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2019年4月16日 (火)

音創り⑳ AmpのマイキングⅢ

続編最初は一箱にスピーカユニット複数の場合についてで、例に依って少し面倒だが基本特性の確認から始めよう。
誰にでも想像・理解し易いのは能率の向上で、この点は拙ブログを含め頻出してるが今回案件には関連性が低い。
だが周波数指向特性は大いに関係するのに掲出も稀の様で、これを知らずに頑張るのは暖簾に腕押しになるから 僭越乍ら筆を取ってみる次第。

例に依って登場順がおかしいが拙ブログでは断り無き場合、生合奏に耐え得る音色調整がされてるのを前提で綴っている。
ってのも今別件で録音風景画像をちょっと眺めた処、結構スピーカユニット中心狙いのも散見されたからだ。
けれど画だけじゃ具体的な音色バランスは不明で、通常Liveより明瞭度不要のStudioでは高域
控え目にされてるケースも多そうだ。

何しろエレキの高域と来たら爆音量も手伝って喧しい事この上ないから、不要なら下げたくなるのが人情ってもんだろう。
だがそれも本来は離れた聴衆に届かせるのと・爆音アンサンブル内での聴き分けの為なので、目前では好ましくない音色だとしてもある意味当然の結果なのは忘るるべからずだ。

理屈だけで想像するとAmpで出してもMicで補っても構わない気がしそうだが、後者では弾きながらの加減が含まれていない。
なのでMicを含め楽器より後の処理だけで完全補完するには極論すれば、殆ど1音単位で弄らなきゃなんなくなる。
実際に過去の下手俺ドラムでそんな体験をしたが、地道で膨大な苦労の割にゃ不自然な結果しか得られなかったで御座居ましたよ。

2
それでは概念図説明に入るが上段は同一スピーカが複数ユニットになった場合の指向特性で、今回は複雑化回避の為に敢えて中域のみの描写としている。
各ユニットで色を変えてるのは重なりを分かり易くする意図で、違う帯域や音が出てるって意味では無い。
下段は複数でも角度が同じじゃないのの凡例で、当然それは指向性にも影響があるものだ。

上段の内容へ進めるが左2つは2個の場合・右が4個の場合で、2個には縦のと横のがあるが特性も単に90°倒しただけなので各自で脳内変換しとくれやす。
先ず2個のであるが机上の理論と現実には差があるので2倍迄は増えないが、「重なってる部分」は音量が1個だけの時より1.5倍位は優に増加している。

そして「システムとしての指向特性」は距離の増加に伴って範囲も拡がって行くが、図中の「重なりの形」がそのまま拡大して行く。
なので縦2個は横方向への拡がりが1個の時より広くなり、横2個なら縦方向が拡大される。
但し上段最左の如く少しは離れないと重なっていないので、気を付けないとOn Micでは「重なる前のエリア」にMicが入ってしまう場合もありそうだ。

続いて上段右の4個の場合は少し変わっててパッと見音を出す面積が広くなってるのに、全部が重なってる場所を見ると音が大きいのは4つ真ん中の「狭め」の範囲になっている。
聴く場所が充分遠けりゃどうってこたぁ無いが、重なりスタート時が狭いだけに2個のより適正距離が遠いと看做せる。

これがもし3個や5個であっても「中心点を囲む」様な配列であれば同傾向で、所謂指向性が鋭いとか狭い状況をもたらすのには変わりがない。
LiveやOff Micであればパワフルになるが、ことOn Micに限定すると4つあっても殆ど1つを狙うしか無さそうとなる。

そして数が幾つでも共通するのは「全ユニットからの高域が欲しい」場合で、これはもうOff Micにしないと無理だ。
高域は何も細工してなけりゃ前回の如く拡がりが狭いので、交わり始める位置も格段に遠くなる。
これは裏を返すと近くではせいぜい2つ分しか直接は届かないので音量の割にうるさく無くて良いかもで、その面では距離に依って違って聴こえる度合いも少なさそうだ。

但し外見と裏腹な癖を持つとも言えるので奏者の音色調整には配慮が必要な方式で、もし一度も高域軸上へ耳を持って行かずにやったりすると本人には丁度良くても面倒を引き起こす。
「軸上の人々」には「何てキンキンで喧しいセンスの無い奴だ」と思われ兼ねないし、そもそも奏者が意図した音色にそれではなっていない。

この問題は単一ユニットにも存在するが直近の場合個数が増えるにつれ低域の量は指向性に乏しいだけに、どんどん増し盛りされるので低・高域のバランスが違って来る。
Mic位置等で録音で小細工してもそれだけならアリかもだが、Live等での再現性を損ねると折角の晴れの舞台で自分の音色が出せないなんいてのも考えられる。

故に特例状況下を除き録音で下手な忖度何ぞにふけるより、奏者は先ず単に求める良い音を普段から追及しておくのが必須だ。
技師としても良い意味で出来上がってる方が楽だし、より良い音へ持ってける可能性も高くなる。
もし無理くり加工を職人の技なんて自慢してる技師が居たら勘違いで、そんな輩は折角の名人を迎えた暁にボロを出す羽目に陥るだろう。

次に概念図下段だが左は前回「昔の標準」と言った一時期のFender Bassmanの独特な様子で、正式名称は年代順にSuper Bassman~Bassman 100~Bassman 135だ。
その右は同じ4ユニットなら馴染みのあるMarsall系の但し上半分が傾斜してるタイプの例で、前者は真ん中へだから集中型・後者は拡散型と正反対だ。
尤も前者は「交点」より遠のけば二度と交わらないので、拡散型でもあるとは何とも変態的だ。

後者は下手したらどんなに遠のいても超高域(つっても電気楽器帯域だが)は上下が「混じれない」かも知れないから上下泣き別れ型とでも仮に命名しとくかね。
俺言い「泣き別れ型」ってば4個の狭指向性を補おうとしたか、恐らく唯一だが通称赤ノブのDual Showmanのが該当する。
また角度が縦と横で違うし数は半分だが黎明期の非力なAmpでは結構頻繁に見られ、どうせ遠いと聴こえないならせめて近くなら何処でもって発想だったんだろうか。

俺は年寄りなので😢!?Bassmanのキャビネットの方式は昔から知ってはいたが、今回確認の為に調べて「傾き度合い」が想定を大幅に上回ってたのには驚かされた。
昔のFender系にしてはキャビの奥行が例外的に深かったが、てっきり密閉型の容量稼ぎの為と誤認していた。

設計に録音時のOn Mic想定が含まれてたかは知らんが、こんなに傾けてれば結果的に交点は保護ネット直近になる。
のでスピーカ複数ユニットで・Micは只の1本だけで・全ユニットのほぼ軸上で、Onで収録可能なキャビネットは俺知りでは唯一の存在だ。

こんな面も業務用標準だったのかもだが欠点も色々あり、今でも用途限定なら使い出は充分なのだがかなり前には作られなくなってしまった。
Bass Ampは昔からGuitarのより販量が少ないからかモデルチェンジや統廃合も多いが、Ampeg SVTみたいな例外もたまにある。

このBassmanの音色はスピーカサイズ12inchが災いしたかいささかナローレンジで、僅少だか俺過去体験では近代的な音色は苦手で低・高域の伸びが足りなくその面ではあまり良い印象は無かった。
それを分かってたかFenderでもDual Showman Reverb Bassって上位機種が存在し、こっちは15inch×2だったがバスレフなのでOn Mic1本こっきりには非対応だ。

結局On Mic1本収音限定とするとBassmanの以外は殆どユニット1つしか狙えなく、キャビネットエンクロージャが密閉型以外のも対象外になる。
フィードバックさせたりすればユニット数や面積で反応に違いも出るが、それ以外の場合はOn Micだとユニット数は関係の無い話しとなる。

そして良し悪しは別としてかつては合奏が当たり前・今では個別録りも一般化となると、演奏に支障しない限りスピーカの数は要らない事になる。
勿論数が違ってもその人の「いつもの音」が出せる条件は必定だが、個別録りならOff Micでもそんなに困らなさそうとあちらを立てればこちらがな話しだ。

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