってない部分が全部丸々露呈しただけだったんだと思う。

俺の使用状況の実態としては正確さより音色の都合で2代目採用だったので、聴いてみてどうにも不自然な箇所は理論的譜割りに反してでも耳を信じての修正が結構必要だった。
そうしないと求めたフィーリングの為に組んだフレーズの意味すら薄れてしまうからで、最悪時は基本パターンの刻みの時点でもう何か変なんてのもあった。

今は太鼓を機械にする時はPCでの打込みにしてるので他パートも「一緒にズレる」せいか、以前程は気にならなくなっている。
フリーのソフト音源で音色選択肢が限られてるのなんかも影響してそうで、しかし俺のデフォのBass音のRickenbackerのピック弾きのなんて入ってるのがそもそもあるんだろうか?。

齢とって雑になって感性が劣化したせいで平気になったんだったら大問題だが、少しは自分で叩ける様になって機械に期待しなくなっただけなのかそこはまだ明確な結論が出ていない。
只幾らヨレたとしても知ってる人でもこんな調子なんだから、今の環境下では気付けずに見過しちまってる者も結構居るのではと思うのだ。

リズムってのは短く極簡単なフレーズでも、鳴らすタイミングが音楽的にBestだと実際演った事より何倍も格好良く聴こえたりするもんだ。
それを近年打込みではフレーズ自体の凄さで補おうとする傾向が顕著の様だが、苦労の割には物珍しさと若干の凄みが得られるだけだ。

それに対しシンプルで技術的に全然低レベルでも音楽的Bestタイミングだと何しろ先ず圧倒的に格好良くなるし、シンプルなだけに聴き取り容易な上その部分を際立たせる事も自然と出来るのだ。
ここへ着目するとClickを使ってもどうせ機械より不正確になるんだったら、上記現象の方へもっとシフトすれば良いのにとつい思っちまうのよ。

では次回はClickの使用・不使用で、実際の録音で音楽的にどんな違いが出るかを述べてくとするかね。

<続>

2019年6月12日 (水)

多重録音備忘録㉞ 録音とLiveでの差の問題

前回後ろの方等で触れた録音とLiveでの差の問題、俺は折角!?万事屋なのでその視点から考察するべ。

前述近年本邦では規模の大小に無関係にほぼ「Liveの音はPAからので聴く」案件だが、再三唱えた如く俺は本来はこれには猛反対だ。
まるで消費税の再増税と同じで、「何処がキツくなるのが一番困るか」がちっとも考えられてないと思う。

店側としちゃけしからん出演者に対し音的コントロールを確保したいかもだが、結果的にはお客さん対し音量「過剰供給」に終始してるのが大半だ。
これも毎度になっちゃうがやり方が中途半端なのが不味く、結局は主義思想等が曖昧なまま模倣に走ったせいだと考えられる。

つまり狭いのに無くても聴こえるのにPAってしたいなら、せめて楽器類の音量を「
PAが無いと聴こえない設定」としとく必要があるのだ。
両方あるいはPAよりそれ前の音が大きく聴こえたのでは、制御不能領域が残ってしまうのだから。

って言ったってキリが無いし今回は「録音」なので先へ行くが、上記案件の回避が難しい現況では演者はそれを分かった上で対処してくしか無い。
これで一番問題視が要るのは恐らく「Liveも演る独りBandの人」で、もし今回案件が無ければ録音時のマルチトラックを最小限調整で使える処だったのにね。

その中でも最大の懸念事項は生ドラム等の爆音生楽器で、失礼乍ら現況殆どのLivehouseではそれを不足無くPAだけで再生出来る処は殆ど見当たらない。
ホントはおかしな話しなんだけどこんな境遇しか与えられてないので、この面からは「何時でも同じ音」主義の人達には可哀想だがLivehouseでは半ば諦めて貰うしか御座居ません。

それと今は何処の練習スタジオだって生楽器或はClassic系専門の所じゃ無きゃ必ずPAはあるが、練習で全部の楽器に用いた上そのPAの音を聴いて調整してる人なんて居るんかいな?。
もっと突っ込んじゃえばMixer A氏の時は強目・B氏の時は弱目とか、全スタッフが固定してる様な大御所位しかそもそもそんな練習も出来ないよね。

そこで俺的には先ず演りたい音楽に必要な最低人数が揃ってる場合は生演奏で、そうでない方もそれなりに…じゃなくって録音で先ずはBestを尽くしてみるのが宜しいかと存じます。
Liveと録音には色んな差異もあるけれど、「磨く」と音が良くなるのは一緒ですからね。

それにLiveはその場限りだけど、練習や録音はやり直しが効くし何回やっても構わない。
依って豊富なLive経験も役立ちはするが、細かい部分の向上には録音の方が格段に体験効果が高いんざんす。
でそれの効率をなるべく上げるには、録音でこそ妥協しちゃアカンくなるのよ。

後そうでした例えば録音でFade Outしたのとか、最近は一時より減った「テープ逆回転サウンド」のとかLiveでどう処理するかは今でも昔とそんなに違わない考慮点だよね。
これらのサンプルとして過去例の提示へ移るが、最初は音質ってか音色の問題から。

前回紹介した動画は偶然にも最高権威の方が普段録ってる場所へ、アブノーマルにもお客さんの方を招き入れちゃったレアケースだった。
EffectもVocalの極一部にDelayを掛けた以外は、残響もハコの響きだけだった。
尚且つ奏者・概録音物・聴者への音の供給が全く同じPA等と、Liveと録音で音が変わり様の無い条件が揃っては居った。

が、暫く聴いてて感じたのは何時もの音になる原因が環境や機材じゃ無さそうだった処。
この御大が仲間とレコードデビューに際し取った策がかなり徹底してたんだが、今回案件に加えポピュラリティの為に削れる物は容赦なく削っちゃった。
今ではその縛りはとうの昔に解除してるが、基本形は上記当時に形成されている。
つまり最もどんな状況下で演っても同じになる様な、最初からそんな演り方になってそうなのだ。

しかし好み等もあって誰でも常にそんな風にアジャスト出来るもんでも無く、ここではこれを特例1とでもしておこう。
次にポピュラー系グループの癖にLiveで生オケを要する編曲を常としてた連中ので、これは俺的には欧州か米かでかなりやり方が違ってた様に感じている。

例えば前出BeatlesがLive中止後に作った作品では、偏屈プロデューサのせいかオケ迄も多重録音だった。
がその奏者達が問題でポピュラー系のオマケなのに、とんでもない超一流の人達だったのだ。
これでは先ずメンバーのスケジュールの時点で、再現なんか出来たってせいぜい年に数回位しか無理だろう。
だが多重録音が出来たからこそ、そんな夢の組合せが実現したともとれる。

一方米サイドからは主に’72~’74迄のFour Topsのアルバム3枚を取り上げるが、彼等の場合は大御所含むも全員では無いがスタッフ込みのほぼ固定メンバーで暫く活動してた様だ。
活動場所が母国米中心だったからかは不明だが、ハコでも何でも国自体からしてリッチだったからかLiveでも編成変更なんか無しなのだ。

それと証拠提示迄は出来ぬが録音でもやたらと一体感が強く、大編成一発録りじゃないと俺分析では恐らく無理との診断結果に至っている。
流石にここまでやってりゃ何時でも同じ音も容易いが、シャウトが印象的なリードボーカリストのそれの頻度がLiveだと減ってるのがご愛敬ってかオイオイ変な処だけ変えんなよって…。😓

これらからやり方次第ではかなり同質化させる手が無くは無いが、俺的にはそれより思い付いたアイデアに制限を付ける方が勿体無いかと思っている。
Liveと録音はある面永遠のテーマだが「録音の特権」ってのにも充分目を向けないと、昔より機材等の都合で個性が出し難くなってるのを補うのは厳しそうに感じられる。

<つづく>

2019年6月11日 (火)

多重録音備忘録㉝ EffectorのPC内のと外部機の違い

貧民故PC用の有償ソフト未体験なのが杜撰だが、音響機器の製造・修理の体験から考察して行きませう

その前に他に覚えが無い多重録音の公開実演動画の事を思い出したので、そのurlをご紹介。
大体11分位からと49分位から独り多重録音を演ってて、34分位からのメロトロンの実演も宜しければご参考に。
また本案件には都合の良い事に最初のは4トラオープン、後のはPCでやっている。

https://www.youtube.com/watch?v=9elQeVfrLOo

それでは本題発進するが小奇麗さ・雑音の少なさ・機器間接続トラブル僅少の点では、極力PC内処理が優勢だ。
電気的レベルで比較すると当然だが、音を弄るだけの物よりPCは格段に高級だ。
なので音はそこそこで構わんから兎に角トラブル勘弁だったら、今更昔からあるEffectorなんてもうお呼びじゃない。

それなのに何故まだ実機のEffectorが生き残ってるかってば、実際に音が違うからに他ならない。
例えば電気楽器用Effector等に使われてる部品のICの中にオペアンプと呼ばれる物があるが、オーディオ界ではより高性能な新型が出ると全体的にはそっちへ移行していてる。

聴くだけの人達にとっては前よりもっと隅々迄良く聴こえるとか、そう云うのが楽しみに大きく繋がるからね。
だが音楽用では電気的性能が恐ろしく時代遅れで他分野・他目的だったら絶対今更用いない様な、カビ臭いのが未だに使用されてるのだ。

今となっては性能的には困ったちゃんでも、今の処はまだそれを使わないとどうしても欲しいあの音に出来ないのがその理由だ。
厳密にはデジタル回路の半導体にも少しは個別に癖があるが、直接は音を扱っていないので上記問題が完全解消してからの話しとなる。

そしてこれの影響度は楽器等のアナログ部分とデジタル部分の比率次第となるので、完全デジタルの場合はそんなに気にしなくても大丈夫となる。
因って生楽器だとデジタル部分が普通は皆無なので「かなり」、電気楽器に至っては音色形成に直結するので上記影響は「とてつもなく」実は大きく出て来るのだ。

また個性・独自性の観点からはたった1つより個別の沢山の集合体だと、組合せがとても多くなるので誰かと一緒になる率が格段に下がる。
神レベルの奏者は全く道具を選ばず自らの音を再現出来るけど、だからって道具由来だけの部分迄幾らでも変えられる訳では無い。

打込みの人は音色選択やEffectの掛け方になら独自性を少しは出せるが、基本的にはコード進行・メロディ・編曲だけで勝負するしかない。
ある面でその音楽は「内容勝負」となるので好ましいが、ムードとか味と云った部分で弄れないのはオリジナリティに対しては不利だし限界見え見えだ。

だからもしそう云うそんなに前面に出ず目立ちはしない部分なんかに拘りが生じちゃったら、それをPCやオールインワンタイプのマルチトラッカーで何とかするのは原理的にとても困難だ。
デジタルヲタさんならそれへ何年掛けたって1つのスタイルだろうけど、トータルでは絶対儲からない様に出来てるギャンブルみたいなもんなのだ。

Effectorにもオールインワンマルチタイプがあって特にLiveでは重宝する面も多々であるが、録音でしかも多重となればすぐに纏めて切り替えられなくても大して困らない。
またLiveだと一部の金満大規模公演時を除くとGuitarのAmp歪ませが困難になるが、それは出音音量がAmp次第で固定されるからだ。

会場や状況に合った音量が得にくいのでLiveでは使えない場合も出て来てEffector使用となるが、裏を返せば録音では特に個別収録だったらこの制約は全解除となるからこれを使わん手は無いとなるのだ。
Effectorでもマルチと個別では録音機等と同じ様な性質差があるので、録音にわざわざ不利なマルチタイプを持って来る必要性は無いのである。

これだけだとLive時と録音時の音色相違が気になるかもだが、楽器や奏者側だけでは解決し切れん大きな要因がこの件にはある。
近年ではかつてよりはこれも差が縮まって来たが、少なくとも本邦Liveではほぼ必ずPAを通したのを聴かされてる処だ。

また粗暴極まりないかもだが音に自信が不充分な場合Effectが掛ってた方が、気になってた処は緩和され易い様な感じがするかも知れん。
だが多くの場合は単に明瞭度が低下してるだけで、折角良かった処の聴き取りも落ちてたりするであろう。

どう料理するも全く自由だけどその前に、原始的な楽器やジャンルの人達はどう対峙してるかもちゃんと見とかなきゃダメよ。
彼等の場合もし特例以外で加工過剰になったら、音楽自体が別物にしか聴こえんくなっちまうんだぜ。

そして余程巧妙に世間から隔離でも出来なけりゃ、無興味であっても時々はそんな音楽が耳に入ってしまっている。
なので直接対決は無くても全く無関係でいられるもんでもなく、幾らテンコ盛りになってても余りにもこっちの音がショボかったすりゃ相手にして貰えんのが関の山だ。

だとすればたった1つのEffectorしか無くても、それで醸し出す音の良さなら誰にも負けないなんて方が効果絶大だろう。
例に依って全く強制はしないですけど後での買換え不要等も含めると、一点豪華主義的に行った方が賢明と思っとります。

ホンマもんとなるとおいそれとは買えないけど一番大変で、でも価値があるのは機材じゃなくてアンタの腕なのよ。
腕を磨くにゃ時間も要るよで、だったらすぐ次が買えたってどうせ仕方無いんじゃ…。

<続>

多重録音備忘録㉜ PCかオールインワンか単独機かⅢ

順番のおかしさや重複があったりして済みませんが、今回は音楽の「録り方」観点から考察してみます。
それってのも必ずしもグループの頭数と一度に録る人数に相関関係が無いのを思い出したからで…。😓

その1:全パートを個別に録るかどうか
全バラで生ドラム無しなら同時録音トラック数はせいぜい4ありゃ足りて、生ドラムを余計な制約無しで録りたきゃ最低12は欲しい。
この「せいぜい4」にはMicのOnとOffのを同時に録る等凝りたい場合のであって、普通に録れりゃ良いならトラック数は2(つまり普通のステレオ規格)で充分。

その2:複数人づつで録る場合
トラック数や録音機タイプの前に考えなきゃ危ないのが、録る場所と楽器の組合せだ。
良く響く場所しか確保出来ず2つ共Mic録りだと分離し切れないがそれで良いかどうか、1人だけミスってももう1人も演り直さにゃならん等複雑化する。

これらを考えるとメンバー全員で一発録りか、頭数より増やしたいパートだけ後で追加が定石だし何かと無難だ。
俺等の現況(3人中1人休養中)みたいだと絶対一発録りが不可能なので、そんな時は特別な意図が無い限り全バラ録りにしても大差は出ない。

また例えば6人編成で2人づつ録ると、最悪の場合3グループ毎に違ったノリなんて悲劇も起こり得る。
時間の節約とか色々あるだろうけど2人になると必要トラック数を増やす必要が出たりもするから、これもモノパート×2以外の組合せでは普通の只の録音機が使えなくなる。

一発録りでは特例を除き完全な分離度は不要になるので、腕に自信があったりしっかりしたコンビネーションがあればステレオ録音で充分行ける。
ってかその昔は誰でも皆それで録ってたんだから、もし全然出来なかったりしたらそりゃもうグループ自体の存亡の危機かも。

更に言えば独りBandだったら必然的に全バラになるが、ホントに多重録音機が無ければアンサンブルが作れない。
依ってこれも全部一緒かバラかの両極が、最初の選択の基本と考えるのが良いだろう。

その3:楽器の都合でOn Micが不可な場合
もし後で自由にEffectを掛けたいなら響かない場所探しが重要で、それには録音機は極力小さい方が良い。
小型と云えば近年は、良いのが沢山出てるステレオポータブル録音機がポピュラーだ。

その4:飽く迄PC利用を避けるかどうか(スマホ等も一応PC側へ含む)
俺体験に依るとかつての録音でMixでも全てPC不使用でも、配布CDを量産したのは結局パソコンでしたっと。
それよりもっと以前配布がカセットテープでも通用した頃は、確かにPCレスが可能だったがね。
また昔なら一部にマルチ機で直にCD焼けるのも出てたけど無くなったみたいで、盤に焼こうと配信にしようと今はどっかでPCを通さざるを得なくなってるね。

そうなるとMix関係の機材を既に沢山持ってでもいない限り、最低でも録った後はもうすぐにPC行きになる。
マルチ機でもMixはデジタルなのでそれを電子工学的に言えば膨大で複雑な計算となるが、そんなのが得意なのは正に電子計算機つまりPCの方が専門分野だ。
するってぇと録音機のMix機能や特にEffectは、あっても半端無くてもちっとも困らないになるなぁ。

その5:過不足の変更不能の有無
普通PCなら内部スロット等でのカードの追加・交換レベルから、独立機でも外部接続次第でシステムアウトラインはある程度オーダーメイド出来る。
しかしオールインワンタイプの専用機では内部はほぼ固定だし、外部についても特に出力系統がどれも随分と少ない。

本体完結設計なので当然ではあるが音楽制作は特殊性が高く、今度思い付くメロディーにどんな手法が合致するのかはその時が来てからじゃないと分からない。
今便利そうより後でどうとでも出来る方が録音では武器になり、後より今優先の携帯電話なんかとはそこが逆だ。

続いて現実的最重要案件と理想の観点から考察してくが、多くの場合は「妥協の仕方」がポイントになろう。
近年では機器性能の特に底辺の向上が著しいので、作品クウォリティは「操作した人の腕やセンス」に左右される割合が高まった。
故に「性能」は大して気にする必要が無くなったが、機能や応用性については昔より格段に注意しなきゃなんなくなっている。

かつてはコスト以前に大きさや不具合発症率等の問題で、どれもロクに集約されてなかった。
これの象徴的事例がMixer卓の近年見掛なくなった「モジュール」式で、これは例えば入力チャンネル毎に作られた物を、フレームに取り付けた構造になっている。
大昔は最廉価版以外・昔は素人用を除き、多くのが修理・調整等を配慮してそうなっていた。

業務用の等最初からその組合せ例示のみで、買う時自分で選んで決めとくれ式になってたりもしていた。
この辺はご時勢で最近の電車が車体に貼ってるシールの色と、巨大プラモデル製の顔が僅かに違うだけなんてのとこっちもご同様だ。

鉄道ファンとしては個性が減ってつまんないが、電車の方にはその共通性にやむを得ぬ事情もある。
これには大量生産によるコストダウンも勿論含まれてはいるが、相互乗り入れしたりホームドアに合せるには「そっくりさん」じゃないと無理だからだ。
大量生産と一口に言っても電車の新製数なんてたかが知れてて、百均に並んでる商品とじゃ何桁も違うからねぇ。

だが音楽では今だって正反対で、下手に似過ぎてればすわ「パクリ」かと嫌疑が掛けられる始末だ。
となると鉄道での合理化は統一規格だとしても、音楽の方はより一層の差別化こそが合理的なのだ。
買って来ただけだと皆と一緒になっちゃう様なら、機材レベルでの差別化の為には「買い足し」が必須となっちまう。

大した経験値でも無いが一通りの体験からすると、かなり縮まって来たが業務用と一般用に差があるのはまだ変わっていない。
またEffectorを筆頭にやはり偽物より本物の方が「音楽的」には遥かに高性能で、元がアナログの物は高性能なデジタルのより低性能なアナログの方がまだマシな場合だって多い位だ。

PCでも有償高価なソフトや音源等を導入するとかなり良い線迄行けるが、コスト対音だけで見るとそれだけの価値が見出せる程には達していない。
近年プロの世界でそれが主流になってるのは「時間の問題」があるからで、1つのに取られる時間が長きゃその分他の仕事が出来なくなるのが最大要因であろう。

それとアプリの中の仕組み次第で差もありそうだが、PCのハード面由来の音質差の全てはまだカバー出来ていない様だ。
これらを纏めて考えると少し妥協してPC主体で賄うか、如何なる負荷も甘受して業務用個別機主体で行くか辺りが基本線に思える。
こんな処でも選択肢がデジタルの1か0しか無いみたいで極端だが、近年何でもデジタルなのがもしや何処も2極化の真犯人か!?。

現実的には様々選択肢があるとは思うけど迂闊に中途半端なまま行っちゃうと、後になってから使い方等の経験値やスキルにも必ず影響が出て来るのでそこをお見逃しなく。
録音でPCは自動車だったら自動運転・オールインワンタイプだとオートマ、独立機だとマニュアルシフトってな感じですかね。

PC主体の人は運転技術は置き去りにされそうたが、その分本業の音楽の方へエネルギーを集中出来そう。
独立機の人は大変な代わりに腕を上げざるを得ず、音響のスキルは嫌でも身に付いちゃう。
ではオールインワンタイプの人はって、御免なさい俺には将来どうなれるかハッキリとは分かんないや。

<つづく>

2019年6月10日 (月)

多重録音備忘録㉛ PCかオールインワンか単独機かⅡ

個人的には前回のまま終了でOKだが一寸不親切かもってんで、PC+αでポータブルチックな使い方が出来るのを記しとこう。
例に依って勘の良い人はお気付きっぽいが、決め手はPCのタイプである。

俺なんかだと元の性分+環境で何でもフル活用ヲタ化してっから拡張性重視で、単にPC(パソコン)ってば昔乍らの場所を取られるデスクトップ型しか頭に浮かばない。
が近年の世間認識では寧ろラップトップ型の方が優勢のご様子で、そのノートパソコンってそもそもの売りはポータブルなんだよねぇ。

すると最初からノートパソコンしか持ってない人も多そうで、それだったらUSB等の外付け多チャンネルオーディオインターフェイスを買って繋ぐだけで実質オールインワンタイプと同じ様なのが出来ちゃうんだわさ。
PCは汎用なのでこう云う用途には必ずしも最適じゃない部分もあるけれど、専用機だからってオールインワンマルチだって使い込んでからじゃないと過不足無いかは分かんないもんだ。

オールインワンタイプの現況売れ筋価格帯って¥3万強位の様だけど、「裏社会の目!?」で見れば人に依っちゃ「既に持ってる物」の姿と名前をチョイと変えて「2度買いさせようとしてる物」なんてね。
こ奴等はビデオみたいにDataがそんなに大きくないから気付き難いが、古目のPCと比べても随分Data伝送速度がどれも遅いんだわ。

さては現行OS(オペレーティングシステム)なんてとっくに載せらんない程の売れ残ったノートPCパーツとオーディオインターフェイスを一緒にして、箱だけ新規デザインで作って入れて「ハイ新製品」なんちゃって…。
でも正直電気屋視点だとそれに近い位の事をしないと、あの機能であの価格は実現不可能なんですよ。

そのせいか知らんが機種次第で色々だろうけど例えば従兄の持ってるのだと、折角入ってるマルチEffectorがサンプリングレート44.1kHzの時しか使えない。
レート自体は汎用性の高い48kHzも用意されてるのにで、でもPCやadatや他の機械での活用互換性を考えてこっちで作業を続けてる。

メーカ側は商売だから普通カタログには「出来ない事だけ列挙」しとくなんてあり得んで、余程の専門家がそれなりに時間も掛けて吟味せん限り弱点総洗出しは困難だと思う。
すべからく厳しい表現になっちまうが「その程度」の事を試すとかやるのに、もしもっと経費を使わずにやれる状況があるならって思っちゃうんだよね。

毎度の如く関係はあっても脱線としとくけど、PCってネット接続不要の単独作業ほする時は寧ろ「繋がって無い」方が安心なんだ。
これはスマホでもi-padでもその類のなら全てそうなんだが、OSが入っててネット接続出来る様になってる物は必ず「不定期随時のセキュリティアップデート」なんかが掛るもんだからだ。

するってぇと大事な録音してる最中だって、そんのなのの重いヤツが勝手に始まっちゃう場合もある。
その時もし録音も結構機器に対して重作業だったりすると、カチコぉーんでパーになる。
録れたのをすぐにネットへ上げたいと思うと現行OSのを使いたくなるだろうけど、それが運命の別れ道になったりもするんですわ。

だから世間的には完全に裏サイドへ回っちゃうが、惜しい処で現行OSが載らない程度のノートパソコンがもし余ってでもいたら本件ではもう大チャンスで御座居ます。
当然そいつからは不要アプリは消しとくし自動更新も止められるだけ止めとく方が良いけど、もしそれが不完全でも「今更」のしか入って無きゃ殆ど更新がもう来やしないからね。

ヲタ以外の人にわざわざそんな骨董PC買えとは言わんけど、オールインワンタイプに闇雲に飛びつくよりゃまだその方がマシですぜ旦那。
因みに体験上現時点でこの手のイタズラをするならOSはWin XP辺りがお勧めで、使われてた期間が長かったのもあって良いフリーソフトが豊富にある。

例えば現行最新バージョンのは1年前位に非対応になっちゃったけど、古いのも入手し易いaudacityなんか現に我々もフル活用してるです。
これにも最初からEffectorが乗ってるけどハードがPCだからか、上述みたいにサンプリングレートのせいで使用不可になる様なお粗末君は出て来ません。

それとデジタル機器には用途に関係無く共通の危惧が他にもあるんだが、所謂「規格互換性」辺りですな。
流通量がそこそこあるのでまだ絶滅危惧には瀕してないが、例えば有名なYAMAHAの古いDX系統のだと「専用カートリッジ」の新品供給はとっくに途絶えている。

宅のKORGのなんかもDataストレージがMF2DDフロッピーだったりで、もし機器や音自体がセーフでもそっち方面のせいで使い辛くなっている。
現況では普及型マルチトラッカーでもそんなのはまだ出て無いけど、かと言ってあとどれ位大丈夫かは定かじゃない。

只どっちも電子鍵盤楽器な為MIDIが付いてるからそれのバルクデータを利用して、外部に保存してやり取りする方法があるらしい。
これがある意味見本で、もし接続方法・規格が多ければそれだけ生き残れ易いとも看做せる。

古いDX系のは上記のしか他の手が無いがフロッピーのヤツは、その部分を擬似フロッピーに載せ替えるなんてのも別に有る様だ。
こう云う部分は本来ならどんな機種でも汎用性が確保されてる程良いんだが、用途が限定される程独自とかマイナーな規格のの採用が多くなっている。
なのでマルチより「只の」多重録音機になればなる程必ず外部接続が要るからか、一時の妙な国産機以外はこの面で長く使える筈だ。

<つづく>

多重録音備忘録㉚ PCかオールインワンか単独機かⅠ

小出しにする気は無かったけれど少しづつ散発してた方式案件、これを整理してみたい。
現実はコストやスペース等で各自選ぶしかないと思うけど、余りにも「合わない物」に出費しても仕方無いから。

多少なりともメカヲタク成分のある方は自分のやってるやろうとしてる事より「機器の魅力」に惹かれてそうだが、どうも道具ってもんの意味の理解不足なのが多い様だ。
そこで先ずは音楽のやり方で適正診断と洒落込むが、打込みメインの人は単刀直入に言ったら多重録音機なんて買ったら損と迄吠えちまおう。

特にその中で自分で生ドラムを叩く可能性が無いなら、普段の自分に最適な方への出費がお勧めだし先に必要だ。
これから打込みを始めたいってんなら1つだけ買わなきゃ始まんないが、既にやってるのなら既にPC(パソコン等)を持ってる筈。
もし余りにも持ってるPCが低スペックだったら、ネット環境下の安全面もあるので早急な買換えも要るだろうけど。

しかしそれ以外だったらアプリやソフト音源のグレードアップ(有償物含む)の方が効果絶大で、趣味にも依るとは云え外部音源等の追加はもう今更でありませう。
俺みたいな古株からすると昔は絶対にゴチャゴチャ沢山持って来て繋いで調整してってしないと何1つ録れなかったから、PCの上手くすれば「内部だけで」全て処理出来ますはとても貴重だと感慨深い。

「外に出なくて良い」のの何がそんなにイイってば、接続・接触不良の心配が絶対に無い処。
あっでもPC内部に問題があったらそりゃアカンですが、外にあれば引っ掛けたり引張られたり押されたりと物理的危険がありますよってにな。

それが例えオールインワンタイプでもMicを繋いだりの処は「外から」で、生だろうと電気電子だろうと楽器は当然録音機の外にあるからね。
だから歌だけとかGuitarやPianoだけ一寸足す事がある程度迄だったら、それへ所謂マルチトラッカーを使うのはわざわざ台風の中を出掛けるみたいにリスクを増やすだけなんですわ。

お次は小編成生ドラムはレスのケースで、もし練習に俺言い「擬似Band」みたいなニーズが皆無なら今主流の普及版オールインワンタイプマルチトラッカーでも結構でしょう。
但しその手の機器には正直発展性・将来性は期待出来ませんから悪しからずで、なるべくなら生演奏の一発録りに強くなるのを目指した方がお利口さんだと思います。

当節は生演奏なのに全部録音物だけで発表とかその逆に、打込みなのに全部ご披露はLiveとかそんなあらゆるスタイルが可能だしあり得るだろうね。
ですが最適じゃない方法を選ぶからには普通なら無くても平気な技やコツなんかが要りまいして、結論を述べれば普通に充分演れるのにわざとそうしてるってな按配じゃないと成立せんのよ。

そうすっと既に何か持ってるなら話も違って来るけれど、先ずは「普通だったらコレ」ってのを手に入れて修行するのがどの道避けては通れないんじゃって思うですね。
出来るけどやんないはアリだけど出来ないけどやっちゃうは無理で、どんなに頑張っても「やってみよう」で限界あるよ。

ここで指向性のあるMicでのOn構えの意義に改めて触れておくが「普通よりは」狙った音を個別に拾えるであるが、録音ではそれ以外の部分の方が影響大とも考えられる。
生耳やOff Micでは混入量は様々もその場所の残響音は必ず一緒に聴こえるものだが、Onの時だけこれを大巾に減らせる処だ


響かない部屋+On Micで録るとハコの響きは殆ど入らないから生耳比較では不自然だが、後から掛けるReverbの設定次第で比較的自由に「空間設定」が可能になる。
但しそれに好都合な「超On」は楽器に依っちゃ特に柄の大きいのだと、その楽器本来の音を拾うには近過ぎる欠点があるのだ。

過去名作中にも録った後になってから録った時とは違う空間演出がしたくなったか、On収音じゃないヤツにReverbを掛けてるのなんかもあった。
しかしそれだと狭い所のと広い所のの両方の残響が同居してしまい、運良く不自然さは逃れられても明瞭度に支障を来しているのが伺える。

これがアナログ時代ならセーフだったけど今のデジタル環境ではより拡大して露呈しちまうから、俺的には避けるべき手法だと考えている。
けれどマイナスのだけ増えたんでも無く、昔だったら明瞭度不足で困難だったOff Micのみの収録が結構行けちゃう様になった。

なので音の拾い方が「中途半端だとボロが出易く」なったが、思い切ってやれば昔より心配しなくて済む様になったのね。
更に言い換えりゃ「生耳にかなり近付いた」訳で、自分達さえ良い音が出せればそのまま記録出来るって事。
そうなる迄は全てに頑張って成功してても必ずどれも何処かで落ちちゃってたから、録音技術の中には対処療法的なのもかなり多く入ってたんですわ。

そんなんですから音響屋さんなら兎も角、音楽屋さんが中途半端な効能の為に労力・経費をかけるのはとっても非効率になったんですよ。
本格的なマルチトラッカーよりは覚えるのもやるのも楽ったって、専門外の知識や作業を使うには習得しなきゃなんない。

どんなに簡易タイプの機器でも基本原理等は共通なので、苦労して覚えたら後から「出来ないのが色々あったんだ」ってなるのは本当にお気の毒で御座居ます。
もし例えば平日はずっと忘れてて、土日になると自動的に使い方を思い出すなんてなれるなら別だけどさ。

これらをまとめるとPCで何とかるかじゃなかったら独立機がお勧めで、例外になるとしたら外へ持ち歩く場合かな。
尤も余り知られてないみたいだがお仕事の方々はポータブルでもオールインワンにはなってなかったりの、大抵は有名普及品じゃ無く調べないと出て来ない業務用の高価なのを使ってるね。

<つづく>

2019年6月 9日 (日)

多重録音備忘録㉙ トラック数Ⅲ

三味線を一般的なダイナミックタイプのでOn Micにすると音が違っちゃって駄目とかの知見はあるが、キリが無いので一旦生楽器のは終了して次へ。(実際よりカチンコチンに)

楽器出力端子等の都合で主に電気楽器等で多くありそうだが、普通にやったら音源が「モノラル」になる物を考察しよう。
これ等はアンサンブル内の楽器数が多い場合はMix時に左右間定位を定める程度なので、基本的にはトラックは1と数えといて良いだろう。

又しても当然過ぎるけど特にこの手ののでLine録りだったら、増やす意味が無いし寧ろしない方が後で混乱する危険を減らせる。
例えば同じのを3回録っといて出来の良いのを選んでなんて場合に、各トラックの差が微小だと只でさえどれだったっけになり易いからだ。

機種にも依るが経験的には録る前に名前を書き込んどけるのが少なく、トラック数が昔より8→24とか桁違いに多くなってるので結構勘違いをし易いもんなのだ。
近頃従兄が太鼓を録ったのをネット経由で送って貰ったりしてるが、その時その時点ではファイル名に楽器を特定する要素は皆無だ。

これは録る機器の都合から来ているが、こっちとしてはギリギリセーフなのだ。
今は俺もドラマーだし従兄の処の太鼓もMicも弄り倒してるから何とか判別出来るが、もし俺がセットしてったのとどっかが変えられたりしてたらもっと把握に時間が掛るのは間違い無い。

実際にツーバスのどっちか等ではそもそも両方使ったか片方だけだったかをせめて先に知っとかないと、Micやケーブルが常に健全とも限らないので慣れる迄は一寸「ん!?」ってなったりしていた。
従兄は曲にも依るにしても両方踏むのが通常運転の人じゃないから、演ってる時にずっとペダルが見えてて見ててでもいないとどっちとは断定し難い。

またテイクを複数録る場合それが複数楽器に跨るのは、トラック数が平気でも混乱の元を増やすのに繋がり易い。
特にPC等も併用するんならGuitarの時はそけだけ一杯やっといて、一旦整理してから次の楽器へ行くのがお勧めだ。

エレキでもRickenbacker等のみたいにステレオアウトのもあるが、特に理由も意味も無いが現行Bandで俺はまだそれを使っていない。
個人的にはフルに使い倒したいと思ってるが、これ等の殆どは前後のPickupを左右に振っている。

するとフロントだけとかリアだけの音色が欲しかったりすると必然的にモノになるし、音色都合で前後PUバランスを違えるとそれが音像定位位置にそのまま反映してしまう。(一例:したくないのに左へ寄ったとか)
なので曲を作る時点から想定して演らないと、中々適応するのに出くわさない様だ。

この辺りから眺めてもやはり、不用意にトラックを消費するのは百害あって一利無しと思われる。
8トラしか無かった時は増やせればあれもこれもでもう完璧ヨォなんて思ってたけど、実際ハイ幾らでもお好きなだけどうぞとなってみたら「いや、そこ迄は結構です」ってチョイ引いちゃったわ。

この面からだとトラック数が多いってのは、ある意味「問題先送りマシーン」なだけとも言える。
録る時は何も気にせずジャンジャン入れるだけだけど、後で選び出したりする時に少なくとも「一応通して聴いてみる」時間は確実に長くなるですから。

多くないと困るのは多点ドラムセットみたいに音源数の元から多い場合だけで、音楽屋だったら録り関係で忙殺される位なら弾き直しちまった方が何かと良さげや。
間違ったままやりさえしなきゃ弾いた分少しは上手くなるだろうし、機械操作でその本業の時間を割かれるんじゃ割に合わんのではだ。

大体世の中ってそんなもんだとは思うけど、多点ツーバスセット持ちの従兄が同時8トラ・太鼓も弄るがBassが本職の俺が24トラだなんて皮肉なもんだ。
尤もウチが24なのは自分より、顧客の為に奮発しただけだけど…。

機種選択を誤ったのが悪いけど、主流の商品設定にも疑問は大いに残る。
上記の様な状況をちゃんと把握出来てたなら合計は16でも良いから、それが録音でも再生でも使える方がニーズに合ってる筈だ。
単に記録トラック数の多いのが良いなら24やそこらじゃ、最早PC等のには全然太刀打ち出来なくなってるのにね。

それって多分あんま考えないで作っちゃったんでしょうで悲しく厳しい現実だけど、何時までもそんなのが通用してるのには買う方にもちったぁ責任があるのよ。
しまった半端だったか全然売れねえやになれば、そんなのとっとと廃版になるんだからさ。

暗っぽいまま終わるのも何なんで因みにシリーズ行っときやすが、今日は冒頭の三味線云々の続き。
最近記した如く不適切Micしか無くても、距離を離して天然エアークッションを増やせばちったぁ柔軟剤になりますです。
しかしその現場では環境的にMicを離せばPAを通す意義が損われる状況だったので、店には無いダイナミックならリボンタイプそれ以外ならコンデンサを持って来るしか手が無かったした。

その時点では三味線奏者もそんな演り方を始めたばかりで、店側にとっても全くお初だったので已む無しだった。
生でも聴こえる狭い店だったが、他のポピュラー系のと同じようなスタイルに奏者はしたかったらしいのね。
アイデアは秀逸だったんだけど音響的には例外状態になるので、それなりの準備が要るケースだったんだ。

<続>

2019年6月 8日 (土)

多重録音備忘録㉘ トラック数Ⅱ

続いて太鼓程は数が要らなさそうなそれ以外のへ進むが、特定ジャンルでのマルチパーカッショニスト以外ならこの件については急激に条件緩和となるのは自明の理だ。

多点マルチパーカッションは前回ドラムセットでの数え方をほぼそのまま適用となりそうだが、やはり楽器の性質を考慮するとOn Micは似合わん方だと思われる。
タンバリンやマラカスに代表される手持ち演奏物は、Cymbalより更に動くのを計算しとかなきゃなんない。

Congaなんかも専門家だと床ベタ置きで裏穴を密閉させたのから、傾けたり浮かして隙間を作ったりするので楽器本体位置が変動するしね。
しかもその多くはドラムセットより開発時期が早く、その音色の特性からも太鼓みたいな極端なOn Micは想定外だ。

尤もドラムセットだって宅のみたいな骨董品は設計的にはご同様で、更に近年のだって「らしい音」に拘れば少し遠目にしないと普段耳にするのとは違う音になるもんだ。
それで従兄なんかは結果的に普通のOnよりは少し遠目のがデフォになって、最初はReverbに随分拘ってたのが何時の間にかどっかへ行っちまったぃ。

お早目登場の因みにだが極近々の俺研究に依ると、太鼓の打面皮以外の音も併せて拾うには皮からMicを最低でも7cm位は離さないと打面の音に隠されてしまう様だ。
ついででサービスすると打面ミュートの有無も関係ある様で、ドーナツを乗せてる俺は気にならないのがミュートしない従兄は最初からかなり気にしていた。

要するに極端に近いと直前に対面している打面皮の周辺部から出る倍音だけ、耳に聴こえるのより大きく拾ってる模様だ。
生Pianoも特にGrandでは近似な部分があり、弦以外の響板等の音をしっかり拾わせるには物がデカいだけにかなり思い切って離さないとそれらしくならなかったりする。

但し少し前にチラ見せした通り録る場所が所望より響く場所だと、その残響もしっかり拾っちまうから後でReverb等で空間を好みに調整するのは困難になる。
この問題は何処迄生楽器のらしさを尊重するかに掛ってるとも云えるが、最終的には曲やアンサンブルの都合に合わせるしか無い。

そしてホントは狡いし楽器演奏力向上には妨げともなり兼ねんが、どうしても足りない腕で何とかしたい場合は極限On Micが相応しくなる。
元から各楽器音が孤立してればしてる程、後から個別に失敗分を挿し替えても違和感が出難くなるからだ。

ここ迄を中間マトメすると腕がある程トラック数が少なくても録れるのが見えてしまってるが、その面で全体的な音楽演奏力はやはり昔の人程長けていたのもバレちゃうね。
だからホントに上手くなりたいなら敢えて極力テクノロジーには目を背けるべきで、活用出来るのは先に紹介した擬似Bandみたいに練習の場面が中心となるだろう。

って言い出すとキリが無いから戻るとして、音源自体が多数あるの以外の楽器はトラックの使い方が少し違って来ると考えて良い。
例えば生ピでなるべくナチュラルにはしたいが明瞭度が足りなくても困るなんて場合、4トラックを半分づつOnのとOff Micのに振り分けて両方拾っとく等だ。

この時Offの分にステレオ感が不要なら、そっちはケチって1として合計3トラックで賄うなんてのもありがちだ。
電気楽器だって思い切り拘ればLineとMic、更にはMicの種類や距離違いのなんてやってけば幾らで増やせる。
只生楽器のとはかなり目的内容が異なるので、やたらと増やすのは殆ど遊びと考えといた方が良いだろう。

上記の等をプロの現場のに感動して模倣したくなる気持ちは分かるが、プロはもっと広範囲に様々なのを総合して予め脳内計算や試験をした上でやっている。
なのでせめて全く同じ場所と機材って位じゃないと、ほぼ結果が劣ってしまうのは目に見えている。
参考にするのはとても良いし大事だけれど、絵面的に一致努力をするんじゃなく発想や手段等内容を真似て応用するなら大きな成果が得られるだろう。

また生楽器で楽器数が少なくてエコーも殆ど掛けたく無いのに空間感が欲しい場合、これはもうそれこそホントにアンビエントが必須な状況だ。
その楽器がウクレレなんかみたいに小さい場合は、無理して1,2弦は左3,4弦は右に振るなんてもし出来たとしても流石にお止しになるのが宜しかろう。

広い部屋でステレオのスピーカ間隔が遠かったりすると、そこで聴いたら非現実的な巨大な楽器の如く聴こえちゃうからね。
って事はその手の楽器は「楽器自体はステレオに出来ない」とかしない方が良いので、ステレオ感は演奏場所の響きの違い等を利用するしか無い訳だ。

もし高級もしくは業務用のReverbがあればそれを電子的に合成可能な場合もあるが、それだってプログラムの選択が結構面倒だしちっとも簡単には行かない。
特に狭目のRoom Echoが欲しい時等にそれが顕著で、美しさでは合格でもどうしても響きに定量的単調さが目立ち易くなる。
なので基本生楽器で爆音では無いのの方は機械へ払うより、好みの音響(音場)探しにエネルギーを向けた方が好結果に繋がると思う。

そして現代ならCDに負けない音質のポータブルタイプのマルチトラッカーがあるから、それと組み合わせると昔だったらまず得られなかった音を録れるのを見落としちゃ勿体無いよ。
そして実際録る時にOn MicとOffのを一緒に録っとけば、後で帰ってからジックリ調整出来るので没になる率が格段に下げられる筈だ。
んでそんな事をしようとするともし単楽器のSolo演奏のでも、トラック数が3ないし4は要る事となるので一般的なハコ内録音の時と同じ数え方は通用しなくなる。

2トラックのステレオでもマイキングが上手いとそれで事足りる事もあるが、録音でのマイキングは超絶技巧の演奏より更に格段に難しい。
それでも音響屋なら挑戦せねばならない峠だろうが、音楽屋はそれより演奏に集中する方が効果的だろう。

マイキングで思い切り楽した処でレベルを併せて録音開始ボタンを弾く寸前に押す等、本職以外の作業は他にも幾らでもあるんだからねぇ。
俺みたいに長年常に両方やって当り前でずっと来てても精神の健常が保障されるのは弾くだけで良い時で、表に出さずとも面倒には耐えてるだけなのだ。

最後にオマケで実現性は全く未知だがこの手合いで密かに狙ってるのが1つあり、従兄の太鼓教室はビルの地下にあるがそこへ通じる階段部分が妙に良く響くのだ。
1FからB1に至る関係上変形してるが天井高がかなりあり、外への音漏れ防止の防音扉のお陰で外部雑音の侵入も少ないのだ。
令和にもなって今更だけどこれをもしエコーチャンバー代わりに使えたらウシシのシって、世界の他の何処にも無いオリジナルなReverbがタダで手に入るのであるからして。

<つづく>

2019年6月 7日 (金)

多重録音備忘録㉗ トラック数Ⅰ

多重録音機が無いと多分出来ない事の一例として前回迄番外編を記したが、その中でトラック数案件が出て来たね。
そこで近年だけの方は恐らく余り意識してないであろう、トラック数についてひとくさりさせといて頂こう。

俺が折角音響屋であるのでトラック数変遷の極簡単な歴史から行くが、録音機に於いては当初は再生システムのニーズに従っていた。
つまりモノからステレオ等だが、その段階では記録方式はレコードのみであった。
それに磁気テープ式が加わった以降に変化が見られ、「聴く時に要るのより沢山録れる」のが出現したのだ。

これに著しい影響を受けたのが音楽制作現場で、奏者数より多い音の出現に至っている。
今では部分録り直し(挿し替え)だとかバージョン違いを入れとくのにも活用されてるが、上記のこそマルチトラックじゃないと絶対出来ない事なのは覚えておいて欲しいもんだ。

レコードは一度溝掘っちゃったらもうそれっ切りだが、テープになった段階で「前のが無くなっても」良きゃ「録り直し」は可能になってたんだからねぇ。
依って多重録音をやるに際し基本条件になるのは便利不便とかより、それで「出来るか否か」へ注意するのが初めの一歩だと思うのだ。

近年だけとか近年からの人に罪は無いんだが、道具をより上手に使いこなすには原理を知ってた方が断然お得。
俺的最大懸案事項のマルチトラッカーの選び方では知らなきゃ無理で、処がそれを充分知ってる筈の従兄が変な事しちまったので延々愚痴ってるのである。

現代環境下ではMixingに関するトラック数は、デジタル化とPC活用可能化で余り考えとかなくても大丈夫だ。
例えばAudacityを使うとしてアプリ的にはトラック数は無制限だが、入れたPCの性能上の都合で制限が掛ったとしよう。
それでもトラックを個別に書き出し読み込みが出来るから、重い作業をする時はその時不要のを一旦外しといたりすれば良い。

なので考えるべきは「入口・出口」で先ずは各自のニーズとにらめっことなるが、これは一遍に録音や再生が可能なトラック数を指している。
けれども音響屋さんならまだしも音楽屋だけの人だと、余程慣れてでも来ないとそこ迄気が回らなかったりしそうだ。
そこで担当楽器や担当希望楽器の収録方法から逆算してみるのがお勧めで、そうしとけばどっかの誰かさんの様な「しまった」が回避出来る。(何処迄本人がそう思ってるか分かんないが…)

では勝手に生贄にしちゃったドラマーのから行くが、先ずはセットの点数(特にツーバスかシングルか等)から考える。
その中で検討を要すのは金物より太鼓の方で、これには演るジャンルも含めるのが良い。

例えばOld Style Jazz以外は絶対叩かんと決まってるなら8もあれば心配無さそうだが、ポピュラー系でシングルバス(ツインペダルはこっちへ含む)なら12程度はないと不安だ。
Hardrockより後のジャンルのツーバスの人だと、手戻り無しにしたいなら16は確保しときまひょか。

その内数え方で変動が少なさそうなのが金物系で、これには楽器の性質的にどちらかってばOn Micが不適なのも含まれている。
Cymbalならかなり動くのが当たり前で、それでいて余程離れない限りCymbalとMicの位置関係に依ってすぐに望まぬ音色になるからだ。

昨日も従兄の処で再三に渡ってセッティングして来たにも拘わらず、まだ微調整をやらされたばかりだ。
具体的にはCrash×3,Hat×2,Ride,Splashの7点を、SM58×2で音色も音量バランスも良くしようってんだから随分と虫の良い話なのだわ。😓

Cymbalは種類に依ってスイートスポットが全く様々で、しかもそれがOn Micとなる程文字通りのピンポイントになってしまう。
だがドラムセットでは太鼓と一緒になってるのもあって、そもそも「ここへMicを構えられたらな」状態に陥る事暫しだ。

こんなんなんでヲタ以外は追及に限界もあるから、一般的にはOver Top+αつまりトラック数は2~4を想定しとけば良いだろう。
するってえともし8トラだったら残りは4~6になるから、絶対安全圏は1フロアのシングルTomセットとなる。

故に標準的なシングルバス2タム1フロアセットの場合(これだけで5)、気が向いてメロタムやティンバレスなんかを一寸追加したくても12は無いと可能性が無きに等しくなるのだ。(別に重ねても良きゃそれこそ別)
ツーバスだったら更にそれより多い方がってのは、シングルバスの人よりサブのClosed Hi-Hat等を追設する率が高いからだ。

因みに使用Hatや求めるバランスにも依るが、ポピュラー系の一般的セッティングでは金物の中でHatだけが低い位置になるのが多い。
それで金物系のMic及び使用トラック数はOver Top+Hat=3、これを基本形とされてるのが多い。
従って全く標準で一切追加無しのドラムセットで、8トラックだともうそれで限界集落なので御座居。
しかもこれってアンビエントなんかは一切不使用での話しだし。

因みにⅡで生贄にしたからには無駄にせずってのもなんだが、従兄は現況ツーバスなの以外は取りたてて多点セットになってはいない。
どぅわぁがぁしかぁしぃっ彼は「今は使ってない」だけで、他に小Tom×2・小Floorも持ってるのだ。

録音機購入がドラムセットより後なのとプロドラマーで死ぬまで続けると宣言してるんだから、マルチが8ってなどうにも「計算が合わない」のだ。
そして結果的にそれを無理矢理8に収める為の苦労は、最近じゃ俺が主体になってやってんだから文句を言う権利位は得たのかなって…。

<続>

多重録音備忘録㉖ 番外編 擬似Bandの勧めⅢ

前回の内「Amp歪ませ」と「Effectorは後回し」には色んな意味を含んでいるので、クドイかもだがもう少し突っ込んでおこう。

この件にしたって例に依って結果オーライ大魔王が原因の成行きでしか無かったんだが、一応その根底にはEffectorの質の問題があった。
使用頻度は近年では低目となっちゃいるが、俺は結構早い段階から一通り手を出していた。

だから持って無い訳でも無く、寧ろ買ったのが大昔のせいで古いのばかりな位だ。
最初は必然的にGuitar用のばかりだったが録音での用途も考えて、それなりに一通り揃えた後はコンパクトタイプは避け新規購入はラックタイプとなって行った。

その結果録音ではラック・Liveでは従前からのコンパクトとなっていたが、ある時お客さんからChorusの音質の低さにクレームが付いてしまった。
俺自身はちっとも気にしてなかったが、Liveより録音音源の方を先に聴いていたら当然の感想なのは否めない。

歪みの方にしても是又結果オーライ大魔王らしく、所持Ampが偶然整流管式だった関係で録音ではAmp歪ませとしていただけの話しだった。(これをキチンとシミュレートしてるストンプが無いっ!)
自宅でこのAmpをフルテンで鳴らせる様になる迄は他所でのFender Ampの体験から、「どうせジャリジャリ言って駄目だっぺ」とずっと思い込んですらいた。

尚且つ生耳で聴いただけの時点ではまだ懐疑が残ってて、お試しで録ったのを聴いてから漸く確信が持てたってな遅さだった。
後になって良く考えてみりゃ過去名作のにFenderのでもスムーズな歪みのも一杯あったんだが、試して体験する迄はその差が整流管のせいだったのが分かって無かったのだ。

しかし自主Liveでなら数度持ってった事もあるが、最大出力等が原因で普通のLivehouseへ無理して持込むにも難があった。
俺がLivehouseで演ったのは大抵所属グループが上とかメジャーを目指してて、尚且つ歌メインのだったので瞬時音色切替等の問題も古いタイプのAmpなので引っ掛かっていた。
けれど外で常用してる大昔のGuyatoneのを改造・改良した真空管式Distortion、こっちには幸い苦情が出ずに
済んで結果的にChorusだけコンパクトタイプのを相棒から借りて凌いでいる。

俺が球Amp歪ませに執着してるのには冒頭の他以下の理由があり、その筆頭は「Rock Guitarの歪み」とは基本「そう云う物だった」から始まっている。
その後様々な都合でEffectorで歪ませる方が一般化して久しいが、それは前出の如くLiveでの使い勝手の問題であった。

一発録りしか出来なかった時代と違い、多重録音のお陰で一度には出せない音色を一曲の中に入れられる様になる。
だが録音で可能な限り頑張った結果一部の例外を除き、Liveでの再現性に問題が出て来てしまう。
金満君だとAmpの方だけなら物量作戦で複数台の使い分けも可能だが、一切音の途切れ無しに瞬時にGuitarを持ち替えるのはプリンセス天功だって難しそうだ。

またBeatlesのお客が聴いてくれないからLive止めたは極端にしても、会場等の都合で奏者側が幾ら腐心してもLiveで同じ音を出せぬ場合があるのに皆が気付き始める。
そんなこんなで録りと生を別物と考えるとかLiveに妥協は付き物的発想が広まって、Effectorとそのニーズも増えて一般化して行った。

俺的にはそうなり出した時点での状況の中に大きなポイントがあったと思ってるが、それはプロは基本的には「使い分けていた」処にある。
だが録音現場の内部事情なんて事に依っちゃ披露したくもないので、外部に居た者にとってはどれ程使い分けされてたかが分からなかった訳だ。
ここでAmp歪ませとEffector歪みの差を今一度羅列しとくが、音質・明瞭度・雑音・使い勝手辺りが代表的な処で順に紐解いて行く。

①音質
 総体的にはAmpの方が柔らかく耳馴染みが良かったり、同程度の歪みでは迫力に勝っている。
 但し歪みの深さ・種類等は、Effectorの方が自由になる。
②明瞭度・雑音
 設定次第では覆る可能性も残るが、信号経路・機器数の少ないAmp歪ませの方が原理的には絶対優位だ。
 判定を下す前に気を付けられたいのが聴く音量で、録ってから両者を同一音量にすると一聴瞭然と思う。
③使い勝手
 これは殆どの部分でEffectorの圧勝だが、設定変更無しで出せる音の種類・範囲は限定される。

この辺で歪み方式に関して一旦打ち止めにするに際し、当たり前すぎて忘れられてそうなのの思い出し喚起をしとく。
歪み系Effectorは生音が欲しけりゃOffれば良いから、歪ませる設定で余韻等が小さくなって「歪み損ねた」分は半ば必然的にけしからん音となり易い。

だが歪ませを特には意識されてないAmpだと寧ろ歪まなかった時こそ本来の音が出て来る位で、この差は表現巾等に対してはとてつもなく響く部分だ。
Liveではあって当り前のお客さんや会場の出す音が録音では無くなってその分小さいとか弱い部分がより聴こえる様になるので、その部分を担う上記の差が全体のクウォリティに直結するのである。

ではChorusの続きへ戻るが例えばSteve LukatherのToto全盛期のはステレオになってるが、LiveでもMarshallのAmp歪ませを併用するにはAmpが2台必要と貧民には全く非現実的だ。
だがそれが録音ならEffectorさえステレオOutになってりゃOKで、他の場合にもこれは広く応用可能だ。

そして今では宅でもPCでは無制限も同然・独立機でも24トラックあるから良いが、当初は8トラオープンだったので極力空きトラック数を残しときたかったのもあったのだ。
加えて概述の音像定位の「最終段階での自由」を考慮すると、録る時モノラルでも完成時に大体同じ音が得られるならわざわざ余計に消費したって仕方無いと。

またトラックに余裕が増せばバージョン違いなんかも入れとける様になるから、今になっても基本方針に変更が出なかったのだ。
尤も素人時代!?にはキーボード内臓のEffectが一番上等なんて事もあったので、そう云う場合には迷わず2トラック奢ってやったもんだ。
とか言っちゃっといてその当時の録音機は、ステレオカセットデッキ×2だったが。😃

こんな風に少しは学んで多くは体験してみて、少なくともRockが全盛期だった頃は「後で出来るのはそれ抜きで」状態で録られていた訳だ。
プチ余談として本番では歪んだエレキのも、作る時はアコギでなんて輩もかつてのアメリカ南部には居ったがな。
それ位業界さんはファッションよりプロポーションを、何時も気にしてたってね。

また最近は耳にしなくなったが「しっかり弾く程Effectの乗りも良くなる」と昔は始終語られてて、どうせならそう云う状況でちゃんと叩ける様になりたいと思ったのがこうなった。
非生楽器だと生演奏時点でレベルを安定化させるのも可能だが、ドラマーにとってそれは良し悪しだ。
普段は急激な音量変化は無い方が聴き易いが、それだと太鼓のこっちがフォルテシモアクセントの時は聴こえなくなったりする。

しかし相手方は機械のお陰でレベルは一定でも、弾く強さで音色は変化している。
それを音量だけで計ってもし本チャンを録ったら、恐らく太鼓だけアクセント時の音色が貧弱なんて風におかしくなりそうだ。
純粋に材料の味とか焼きや煮込みの加減を知るには、余計な味付けは無い程分かり易いって寸法なのだ。

こんなのが現場じゃないと知れない部分と思われ、どんなにドキュメンタリーの動画が発表されてても音の実態までは分からない。
恐ろしくドデカいAmpの壁がそびえ立ってても、フルボリュームかどうかが分からない。
Ampはフルなのが見えたってその時Guitarのは?・途中のEffectorのは?、全部が全部見えてるのってあったっけ?。

もしそれ全部をクリアした処でホントに全部のスピーカに線つながってんの?、仕舞いにゃ口パクやられてたって現場の音は聴こえないから本当の処は分からない。
この際だから追い打ち掛けちゃうと、そもそも人が演ってるのを自分で演って必ず同じ様に感じられるかなんてちぃっとも分かりまへんがな。

とどのつまりは体験せんと分からんってこって、実際そうして叩いてみると「叩かれてた」時とは全然違ったよ。
そしてちょっくら偏屈気味だがもう1つ利点があって、人から言われるのが嫌な人でも違いが知れる処な。
普通だと胃を痛くするか痣作るかなんかし乍ら、散々葛藤に耐え続けないと獲得できないものだからね。

<この項一応おわり>

2019年6月 6日 (木)

多重録音備忘録㉕ 番外編 擬似Bandの勧めⅡ

今回は久々で表からだが、先ずは録ってから再生する迄の流れだ。

Photo_7
迅速に表説に入るが1.は一般的な歌用カラオケを作る場合で、2.が擬似Band用のソースを作る場合だ。
3.は擬似Bandの拙宅版で概述と思うが汎用PAがぼっちスピーカで
モノラルなのと、俺言い電気楽器用PA(ステレオ)はある為に録り方や割り振りがお珍しい事になっちゃってる。

んだば個別解説と行くが1.の場合は完成クウォリティに拘らなきゃ、Effect等の掛け方に制約は無い。
近年では完成品が5.1chサラウンド対応のなんかのもあるが、ホンマもんの映画用サントラとか以外ではステレオ2chのへ専用プロセッサを掛けて対処するのがデフォと思う。
そうしないとメディアの要するトラック数が通常2で済むのが6も要り様になるので、おっと尤もDVDとかだとそうなってるのも一杯あったね。

いよいよ待望!?の2.へ突入するが、パッと見で分かるのはMixdownが無いとか当然だが太鼓のトラックが無いの位だ。
どっこいこっからが大事な処で、ちょっと一言には纏めらんないので順を追ってとしやす。

2-①電気楽器の録り方
普通は楽器→Amp→Micとか楽器→PreampやEffector→となるが、「楽器→録音機→各楽器Amp」と繋いで録るのが特許物!?。
こうしとくとAmpの設定変更無・録音再生機が同一である限り、再生時に必ず録った時と同じ音になるのが分かるかな?。

厳密には電気楽器と録音機のインピーダンスはちっともマッチしてないが、結果オーライ大魔王は音に特には問題が無かったので完全に無視しとりやす。
気になる人は楽器と録音機の間へBufferをかませば完璧だけど、宅環境ではその方が音色変貌が大きかったッス。

そして分かってる人にゃ余計なお世話だがここに披露したのは歪みはAmpで歪ませる前提ので、基本的にはコンプ系やワウ系等以外のEffectorを繋ぐのはご法度で御座居やす。
再三概述だがLiveではまだしも過去名作の殆どのは楽器自体の音色の良さを最優先させる等もあって、録音では後掛け可能なEffectorは全て後掛けとなって居りましたから


2-②Amp歪ませが不要な楽器の録り方
Effectorを掛けるタイミングの制約が無くなるだけで、なるべく本番状態にして録ってけろ。
但しPAから出すのが決まってる(表中例ではシンセ
)のは、音色やその調整は先に完成させといて。

2-③歌の録り方
これは全く普通で結構ですが、特別な必要性がある場合を除きエコーも含め未加工で願います。
この「小細工一切禁止令」には大きな意味がありまして、この方式の狙いがその理由だが後程。

3は他との相違点のみ
前説として「電気楽器用PA」なんて書いてあるが、これは2ch真空管Ampと自作モニタの組合せの総称。
それだけだったらPAが只真空管ってだけなんだが、諸事情でオーディオ帯域がカバー出来るツィータが付けれてない等で生楽器の再生に今の処不適合って代物。

トラック④のギターはAmpがそれ用のでない為余り歪ませられないので、Guitar Ampで歪ませを含め大凡の音色を作っといて録ってます。
只スピーカは後で一応それ用特性のを使ってるのでMic収録せず、自前プチ改造で追設したLine Outからとしている。

これはスピーカ出力から分配した電気信号を適正値まで減衰させたもので、一般的なPreampからとかパワーAmpの途中から取り出したのとは別物だす。
こんな具合なのでエレピは自作球プリで音を作ったのを録っていて、シンセクラビは本物不所持の為ホントの代用なので電気楽器扱いにしている。

さてここからが俺的シミュレーションの核心でもあるんだが、今回披露した方法は「わざと完成作品とは少し違う音」になる様にしてるんでゲス。
ターゲットととしては「録ってる現場で出てたであろう音」で、Effect後掛けだと「演奏時にはまだ掛って無い筈」を再現しようとした訳ね。

考え様に依っちゃヲタ度全開かも知れんけどコンプやエコーだって同じで、そう云うのが一切無い状態で演奏してた筈なんだよね。(意図的に特別な効果を狙った時は別だけど)
そしてその最大の意義は「ドラムは叩く時にはまだコンプは掛けられない」からで、余程特殊なモニタ方法を成功でもさせれん限り「叩きながらコンプが掛った音だけを聴く」なんて無理もいい処だからなのよ。

これが電気楽器だったらAmpはスタジオ・奏者はコントロールルームなんて手があるけど、爆音生楽器じゃロボットにでも代わりに叩いて貰わんと「楽器から離れられない」ですから。
まあ幾ら捏ねた処で所詮はバーチャルに過ぎないが、たまたま俺は太鼓を演るに際して「叩いてると違って聴こえる」のが一等気になったもんですから。

<つづく>

2019年6月 5日 (水)

多重録音備忘録㉔ 番外編 擬似Bandの勧めⅠ

以前のより詳しく先ずは背景から述べて行くが、これを一番お勧めしたいのはポピュラー系ドラマーだ。
俺はまだ全然ドラマーとしては途上国だけれど、実際これをやる前後で人からの評価が大きく変わった。

例に依って結果オーライ大魔王の事だからそこ迄最初から狙ってやったのではないが、Bandにはまだちょっと入れて貰えない位の腕の人にとっては結構貴重な練習手段になりそうだと思った。
何処の世界でもそうだが一線を越えたい時、案外その下と上の距離が離れてたりする。

それ故運良くクリアした者は環境にもグッと恵まれ、向上速度も桁違いに加速する。
だが運悪く惜しい処で何時も選に漏れると、只でさえ足りない腕を向上させたいのに適した環境にすら中々あり付けなかったりするもんだ。

これって才能が開花後だったら良いが開花前だと断然人には分り難く、斬新で個性的であればある程未完成な故に中々理解され難いもんだ。
あんなどうしようもないと思ってたのが突然大変な事にってのが天才型で、順当に上昇してのは秀才型か若しくは勤勉なだけの只の人なのよ。

それからすると初対面が最低最悪でもその中にこそ真の天才が紛れ込んでる訳で、当りが出る確率は低いけどそう云う人から向上する機会を奪うのは後で後悔に繋がったりもすんだわな。
ここの突破力も一面では才能の内と云えなくも無いが、その手の才能は営業力とかで音楽のじゃない。

故にプロにはすぐになれたけど何時まで経っても大した事無いままなんてのが落ちで、社会全体としては何の益ももたらさない。
近年本邦では少子化と孤立化が著しく、それでも只暮らして行くだけならテクノロジーの発達で昔より人力は要らなくなっている。

だがもし仲間が足りないってだけで打込みにしちまってたりしてたら惜しい話しで、打込みに本当に意義があるのは楽器演奏が何らかの理由で出来ない人にとってな筈だ。
ちょっと不思議かもだが例えばボカロで曲を出すの1つにしても、最初の内なら歌える人の方が大抵は上手に仕上げられるだろう。

しかし暫く続けて行くと歌えない人のの方が訴求力に長けて来て、それは恐らく全精力を残らず注ぎ込めてるからなんだと思う。
完全にでは無いけれど「歌えるのに歌わない」は見方に依っては「手抜き」をした分だけ、作品の何処かの濃度が薄まってる可能性があるのだ。

例えば自分が歌えるギリギリの高さの音程を出そうとすると、誰だって全身全霊で叫ばなくてはならなくなる。
そこ迄行かなくても余程の達人ででも無けりゃ、どんな音程でも全く同じ負荷で歌えるなんて事は無い。
楽器演奏も同じで速さや難易度に応じて、普通は負荷が変動するものだ。
それが少しでも既に身に染み付いてると打込む時、少なくともそれから脱却出来る迄はもうこの時点で弾けない人に負けてる事になる。

又また失礼乍らかの小室哲哉氏を見ていても、近年の方が本人の生演奏率が高まってる様に伺える。
かつてどっかで目にした本人談に依れば元々はHardrock Guitaristになりたかったんだそうで、しかし思った様に演奏力が上がらなかったのでそれに頼らなくて済む方法としてあの様な演り方へ辿り着いたとの事だった。
なので電脳系新人類に見えてたのが、Grand Pianoを人前で弾き出した時はかなりびっくりしちゃったな。

実際には幼少時からClassic Pianoはずっと習ってたらしいが、ある意味十何年も苦労を重ねて来た物を一時的にでも放棄するのは物凄く勇気が要る事だ。
普通だったらGuitarはしまっとくにしても、シンセ&同期モノより慣れ親しんだ生Pianoへ先に手を出す処じゃないだろうか。
恐らくそうする迄には散々色々試行錯誤して、心を鬼にして冷徹な迄にシビアに判断を下した結果なのであろう。

そこで諦めるにしても適正を見極めるのにはなるべく「それらしい状況」へ身を置くのが相応しいので、集団合奏のバーチャルリアリティー版の登場は如何ですかってなるのね。
例に依って楽器を車と例えるなら、擬似Bandは差し詰め教習所の練習コースって感じだ。
これに倣えばド下手でも素人Bandは仮免取得後の路上教習、打込みはゲームのとかそれと近似だが教習所の中に置いてある運転シミュレータってか。

太鼓練習のソースとして本家のを鳴らしてそれに合わせるのは昔からある方法だが、昔ならそれでなぞれる位になったら次は割とすぐ知合いに声掛けてであった。
俺の世代ではもうそれ程じゃ無くなってたが、黎明期には演ってる人自体が少なかったから玉石混交が当たり前だった様だ。

曲ネタだって今より少なかったから共通レパートリーが自然と多くなってたし、本邦限定だと今より誰もがスタンダードナンバーは避けては通れない道だったのもある。
そんな環境であれば初心者にとっては参加し易いし、そこからの飛躍も大いに望めただろう。

因みに上で本邦限定と言ったのは他の多くの国や分野では今でもスタンダードの権威たるや絶大で、旧態依然でもシンプルな為にその仕組みや原因が理解し易いのを大切にしている。
そしてこのスタンダードが本当の真価を発揮するのはかなり時間が経ってからで、欧米等ではジジババと孫なんかが仲良く「同じ若しくはとても近い気持ち」で合奏出来たりしている。

時間の経過は世代の垣根だけじゃ無く浸透の広さにも繋がっていて、国境すら楽々乗越えてしまう。
これ等は人付き合いの面でも大きな収穫になるが、それ以外にも仲間が見付け易くなる処がある。
だが今の本邦にはそれが無く俺的には憤慨し切りなるも無いものは仕方無いから、それなら近年本邦お得意の機械を使ったバーチャルリアリティーで補ってはって発想なのだ。

プレリュード的にこの擬似Band特有の利点を少し漏出させとくと、例えばGuitar Ampなんかで「Ampの歪み」が使えちゃったりする。
その秘密は普通ならPAかヘッドホンで鳴らす処を、各楽器夫々のAmpで鳴らすからなんだ。

感性が鈍くない人だったら実験してみりゃ分かると思うが、歪みはEffectorでも作れるがそれをPAから流すとかなりニュアンスが変化しちまうもんだ。
例え楽器Ampスピーカの特性をシミュレートしても、何となく音量の割に騒々しい感じになる事暫しである。

練習しようと思う曲のが元からEffector歪ませだったらまだしも、Amp歪ませの物を再現したかったらこの方法じゃないと厳しいだろう。
それと沢山の音をもし全部普通の2chのPAから太鼓に負けない様に再生させるのは結構大変で、何とか音量が足りても実際のBandで演る時よりかなり音の分解能が下がって聴き取りが悪化しちゃうんだよね…。

<始まったばっかりなんだからそりゃ続くさ>

多重録音備忘録㉓ マルチトラッカーの種類

平成の前半迄ならオールインワンタイプだろうと録音専門機だろうと、一般に普及してた多重録音機は独立した機器だった。
けれどそれ以降はCubase等を筆頭に、PC内のアプリ(ソフト)の物の方が有名になって来た。

それでも最初の内は先ずMIDI→ソフト音源と俺等から見ると打込み用で、生演奏を録るのがメインの場合はちっとも便利じゃなかった。
それがソフト自体は21世紀初頭からあったAudacity利用を誰でも避けて通れない感じになって来て、俺自身近年ではかなり広範囲に活用させて貰う様になっている。

平成後半以降に音楽活動を本格化させた方だと多重録音は先ずPCでと思うだろうが、PC以外だけ時代若しくは状況を体験してる俺みたいな古株からするとまだどっちらけ段階と感じている。
PC(もっと近年はスマホ等も含め)系は便利さと贅沢言わなきゃコストの点は圧倒的に有利だが、音楽的或は音楽家観点に立つと意外と柔軟性が無く応用が効かない。

皆さんはどうか分からないけど俺は古いBluesなんかが好きなせいか、ある面で単純思考もそれなりに大事にしてる積りだ。
単に単細胞とか直情型なだけとの罵声が聴こえる気もするが、複雑な問題を考えなきゃなんない時程以外にこれが結構重宝する。

今回案件での上記の応用性なんかがドンズバリなんだが、例えば24トラックレコーダがあったら単純思考だと録るのも聴くのも1~24迄なら自由な筈だ。
実際「独立機」だったらまんまなんだが、オールインワンタイプやPC内のとなるとちっともそうでは無くなってしまう。

ここで俺が問題視してるのは例えばトラックは折角24もあるのに他の部分のせいで、同時録音は8迄とか再生は2ch(ステレオ)迄とか一々但し書きが付いて来る処だ。
年齢的には俺より8ヶ月古くても人としては新型なのか、従兄なんかだとこれ等は大して気にはならない様だ。

しかし考えてもみとくれなはれ、もしこれが楽器の事だったらホントに誰も文句出ないかね!?。
乱暴な置換かもだがこんなのが例えばGuitarだったら、6弦鳴らしてる間は1弦は弾けませんみたいなもんなんだぜ。

最近は機械の発達で昔は絶対無理だった、たった1人でLiveでも音的にはフルオーケストラなんてのも確かに可能とはなった。
一緒に弾く人数が減ったり太鼓が機械になったりすれば、実際同時録音可能トラック数が少なくったって困る奴は減っただろう。

だが種類だけは無限に近い程色んな録音を体験してきた見識からすると、入口・出口・部屋戸数はどの観点から見ても一致してる方が使い易いのだ。
それも特にミュージシャンだが音響屋じゃない人が、自分で録る場合にはね。

だってねえ曲録るのに必死になろうって時にゃ、少しだって本来なら録音の機械の為だけの算段なんてしなくて済む方が良いに決まってんじゃんか。
もしも、もしよ、手間食ってもそれすりゃ、プロの音に完勝出来ますとかってんならそりゃ結構な話しですよ。

でも実際は普及価格帯のだと音には何の貢献もしてくれなくって、ただ只操作が面倒になってるだけなんでやんす。
こんな現象が起きるのは音楽用なんて世間一般からしたら非汎用だからで、どうしても使いたい奴だけ何とかして操作を覚えりゃ良いじゃん的発想なんでしょうな。

1つの機器に機能満載の上小型化・低コスト化を図ると、価格・機能・持ち運び等の点では充実する。
だが欲張り過ぎると先ずバランスを取るのに難儀し苦しい取捨選択を迫られ、結果的に道具としては難解過複雑化して実用性が著しく低下したのが近年多くの姿と思う。

体験があるって理由で現況従兄常用機を生贄としてここに捧げるが、トラックは24あって同時録音は8出来るのに出力が2しか無いだけで俺言い「擬似Band」に使えないとは何とも勿体無い。
そこで気に入ってる方には申し訳無いが、その手の類のは敢えて擬きと分類させて頂こう。

それに対しアナログでメディアがカセットで低性能・低機能だった昔の4トラカセットマルチは、全体としては圧倒的に劣っているが「付いてる物は凡そ全て自由に使えた」処へ再着目。
もしこれをデジタルで作れば更に安く小さく出来そうだが、カタログに載る数字が小さくなるのを嫌ってか、少なくとも主流には程遠い様だ。

しかし後者の用途に依って数がズレ無い方が使う上では圧倒的に分かり易いので、性能より道具としてはこちらはどんなにショボくてもマルチトラッカーを名乗って宜しいと考えられる。
もし使わなくても・使えなくても高機能が流行りなのかもだが、特殊な場合(多重録音)にしか必要とならない道具である処が他の汎用機器とは異なっている。

楽器がより高機能・高性能な物が順次登場してもそれよりオーソドックスなのがずっと主流の座を占めたままなのは、感情をなるべくダイレクトにリアルタイムで音に変換させたいからだろう。
それには音を出せる迄のプロセスが極力瞬時で済む程向いていて、手間暇掛っても一気に完成系を求めるなら今だったら打込み系が最適だからね。

とこで多重録音機応用の一例も兼ねて、次回は番外編として「擬似バンドの勧め」を。

多重録音備忘録㉒ Line録りⅥ エレキBassⅡ

では早々に前回告知の「詳細」と続きだが、お題はLine録りのタッチノイズor倍音の件だ。
プチおさらいで、Line録りBass限定だがそれをわざと残しとくと明瞭度に貢献する件だ。

大昔の対今比では倍音僅少のAmp→Micで何故この問題が起きなかったかっつうと、それは殆ど誰にも気付けない微小レベルではあるが「スピーカの動作雑音」等があったからだ。
若しくは風雑音と言っても良いが、空気だって急に動かせば木枯らしみたいに音が出るよね。

これって実は太鼓なんかが典型だが生楽器では常に楽音に含まれてて然るべき物で、人耳では通常は音と感知してないがその楽器と特定させる雰囲気等を大いに担ってる要素だ。
例えばPianoにもし「木を叩く」様なのが少なかったら、エレアコかデジタルピアノのだと思ったりするざんしょ。

そして生楽器じゃなくてもスピーカがあると機械的・物理的部分があるのが、電子楽器やLine録りになると単に欠落してただけってこった。
すべからくその補填方法の一例を、先日アナログシンセの処で記したよね。

これを今回は年甲斐も体験も無く無理して!?、バトルゲームに例える挑戦をさせて頂きまひょ。
設定としてはMic録りをA軍・Line録りはB軍、色んな倍音等は持ってる武器アイテムとしよう。
上記事実をこれに当て嵌めてくとB軍はA軍よりアイテムが1つ少ないので、そのままでは最初から負けが確定してる様なもんだ。

えっ、んなこたねって?、Line録りだって負けてないのもあるよって?。
それはアイテム数では負けてても、何か他で補ったりしてるからだよ。

それの典型がEffectで、倍音の種類が減ったのを空間系のEffectorを掛けて人工的に再合成したりして補填してんだよ。
けどそれだとEffectが少なかったりあったら不味い時の多いBassじゃ使えない、ので裏技度100%だがお題のを用いて代用するんですわ。

但し裏ってだけあって何時でも無条件には使えなくて、前回途中まで記した体験中談の如くIntro単独になったりするとちょいと厳しくなる。
「何が出した音かよく分かんない」音なだけに沢山鳴ってれば平気なのが、単独時だと楽器と無関係な只の雑音みたいに聴こえちゃうのよ。

だったら単独時だけそこを切っといて他が鳴り出したら出すって思うが、赤の他人の様でその実双子なのでやっぱり妙な違和感が出ちまうのだ。
1人っ子に後から妹弟が出来るのだったら普通だが、タッチノイズって位だからそっちの方が一番最初に出る音だ。
なので後から突然今迄全く知らなかった生き別れの兄が登場(どっかで覚えがある様な…)って、普通のドラマにしたくてもお涙頂戴ご対面番組となってしまう。

実例としては以前記述重複の可能性大だが、SouthernrockのAtlanta Rhythm Sectionの全盛期メンバー末期のアルバムで顕著だ。
俺の興味の関係でもっと一般性のあるのを示せないのは僭越だが時期的には’80年代初頭のアメリカので、色々聴き込んで貰えばその時期のアメリカ作品には他にも類例が多数見つかる筈だ。

俺自身は結果オーライ大魔王みたいな存在らしいので、頭(知識)より先に何となく活用していた。
尤もその始まりなんて酷いもんで、単に周辺機器(EffectorやEQ等)が僅少だったからそんなに加工出来なかっただけって噂が。

こうして辿って来ると好みや求めに依って差はあるが、どんな方法を取っても理想の音を得るのは中々困難だ。
俺例では録音適性が当初はGuitar Ampは×・Bass Ampは○と思ってたのが、結果的には現況逆となっている。
前者は電源が100Vだと出力不足が気になり、後者はかつて参加したコンテストで使った経験からの選択だった。

今にしてみりゃそれってどっちもLive時の事で、生演奏の観点からは確かに正しい選択だったかも知れない。
が録音だと色々条件に違いも出て来て、少なくともLive会場の響きは無くなっている。
結果現況ベーアンは宅でも合奏には事足りるも、録音には不都合が「後から」色々出て来てしまっている。

メジャー所属の金満プロならいざ知らず、それ以外の立場の者がLiveでも録音でもOKのAmpを持つのは難しい場合が多そうだ。
それでもGuitaristは録音用限定で良いから、GuitarとAmpだけで基本的なオリジナルサウンドを構築しとくのをお勧めする。

Bass Ampの場合最低限でも本物の音色を所望すると、出力に無関係に大きいスピーカが必要だ。
俺みたいに真空管に拘ると、それもやはり石のよりはそれだけで大きさを取られる。
それでか時代が進むに連れ2極化が顕著で、格安のオモチャかバカ高の業務用ばかりとなって来た。

それが証拠に昔は幾らでも何処からでも出ていた出力50Wクラスのが、ベーアンとなると最近はとても珍しくなってしまっている。
だがGuitarの方では昔は無かった0.5Wなんてのから、切れ目無く1000W位の迄あらゆるタイプのが売られている。

運悪く歪み僅少のフィードバックを欲しがると活用出来ぬがそれ以外の場合なら、今なら誰にでも何とか手の届く範囲で上記を獲得出来る環境がある。
ここからするとBassistの場合はGuitaristよりも、その人なりのLine録り対策を予め練っておくのが良さそうだ。

<つづくかも>

多重録音備忘録㉑ Line録りⅤ エレキBassⅠ

世間では近年は極普通の光景、俺の現Bandでは非難轟々!?のBass Line録り編のはじまりはじまり。
ここは俺が本職なのでウルサイかっつうと案外どうでも平気なんだけど、低域に劣化や変な凸凹が勝手に付いちゃうようなのは勘弁だ。
他パート次第の部分が多いのもBassの特徴で、アンサンブル内では差し詰め交番か警備員室みたいなものと思っている。

要するにイザって時にお留守だとマズく、だがその時が他パート夫々によってかなり違ってるのだ。
だから基本的にはBass音の中でも低音だけは、「常に聴こえる」状態に録れてるのが宜しいとなる。

それに従ってLow-Endに着目すると、余程良いAmpでも無かったらLine録りの一本勝ちだ。
だが存在感等では往々にして貧弱になり、好みの音色を堅持しようとすると各弦の音量バランスに問題が出易くなる。

これは概出の様に楽器としての体裁をスピーカで作った部分が無くなってるからで、単にEQを2台若しくは2度掛けすれば解消する様な単純なものでは無い。
Ampの電子回路部や出力トランスとスピーカは随時相互に影響し合っているから、これを他の手段で再現するのは困難だし何とかやろうとすればとても大掛かりな事となる。

尤もBassの場合手持ち機材と所望音の都合で収音方法を選択せねばならず、物質面を除けば一番選択に苦慮させられるとの認識がある。
これが上記の様な按配なので音響にある程度以上詳しい人なら単純に最適選択でも良いが、そうじゃない人は許容範囲の枠を拡大してギリギリ迄Amp→Mic録りとした方が大抵は好結果が得られるだろう。

パッと聴きの小奇麗さではLine録り優勢のケースが多いが、近年の諸君は余りにもそれだけに囚われ過ぎで残念になってると思うぞなもし。
チョイ際どい表現になっちゃうがそれって目一杯おめかししてる時の彼女で、でもアンサンブルに入ってから物を言うのは彼女自身のプロポーションなんだよね。

著しく失礼さが増すが単独で外見からであれば、その豊かな胸が盛られた物かどうかはその筋の専門家にしか判別出来ない。
だがもし他の胸サイズの違う全員が同じ様に胸盛りさんだったらどうなるかで、要するに単体単位で向上させても他の音が加わったらそんなの即水泡に帰す訳だ。

依って収録当初段階で注意すべきは小奇麗さじゃ無く、どんな聴き方をしてもへこたれないとか違っては聴こえない様な音にしとくと後で祭りとなれるのさ。
これを上の失礼でセクハラ紛いので例えると、盛るにしたって素人とプロのモデルや女優さんではやはり技術の差が出るのは避けられんってな感じ。

処で丁度近年悩まされてるのがレベルバランスで概述と少し重複するが、現況みたいに基本が3ピースのBandの場合Guitarと太鼓のどちらへよりそれを確保しとくかだ。
個人的には太鼓優先と考えてて、それは体験的にも太鼓奏者の演奏の仕方に大きく影響するからだ。

場合にも依るけれど特にBassとバスドラ等を同時に鳴らす場面では、両方がバランス良く聴こえるのがアンサンブル的に好ましい。
もしバスドラが良くは聴こえんでも良いなら、奏者の判断次第でそこはそもそも「踏まんでも」構わんとなるからね。

ウチのGuitaristは奏法上の都合+好みでEffectほぼ全掛け録り派なので、Guitarの音量レベル変動は少ない。
それと収録しただけで未加工のBassとバランスを比べると、当然そんなにバランスしてないがそれを嫌うので弱っているのだ。

Guitarへ沿わせて弾くの自体は別に難しくないが、それをしちまうと加工後に今度は太鼓間バランスに支障を来すのが目に見えている。
こんな時に特にLine録りだと「Ampに依るクッション」も無くなるので、余計に中間段階ではアンバランスが「拡大して聴こえる」のでLine録りまで嫌っちゃってる。

これとは別観点でもLine録りには不利があり、それは曲中で特にその冒頭部にBassを単独で鳴らす部分があったりする時だ。
前回迄にも記した如くLine録りはタッチノイズを一聴「実際以上に目立たせる」性質があり、一度アンサンブル内に入れば「そうでも無かったか」となるのだが…。

バカ正直に考えれば概述の通りこの部分の音は元来なら聴こえない物なので単純に削り取れば済むのだが、Bassに限っては必ずしもそうならない側面があるのだ。
元からGuitarよりは出音の音域が広いBassだが、それは単純思考でも倍音はAmpスピーカの上限迄とほぼ同程度で下が1オクターヴ分広いで分かるだろう。

それで必然的にBassの方が倍音が多くなるが、但しこれは量では無く種類が増えるとか分布周波数帯域が広いって意味なのだ。
これは音質調整で量を増やすのは可能だが、下手に増やすとBassとしては音色に死活問題を生じる。
Bass音の核は低音だが元が中域より聴こえ辛いので、倍音を増やし過ぎるといとも簡単に低音がそれ等高音に「食われて」しまうのだ。

依って「Bassに適した倍音」はGuitar等のそれより、「広く薄く」って事になる。
ここで漸く上記へリンクするんだが、それ故Ampだと得られない倍音も結構存在意義が出て来るのだ。
単体では耳障りなだけのタッチノイズ(少し無理すれば倍音とも捉えられる)も、アンサンブルへ入ると輪郭の明瞭化を助ける効果がBassに限ってはあるのである。

具体的にはそうして録られてる作品を聴くと全体では何の楽器が出したのか皆目見当が付かぬ様な、高域の「ぴちっ・カシッ・ツッ・チッ」なたいな変な音が他の邪魔にはなってないが入っている。
その中でBassをクローズアップさせてもこの音は本体とはかなりかけ離れてるので、それと気付くにはかなりの時間を要したりする。

ここ迄だけを読めばだったら要らねんじゃって思えるだろうが、不思議なもんでもしそれを取り除くと何故かBassがカーテンの後ろへ隠れちゃったみたいにしか聴こえんくなるのだ。
これ以上の詳細は次回へ譲るが、この倍音orタッチノイズには次の様な副産物もある。

Bassの主要音と乖離してるお陰でBass自体の音色とは割と無関係に明瞭度向上に活用出来、Line録りがAmp→Micより元々存在感等に劣るのをある程度補填出来るのだ。
Bassの音色がBrightでも良けりゃそれ程でも無いが、アーシーとかマイルドじゃないといけない時でLine録りだともうこれ以外に補填手段は無いからね。

<唐突だが長くなったから次>

2019年6月 4日 (火)

多重録音備忘録⑳ Line録りⅣ エレキGuitar

今時一番選択を常時迫られるのがこれかと思うが、基本的な指針等を。
ホントはオカシイ事なんだけどエレキGuitarでは、楽器を始めた時期によってどうしても「知る機会」に随分な差が生じてるのでその辺から。

Amp録り激奨の俺だが、敢えてLine録りじゃないと困難なのを先に挙げて行こう。
それは例えばStratハーフトーンでの煌びやかなクリーンサウンドとか、とてもメカニカルでインテリ臭いスラップBass等だ。

もしそんなある意味「極端な」音色が欲しい時は、普段がどうであれLine録りを選んで結構だ。
だが「始めたのが近年の人」に気を付けて頂きたいのは、これを始めた・常用してる多くの奏者はそうじゃない「基本形」の経験値が豊富だし熟知してる処だ。

頻度がどうあれ公開される動画でどう映ってようと、「知っててわざとそうしてる」だけなのでありまする。
体感的には近年になる程コスト面ではハードルが下がったエレキだが、真実を知る機会がそれに反してどんどん減ったのは真に遺憾で御座居ます。

ここでの真実とは付属機能が付いて無くてもある程度の音量が出る真空管Ampがあって、それを遠慮無しに弄り倒せる事でごんす。
その点Classic系とかの生楽器界では金は掛るし敷居は高いが、基礎体験が出来ないなんてのは皆無なのが羨ましいねぇ。

では俺の懸念を述べてくが近年のEffector依存状態だと、基本的にエレキってどんな楽器なのかが何時まで経っても掴めぬ処だ。
これを明解例示の為に生ドラムを持ち出すが、先ずは標準的なドラムセットを思い浮かべて貰おう。
それを過大音量にならん様に丁寧に叩いてる時と設定して、もし間違って皮の上へ何か落しちゃったらどうなるかだ。

道を歩いてたら目の前で急に車のタイヤがパンクした、みたいな騒ぎになったりしそうだ。
そんな風にいとも簡単にデカい音が出る癖に、いざBONZOの真似事でもしようと思ったら自らが全然非力で…なんてのがドラムの特徴の一面だわな。
各楽器各々にはそんな意外性もあるもんだが、そう云うのを知るには演ったそのままの結果が出て来る状態が必要だ。

これを何でこんな処で持ち出したかってば、Line録りの方がAmpに「助けて貰えない」からだ。
Amp時比だと表情や音色変化は減る癖に、妙に「過剰反応」する部分が出て来る。
その中で一番耳障りなのがタッチノイズ等で、その処理は音響面のみならず奏者側にも色々必要だ。

なるべく雑音が出ない様に弾くのは当然だがそれはEffect後掛けなら第2位で、楽器音とは直接は無関係な雑音は「聴こえないフリ」をして弾き倒すのが肝なのだ。
録った後で楽音に無関係な周波数帯域はザックリ削いじまうんだから、そんなどうでもいい処へ気を取られてちゃアカンのです。

では超強力な助っ人たる近年Effectorだと命だけは助かりそうだが、「やって貰う」範囲が広過ぎてこっちの意見は僅かしか取り上げて貰えん様な状況となる。
そしてこれも前回迄のと同様「先に作り過ぎちゃってる」と問題があり、折角Liveじゃないのにじっくり調整が出来なくなっちゃうんだよね。

ここでのじっくりには多重録音ならではの「後から」も含まれてて、他パートと混ざってからの調整も含まれている。
Effect掛け録りにも長所はあるがそれをすると「後から」は、主にレベルバランスと左右間の定位(パン)程度に限定されてしまう。

更にこの中に重大なのに見落とされ勝ちなポイントがあるんだが、それは基本的な楽器の音色を構築する部分とそれにEffectの文字通り効果を加える部分が混在している処だ。
前者は通常は最初から必須要綱なので、言うなれば「代理Amp」だから掛けといて構わんしその方が良い場合すらある。

こんな何でもあるご時世になっても、「録音されたGuitar」に掛けるの専用のDistrtionなんて訊いたこたぁねえなあ。(もしや最近ならどっかに…)
Line録りを考慮されたPreampだってそれは「録る前に使われる」想定で、やはり録った後用なんてのにお目に掛った覚えが無い。

それをもし専用機器以外でやろうとすればかなり困難だし、雑音等他の面で不利になる場合もあるから。
だが後者に関してはそもそもその使用黎明期にはGuitar用の物等登場前だったりしたし、冒頭のLine・Strat・ハーフ・クリーンだと録られた音の性質に通常のとは色々差異がある。

典型的なのと比べたら一面で「エレキGuitarらしくない音」には、Guitar用よりPA用のEffectorの方が最早特性も相性も良くなっているのだ。
少なくともこのサウンドが使われ出した当時、Guitarの音色だけじゃ無く登場したてのデジタル空間系Effectorの従前とは違うのの相乗効果はその方がより鮮明になって斬新だったのは今でも覚えてる。

かつてこんな俺でもこれを自分でも演った事があったが、総体的にみるとやはりエレキGuitarには通常はその半身たるAmpは通した方が良いとの結論に揺らぎは無い。
その理由は実に単純明快で、No Effectだったらどうなるかやってみりゃ一目瞭然だ。
素晴らしいEffectorに全く罪は無いが、この音こそがあなたの基本的Guitarサウンドなのだから。

やっと終わったと安心された方には申し訳無いが、因みにRock系等では何時も歪ませた音色ばかり使われる事もある。
だが「歪む前の元音」に、歪み方やその音色までもが支配されてるのをどうぞお忘れなく。

<続>

多重録音備忘録⑲ Line録りⅢ 電気鍵盤楽器

俺的にはLine録りの中ではその選択機会が一番多いのがこれなので、メインパートはエレキBassだがエレピ等の鍵盤系から記して行くとしよう。
宅のエレピは機種的に付属Ampが無いのもあって、自作球プリ経由がデフォだからこれはLine録りだ。
けれどこれも電気楽器なので、本質的にはAmp(スピーカ)録りの方がどっちかってばお勧め。

近年はステレオEffectも出回ってるので理屈的には必須じゃ無くなったが、特に本家Rhodesのスーツケースタイプのだったら余程Amp部が不調か特別な意図が無ければLine録りは避けるの推奨。
これは最初からセットで設計されてるから、その方が「その楽器らしさ」を損ねる心配が要らなくなる。

一聴だと時にLine録りの方が明瞭で綺麗と感じるかもだが、それは付属Ampが奏者より聴者主体に設計されてるのを忘れてる証拠だ。
明瞭度優先の場合On Micにして拾ったのをヘッドホンでモニタして御覧なさい、オーディオ的にはまだしも楽器的明瞭度では圧倒的にAmp経由の方が上になってるから。

本家からもAmp無しバージョンが出てるけど「ステージピアノ」のの呼称の通りで、付属Ampでは音量不足だとか輸送の制約等を想定した物だ。
これの登場時PAは概述の如くVocal Ampだったから、繋ぐ相手はGuitar・Bass用の是又時代的に球Ampがその対象の設計となっている。

依って電気鍵盤系はその全てが必ずしも球Amp必須とは言い切れぬが、石のや非楽器用のへ繋ぐとチープになったり艶が失せたり音色的に音質低下を招く率が高まるものだ。
宅での録り方は自作球プリにスピーカエミュレーション回路も搭載してるが、それでもToneセッティングを誤ると普通の音が欲しくても如何にもなLine録りの音になってしまう。

なのにLine録りにしてるのは本体側機種の都合で本家比では倍音が少なく、普通のAmpのTrebleを上げて補うのだと高音鍵盤のだけ音量が上がり過ぎるからの措置だ。
今迄の処は歪ませサウンドを不使用なのもあってで、ずっと歪ませたくなったら迷わずAmp録りをするだろう。

まっしかし騒音問題等でLine録りを選ぶしか無い時もあるだろうから、一応コツも載せとくけど基本音色設定はAmpより面倒でシビアになるのは覚悟しといとくれな。
真似するのがそんなに簡単なんだったら、物真似芸人ってジャンルなんか無い筈だから。

①電気鍵盤は殆どがその出力は「ハイインピーダンス」
 偶然の結果オーライも時にあり得るが、極力Buffer等を挿入してインピーダンスマッチングを取るべし。

電磁Pickupの構成上他の電気楽器より大抵もっと出力が高インピーダンスになっていて、Guitar・Bassよりそれによる変貌度が格段に高いし省くと雑音にもとても脆弱になります。

②不要高域の削り方が難しい
 基本はスピーカで削れるのの再現だがスピーカのはかなり急激に落ちてってて、通常のオーディオ系のEQやフィル タではそれには過激さが足りない。

元が楽器用Ampのスピーカ特性に合わせてあるので、楽器自体からは聴いた印象より実は遥かに高域は出て居りません。
単体で聴くと削らない方が明瞭の様に幻聴したりもするが、その部分を残しといても実際はホワイトノイズ(高域雑音)を残すだけになります。

③音色設定のコツ
 1に中域・2に低域をかなり強く意識して調整すべし。

スピーカより低・高域が減らないので一聴Hi-Fi化した気がするが、それそのままだと典型的なエレピとはかなりかけ離れた音色になります。
何しろ中域が足りないと存在感が不足し艶も音程感も劣化するのと、低域もその量次第で「高域の鳴り方」にかなりの変化が起こります。

更に元はAmpとスピーカで分担して得てた特性なので、こっちでもPreampやMixer卓のEQが過激なのじゃないと補正・調整が不足する場合も。
とMic等の手間を省けてもそれよりかなり面倒になっちゃうが、それを省いたり手抜きするならサンプリングシンセのエレピに対する優位性が無くなるからね。

体験的には手間を惜しまずだとモノホンのエレピの方が、少なくともアンサンブル内での明瞭度は数段上でした。
またサンプリングシンセの出力をAmpで歪ませると著しく明瞭度が落ちるので、その場合は濁ってて今一でも最初から歪みっぽい音色のを選択した方がまだマシですな。
なので電気鍵盤楽器のLine録りは、基本的にクリーンサウンドのみ許容とお考えあれ。

因みに鍵盤の2本柱ってばPianoとOrganだが、残念乍らOrganの方は大御所のHammondが電子楽器へ完全移行してしまった。
それには歪ませられる球プリ搭載のもあるが、もしGuitarと同じ様にその歪み具合等を気にすれば役不足が否めない。

これを筆頭に今巷では「直接Line録り出来るマルチEffector」が大盛況の様だが、正味な処あれは所詮「オモチャ」で御座居。
宣伝ではあの名手もこの有名人も皆使ってますと誇示してて、嘘じゃないけどそれは主に小規模Live時等限定なのにそこだけ省いて書かれてるんだからね。

そんな何でも自由になる様な大御所が、特定意図も無しにわざわざ劣る方法なんか取る訳無いざんしょ。
であるからして特に今時簡単に打込めるのにわざわざ生で弾くのなら、わざわざ「偽物臭く」させる機器へ新たになけなしの財を投入して迄使うのは愚の骨頂なんですわ。

それの購入意義があるのはLiveでの所詮はそっくりさんだがサウンドの再現性とか、機器設定変更時間の(曲間が長くなり過ぎる)短縮等でありましょう。
俺の楽器ヲタの部分では興味津々なんだけど現況Live予定が皆無😠😞⤵↘なので、我慢は残念だけどそれに振り回されて惑わされずに済んでるのは吉か?。

ですが本物に拘るならド下手で恰好悪くても加工は最低限・取敢えず体裁だけは整えたいなら打込みと、そもそも演奏を人にするか機械にするかを先に考るのが現代ってもんでありましょう。
何時までもとっくの昔に開発されたEffectorなんかに後生大事にしがみ付いてちゃ、アッとゆう間に過去の人よ。

<つづく>

2019年6月 3日 (月)

多重録音備忘録⑱ Line録りⅡ 電子楽器

厳密にはPC打込みも含まれるかもだが前回やったので、それ以外のについて進めてきますよ。
ほぼ無意識でもLine録りされてるのが電子楽器で、これ等は他のより一番録音が考慮された出力端子を持っている。
だからもしかしたら録音するのも一番楽で簡単だが、油断し過ぎると惜しい結果を招く場合もある。

特に近年のはEffector内臓のも多いしその性能もかなり上がったが、他に生楽器等も入れる場合は迂闊に掛けたままで録ると難がある。
古いのだと先ず性能に問題があるので多くの者が考えるけど、どんなに高性能・高音質でも「他のに掛けられる」のと喧嘩したりしないか見極めとく等の
必要はある。

また音源自体はモノラルでEffectでステレオになってる物等、そのままでは1パートに2トラック必要になる。
更にそのEffectは通常はステレオ左右チャンネル仕様になってるから、後からMix時にパンポットで定位を寄せた場合にEffect自体の音すら変わってしまう懸念もあるのだ。

このシンセの内臓或は付属Effectはアナログシンセの黎明期からの物だが、それ等のと近年のでは用いる目的に結構な変化があるのだ。
近年のは単により美しく演出するとか折角デジタルだから一度に纏めて処理した方が音質劣化を避けられるとか、音色の切替に合せてEffectも変更出来るとか言わばお便利グッズみたいな要素が強い。

便利に越した事ぁないしその音もかなり立派で結構だが、かつてのの場合はEffect自体が今よりショボかったにも拘わらず実はもっと別の重責を担っていたのだ。
それを一言に凝縮すれば「他の楽器と同じ様に使える為」で、その代表としては当時シンセ以外の音には必ず余韻や響き等が付帯してた処だ。

それは楽器本体より奏でた場所のせいである事が大半だったが、爆音のだと壁等からの反射音だって比例して大きくなる。
それでか生爆音楽器よりはそれ等Room Echo等が掛り難かった電気楽器では、技術的に困難だったのにそのAmpにはかなり早い時期からReverb等が搭載されたし好まれた様なのはご存知の通り。

処が黎明期のシンセと来たら音源音は殆ど只の発振器のままだから、ある意味その音の姿が実在する楽器なら持ってる響き等の部分が全く無いのだ。
それはホールの開園ブザーなんかよりももっと酷くデッドで、とてもじゃ無いがどう頑張って音楽的に演奏しても「機械の音」にしか聴こえない様な有様だったのだ。

勿論当初から意図的・積極的活用もされては来たが、そもそもの理由は単にそうじゃないと「楽器の音」に聴こえんかったからなのだ。
それだと下手に省いちゃ不味いのも当然で、だが今日の多くのみたいにNo Effectでも楽器に聴こえるのだったらこの面での必要性は無くなっているのだ。

本シリーズお題の多重録音だと「後から個別に弄れる」のも大きな売りであるから、最初からEffectが掛ってる必要は無いのである。
寧ろ下手に「作り過ぎちゃってる」と足りない場合はまだしも、後で減らしたくなった時にそれが出来なくて困るのだ。

例に依って世間知らずor半ば無視!?の俺は近年の他所様のは知らんけど、録音やEffectに少しでもHi-Fiを求めるなら「後掛け」を定石としている。
Effector自体の性能も楽器用より音響用の方が優れてるが、それ以前にEffectの調整の絞り込みが無妥協で幾らでも追及出来る等色々利点が多いのだ。

俺がこれに知ったってより気付いたのは過去の名作で、コンパクトなストンプではどう頑張っても無理なのを試しに変えてみて実感した処からだった。
エレキGuitarのAmp歪ませ音に無歪Effectの掛かってるのなんか、どう考えたって後掛けじゃないと難しい。

この先は次回予定の電気楽器の項へ譲るが、今回の電子楽器の場合も程度は軽減してうだが原理的には一緒だ。
又近年は兎も角Effectの使い始め時期を考えると、楽器が生→電気と来た段階で既にEffectorは登場していた。
し電子楽器楽器をターゲットにしたEffectorの登場は、楽器のそれより後からで当然なのだ。

Live等生演奏ではそんな暇は無いし、もし専属スタッフを付けてたって奏者が自由に気紛れを遂行するにはリアルタイムなのが絶対条件だ。
だからこそ折角じっくり取り組める時に先にやるのが勿体無いし、音響技師としてはシビアに暴露しちゃうと迷惑な事も多い。

当該奏者が全体統括者だったらまだ良いが、部分担当のみの人だと特にそうなり易い。
単体担当のみの人に本来瑕疵は無いんだけど、その人はどうしたって全体より自分のだけに注力する。
逆に技師は個別収録の最中だって録ったの全体に責任があるから、飽く迄「完成想像図」に基づいて行動している。

視点に共通性が低いとその分コミュニケーションも低下するし、わざわざ分業化した意義も薄れてしまう。
なので絶対的必要性が無くば「後回し」とした方が、プロジェクト全体の進行も円滑になって好結果をより生み易くもなるのである。

要約すると楽器収録は生度が高いと拾う時点に苦労と工夫を要すが、電子楽器等ではそれが楽な代わりに段取りに注意が要ったて事になる。
余談だがこんな処からも音楽ってな面倒ばかりで、楽して儲けようったってそうは行かないのがバレそうだね。

<つづく>

2019年6月 2日 (日)

多重録音備忘録⑰ Line録りⅠ

通常必ずそうなるのが打込みと電子楽器で、先ず不可能なのが旧来の生楽器だ。
そこで旧来の生は除外し、言わばLine録り専門なのから行ってみよう。

その最たるのの打込みからだが、これは作者本人が聴くのを除くと最後まで機器の「外へ出ず仕舞い」も大いにあり得る。
作品をどんな配布方法を取ったとしても誰かが聴く時は最終的に機械本体の外に出るが、その部分はこちらでは一切関知不能なのでこれも対象外だ。

今迄触れなかったのはちょっと僭越だったが、打込みはPC以外でも出来るし製作例はある。
古くはシーケンサから始まり、近年でもオールインワンマルチシンセなんかだと単独で完結させられる。
だが「録り」観点に限定すると機器内部は殆ど無関係になるから、シーケンサで音源を鳴らしてもオールのでもシンセはシンセと見做せるからこの分は後程だ。

音楽録音の案件でPC内部の音質ってのも妙な感じだろうが、近年の打込みの多分主流のPCだと結構な影響が出る場合もあるのであ~る。
これもある種近年特有の事情があって、それはMidiでの配布の衰退にある。

毎度だが経緯からだがMidiの利点はData量がとても少なく済む他に、もし作者指定音源を用いたりすればほぼ作者想定を完全再現が可能なのもあったのだ。
尤も作る可能性の無い人が音源を持つのも負担になるし、音源だってPC内での方が自由が効くのでこうなって来たんだろう。

しかしってこたぁ作者意識では機械音楽でしか無いが、例え機器内部であったとしてもMidiからオーディオDataへの変換が今では必須になっているのだ。
これに際しPC側は一般個人が買える様な値段では、音楽とかオーディオへ専用化させたPCが存在しないのである。

故に多くの場合PCが買い放し状態だと程度差はあれ、殆どの場合望まぬ音質劣化や変化が起きているのだ。
誰もがPCを音楽に使いはしないんだから、上述Midi音源の件同様「要る人は自分で後からにして」ってのも当然の成り行きではあろう。

この件で盲点っぽくなってるのは作者のモニタの仕方で、焼いたCDを散々色々にして聴いて修正なんてしなさそうな処である。
しかも昔のショボアナログのみたいに誰でもすぐ分かっちゃう程の変貌はしないから、そもそも違ってるかどうか自体が見過されてるに違いない。
実際聴けない程酷くなるなんてのは滅多に無いから気にしなくてもお好きにだが、完全デジタルオールインワンなのにPCでは上記部分で音が少しは変えられるのである。

では実例と対策へ進めるがもし不幸にもマザーボードが不向きだったら、他を弄っても駄目で残酷だが諦めるしか無い。
宅内では最高性能で唯一の新品購入の自作機がこれに該当してて、マザボ・サウンドカード経由のどちらでもマザボの電源回路由来の雑音が混入しちゃって駄目だった。
折角マザボ搭載のオーディオ関係半導体は当時最高評価のが付いてるのに、違う場所の失態のせいで宝の持ち腐れになっている。

尤も普段使いには問題無く、スピーカで聴いてれば雑音はほぼ聴こえない。
ヘッドホンで楽音が止んだ時が問題で、どっか遠くで昔のコンピュータみたいな作動音がするってものだ。
人や環境に依るだろうがもし製品にそんなのが入ると嫌なので、自分が聴く以外の用途には使用を避けている。

これとは別機で古いし低性能だがサウンドカード追設で音楽・オーディオ的には激変したのがあり、音楽製作関係の作業は現況全てそっちでやっている。
そしてこの古低+中古サウンドカードのは打込みのの音質も、カード無しのと露骨に違ったのである。

例に依って興味薄の方は適宣読み飛ばし願うが、正確な状況把握を期し全体経緯も挙げさせて貰う。
うちは家庭内格差も大きく俺は下手すりゃホームレス以下かもなので、何でも古くてショボくてを使い方の工夫だけで無理矢理何とか間に合わせるスタイルとなっいる。

なのでPCも格安中古主体で数だけはそこそこあるが、半分は今でも使える(ネットへ繋げられる)OSすら入れられない。
だが絶不幸中にも僅かな幸いが時に見つかるもんで、近年のサンプリング系ソフト音源を除く音楽用途には案外古いOSの方が使い出が広かったのだ。

その1つにMidi用ソフト音源があって俺知りで完全フリーなのは、古いPCじゃないと無理なYAMAHA S-YXG50が唯一だった。
この系統を知ったキッカケはPCの師匠の親友から譲って貰ったサウンドカードで、大昔少しだけあった所謂ハード音源内臓サウンドカードってヤツだ。

又ややこしいが俺のせいじゃないから勘弁で上述両者は呼称はソフトとハードで違ってるが、実際は内容は完全に同一の物なのだ。
呼称を違えた訳が中々理解出来ずにいたが結局は「PCから見た観点」で、プログラム(アプリとData)の格納場所だった。
ハード:サウンドカード上の石の中・ソフト:PCのC¥内と、PC君からすりゃ体外のがハードで体内のはソフトって事だったのね。

よってどっちだって物が同一なんだから音も同じ…になって無くて、何故か本家のハードのよりソフトのの方がかなり音質が良かったんザンス。
それを探って行ったらば、「シンセ自体じゃ無い部分」のオーディオ性能差のせいだと判明。

これって普通だと長年聴き慣れた名作とかの方が分り易そうなもんだが、どう聴き比べてもシンセの方が桁違いに出たのだ。
んで又仕方無いから考えてったら、シンセの方はオーディオ的綺麗さもその魅力として作られてたからみたいなのだ。

大昔の作品は録音クウォリティに期待出来んからそれ以外の処で持たせてあったのが、格安シンセではアナログより劣化が少ないのを売りとしてたらしいのだ。
因みに物にも依るかもだがお試しでこれをデジタル出力させたのも比較してみたが、結果に相違は無かったから所謂デジアナ変換(D/A)の半導体の性能だけの問題では無いみたいだ。

因みにⅡで現代のデジタル機器は使用半導体がその性能の根幹を握ってるから、実際最新の立派な石の程高性能だ。
但しそれは性能の上限の話しで、「最低でどの位」かは回路設計の良否の方が依存度が高い。
高級最新マザボより古くて程々のサウンドカードの方が音が良いなんて何時の時代の話しなのよって感じだけど、意外な処に餅は餅屋が残ってるみたいなんだよね。

そんで最近はサウンドカードなんて取付が面倒なのよりUSB性能が上がったのもあって、音関係の向上は外付けUSBのが主流だけどそれでも多分結果は似た様なもんだと思う。
何だかんだで汎用と専用は、やっぱどっかに違いがあるんだわ。

打込みは音源やソフトを上げるのが高音質化に一番だろうけど今シリーズでは録音がテーマ、なのでそれ以外の処でってぇと上記のが唯一の向上手段で御座居ます。
裏を返せば超高級ソフト使ってても、こんなののせいで勿体無い事になってるかも知れませんぞ。

<続>

多重録音備忘録⑯ 打込みか生かⅡ

食品でも生より火を入れた方が安心なのは分かるが、お腹を壊す心配が無い音楽に適用するなんてってのが俺の感想だす。
今回は何でも出来る道具が音楽みたいなマクロな用途で、どうなってるのか辺りから。

近年のドラムマシンの実情を不知なので何だが、ドラムマシンと名乗る割にはどれも音程やミュート具合「だけ」を弄れるのに出逢った試しが無い。
これも元を辿ると音色が電子合成音なのか、サンプリングに依る物なのかを明示したかっただけなんだろう。

故に俺的には生太鼓と同じ様に扱えなきゃリズムマシンを名乗るべきと思うが、もしホントにドラムマシンを作った処で使い勝手に大巾に難が出るのは想像が付く。
生太鼓でチューニングを下げると音色や余韻長さ等も変化するが、その仕方には割と各楽器固有の方程式がある。

今ならそれをシミュレーションするのも可能だろうけど、既に現存する物しか出せないなら影武者止まりだ。
なので機械なのを良い事にあり得ないのも出せる様にしたくなりそうだが、問題はそれが「使える音」になるかどうかがサッパリ不明な処だ。

鍵盤の方でも多機能化或はもう全機能化っても良い位の進化はしたものの、弾く楽器としてはかなり退化しちまってそれがマーケット縮小に拍車を掛けてる様に見える。
シンセのアナログからデジタルへの進化は必然的だったが、その後が真に宜しく無かった。

ワンタッチであらゆる音が出せる様になった代わり、弾き方に依る表現の方は大巾に小巾化してしまった。
昔のにはタッチレスポンス無かったじゃんと言われるだろうけど、それについては未だ生Pianoにはやはり並べていないと感じている。

それよりホイール・ジョイスティック・リボン等電子鍵盤特有のコントローラが軽視され過ぎで、ブレスコントローラ登場辺りが道を誤る境界線だったか。
この理由は簡単で他のでも出来るかどうかで分類したに過ぎず、固有或は得意なのを放棄してまで模倣に走ってどーすんだっての。

俺的にこれの害悪は俺に不都合なのは勿論だが、これから始める人達が電子楽器だと「ビヨヨョヨォーン」なんて変な音が出せるのを知る機会が激減する処だ。
知らなけりゃそれの出し方や弾き方等を習得する事も無くなり、結果的に電子楽器奏者の力量がどんどん落ちてくんだから一大事だ。

変だし失礼になり兼ねん危ない言い方になっちゃうけど、知らない人達の方の基準で音楽を考えてばかり居たら先細り必定だ。
演る側で知らないのも本人達に責任は無いが、聴くだけしか出来ん人達はそれ以上に聴かせて貰えん事には選び様も無いからね。

んでボチボチ本題へ戻るが全同時演奏が可能な処へ目を向けると、打込みは実際はどんな製作工程を辿ろうと余り多重録音とは思わん方が良さそうとなる。
何せ打込みは贅沢言わなきゃ今なら、PCかスマホがあればそれだけで出来るんだから。

例に依って体験を例示しとくと俺の現行Bandで太鼓はマルチ録音機じゃないと録れないからそうしているが、他のは例外以外はPCで録っている。
半分偶然だが宅PCにはある程度それ用のサウンドカードを追設してるからか、音質的にも何らの遜色無く録れている。

因みにこのもう半分はオーディオとPCの両方だと空間的に厳しいのが原因で、その内容は広範囲・多岐に渡っている。
宅固有かもだが機器の場所取りもだけどそれ以上に先ず発生熱量が問題化し、沢山機械を点けてりゃやっぱその分アチチだわ。
それとメディアソフトの収納場所が又問題で、全部を簡単に手が届く処へ並べとくのが無理だった。

しょっちゅう急行退避があるのは俺が各停なんで勘弁して貰って、「例外」へ進むがこれは極最近でお初の出来事であった。
それは現行Bandでは最初のエレピパートの録音だったんだが、電磁波雑音が原因で作業が簡単で楽なPCが使えなかったのであった。

宅の事情でエレピの真下にPC本体が置いてあり、雑音対策の甘い宅の化石エレピ君がそのをノイズを全部拾っちまったのだ。
何の理由も無いが両方を同時に使う機会が今迄無かったので、すっかり見落としちまってたのである。

当初は今後もあるのでエレピのシールド加工も考えたが、PCのケース自体は鉄製で完全シールドされててこの有様なのだ。
けどデジタルマルチで録ってた時はこんな事は起きず、その録音機は結構隣接してるのにずっと平気だった。
そこで今迄比では面倒だがデジマル君へ一旦録れてるソースを入れて、そっちで何とか事無きを得ましたとさ。

因みに参考として宅でのPCでの録り方を挙げとくが、端的に述べれば録音機がPCになってるだけの状態だ。
そして普段は一部編集以外にはPC不使用で、楽器→(Mic)→Mixer卓→デジマル(adat HD24)となっいる。
過去実績ではPCはCDを焼いたりそれに適したフォーマットへ変換させるのが主で、音楽的音響操作には殆ど使っていない。

今回Bandのがそれと違えたのは太鼓がデジタルData供給だからで、従兄宅の録音機と直接はDataのやり取りが不可なのに依る。
ディスクにせよクラウドにせよどの道PC経由になっちまうから、そんならエラーを減らすのにも余計な回り道をせん方が無難だからだ。

<つづく>

多重録音備忘録⑮ 打込みか生かⅠ

Mic収音方法は既にある程度過去に記してるので、次はLine録りの仕方へ行くだろう。
が敢えてその前に今更感満載だが、「打込みか生か」を追及しときまひょ。

それってのも弾ける叩ける人なら生のを録る技を先に、全く演奏出来ない人ならLine録り等の機械操作面知識が優先的に必要になると思われるからだ。
そして収録と加工・Mix・編集等の作業は、ここでは先ずは別扱いとさせて頂く。
それと作曲と編曲も同じく別扱いとするが、これは打込みの場合は特に大きな結果差を生む要因となるからだ。

演奏してもしなくても、音楽を作る為に要る作業は基本的には違いは無い。
メロなりリフなり曲の根幹になる部分を想い付く若しくはでっち上げるのが事の初めで、メモ録りでも採譜でも記憶力に自身のある者はそれでも結構だが兎に角記録を残す処からだ。

この時点で近年は俺も含め打込み利用が常套化してると思うが、もし歌の歌詞も含んだワンフレーズだったりしたら歌って録った方が楽だし何かと有利だ。
それと人次第だろうけど俺の場合は生の方が主体なので、脳内イメージの「仕舞い場所」をメモ書きしてる様な按配だ。

超失礼且つ傲慢紛いの言い方になるが、拙者位の達人になると表現力に自らの耳が誤魔化される場合も時々ある。
ってより音感に怪しさが残ってるだけかは神のみぞ知る!?かはそれこそ知らんが、和音の確認等だけをしたい場合は打込みの方が無味乾燥な程そこだけライトアップされるってのも確かだ。

たまたま今は人との活動がえらく旧知の者だけなので、「アイツが弾くから実際は多分あんな」なんてメンバーは簡単に察しが付いてるだろう。
もし初顔の相手だったらこっちの内部では兎も角、相手には手弾きしたのを渡す可能性が高い。

また大昔に居たBandのGuitaristの選択した和音の構成音が、現実のアンサンブル内では問題化した事があった。
この親友は大御所の二世の名に恥じぬ知性派で、理論的には大きな瑕疵は無かった。

だが音色等の関係もあって、現実にはそのままでは少しアンサンブルが濁ってしまっていたのだ。
結局は実際の音が全部組み合わさってからじゃないと、結果最終判断は出来なかったのね。

こうしてみると一面では打込みと生ってのは、譜面か耳かと似た様なもんだと思う。
記憶量の限界等もあるから譜面の価値が失せる事は無いが、どっちかだけで音楽を演るとしたら可能なのは耳の方だ。

打込みでもかつて俺が本チャン録音に自前太鼓が腕不足だった頃、ドラムマシンの全パラメータを細かく調整して「如何にも機械」は回避させてた事もあった。
処が研究に研究を重ね理論的には完全に人が叩いたのと同じ状態迄持ってても、いざ聴くとタイミング1つとってもちっとも同じ感じにならなかったのだ。

機械使用でミス皆無なのは体裁としてはご結構なんだが、どうも「その時点だけで判断する」のは問題がある様だ。
出来立て当初は「オー美しい」なんて悦に入ってても、時が経過して耳が慣れればそれはもう効力が失われる。
そうして忘れ等去られれば、良い悪い以前の問題となってしまうのだ。

また楽器が全く弾けない人なら他に方法が無いので、僅かでも弾ける人とは気を配る場所等が恐らく違ってると思われる。
少なくとも演奏力的要素に頼った表現は当初から用いず、それがどうしても欲しかったら弾ける人に頼むだろう。
だから万能や理想には例え程遠くても、それ以外の要素の組合せの妙等で極力表現しようとするだろう。

なので俺的には「弾ける人が安易に打込み」ってのが最悪パターンと思え、つまらん処で手抜きすれば本人に跳ね返って来るだけではないだろうか。
それでもと仰られる貴方様には、「生の演り方」に問題が無いか問うてみるぞなもし。

ここでの俺疑念は演奏力や技術よりも、道具(楽器)の使い方についてだ。
生楽器であれば録った後の音響処理の仕方、電気楽器であればAmpやEffectorの使い方辺りだす。

体験例を交えて前者から行くが、未だ練習中のBilly JoelのHonestyのPianoの弾かれ方だ。
いきなりIntro部分からだが、両手とも和音を弾いてるのにやたらメロディーが目立っていた。
どうしてそうなってるか確かめると、両手とも親指だけ特に右手の親指のだけ強く弾かれてる様なのだ。

そんな音へ不用意に強くコンプを掛けたらどうなるのかで、同時に鳴ってるから独立してるよりマシでも生よりメロが後ろへ引っ込むのは確実だ。
それが最近のWebに上げられてる素人動画に顕著なので取上げたんだが、見栄えは兎も角そんな音にしたいなら安物電子Pianoを使えば良かったのだ。
後者では安定した音色を求めEffectorに「頼り過ぎる」のが近似で、例え表現巾を損ねてもそこ迄安定が欲しいのならそれこそ打込めば良かったのだ。

程度や許容範囲に収まってるかの差は様々だが、聴き手は労せず聴き取れるならそんな事には一切関知してないのを皆忘れている。
人の演ったのが多少綺麗だろうと汚かろうと、聴者の興味の基本は面白いかどうかだけなんだから。😓

この悪い流れの源流は21世紀に入ってからの大手作品辺りと俺は見てるが、音楽に無知な経営者が無理して編み出した差別化に過ぎぬものだ。
内容が分からんから入れ物・見栄えだけでも分かる処へ口を挟んじゃったって、まあ音楽分かんなきゃそんなので精一杯だろうね。

彼等の責任も重大だけどそれよかよっぽど悲しいのは、音楽を知ってるのに尻尾振って付いてっちゃう連中だ。
昔だって一発屋は居たけれど、近年程大手でバカ売れしたのにその後転職ってのは多く無かったな。
それって「プロになる時」は折角苦労して水準超えてたのに間違ってるのに迎合し過ぎて、自らスキルを投げ捨てちゃったって事だと思うんだよね。

一般サラリーマンですら終身雇用が崩壊してる位っすから、我々みたいな基本「個人事業主」はそんなんしてたら絶対明日はもう無いですよ。
会社員でも何でも利口な者はきっとそうだろうけど、迎合も「フリ」(上手な演技)なら良いけど本気で感化されちゃっちゃ不味いって。

そもそも理不尽な事を平気でのたまう雇い主サイドだって、何処迄本音で言ってるか全く当てになんないよ。
彼等は少しでも楽して儲けようとしてるだけで、正にマネーゲームをやってんだから。
よござんすか、あっちは「ゲーム」なんですぜ。

<続>

2019年6月 1日 (土)

多重録音備忘録⑭ Mic録りとLine録りⅡ

2回目の今回は、普通はLine録りの物について考察する。
その典型はシンセ等の電子楽器と打込み物であるが、シンセについては過去にはそれなりに例外もあったのだ。

とか言っちゃってほぼLive時限定なんだが、大きくない会場でのPA常用は結構日本が先進国っぽい。
その証拠ってば大袈裟だが全盛期のDeep PurpleのLive画像をご覧あれ、所謂コロガシたるフットモニタの数が極端に少ないでしょ。

これは黎明期はPAがVocal Amp等と呼ばれていて、Rock系の歌手は電気楽器奏者と同感覚でMicとこのVocal Ampを操っていたんだ。
俺位から上の世代では演り始めた頃は音楽誌広告にPAありと掲載されてても、行ってみたらVocal Ampでしたなんてのも実際ザラにあったがや。

だから電子楽器だって初期はPAより楽器Ampで鳴らす方が当たり前で、シンセの登場前にエレピ・クラビ・電気Organ…等が既に使われてたのも関係してたろう。
尤もStudio録音でわざわざMic経由で拾うのは滅多に無かったろうが、絶対Lineじゃなきゃ録れんもんじゃないのも確かなのだ。

それよりLineじゃないと難しいのが打込みで、その原因は「再生チャンネル数」にもある。
かつて単体パートの電子機器例えば
ドラムマシン等の全盛期、それ等の上級機種には大抵パラアウト(パートor楽器別出力)が用意されていた。

しかし録るのから混ぜて落すの迄全部PC内だけで処理出来る方が便利なので、今では自分で後から追設せんと出力はほぼステレオだけとなってしまった。
それが打込み主体の場合はいいが生も利用したかったり、その割合が上がった時等には昔より不便を感じている。

ここ数年メンバーの体調不良や多忙なんかでまだ成果として結実してないのが歯がゆいが、在籍ユニットの製作方式が正にこれなのだ。
俺自身は生でも機械でも何処を担当しても平気ではあるが、演り易さも含め曲に応じての適した手段も知ってるつもりだ。

なので現況の手持ち機材やメンバーでは極力「Click不使用の生」が最適と思えるんだが、俺加入前は演り難かったからか俺以外の2人は今の方法に興味津々なのだ。
それでも太鼓が機械だったらそんなに大変にゃならんのだが、折角メンバーにドラム教師が居るのにそんな真似をしては勿体無いし面白味も減りそうだ。

只曲作り途上の段階では機械利用には大きな利点があり、ちょっと狡いけど「弾ける様になる前に試せる」ってのはある。
編曲や担当パートの都合もあって現況打込むのは俺だけだが、彼等にしてみりゃ録るか分からんのの練習は最小限に出来るから助かってるらしい。

こっちはより面白くなるなら手間は気にならん方だし、楽器担当数にせよ音響に関してにせよどの道沢山こなさなきゃなんないのは一緒。
だから覚悟も充分出来ちゃ居るけれど、機器の都合で最適解が取れないストレスだけはちと厳しい。

さて先ず太鼓生での必要条件は同時録音チャンネル数で、録った後で自由に弄れる為にはワンポイントや3点録りでは物足りない。
それが諸事情もあって現況従兄の所で彼所持機器で録らねばならず、同時録音は8トラのオールインワンデジタルマルチって条件が付いている。

故に太鼓を録る時一緒に他のもは、この技術的制約で現況は不可だ。
どっちかってば恐らく「せーの」の方が得意なベテラン集団でも、こんなので多重化してるとも。

えーこのまま放置して帰って来れんとヤバイから戻るとするが、今俺達が瀕してる状況に一番効果的なのはPCだけで賄える様にする事だろう。
尤も例えば24In-24Outの追設となると恐らく中古のマルチトラッカーより高く付くだろうから、貧民集団には願望レベルだ。

なので録る物の生比率が半分程度以上が多そうなら、昔乍らの単純なマルチトラックレコーダの方がお勧めだ。
ここでの「昔乍らの単純」とは入出力・同時録音・トラックの、何れもが同数の物を指してる積りだ。
「自分で録れるドラマー」の場合は特にで、従兄本人にも失礼乍らとっくの昔から耳タコ苦言を浴びせてしまっている。

従兄所持のはトラック数が折角
24あるのに、同時録音数制約は一発録りマルチがほぼ不可・トラック別出力が無いから概述俺言い「擬似Band」にもそのせいで使えない。
なのでもしPC等を持ってないなら未だしも、持ってたら重複若しくは代替可能な部分が多いだけとなるのだ。

従兄は音響は趣味なだけで専門家では無いのだから仕方無いが、「制約の多いオールインワンマルチ」程不便な物は無いと俺は感じている。
これは俺的にもし「少しでも弾けたらなるべく生」激奨なのもあるんだが、打込み不可な生の「時間差演奏!?」こそ多重録音じゃないと出来ないんだからねぇ。

そりゃ太鼓の録音は先ず場所で苦労するし、マルチにするにゃMicも沢山要って負担が軽くない。
ミスりゃ演り直さにゃアカンしで、作業面だけで見ちまうとロクなもんじゃない。

だが単に曲の概要を聴かせたいだけでも機械と生では違いがあって、特にそれが奏者自身が作者の場合に大きく出るもんなのだ。
近年は皆体裁を気にしてかメモ録りでも、小奇麗さ優先で打込みが主流の様だ。
だが例えド下手な弾き語りでも、作者自身の演奏には「何処をどうしたいか」は強烈に反映されるものだ。

それどころか寧ろ下手な程技で表現出来ないから、「技以外の部分」で何とか伝えようと自然と必死になってしまうだろう。
こんなのは不正確で稚拙かも知れんが、しかし機械には不可能な芸術表現には相違無い。
近い将来の予測としては体裁だけの作品なら、ボチボチその作者は人から「AI」へ移行するのではと思っている。

更に本題へ急旋回で復帰させるが、これ等を加味すると基本的にはMic録りを優先させとくのが利口だろう。
大昔のテープレコーダにはMic入力しか付いて無いのもあったけど、理論上Micが使えてLineが無理は存在しないんです。

只無駄に入力感度が高いだけなので信号が歪まん処迄下げてやりゃ、雑音的には不利だけと録れる事は録れるんです。
もし逆にLine入力しか無かったってMicプリをその前へ繋ぎゃ行けるが、前者だと最低限なら抵抗器1本間に入れるだけで済むけど後者はお高く付きまっせ。

<つづく>

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