邪道シリーズ③ 無理ムリ延命措置 L-1286図説編
とっとと概念図を提示するが、飽く迄私的実験なのを先にお断りしておく。
俺的には昨今何処ででも目に付く「自己責任で」は使いたくないが、俺自体が珍しいケースとも思うので他所でまんま模倣は困難だと思われる。
けれど傾向とか具合を知るには誰でも参考になりそうって、そう云う意図だ。
図説は左が新品でその次が俺式向き癖軽減対策(後述)で、右から2番目は宅の消耗品で右が今回の実験実施状態だ。
又オレンジ色はゴム系ボンドで赤がワッシャ・青がナット、大変見難いが緑の線みたいなのが隙間埋めのプラ板でこれも後述する。
1.我流向き癖軽減策
フェルトは方向がランダムな繊維の集合体なので、特殊製法でも用いないと重心がセンタに来ない様だ。
その為踏んでる内に特定箇所だけが当たる「向き癖」があるが、そのままにしとくとそこだけが他より早く消耗してしまう。
これが電車の車輪だと「フラット」と呼ばれるもとのなり、円周上の一部が平らに近くなるせいで転がる度にガタガタとかドドドと騒音を発して大変だ。
ビータではそこ迄深刻とはならないが、打面の形状・面積が違って来れば音にも操縦性にも何らかの差異が出るのは避けられない。
また平面的になる程回転し辛くなり、それで余計に同じ所ばかりでぶつ様になるから偏摩耗が一層進んでしまう。
ここで考えられるのはフェルトが回転しない様固定すればだが、完全固定となると今度は向きが変えられなくなるから却下だ。
そこで手で意図的にやれば回せるが、少し回り難くするのを探った。
尤も元からの個体差もあるし、消耗度が低い内は余り不要な物もあった。
Ludwig L-1286は構造上フェルトは非固定で、位置保持は上下のクロムメッキされた鉄板で挟んで為されている。
この鉄板下側はフェルト部とそれ以外部のシャフトの太さ差で、上側はシャフト先端を叩き潰して大きくして保持されている。
宅のSpeedking初号機付属品ではこの「叩き潰し」が不足だったらしく、1度外れたので叩き直しをした事もあったけ。
そう云や大昔にも1度経験した様な気がしなくも無い。
は置いといて戻るが、故に鉄板も自由に回転出来る構造だ。
軸:鉄板:フェルトのどれ間がより回転し易いかを調べると、軸:鉄板間が金属同士だからか動き易かった。
一方フェルトは軸に対しては無制限だったがプレス加工された鉄板の縁との抵抗でか、ほぼ鉄板と一緒じゃないと回らないのが判明。(未加工時)
それで上下鉄板と軸間をゴム系ボンドで止めてみたが、上側は軸端で面積僅少の為直に剥がれてしまう。
本来両面固定の方が回転し辛くなって良いが、片方だけでも曲の途中位迄は一ヵ所だけでぶつ事は無くなっている。
2.無理再生施工
その前段階として必須の消耗状態から行くが、外見上は単にフェルト上側中心に摩耗して小さくなっただけだった。
だが手で回転抵抗を確かめたらもう全然無くなってて、それ以外にもぶつ時にグラつきが出そうな位全体が緩んでいた。
金属系は未だしもフェルトは力が掛る部分も摩耗したらしく、ってこたぁ上記対策だけでは効果は逸失しそのままだと偏摩耗が加速されそうだった。
代用重り追加で音量・操作性を復元出来ても、回り過ぎからの偏摩耗とグラつきからの雑音等を回避出来ねば意味が無い。
そこで過去にSpeedkingの雑音低減策でやったの同様、軸用の穴と嵌める為の切り込みを入れたプラ板を下鉄板とフェルト間に押し込んでみた。
これについては概発表済みなので必要に応じて、過去記事を参照願います。
因みにフェルトの下側としたのは、前述の如く上鉄板の固定が不安定だから。
この段階で今後の寿命等は不明・未明だが、取敢えず俺の用途には足りる状態が復活出来た。
ここでビータフェルトの回転について、過去記事重複をなるべく避けるつもりでもう少し論じよう。
現況俺は正確な理由は把握し切れて無いがフェルトが円筒形のだと、無回転のってのは知る限りでは思い当たらない。
演奏時無回転になるのは近年の狭めの面で打つタイプの等で、これはコスパは悪くないが消耗は早くなるだろう。
消耗早しってぇのは例えビータ側が持っても打点面積が狭いから、皮側の方が持ちそうにないからだ。
少なくとも同一人物が同一音を出すならば、そうなると思われる。
またこれも過去ネタだが昔常用してたPearlのビータはボルト締め式だったので、随時増し締め+随時人力回転で一点集中を回避させていた。
したっけ何時の間にかフェルト本体が横方向に、正に扁平して縦寸法が足りなくなっちゃって駄目でやんの。
これって確か長寿命ハードフェルトとか何とかの売り文句だったが、減りが遅くたって簡単に扁平するとは想像付き難いじゃんか。
尤もビータの寿命が長いったって、スティックやGuitarのピックと比べりゃなのかもだが。
そんなこって円筒形フェルトのは回り過ぎると困るが、完全無回転は困難だしどうもよろしくないみたいですわ。
要はお馴染み「手足一緒論」のお出ましで、バチのグリップは状況に応じて強さは「手加減」されてるのと同じなんざんしょ。
もし足指でビータが掴めでもしたなら、難しくてもこれが理想へ近付けそうって按配やね。
勿論無理だから他の手を用いるんだが、多用途対応を考えるなら「回り難いけど回る」がベターですかねぇ。
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