音創り② バスドラのミュート編Ⅱ
太鼓ミュートって案外奥が深く多岐に渡るので、今回は俺言い「アタックゴースト」対策限定で行きやす。
踏み方としては以前から述べた通り止めるにしても「柔軟対応」が最適・必須で、特に「低音もちゃんと欲しい」のならコレ一択だ。
だがミュートの仕方でも結構な差があるのを今更で知ったが、一言でだと「打点近辺が自由過ぎると不利」となるのだ。
但し自由っても打点にビータが喰い込む込まないとか皮が波打つとかじゃ無くって、皮の中心部が奏者側から前後へ「何時までも動け過ぎたら」であるよ。
ドラムセットでは通常バスドラは銅鑼みたいな余韻の長さは無用だし、どんなに引っ張った処でアタックと余韻の音量差が大き過ぎて余韻は短時間しか聴こえんからね。
因みにオーケストラのとか大ホールでのOpen奏法のはそこそこ余韻も聴こえっけど、あれは盛大な残響(エコー)に強力にリリーフして貰ったからなだけですぜ。
それだって他楽器に近い音域で継続音を鳴らされた日にゃ、ハッキリ聴き取れ聴き分けられんのは結局殆どアタック音だけでしょう。
尤もアタックと余韻の差が大きいのも打楽器の大事な個性で、例外は黎明期のシンセドラムやCymbal等の金物位なんじゃないかな。
しかも黎明期シンドラの音自体は昔のアナログシンセなら大概は必ず出せる音で、単に発音指令が鍵盤じゃなくパッドになったからそう呼んでみました的な代物でした。
今回案件だと従兄の所のバスドラの皮はRemo CSで、中心部が2重張りで硬めなのでこれもどちらかってばゴーストには不利な方だ。
Speedkingの動作雑音軽減策で述べたが、何かが接触する時それが「硬い物同士」な程高音域雑音が多く出てしまうからだ。
皮の硬さは張りの強弱(ピッチの高低)でだって影響はあるが、それは主に全体の振幅(皮のストローク)に対してだ。
それ故アタック強調目的等で打点に後から張るヤツなんかも売られてて、実際効果はあるがアタックゴーストに対してはマイナスに出るのが多い。
けれども原因が踏力不足なら止める力も「充分弱い」だろうし、Open踏みで「余韻の頭部分の音量が大きい」せいで相対的にアタックが小さいなんてのならこのマイナスは出ないからご安心を。
恐らく従兄はアタックが一見太目になるからCSを選択したんだと思うが、皮についてはキリが無いから別項へ譲って本題へ戻ろう。
例えば俺だけか不明だが未だにCrashの短間隔連打の安定性に苦手意識があり、相手もこっちも動いてるから「当り」が不安定になって仕方無い。
結局は太鼓のリバウンドと一緒でリズミカルに揺らせば良いんだろうけど、音量・音色の都合もあるからタイミングだけに忖度なんか出来るかよとつい不貞腐れちまってる。
でバスドラは元が目立ち難い音色の分金物系よりそれを重視しなきゃなんないのが多々だから、尚更ビビリ防止の為にタイミングを計るなんてのは論外だ。
尤も太鼓の皮はCymbal程は動かないが、メロタムやSnareと比べりゃバスドラのそれは簡単に目視出来たりするよね。
しかも一番動きが遅く音としてはもう殆ど聴こえない位になっても、他のより皮はまだそこそこ動いてるのだ。
そこで上記の「音として聴こえない揺れ」はゴースト君助長にだけ有効と百害あって一利無しなので、今回案件にだと「止め方の達人」以外はミュートした方が安全な様だ。
さて不意に従兄が彼のノートパソコンの電源を入れたからどうしたかと思ってたら、以前リフォーム時にサービス!?でデスクトップ背景にIan PaiceのMachine Head録音風景を入れといたのを確認する為だった。
一般的なボロ布ミュートみたいだが俺も改めて見てみると入れた張本人の癖に気付いて無かったが、他より皮の打点近くだけ高く触れる様な按配となってるではないか。(@ ̄□ ̄@;)!!
ではまとめて図示するとしますか。
図説は上段左から行くが最初は前回記した「スポンジミュート」の装着状況で、次の水色のが一般的な布等によるミュートの様子を表したつもり。
因みにこれ式の中には切り刻んだ古新聞だとか、フロントヘッドを付けてる場合は(穴の有無に依らず)細かい物を入れるのもある(った!?)みたいだ。
1つ飛ばして上段最右が普通の帯ミュート(大抵はフェルト使用)で、左隣の敢えて飛ばしたピンクのヤツが上述の「変則」の状況である。
真ん中で三角に尖って出っ張らせるなんて妙な景色だが、恐らくは皮振幅阻害を避ける為に「厚さ」を減らしたかったからだと推察される。
つまり普通に丸めたり折り重ねた布だと厚みが出てしまうので、それより「少ない枚数」しか触れない様に工夫したんだと思う。
だがそのままでは布は直ぐに倒れて皮から離れてしまうので、折り目に依って「芯を作って」適度に抑制させてる様に伺える。
これの目的が俺言い「アタックゴースト」防止かは不明だが、従兄の処で彼が踏むのを俺が色んな位置を手で臨時ミュートした限りでは効果最大であった。
怪しげオッサンの大代表たる俺様なのでこの意図は皆無だったが、宅現況は下段の緑みたいな事になっている。
俺は穴無し両面張りで左が打面で右が表の様子だが、表だけ2本になってるのにロクな意味は無い。
単に手持ち廃物利用で帯ミュート実験をしてみた都合で、最初に普通っぽい巾のを2本切出したのが理由1。
しかし俺の所望には普通巾のだと両面に施してもミュート不足で、実験結果的には極端な巾広が要るのが分かった。
本来なら巾広2本を素材から切り出したかったが、そこまで取れるだけの残りが無かったってのが理由2でこうなっちまってる。
打面側に「一体物」を持って来てるのはレゾナント側(表)より強ミュートが要ったからで、殆ど気休めだが一応分離してないのの方が「切れ目が無い」分だけ面積が広くなっている。
これに至った原因を掻い摘んで披露してくと、俺がアタックより低域量に拘ったのが根底にある。
また近年は漸く改善出来つつあるが奏者的には、元のタイプとしては俺はアタックが目立つ口だったのもあろう。
さてさて難癖付ける気は毛頭無いが、件の「スポンジミュート」が本件では何故不味かったかを分析してみると以下の様になった。
①表面を指先1本で押せば充分に柔かいんだが、面で全体を押してみたら思いの外硬かった。(皮とスポンジは当然面接触)
②外周部しか抑止しないので鳴りを妨げないのは良いが、打点部から遠い所へのみの作用なので強く押し当てても揺れ終息がかなり遅かった。
要はかなり弱くても構わないが打点の近くで僅かでも皮の動きが抑制されてると、俺言い「アタックゴースト」は避け易いみたいだったのだ。
但しこれは太鼓の出音がミュート無しでもかなり短めな減衰音だからで、絶対的最大音量はミュートする程低下する。
なのでその分鳴らす強さが要求されるがその度合いは弦楽器のハンドミュートと近似で、アタックの音量より余韻の長さへの方が数段影響が大きいものだ。
また余韻は足りるだけ得られれば良いが、今日の多くの場合は「ちょっと」あればOKだ。
また余韻が長くなる設定になってる程脚に依る「止め」の強さ速さが要って来て、そうなる程止め難いしどうしてもビビらせ易くなるもんだ。
もし本件でお悩みの方が居たら、「ミュート位置」の再考が助けになるやもと思った次第でした。
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