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2019年5月24日 (金)

多重録音備忘録④

収録音の調整に現代式録音の方が、昔より「しくじり易そう」とは一体何ぞや!?。
端的に言えばオーディオ的な高音質等に惑わされるからで、或はオーディオと音楽の一寸したせめぎ合いかも知れぬ。

個人的に仕事でデジタル録音機っつうと充分体験があるのは古いadatだけだが、これも全く個人的だが駄目じゃ無いけど国産系のはそれ以来選べる時は避ける様になっている。
アナログ時代のマルチトラックは価格面もあってTASCAM一辺倒だったが、理論的に勝っててもどうも国産のは外製と比べると音楽性に乏しい様だ。

Mixer卓にしても偶然の叩き売りで入手したSoundcraftに耳が慣れると、やはり同じ様に感じられた。
ここでこれ等で先ず指摘しときたいのは中身の部品で、その8割方は日本製なのである。
なので部品単位だと国の内外に殆ど差は無くそれこそ理屈では音に違いは生じない筈なのに、いざ使って行くと音は違うし使い勝手も違ったのだ。

これが俺分析に依ると設計思想だとか性能の優先順位辺りしか原因が無く、音楽用としてだと近年の国産のは残念だが「間違えちゃいましたぁ」としか思えない。
これに気付き易くするには昔からある名機を分析するのも良く、耳に最高なのは電気的にはどうなってるのかを確かめてみるのだ。

その1:Mic
名機と呼ばれてる音楽用Micの周波数特性のグラフを眺めるとある共通点があるが、それは大抵想像よりはフラットじゃなく中域の感度の高くなってるのが多い。
俺的分析結果では「その方が生耳に近い音になる」からで、その原因は以前から記してる「人耳の弁別能」だ。

人耳と言っても実際に音として認識する迄には神経や脳細胞も含まれてて、耳部分だけを幾ら研究しても少なくとも音楽的には役立つ部分は多くない。
目隠しして単に聞こえた「音」ってんならかなり役立つが、音楽では聴こえたの自体よりそこから生まれるイメージの方が主体なのだ。

ウォーリーを探せみたいな間違い探しをする時最初は全体をぼーっと眺めたりするが、候補比較の段階に至ると他の部分は「見えてる」が意識からは抹消してるでしょ。
つまり見えてても「見て無い」で見て無きゃ見えないのと同然、それが音でも音楽になると耳で同じ様な事が頻繁に起きているのだ。

その2:極端な低雑音
これの典型は人間が出してる鼓動や呼吸音等で、他人のは兎も角自身のについては普段はほぼ無意識だ。
幾ら普段から何時も出てるからって小さくても音量ゼロじゃないのにどうしてってば、例に依って妙な表現だが自分がまだ生きてるのを知ってるからとでも言っとくか。

死にたいのに死ね無い時だとそれをどう感じられるか俺には未知だが、生きてるのを否定しないなら割合不明も本人の意思で出してるor意図的に出してる音だからだろう。
故にウルサく無い範囲だったら出てて当然の音は、脳内で無いのと同じと処理されてる訳だ。

つまり全く気にならないが何もして無くても通常は、全くの無音状態はアブノーマルなのだ。
だから普段はバックグランドノイズに埋もれる程度の雑音は気付かないでいるが、極端な低雑音機器のをヘッドホン等で直に耳にして初めて気になり出したりするのだ。

なのでアナログ時代に不問だった雑音も理屈の上では顕在化し、俺も含めそれに気を取られ過ぎる事態が発症している。
特に単体で鳴ってる場合はこの部分も無視すべきじゃないが、それより先に問題にすべき点が疎かとなっては本末転倒なのだ。

Micにしても近年では「生耳より近く」の音が主流で、その面では端っから「生耳とは違う音」なのを忘れてるケースがとても多い。
かつてアナログ時代は生耳より録ると雑音が増え明瞭度も落ちてたから、不完全ではあったが「マシになるからOn Mic」だったのもあったのだ。

それを無配慮でデジタル録音機にそのまま使えば例え美しかっても、現実の生耳に聴こえてるのとは全く「異質」な音になっている。
それを意図的に活用するのも初期に於いては所謂ひとつの新技ともなってたが、類例が膨大となった今では少なくとも新味はもう残っていない。

現実的には分離度や後での残響処理の都合でOn Micを避けれぬ場合も多いが、パッと聴きが美しくても少々現実離れしてるのを忘れると大変だ。
集団で録るのにバランスが良くない下手な内から練習時の記録なんかで、それこそ下手にOn Micにしてると何時まで経っても上手くなれない懸念があるからお気を付けあそばせ。

その3:業務用モニタヘッドホン
最近は価格や入手性等で某大手定番品CD900○○を猫も杓子も使いたがる様だが、あれは本来音響技師用であって音楽家用では無い。
よく歌手が録音で装着してるのを見掛るが、音響屋としては正直?マークな選択でお勧めし兼ねる。

確かに高性能だし今となってはかなり古い設計なので昔よりは気にならなくなって来てるが、ありのままを聴かせると云っても音楽では無く音響的正確さを狙った物なのだ。
職業音楽家が最適じゃなくても慣れようとしたり常用するのは訳ありで、万一の際何時でも何処でも代わりを見付けられたり技師と同じ音が聴けるから等に依っている。

最近じゃ全く見掛なくなったが文言的にも「試聴」の他に「検聴」ってのがあって、評論家等がするのが試聴・工場で完成出荷時等にやるのが検聴だ。
音楽業務用ってもどっちかってば上記だと後者の検聴用に近く、業務用PAなんかは会場への最適化の為プレハブ化してて毎回どっかが少しづつ違ってたりする。

かなりな頻度でお初の組合せとなるから、ある意味新型には毎回完成検査が要るって按配なのだ。
録音時にしても楽器と人とMic等の組合せが全く同一になるケースが少ないし、オーディオと違ってケーブルもその都度繋いだり接続も変更されたりしている。

万一ハードの何処かに問題が残ってたら録音以前の問題になっちゃうから、第1にそれは解消しとかなきゃなんない。
それで技師にはこれ等の発見が最優先課題となるので、それを助けられるツールとして業務用モニタヘッドホンは開発されてるのだ。

普段から事故の無い様機器管理には万全を尽くしちゃ居るが、上述の如く非固定のプレハブとなると理論的にも不具合の完全排除は不可能だ。
故に非技師なら買うなとは決して言わんが、それだけで音楽を「測ろうとする」のは危険極まり無い。
俺がマイナーで古臭いKOSS等を変に優遇するのはこの理由で、近年の他の殆どはその出音がどれも演出過剰気味なのを指摘しとく。

メーカさんにゃ申し訳ないがそれで奏者自身の音が良くなれなかったりしても、保障しちゃくれんのですから。
普段聴き用なら演出のせいだろうと何だろうと聴き心地が良きゃ良いが、正しく音楽を分析しようなんて時には不適合。
個人事情で旧来からあるKOSSの以外で推奨出来るのを知らないが、変に高級志向に走るより恐らく楽器も作ってるメーカの普及品の方が適してると思われる。

デジタル録音機の件でadatは…ってのも「聴こえ方」が原因で、他のと比べると「録る前との差」が一番小さく感じられたからだ。
またマルチトラックではトラック単位での演出が薄目でも、最終段階では並列だがその余計な個性はトラック数分増加する。

なのでPC等でトラック数が半ば無制限ならまだ良いが、近年多分稀少化したピンポン録音をした場合は掛け算になって癖が出て来るよ。
従兄が「第一印象が60%正解」とかつて語ってて俺もそれ自体は激しく同意してるが、何回も何個も録る場合は必ずしもこれには当て嵌まらなくなる。

<こっからのしつこさが…続>

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