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2018年12月11日 (火)

真実の音質とは➄ 音質にも色々あるの編Ⅳ(生楽器録音Ⅱ)

前回の太鼓の続きとそれ以外のへ行くが、最初にドラムを取り上げたのは改悪とその影響が他より大きかったから。
大音量系金管楽器を除くと元音の音量が尋常じゃ無くデカいし、金管みたいに特定音域限定じゃないからだ。

ラッパは強く吹かれると猛烈にウルサイが、その音域が人耳が敏感な領域と被ってるせいもある。
また大勢で同時に吹かれたら物凄いが、奏者1人が出せるのも1音だけだ。
でもセットドラマーだとたった1人で最大4音同時に鳴らせるし、広目の音域の中から選べる。
音域はどっちかっつうと上下に偏ってるが、これが又そのままを収録するのをとても困難化させている。

音量面ではかなり楽になるが生ピアノも音域の広さでは手間が掛るが、特定のニーズ時以外は「音程が充分聴き取れる」のであれば量が少し変化しても影響が少ない様だ。
今では入手が大変になって来てるが、ピアノにはエレキ版(つまり電気楽器)が数種類ある。
なので場合によってはMicを用いず「Line録り」の選択肢もあるが、太鼓だと生の次はいきなり電子式しか無い。

この内YAMAHA CP系は所謂「エレアコ」(電気を使うが生楽器近似の音色)タイプで、ギターでこれに対応するのがホントのElectric Acoustic(Ovation等)、Fender Rodes系等はエレキギターの鍵盤版だ。
尤もエレアコの音色は生とは近似であっても同じじゃないので完全な代役は無理だが、アンサンブル的観点では置換え可能な場合も少なくない。

そして生弦楽器の殆どには電気版があるし、コンタクトピックアップを楽器に取り付ければやはりMic以外での収録の道がある。
コンタクト〜はピアノ用もあるがどれ用のでもまだ開発途上と云え、Liveに事足りても録音に使うのはかなり厳しいのが現実だ。
それでも絶対Micしか手が無いのよりは収録に柔軟性があると云える。

現況俺個人の憶測に過ぎぬが、試せる方法が少ない程誤用・誤認に陥り易いのではと思っている。
実験ってのはやれるだけやれてると、そこから現れた「傾向」の信憑性が上る。
それもあの手この手と種類が多い程「どうやってもこうなるんだから」と、納得が行き易くなるもんだ。

だから当事者にとってそれが不十分だとターゲットの絞り込みは甘くなってしまうし、コツを掴むのから遠ざかってしまうって筋書だ。
しかも近年はドラム自体が「変な進化」に走っちまってるから、「基本的に太鼓ってのは」がどんどん理解し辛くなって来たとも感じている。

この辺で毎度の天の声!?へ進めるが、音加工の基本の「収録で何かがズレたのを元のへ修正する」のを忘れなければ最悪は必ず避けられる。
意図的に奇抜を狙う場合でも「必要最低限」に留めれば良く、強い薬程副作用も強いのと同じ事なのだ。
そしてここで大事なのが「今は平気」な副作用でも、Mix最終段階迄無事かどうかは「やってみてから」じゃないと分からない処だ。

俺推奨の参考例としてBeatlesの初期と末期のドラムサウンドがあるが、基本的には初期はOff Mic一発録り・末期はOn Micマルチ録り+収録後音加工付きとなっていた。
人と場所は同じだが音響手法は随分違ってるので、太鼓の音の第一印象も当然異なっている。
だがいざそう思って聴き比べてみると、誰それの何々の音って部分では奏者の要求が同一なものは
殆ど「同じ」音になっていた。

記憶からのイメージでは後のになる程ヘビーだと思ってたが、楽器自体の音色はミュート以外実は大差が無かったのだ。
ヘビー化印象の原因を探ってみると演奏ではなく曲の方で、曲に合った演奏をしたのでその様に聴こえた模様だ。
録り方が違っても「Rnigoの音」を維持させてた訳で、曲と同時に奏者の個性も配慮されてた証だろう。

今の俺は録音では
ドラムに一番神経を使わされてるが、ドラムだけを重視したからでは無い。
ドラムは鳴る時間は短めだが大音量且つ広音域なので、ほぼ必ず他の楽器と音の何処かが「被って」来る。
すると同時に鳴ってる他楽器の音へも必ず影響出るので、先に何とかしとかないと後が余計大変になるのだ。

個人的にバスドラもBassも重低音タップリなのが好きなので、このバランスのせめぎ合いに独りで勝手に腐心している。
現時点で低域の「割り振り」の条件を整理すると、
①音域は多弦Bass以外だとバスドラの方が下がある
②太鼓の方が低域の量は少なくても低音感が出せる
と判明している。

バスドラも低域でのアタックが目立つのはBassと同じ帯域なので、近年本邦のは無理に両方が持上げられてる様だ。
良く言えば「見せかけ上の一体感」が得られるが、折角「違う楽器が2つ入ってる」部分はモロに犠牲となっている。
更に一体感命か分からんがGuitarとBassも帯域が近似に揃えられていて、重いGuitarに底の浅いBassとなっちまってるのばっかしだ。

俺視点ではわざわざ3つあるのを1つに無理まとめして、淋しくなった分を節操無く重ねてゴチャらせちゃった様にしか聴こえない。
適度に被らせ適度に分離させときゃ、そんなに一杯詰め込まなくったって充分リッチなアンサンブルが組めるんだけどねぇ。
なので上記のバスドラvsBass案件ではバスドラで低域を持ち上げるとしたら、出せてる一番低いのを先ず最初にターゲットにしている。

より具体的に示すと「Micのせいで減ってるかも」な超低域を、補正してみる辺りから始めている。
それより少し上の音域はBassの出せる最低音域なので、極力増やさない様に務めている。
Bassでも太さを誇示するには低音の中でも高い方を上げると得られるが、その帯域が今度はGuitarの最低音域なのでこれも極力避けている。

弦の詳細は次回へ譲るが、アンサンブル物なら単一楽器単位での行き過ぎた音創りは骨折り損のくたびれ儲けとなり易い。
他のが入ると単独とは大抵少しは違って聴こえるからで、この心配がほぼ不要となるのは結局「生で聴こえてた音」なのだ。

最後に従兄の太鼓の先生の金言!?を紹介ってか最近の口癖だが、「海外のドラムサウンドは、どれも思った程は弄られて無い」んだそうだ。
これのキッカケは偶然俺が作っちまったんだが、これも以前別項で触れたJohnny,Louis&CharのOiRAってアルバム内の1曲の分析依頼であった。
これの録音はU.S.A.のLAなんだが、その曲のバスドラには何とコンプが掛って無いと指摘された。

一瞬ホンマかいなとは思ったが、確かに微妙な意図的強弱がしっかり聴き取れたのである。(サービス:件の曲はHead Songだす)
彼等の国内録音のではバスドラ・コンプ・レスは思い当たらないので、彼の発言は見事に証明されてしまった。
でもチョイと考えてみりゃ聴く方にとっちゃ耳にさえ良ければ、どう加工されてるかなんて知ったこっちゃ無いんだよね。

ネクタイ無しでもビシッと決まったホストのお兄さんは恰好良く、ネクタイあってもヨレただらしないサラリーマンのそれに最早スーツのフォーマルさは残って無い。
要はネクタイの有無じゃなく、スーツの「着こなし」が問題な訳だ。
「外人が先にやった」からって、それだけに拘り過ぎなんでしょうよきっと多分。

もう平成も終るってのに何時まで経っても外人コンプレックスとは、オオお恥ずかしや…。

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