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2019年5月24日 (金)

多重録音備忘録➄ モニタ機器

前回書きながら勝手にエキサイトし出してしかし説明不足を感じたので、今回は主に録音時の音のモニタ機器に特化してこうと思う。
最初は必要素の提示から行くが音で最も困難なのは、聴かれる環境の影響度がとても高いのが他メディア以上な処だろう。

映像だってその昔巷のテレビに白黒とカラーが混在してた時期には、制作側で音のと近い苦労があったかも知れぬ。
だが今日映像作品の配布はほぼデジタルデータに統一されてて、器のせいで違う料理に見える心配は無くなっている。
一部にVHSテープ(アナログビデオ)での配布が残ってるか不知だが、それだって新作なら例外以外作品制作自体は編集も含め「元はデジタル」なこったろう。

それが音楽だと全体はデジタルでもマスタリング寸前に、わざと一回アナログのオープンリールを経由させたりなんてのも珍しくない。
物にも依るが未だLPレコードやカセットテープでの配布も残ってるし、聴き手が何時も好みのイコライジングしてたりと製作サイドとしては操縦不能な面が多々ありありだ。

んだば制作側としてはどーすっかだが、特定聴取方法に特化させるか最大公約数を見出すかの2手が中心となろう。
尤も過去名作の実態を踏まえると名作程聴く手段を選ばぬ様で、それはLiveとStudioでの音の差を縮めるのにも繋がるので大変だがこっちが推奨だ。

そしてこれをなるべく実現させるには、俺的には出荷前に最低3種のモニタで調整するのがお勧めだ。
近年ではコストの他空間や騒音等の都合でスピーカは極度の小型化に走っているが、どんなに高性能でもそんなのだけで確認するのは大変危険だ。

過去の定番手法では大型超高性能モニタスピーカ・小型低性能スピーカ・ヘッドホンってのだったが、今では大型実施のハードルがとても高くなってしまった。
楽器Ampのスピーカだって小型化が進んではいるが、それでも出来ればモニタにはウーハが16cm(凡そ6.5inch)以上を何とか確保されたい。

前回のヘッドホンの件と近似理由になるがスピーカも録音モニタと銘打たれると、雑音検知等へかなりのリソースが優先的に割かれているものなのだ。
ヘッドホンでもCD900系はユニット背後空間は吸音材で満たされてて、普通に聴く時よりもわざと極端に「響かない音」になる様にチューニングされている。

これは楽音と同時に混入した雑音を見付け易くする為で、しかし普通の聴者環境ではもっと響いていてそれとは別物な音となっている。
するとこの手の業務機器のみで丁度良い響きなんかにしちまうと、部屋で聴いたら風呂場かよってな位響き過ぎて訳分んないなんてなり兼ねないのだ。

低域や音圧感に関して近年J-POPのはド派手クラブのより大袈裟になってたりするが、もしかしたら冷徹なモニタで無理に元気感を出そうとした副作用なのか!?。
ここで俺らしい苦言をかまさして貰うと、簡単にバレる様なのはもう演出では無いとほざいとこうか。

バレそうな程になったらそれは単なる過剰装飾で、派手なコスプレしてる地味な人なのだよ。
演出なら演者自身が華やかに見えなきゃしゃーなくて、地味な格好してる凄い人にしなきゃ意味が無くなっちゃう。
ってホントは恰好はどうでも良いんだけど、外見と中身の落差が最大になるのが上記例なんでね。

本題に戻って「大きいスピーカも」についてだが、それは同音量で小型のとはその質に差が生じるからだ。
振動板の面積が小さいとスピーカの近くでは、空気の揺さぶられる範囲がどうしたって狭くなる。
すると場合に依ってはそのせいで記録されてるのより、音の量感が少なく感じられてしまう場合も出て来るのだ。

量が足りんと存在感が薄れたりで困るけど、では多過ぎても平気なのかである。
多過ぎると他の音を不要に隠してしまったりも起こり、多過ぎも不足と同じ位具合が悪いものなのだ。
何れにせよ様々な面で過不足を最低限に留めるには何にでも適正サイズがあって、それからサイズが外れても同等性能を得ようとすればコストは乗算的に増加せざるを得ない。

例えば従来からしたら超小型でも立派なBass Ampが近年登場してるが、軽くて小さくても低域も音量も足りるし価格もそんなに高くない。
パワーアンプがデジタル化された賜物であるがしか~しかか~し、幾らAmp部が高効率でも実は同音量が得られる電気代はかなり割高になってるのだ。

スピーカユニットを極小化すると再生帯域と能率の両方を満足させるのは不可能になり、低音が出ないと困るから帯域最忖度・能率ほぼ犠牲の図式となる。
それだけスピーカが低能率でもその分沢山喰らわしてやりゃ音量は何とか間に合うが、その為のエネルギー量がとても割の悪い領域へ入っちまうのは仕方無い。

それでいて反エコとか大して騒がれないのは、使用頻度・時間等がかなり限定的だからだろう。
もし万一それを全国の鉄道駅のスピーカ何ぞでやった日にゃ、安全完全無視で国中の原発や火力発電所も総動員フル稼働させたって一瞬で停電するだろうさ。

そしてそんな非最適には効率面以外にも、程度は軽くてもやはり結果に相違が残る。
それがスピーカでは音色的意味合いとは異なった面での音の質等(例えば量感)へ出て来て、小音量では適度と思われたBassが大音量再生では只の迷惑者だったなんてのが起き易いのだ。

なので俺の場合は道具面以外でも1つのソースに対し普通の音量の他に、ギリギリ聴こえる極少と耐えられる爆音の3種でモニタする事にしている。
爆音時にお邪魔な調整なんかになってると他メンバーに下げられちゃって、極少時にお留守にされちゃ敵わんからね。

自分の調子や出来栄えを測るのにその人なりのリファレンスを用いるのは有意義だが、それが聴者の時点でどうなってるかは別問題だ。
なので事後での事故防止には出来る限り出す前に、色んな方法や聴き方をしてみるのが近道になると思う。

何回も良く聴く事は大切ではあるが道具も人もずっと一緒だと、そのコンビが苦手な部分の発見や修正は時間も掛るし聴き逃しも残りそうだ。
細かい点も大事だがそれ以前の段階がクリアされてたらの話しなので、神経質に難しく考え込む前に半分遊びでも良いからどんどん色々試しちまう方が効果が大きいと思うんだ。

<段々ヲタへ向かうのか、否か…>

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