« ドラマー用ヘッドホンⅡ | トップページ | 真実の音質とは(演出過剰への懸念) »

2018年12月 6日 (木)

ドラマー用ヘッドホンⅢ 駆動の問題編

極力詳説回避でどこまで理解が得られるか不安だが、音響屋等以外にインピーダンスは普段不要だ。
それでか本件も専門と入門の「間が僅少」で、余計に一般化が阻害されてる様だ。

再生音量の前提条件として出力側に電力とインピーダンス、受け手側には
耐入力・能率・インピーダンスがある。
これらはどれにも相関関係があるので面倒だが、単純に額面通り受止めて良いのがAmp出力電力(所謂○○W)だ。
繋げたスピーカやヘッドホンを無知識でも壊さない方法としては、一番大きく書かれた出力の最大値より受け側の耐入力を大きくすれば良い。

しかし現実的には非効率だったりと意外と困難な場合も多いので、次の手は買う前に「専門家に訊いて確かめる」のがお勧めだ。
だがこれも残念乍ら近年本邦では1億総一般人化したか、ヤクザより恐い無茶苦茶な普通人とかどららさんも専門家の減少が著しい。
それと購入が
通販なのが多いとなると又厄介で、作ったのと売るのが別人と変な処だけ専門化が促進されちまってる。

となりゃもう学ぶしか無いんだが、只で教えるお人好しが多い筈も無い。
そこで俺様大勇者!?が思い切って先陣を行くが、その代りっちゃ何だが少し大変だったとしても堪えとくれ。
最初は出血大サービスで、ヘッドホン特定機種の場合を表示しよう。


Photo_3

標準的ヘッドホンアウトへ繋いだ時の「実際の各ヘッドホンの稼働状態」ってのだが、「インピーダンス」と云う「魔物」のせいでちょっと面倒で複雑な計算をしないと数値化出来ないものだ。
特に「実際に出る音量」(出力音圧レベル)に至っては対数計算を要するので、関数電卓があった上それを駆使出来ないとならない。

音響屋には必修だがドラマーには普段不要なので学ぶも良しだが、その時間を太鼓練習へ向ける方が宜しかろう。


幸か不幸かドラマー用ヘッドホンは大して種類が無いので、上表を参考・目安として最低限は賄えそうに思う。

電気的詳説はコアなので更に先送りするが、それより大事で見過ごせないのが幾つかあるのでそこを記す。

先ずは前回からの続きにもなるが再生音の「歪み」案件で、只でさえ普通の音楽鑑賞時より大音量にするんだから影響大なのだ。

例え機械的・電気的にOKでも継続的且つ充分な「聴き取り」が可能じゃないと非実用で、もし無理にこなした処で莫大な疲労を要してしまう。
疲労だって短時間なら何とか根性で我慢する手もあるが、継続するとなると気持ちが持っても神経が麻痺し始めてしまうのには打つ手が無い。

なので現実的に「マトモなモニタ」をするには、簡単に言えば「聴き続けてられる音」であるのが必要条件なのだ。


となると一般向け推奨のVIC FIRTHは超硬質音質なので爆音再生は不可、もう一点用心が要るのがヘッドホンアウトの出力だ。

表の如く300mW/32Ωって一般的に多く存在するパワーでも、うっかりフルボリウムにすると壊す危険があるからだ。

新製品にケチ付けたいとか粗探しの意図は毛頭無いが、電気・音響に素人の誰にでも無注意でも全面的に安全なのでは無いのを指摘したいのだ。


「ドラマー用」と銘打つからにはもっとそうであるのが理想で、本業以外に何らかの手間暇を要するのでは微妙に看板に偽りありと思えなくも無い。

本日の因みにⅠで何故音が硬いと大きいのが駄目になるか
であるが、人耳は高音域になる程耐入力が低下するのと過度な刺激からの自己防衛機能で聴き取り力が低下するからだ。

また以前よりの再三吠えだがそもそも人耳の対周波数感度は音量に依って変動するもので、爆音になる程普段より高域は高感度となって行く。
低域も高い方より割合は減るがやはり感度上昇、尤も低音は小音量時の感度低下の方が問題になり易い。

ポータブルプレーヤに良く付いてるBass Boost機能はこれの為で、なるべく周囲の人に迷惑かけずに自らは低音を堪能出来る様にする工夫だ。

ヘッドホンの命を第一にするならDirect Soundは適してるが条件付きで、マトモであろうとなかろうとやたらと爆音が出せるので人耳に若干危険だ。
VIC君より音質が少し劣る上前回の図にある如く小口径(内部ユニット)なので、どうしても歪み易いだろうからだ。

極端な話し音質無視・爆音で兎に角聴こえる、で構わないなら選んで困ら無さそうって感じか。

こうなるとある程度マトモな音で且つ大きくってのを具現化してるのが、モニタ定番のCD900STなのに気付けるかも知れない。
しかも出力1W(1000mW/但し32Ωの場合限定)位のに繋いでも飛ばす心配の無い設定がなされてて、遮音性面でドラマーには最適じゃないのが惜しまれる。

それでも体験的には出力が120dBを越すと硬さ歪み両面で苦しくなって来て、本来の音質的高性能は得られなくなる感じだ。

俺経験的に120dB以上でもマトモな音が出せるのはKOSS PRO4AAのみで、悪環境下の録音技師としては一択激奨である。
こヤツは寧ろ110dB以上じゃないと「本来の特性」が発揮出来ぬ位で、真の爆音専用設計なのだろう。

表から分かる如く鳴らし切るには出力インピーダンスが32Ωだったら、23.44W(ミリじゃないッ!!!)なんて「あり得ない」供給源を要す曲者だ。

こんなコア会社だからかQZ99では正反対の発想で、鳴らすのは全く並レベルだが滅茶苦茶遮っちゃうもんねって事だった様だ。
正直遮音性能以外では利点が僅少なので、普段使い兼用なら損だろう。

だがホントの専用と考えるなら元がちょっとローファイでも、上げての劣化が無いのは結構大きい。

太鼓が爆音の癖に静かに演りたいなんて我儘な俺だが、静かになる程冷静になれ易いのは誰にでも共通なのではと思う。

結局の処はドラマーがドラマーなだけで手に負うのにはKOSSは面倒過ぎるので、VIC君・Direct君のどっちかってのが現実的だろう。
けれども俺みたいに身体的都合で不適合な際、他に選択肢が皆無で無いのは指摘しておきたい。
コスパも含めれば先に記した注意点さえ踏まえれば、VIC君自体に罪は無い。

それと
実務用ヘッドホンとなると消耗品扱いにせざるを得なさそうだが、個人が普通のプロセスで適正価格で部品入手出来るかである。
現時点でこれをクリアしてるのが本稿掲載のでは、KOSSとCD900STだけなのも指摘しておこう。
物やその箇所次第で修理はプロ任せが良い場合も多いが、自前修理の選択肢が用意されてない物だと買換え有利なケースが多い。

運が悪いとちょっとの事で「もう買換えですかぃ」しか道が無くても平気かってね、それと所在地次第で修理の持込み・配送(買い直し時も)の結構な費用までまた掛りますね。
更に基準点的意味合いからは余り頻繁にモニタが変わるのも望ましく無く、CD9090ST等が異常な長命なのはそれが理由ですわ。

なので俺個人では選ぶ時はかなり徹底的に調べたり試したりするが、一度定まった後は「道具の事」は遠ざける様にして居るざんす。
ドラマーの立場としては演奏内容向上が至上命題で、道具は飽く迄その一部手段に過ぎないと思ってるので。
特にオーディオに大して興味が無い方でしたら、何時迄もヘッドホンだけに振り回されてては損で御座居ます。

« ドラマー用ヘッドホンⅡ | トップページ | 真実の音質とは(演出過剰への懸念) »

音楽」カテゴリの記事

ドラム」カテゴリの記事

PA」カテゴリの記事

電気」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドラマー用ヘッドホンⅢ 駆動の問題編:

« ドラマー用ヘッドホンⅡ | トップページ | 真実の音質とは(演出過剰への懸念) »

フォト
2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

最近のコメント