« 多重録音備忘録⑧ モニタ機器Ⅳ& | トップページ | 多重録音備忘録⑩ モニタ音量Ⅰ »

2019年5月28日 (火)

多重録音備忘録⑨ モニタ機器Ⅴ

お間抜けな俺様君なので又しても順番が変で悪かったけど、このモニタ案件でもう1つの重要素が「モニタ音量」だ。
過去比較では環境差と担当差の影響が考えられるが、残念だが近年の方が考慮すべき箇所が圧倒的に増えたと思われる。

少し高度若しくは高級な録音って、その昔は基本的に個人では不可能だった。
何しろ機器がべらぼうに高価な上ガッツリ場所取るし、どちらさんでも扱える様な代物じゃなかったから。

それが今じゃかなり誰でも少なくとも簡単にチャレンジ可能となってそれは喜ばしいんだが、ちょっとしたでも重要な専門家の指導や助言を受け難くなっている。
これが俺的観点では基本的な部分に程多くあって、当り前過ぎるから却って誤認したままでも人に訊こうと思わなかったりする処だ。

今回案件に際し僅かだがヒントになりそうな例があったのでそれを披露するが、それは宅で使ってるモニタスピーカの耐入力表示である。
それは惜しくもスピーカから撤退しちまったAUDIXのNile Ⅴってので、50~250Wって全く奇妙な表記となっていた。

普通なら平均(rms)○○・瞬間(Peak)□□Wと書かれてる物なのに、無論方々へ訊いて回ったがその訳をずっと把握し切れずに居た。
それが本案件に直面して全くもってして今更もいい処だが、その範囲で鳴らせば設計通りの音で鳴るって意味だったのかもと気付いた。

ニアフィールドタイプの小型のなので250Wは恐らくPeak値だろうけど、50Wは入れないと駄目かもとは変てば変な感じ。
でも良く考えりゃ能率より周波数特性を優先した設計なので、力不足だと反応不足になったとしてもおかしくないのだ。

尤も低能率なので50W入れたって楽器Ampみたいな大音量にはならないが、見た目が近いミニコンポでBGMなんてのよりゃかなりウルサくなる。
因みに昔の「生同然再現」を目指した所謂「フロアタイプ」のモニタの能率は最低でも95dB位はあり、上の方は楽器Ampの高能率なのと同等の103~105dB位迄のが存在した。
宅のは87dBなのでPAや楽器Amp等と比べると凡そ10dBも低能率で、50Wでもそれ等だったら5W入れた時のと同音量だ。

今は環境や機器が昔とは違うから、モニタのデフォルト音量だって低下してると思う。
けれどもしカタログや取説に明記されてなくてもそのスピーカに合わない音量で鳴らしたりすれば、公表通りの性能が得られなくても当然なのだ。
大きい方は物理的限界のお陰で半ば自動的に定まりそうだが、小さい方はどれでも出せる事は出せてしまうので却って要注意だと思う。

ここで改めてスピーカやヘッドホンの音量に対する基本的な性質のおさらいをしとくが、構造原理的にどれでも適正音量域を外れると性能低下並びに音色変化が程度差はあれ避けられない
もんだ。
また公表されてるのは少ないが設計上の想定音量域がそれぞれにあって、値段やグレードよりも先ずはこっちに気を付けるだけで音質が向上すると思う。

近年の俺が嫌って「過剰演出」なんて言ってる機種も、元は小音量でも「普通の感じ」を得る為の施策だったのだ。
逆に近年巷で残念乍ら不人気の古典的なのでも、殆ど爆音になっちまうがそれ等の適正音量で鳴らすと決して地味では無くなる。

従兄推奨のドラマー用ヘッドホンは現代では標準的でも音色はかなり派手な方だが、極端な高遮音性を持たせて「小さい音で聴く」設計がなされている。
この小さいは太鼓を生耳でのより何分の一って位「小さい」で、サイレントPianoの太鼓版みたいな発想と言える。

であるからかなりな高能率とは言え現に最大入力もとても小さく、その値はうっかりしてると普通の機器に繋いでても飛ばしちまいそうな位となっている。
そこまで小音量になると人耳の聴こえ方にも普通時とは差が出て来て、低音高音の感度がかなり低下するのでわざと逆の性質を与えといて中和する作戦だ。

なので高遮音でもヘッドホンの音量が不足気味になる様な一部の爆音君には不適合で、どうせサイズが足りんからそれ以前の話しだけど俺には不都合だった。
各自にとっての適正音量等に配慮すると案外選択肢が少ないのは残念だが、実は良く調べると全く同じ領域に被ってる様な商品は殆ど無い様だ。

俺がKOSS PRO4AAなんて化石みたいなのを手離せないのも録音技師だからで、モニタしながら人が叩いてるののMic調整をしたりしなきゃなんないからだ。
そんな時は往々にして奏者より太鼓に接近する場合も多く、遮音性の高さだけではもうどうにも聴こえなくなる。

何しろ最悪だとバスドラの中へ頭を突っ込んでなんてのもアリで、ホントなら演奏の合間に調整するのが普通だろうけど。
時間的問題がある時も多いけどそれ以上に、奏者に一切余計な意識が無い状態での音でこっちは試行錯誤したいのもあるのでね。

無論拷問でしかない爆音なんかわざわざ聴きたか無いが聴こえないと仕事にならんし、頻度はどーでもモニタに制約が無い方が好都合なのは間違いの無い処だ。
但し音量は許しても音質に妥協は禁物で、折角聴こえても「違って」いたら何にもならない。
そこで音量だけなら他にもDJ用等選択の余地もあるが、爆音時でも音がニュートラルなのとなると化石君だけしか無かったのが選択の真相だ。

故に各自好みのブランドとか色々あるだろうけど、本件がもし不一致だったらアッサリ諦めるしかない。
普段は良くても肝心な時に、実際は好みの音が得られなくなってるだろうからだ。
俺も元からKOSSも好みではあったけれど、特に昔信奉してたのはSONYだった。
だが段々と自分のニーズとはズレが拡大して来て、接点が希薄になって来ている。

しかし何でも通販時代となって、聴いてから買うのが困難になって来てるのは本件では退化そのものだ。
又例え店頭へ出向いても上記の化石君が「本来の領域」で鳴らせる様になってる処はほぼ皆無で、この辺も選択を一層困難化させてるかも知れない。
そんな中所詮次善の策の領域を脱し得ないけれど、それでもカタログの売り文句等を熟読するとヒントが隠れてる場合も多い。

ニアフィールドタイプだから近くで良い音なんてのは大抵再生音量は大きいより小さ目が得意で、見た目に反しある程度の音量を要求する物だと上記例みたいな半ば指定があったりする。
モニタ音量は小さ目な程「量に誤魔化される心配」が減るし負担も少なくて良いが、楽器を生耳で聴いたのより1/10とか迄小さくなると別の副作用が大きくなる。

例えば本当に綺麗な音を求めた場合、それが達成されてると少し位過剰音量になっても耐えられるものだ。
場合に応じてだが余り小音量だとどんなに分解能が高い再生装置でも、含有量が僅少の部分は聴こえなくなってしまう。

経験的には小奇麗さのみで良けりゃ近年のニアフィールドタイプだけで、それに合ってる音量だけでも何とかなる。
だが迫力だとか太さだとかを言い出すなら、上記の小音量だけで判断・調整するのはチト厳しい。
迫力や太さは必ずしも「荒い音」と同じじゃないので、小音量なら合格だったのがちょっと音量あげてみたら思ったより只乱暴な音だったなんてのが露呈して来る場合も多い。

<まだ続くか!?>

« 多重録音備忘録⑧ モニタ機器Ⅳ& | トップページ | 多重録音備忘録⑩ モニタ音量Ⅰ »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

ドラム」カテゴリの記事

PA」カテゴリの記事

ギター」カテゴリの記事

電気」カテゴリの記事

ベース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 多重録音備忘録⑧ モニタ機器Ⅳ& | トップページ | 多重録音備忘録⑩ モニタ音量Ⅰ »

フォト
2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

最近のコメント