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2018年12月17日 (月)

真実の音質とは⑫ アンサンブルの厚みと実際の楽器数編

プチ編曲の勧めを勝手にぶったので、意外体験をした参考例を挙げるとする。
ここでの意外は聴いた印象と実際のトラック数が不一致で驚いたので、例えばGuitarが10重ねてあると思ったのがだった2つだったとかの類だ。

①Stevie Wonder-Superstition(迷信)
出た当初から聴き続けて45年余り、かなり最近に真実をやっと知った。
何でも演る人のでサビ部分は賑やかなので、さぞかし重ねてんだろうと思ってたら見事にハズレでした。
特に俺が騙されたのが使用楽器の種類の少なさで、ドラム・シンセベース・クラビネット・ホーンセクションだけだった。

この内ラッパはサビ前・サビとエンディングだけだから、それ以外の箇所は種類は3つだけしか無い。
クラビは妙に沢山重ねちゃいるが、厚みにはかなり縁の薄い音色が持ち味だ。
ラッパは4本だけと至って並でクラビ以外は歌も含め、何と重ねが
一切無し。
但しクラビはほぼ全て違った弾き方になってて、つまり音色は1つでも実際に様々な音が沢山って事になってた。

②Queen-らしいの全般
これは考えてみたらで驚きは無いが、初対耳ではかなり仰々しいと感じた。
だからさぞかし何でも重ね捲ってるイメージがあるが、ちゃんと聴くと極端な2極化の奴等だ。
GuitarとChorusは際限無い感じだが、それ以外のはまず滅多にちょっとも重ねて無い模様。

俺が感じた仰々しさの原因は楽器数よりハーモニーの構成音の多さが原因で、決して音数が少なくは無いが重なりは異常に少ないのが独特だ。
一般的にはGuitarだと同じ演奏内容のを異なるトーンので重ね、それで膨らみを得てるのが多く単一楽器のユニゾン系だ。
また俺言いハーモニー系は他でもよく耳にはするが、多くはアンサンブル内の「どれか1つ」のみがデフォルトみたいだ。

上記2つは特定楽器の一部を重ねた物だが、中には重複が殆ど無く楽器の種類だけが多いパターンのも対極的に存在する。
これ等組合せに特段ルールは無いが、楽器の性質等の関係で何でも同じ様に重ねられるもんでもない。
それを目的・課題としたの以外でドラムセットやBassの重複は少なく、これの全く同じに演ってるの2つってのは俺の記憶には登場していない。

この所謂「ダブルトラック」って技は歌声の補強策等が代表実施例だが、俺体験では必ずしも成功しなかった。
歌った1回目と2
回目が適度にズレてると効果が高いが、妙に一致し過ぎてしまうと単にボヤけた感じになるだけだった。
そうなる様ならShort Delayでも掛ける方がマシだったりで、フィーリングは近似・明瞭度は維持となり2回歌う意味は少ない。

楽器だと大抵はモデル違いとか音色違いのを用いるから上例よりはマシになるが、それでも違う人2人で演るのより効果は小さい。
前回(別シリーズ)で紹介したSnareとCongaの場合楽器も一応別だが、それ以上に「発音方法の違い」が気にかかる。
バチと素手では叩かれたのの反応は当然かなり違ってるだろうから、上手く音が合成されれば元のどちらとも違う音が得られる訳だ。

先述の如く不適切な機器の高性能化で、現代の録音ではこの手の技の効力が減少させられたのは残念だ。
それでもである、機器の音の分離度・分解能に頼れば入れた数は確認可能。
だが例えば5本分聴こえれば太くなったり存在感が増すかってえと、それは今でも全く別件である。
意外かもだがしっかり演れてたなら、実は単体な程これらが獲得出来るもんだ。

原点から考察して行くので先ずはClassic Orchestraの生聴きを取り上げるが、音場空間と広がりは広大だし全体としての力は絶大だ。
でも楽器から耳への距離は遠いので1つづつを取り出してみると、地味で存在感はどっちかってば弱目だ。
これは多数のを融合させるには必須の性質で、もし無用にどれがが出しゃばり過ぎるとその陰に隠れるのが出て来て全体としては音が減ってしまうからだ。

凡例僅少だがRockでそれを演ってみちゃったアホなのがあって、
WingsRockestra Themeってのがあるが状況は同じと感じられる。
極端な話し他に何にも無かったら幾ら目立っても構わないんだから、無制限一本勝負も可能。
これは演奏力が足りないと達成出来ないけれど、制限がキツい程見込みも無くなるのは定かなのだ。

今の録音で数を増やして効果が本当に出るのは、それまで入ってるのと違う音程のだとか違う楽器の場合だ。
因みにClassic Orchestraの登場時は1台で沢山音が出せる楽器は僅少だったし、録音不可・Effector皆無と今のBandのとは目的がチト違いまっせ。
また俺体験では楽器の音自体へ耳を向けると、なるべくエコー等が何も掛って無い方が却って太さが際立つ様だった。

残響系は膨らみはもたらすが、太さとなると楽器音のせいか響きのせいかはハッキリしなくなって来る。
それに何より視覚無しで音だけの世界では、比較対象も音しか無いから「落差命」なのだ。
そこで色々な表現や誇張をするには、各々目的のの「逆」のも近くに用意しとかないと効果が出せない。

近年J-POPに見られる常套手段の簡略フレーズを使い古されたパターンで用いる編曲は、原理的には最も薄く地味になるものなのだ。
どんなに後加工を施しても華やかにするには、元の音の(違う物の)数や種類が少な過ぎるのだ。
隙間を無くして騒々しさが出た処で、うるさいと賑やかは違う。

近年大手での内部実態を知らないから何だが、例えばBandのにストリングスを付けるの専門のアレンジャーとかが昔は居たのだが。
生では生の迫力がある反面予算その他でゲストプレイヤーは制限されるが、無観客のハコではそれが丁度逆の条件となるのに今昔は無い。
制作側も非ナマならやり直しが出来るから作り込めるし、聴く側も聴き直しがやはり可能だ。

となると必ず聴いた1回目で全貌把握が出来なくても構わなく、寧ろその後に何も出て来ない方が味気なく感じられるだろう。
一度に全部と思い過ぎちゃってんのかなぁ!?。

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