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2019年1月15日 (火)

PAオペレータも神じゃない②

職種単独で取上げたら神様若しくはみたいなPAオペレータも居るが、音楽全体から俯瞰したらどんなに凄くても一介のスタッフに過ぎんのだ。
楽器じゃないのを駆使してとか歌わなくてもそれに近いのとしたら、強いて云えば近年のDJ辺りか。
昔のラジオのDisc Jockeyと違って主に編曲の部分だけだが、直接音楽を作ってるから。

それだって元ソースの円盤が無けりゃ仕事にならん訳で、ミキサー(音響卓)の操作だけで作れる音楽はほぼ無いに等しい。
奏者だって譜面なりメモ録なり何か無いと弾けないが、一般市民は譜面を読めてもそれだけじゃ頭の中に音は鳴らないのでこの辺を境界線としとこうか。
では神に近いのはってぇと、自作自演の弾き語りの人辺りでは無かろうか。

その人が居ないor演んなきゃその音楽は存在しないのだから、音楽的には天地創造みたいなもんだ。
尤も宗教でもそうだが正しいとか優れてるってのと人気や一般性は別物で、流行り廃りやニーズに左右され不人気な神様だっているわな。
でもだからってどっかの女優さんの失言or曲解みたいにスタッフに価値が無いってんじゃなく、そうだったら一翼を微かにでも担う事もある俺の存在価値も否定される。

要は物には順番があるのを訴えたくて、幾ら頑張っても後ろへ行く程「出来る事」が限られて来るのに気付いて貰いたいのだ。
概述俺過去経験ネタの「一般Live Houseで三味線」の一件も、誰も悪くは無いけれど救いが無いとも言える状況だった。
もし当時店長の従兄の今は太鼓の先生がもう少しMic知識等を持ってたなら、安請け合い紛いには仕事を受けなかっただろうから。

この時の最大案件は実際通り或はそれ以上に「柔らかく集音」出来るMicが無かった処で、俺が急遽呼ばれる迄見落とされていた処だった。
それらしく聴こえるMicが無いと誰がやったって、せいぜい「みたいな」音しか出せっこ無い。
特に当時に於いては先ず前例が見当たらなかったから、どんな慎重派でも店側に準備の発想すら浮かぶ余地が無かった。

そんな中でもし何とか出来るとしたら、自らの楽器に詳しい奏者だけだったと思う。
三味線をLive Houseで聴かせたい本人が少なくとも妥協可能なだけの音が得られるMicを持ち歩けば、何処ででも最低限が保障される訳だ。
プロ相手の一流の現場にしても全てのレアケースには対応し切れなくて当然で、でもレアなだけに誰が頑張るにしたってもし実現出来たらその価値は高い。

もし適正Micの持込みがあってロクな音が出せなかったなら、その時が初めてオペレータの過失なのである。
奏者だからってあらゆる楽器を持ってなくても普通なのと同じで、オペレータだって会場だってあらゆるMicを無制限に用意出来なくても何の不思議も無い。
例えアブノーマルでも面白そうなアイデアの実現には、やはり提案者が一番責任を持つのが実現性が高いのだ。

他人の力を借りるのと頼るのではこう云う処・時に差が現われるが、ホントは不要なのに常時PAなんてのに慣れ過ぎると誰でもやらかしそうだ。
例えばエコーの掛け方1つにしても、Reverbだったらオペレータの方が上手そうだ。
奏者は弾いてる間中ずっと客席には居られないし、その会場自体の響きについてなら「何時も居る人」の方が詳しい。

しかしフレーズの最後の音だけDelayを○回なんてのならもうフレーズの一部とも看做せるから、奏者側が責任を持たないと難しいだろう。
なので音楽の内容に直結してる部分をオペレータに委ねるのは、誰かに急遽飛び入りで弾いて貰うのと同じなのだ。
そしてこれの理解度が高いのは、極力自分達だけで演れる様な人達がそうなれるもんなのだ。

オペレータと意思の疎通を図るのにPA知識は無いよりあった方が助けになるが、オペレータ側にとって最も必要な情報はその人(達)の音楽自体についてだ。
音楽だけに詳しい演者は最初の暫く慣れる迄の間は試行錯誤を要するだろうけど、「PA氏が知りっこない部分」はオペ君に期待しても無駄だからね。

また良い意味でPAに依存しないのはどんな感じかっつうと、例えば分かり易くGuitar SoloだけPAで補ってくれとかだ。
それも曲のココとアソコと等と伝えるんじゃなく、「舞台のココより前へ出て来たら、音出して」等と頼んどくとアテに出来る確率が高い。
これもある程度経験があったら分かるんだが、録音と違ってLiveはリアルタイムで一回こっきり。
PA氏のレベルがどうあれシンプルな程ミスが起こり難いのが確かだし、PA氏はもっと大事な仕事を他に受持っている。

奏者なら弦が切れたとか皮が破れたはある意味自己責任だが、PA機器の何処かの不具合等は
PA氏側の責任負担だ。
つまり音楽は演者のだが単なる「音」については
PA氏の責任で、この部分は特に演ってる最中に起きれば奏者には為す術が無い。
しかも大抵
PA氏はBandメンバーより人数も少ないので、そっちだけは何があっても何とか対応せねばなるまい。

例えば奏者がエキサイトし過ぎてMic位置がズレるとかケーブルが抜け掛るとかは、想定外だったとしても極力助けてあげるべきだ。
先に注意点を伝えといて奏者に悪意が無くても、彼等はそれ以上にパフォーマンス自体を何とかする勤めが課されている。
もしそれが壊す程でないのなら続けさせてあげる為に、力を貸すのも音楽を聴かせる仕事の内だろう。

では敢えて比較の為にもしPAオペレータが神だったらどうなるのかだが、奏者はDJの扱う「円盤」(レコードでもCDでも)と化すのを要求されるだろう。
そうしないとどんなに絶妙にフェーダーを上げ下げしても、想定通りの音が得られなくなるからね。
尤もそうなると奏者のでは無く、PA氏の音楽にしかもうならないけどさ。

結局上手な役割分担が出来てるとPAだって最高の結果へ近付けるが、全体の完全把握には奏者・PAの両方にかなり本格的な経験値を要す。
これは個人の努力だけでは無理で、場を与えられる等の運や縁も要るから誰でもとは行かない。
ではどうするかってば最短コースでは無くなるが、どっちか片方だけでも極力把握し切るのだ。

自分の側で可能なのが分かれば、相手にお願いするのは自動的にそれ以外となる。
これが時に運悪く或は元から不可能な事で無い限り、必然的に頼れる部分である事が大多数となる。
それにどちらでも出来る事が多くなれば一方がミスってもフォローが入り易くなり、そうして気が楽になればミスが出難くなると好循環になるからお得なのよ。

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