真実の音質とは⑧ 音質にも色々あるの編Ⅶ(マスタリングⅡ)
てな訳で(訳は前回迄のを読んで)、現代本邦の流行・大手式を完全無視して続けて参ります。
今回最初に取り上げたいのは、音楽に於ける視覚と聴覚についてからだ。
ここでは題にある如く主に録音現場ででの話しで、昔と違って今の機器には立派なメータが付いてるが…。
諸悪の根源推測①:音の処理なのに「メータ監視」に拘りすぎちゃった?
集団音楽演奏を実体験すれば分かるんだが、人耳にはバランスは影響大・僅かな全体音量の増減はスルーとなっている。
耳にOKならメータへは「目を瞑る」べしで、無用加工は副作用のリスクありだ。
唯一の例外はデジタルなのでレベルオーバー、アナログみたいな忖度は一切御座居ません。
諸悪の根源推測②:機械と人耳が感知する音量は違う
音色等次第で耳に同一音量でも、電気的レベルは同一とはならんとです。
ここでの注意点は同じ楽器でも音程その他等の僅かな違いで、「元のの聴こえ具合」が激変する場合がある処。
人力なら例えばドの音の時だけ弱くとか簡単だけど、機械でそれは無理。
曲や他楽器との組合せでも、どんどんこれが変化して行きます。
諸悪の根源推測③:楽器バランスは各々の均一化だけでは獲得ならず
これが通用するのは短めのループ音源だけで、機械に依る音量や密度調整等だけでは耳には不足します。
実際の必要加減量は少しで足りるが、施すべき場所と量がとってもランダムだからなんだわ。
膨大な量の計算は機械の方が得意だが、曖昧とかまちまちとなると人間様の領域なのよ。
諸悪の根源推測④:クリック使っても耳にはリズムが不正確
正確なテンポは物理的限定ならメトロノーム通りだが、楽曲となって様々なフレーズになると耳には不正確になる事があるのだ。
人耳は測定器では無いので、音によって聴こえ方が変わる場合があるのだ。
海外の猛者達はクリックにも合せるが、同時に対人耳を優先した微調節を常時随意に行っている。
彼等は寸分違わずも出来るけど、聴くと変だから没にしてと皆言うでしょう。
これは打込みでも時々発生する現象で他人がどう処理してるかは知らんが、過去にどうしても耳におかしいのを修正した経験もあった。
最初は入れ間違ったかと思ったが、確認するとそれは無し。
でいざ再生させると何度聴いても「ここだけもたるな」で、お試しでわざとズラしてみましたとさ。
この経験を元にその後は最初からと思ったっけそうならず、フレーズ・音色・組合せ次第でこれもランダム変化でした。
パターン特定が困難な以上、随時の試行錯誤しか方法無しだす。
諸悪の根源推測⑤:密度上げてもパワフルにはなりません悪しからず
暴言気味ですが真実なので正直にだと、単にウルサくなるだけでした。
うるさい位だから弱くはないんじゃって錯覚効果はあるけれど、効き目はとっても短いです。
聴いててすぐに疲れ出すから強いんじゃって、バスドラの中へ頭を突っ込まれて鳴らされちゃいねんだからよぅっと。
正しいパワフルは適正音量で再生してたら、演ってる人は疲れそう・聴いてる方は楽〜楽。
だから音楽は演るのは大変で、聴くのは楽しいんで御座候。
大分低くなった!?天の声行きますが、俺って事で太鼓も弦も打込みもの体験から書かせて頂きやす。
全部が同等な修練度でない嫌いはあるけど、「加減」に限ると生の人力が一番楽だった。
正確さのみだったら機械なんだけど、少しでも加減を要求されるととても時間が掛ったのだ。
先ずはお目当てのパートのパラメータを修正して行くが、そーすると大抵は機械でもバランスに変化が出ちゃうんだ。
それを戻すのに結局他パートのも最悪だと全部修正掛けなきゃなんなくて、手間もだが兎に角物凄く時間を取られんだ。
最近でだと休止中のバンドの新曲のガイドを打込んだが、弾けるし普段は弾くのも打込む事になる。
だから弾くのと打込むのが自動的に直接比較出来ちゃったんだけど、弾けるんだったら弾いた方が全然楽でしたわ。
俺の中では得意じゃない鍵盤ストリングスは、最初は打込みをそのまま使う積りで居たんだ。
が我儘リードギタリストの要望で、毎回コロコロ変更が出たとです。
打込むにしても和音の加減等だけの具合を先にみるには、手弾きだったらその場でOKなんでちょっとは毎回鍵盤を触ってみてた。
そうこうしてる内にどっちも楽じゃないけど、それでも弾く方がまだましになっちゃったんだな。
1つのパートにもフレーズ以外に強弱とか色々あるのを、打込みだと同時変更は出来ないから時間地獄に根を上げたんだ。
失敗すれば録り直しになるけど、上手く行けば1回で全部まとめて処理出来る。
体は疲れてもその方が頭は楽で、打込みは単純作業っても延々ととなると精神的にとてもキツかったのです。
すると減点になるのは[手弾き:体だけ]vs[打込み:頭と心]で、試合結果としては手弾きの勝ちと出たんだな。
もう1つ考えるべきは「弾けないものは打込むしかない」処で、機械による自動化時代だからって人力の方が楽なのだって一杯残ってんだ。
その意味で機械の本当の価値は、無人でもな部分じゃないスカねぇ。
それと近年俺言い横行の何でもClick使用ですが、教則音源でも無いんだから特にワイルド系のに用いるのは愚の骨頂です。
少しでも気にして勢いを削がれたら、欠点が無くたって長所が削られる。
魅力が足りないなら間違って無くったって、聴く意欲が湧かない。
先ずは何かがおもしろくて、飽く迄その上でだったら整ってる程良いって「順番」があるのは何処へ忘れて来たんだいっと。
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