Hi-HatとそのStand⑱ クラッチと余談 編
今週(昨日)の収穫は、DWのHi-HatクラッチSM379の試奏体験だ。
このクラッチ案件は従兄の太鼓の先生由来で、宅のYAMAHA HS-710を持参した処から本格化した。
最初は彼の教室にある近代スタンドと宅の中古骨董との違いからで、この辺は以前記した通りだ。
その後の研究で彼は海外一流人の使用アイテムの共通項を発見したが、それがクラッチとそのフェルトだったのだ。
彼曰くスタンドは様々だがクラッチはほぼ2種類しか無く、フェルトに至っては上側は大多数が灰色で薄目のばかりだったそうだ。
けれどフェルトなんぞには当然ブランド名や型番等書かれておらず、これの特定が第一関門であった。
こんな場合に時々役立つのが俺様の変な勘で、早々に行き当たり大当たりが偶然出た。
元のお目当ては昔から変わらないYAMAHAの灰色のフェルトで、これは俺所持のの更新用に徒歩5分と至近のカノウプスで買った事があった。
確認の為一応ネットで調べたが、その時半ばついでにカノウプスのオリジナルスタンド用のフェルトが安価で売られてるのを発見した。
買う時不思議に思ったのはホントのバラ売りになってた処で、普通上下に要るから同じ物のならセット販売されてる筈なのである。
それを従兄が見た処「多分コレだよ」となり、確かに最近は灰色ってとても少なくなったしそんな薄いのは調べても他には殆ど見当たらない。
実験結果については概述なので過去記事参照願うが、どうやら単品で欲しがる人が多かったからそうなったらしい。
つまり多くの者が「上側だけ」これを使いたがってるらしく、下は恐らく上記のYAMAHAのを使ってるみたいなのだ。
俺だったらそこで納得して終るんだが、専門家の従兄は続いて「クラッチ怪しい」と拘り続けたのだ。
YAMAHAのクラッチU0631090(安い方)はシャフトに止めるツマミのデザインこそ新型化してるが、それ以外は一点を除き宅のに付いてるのと違いが無い。
その差は宅のは初期型なのでボトムを止めるハンドナットがプラ製で、後期以降現行のはアルミ製って部分だ。
従兄はこれを買って試してGOサインだったが、それでもまだ気になる処が残ってると言った。
それはYAMAHAのクラッチが細目シャフト対応な処で、自社の仕様に従った結果一部他社の太めのには使えないのだ。
前述の如く「スタンドは様々」だと使えないのもある筈で、もしや太軸用代替品がDWのなんじゃと彼は推察したのだ。
それで彼が注文してたのが丁度届いたってんで、早速実験開始したのだった。
結果的に彼の目論見は大当たりだったが、音色等はYAMAHAの方が好みだったって辺りが何とも彼らしいオチ!?か。
体験した限りでは他の近年のより遥かに良好だったが、それでも設計が骨董のYAMAHAのよりは薄手・柔らか目Cymbalへの適応は劣る様だった。
そこで普段は生徒用・俺がお邪魔中は俺様専用!?のドラムセットの方へ装備する次第となり、小一時間位とは云え連続で体験する事が出来た。
因みにこのセットのはHatがZildjan New Beatにしてあって、従兄の先生用のよりは厚手で重さもある。
でインプレとしては付属フェルトのままなら兎に角操縦性が秀逸で、スタンドが俺には若干苦手のTAMA Lever Glideでも楽に思い通りにプレイ出来た。
苦手の理由は踏力が少なくて済む代わりフットボードのストロークが大きいからで、普段俺は踏むというより重さの乗せ加減中心で演ってるからなのだ。
それがこのスタンド+鷹揚反応のYAMAHAのクラッチだとしっかり確実に足を動かさねばならんので、未だ慣れずどうも不足しがちなのだった。
ちょっと面白かったのはDWの付属フェルトは色は灰色なんだが、厚みはあるしかなり硬かった処。
これ迄の体験では硬いのだとCymbalがちゃんと全部鳴った試しが無かったが、これは良い意味で稀少な例外であった。
硬いけれど隙間が空かない位に調整しといてもCymbalの動きは全くスポイルされず、鳴りに貢献してるらしき材質の関係から灰色をしているのかも知れない。
一方我々お気に入りの音の良いカノウプスのはその薄さが災いして、柔らかくても充分動ける様にするには隙間が少し必要だ。
この隙間とフットボードロングストロークスタンドが組み合わさると、かなり精緻な操作が何時も出来てないと意図した状態が得られなくなるのだ。
それがDWのだと一寸でも足が浮けば直ちに緩んでくれるので、ほぼ誰でも手よりは必ず動作が大雑把になる足にはとてもフィットしてたのだ。
この結果を受け従兄の先生は、これを当分は生徒用に確定した模様。
これで普通ならメデタシでさあ次へと行かないのが拘り派!?の従兄で、更にもう1つ別件で悩みがあると言う。
先生用ドラムセットでFloor Tomのエッジ寄りを叩くと雑音が出るんだそうで、協力して調べた処俺的には胴のエッジとヘッド(皮)のエッジ部から発生してるとの診断結果だった。
今彼はかつてない程のローピッチとなってたので、エッジ部形状の不一致を疑ったのだ。
ローピッチ好きの俺にはそれが為、求める処までピッチを下げられなかった
過去経験があったからだ。
ヘッド張力が強ければ半強制的にフィットしてくれるし、摩擦雑音もまず出ない。
だが逆条件の際は形に違いがあると、叩く度に少し擦れ乍らエッジ部が動いてしまうみたいなのだ。
これを彼は最初持っていた「エッジグリース」を試そうかと言ったが、万一シェルに浸み込んで音色が変化してはと危惧し待ったを掛けた。
代案は生徒用にしてるセットに付けてるメーカ違いのヘッドとの挿げ替えで、もしそれで収まる様なら手間だけで済むからね。
これも当りが出てくれたがその他に太鼓のラグの内部からも少し雑音が出てたらしく、こっちは取敢えず諦めろと言っておいた。
少なくともOn Mic収録だったら距離差と指向性のお陰で、気になる程ラグ内部雑音は拾わないので。
それより弥次喜多珍道中みたいになったのは、両方の太鼓の音色が良くなった事だった。
先生用従前はTAMA Art StarへRemo Clear Emperor、生徒用は初期型TAMA ImperialstarへEvans G2 Clearだった。
この従前状況では俺的には正直Art君の音って値段不相応に安っぽくて、Imperial君は一緒に叩くと埋もれ易いとずっと感じていた。
それがひょんな事で一気に解決しちまって、Art君はちゃんと高級な音にImperial君は埋もれない上良い意味で「普通の音」に変化した。
Imperial君の方は大昔従兄が購入当初に叩いた時の音が蘇り、俺にはとても懐かしかった。
これの原因は今は推察の域を出ないが、ヘッドエッジ部の形状フィットで安定度が上がったせいだと思っている。
太鼓のエッジは音色もだが、何と言っても鳴りに直接影響するからね。
普通は俺もそうだがエッジってば胴の方ばかりに気が行くが、現実には皮の方が原因でも合わなけりゃ同じ事だ。
因みに従兄の先生からのプチ知識で、昔からRemoのは薄いのでも割と硬くEvansのは柔らかいんだそうだ。
そのせいかRemoのはアタックの明瞭度には優れるそうで、俺得意の逆転発想だと柔軟なEvansはこんな部分でもローピッチに向いてそうだと思った。
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