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2018年12月18日 (火)

日本のポピュラー音楽って何なのさ③ (歌唱力がヤバっ!?編)

以前従兄の太鼓の先生から訊いた、歌手の声量が落ちたから太鼓奏者が非力化したの独自考察だ。
POP好きの彼的には近年J-POPのは兎に角歌に魅力が感じられんそうで、声量のみならず歌自体が下手になったのではと勘ぐっている様だ。
そうだとした前提で、原因を考えてみた。

個人事情で大凡10〜20年前に偶然知った事だが、小中学生が学校の音楽で歌う際のある状況にとても驚愕させられた。
最近は若者の男女の声の音域差が縮まって来た様に感じてたが、それの元凶かもと思しき事態に遭遇したのだ。
女の子は今だって男よりは高い音程が出せるのに、教師の指導で基本的に歌の全部をファルセット(裏声)で歌ってるじゃありませんか!!!。


子供なんですよ、他の誰より地声で一番高い音が出る出せる時期にですぜ。
そんじゃもし大人になって少し声域が下がったら、高い所はマライア・キャリーみたく「裏の裏の声」で歌うんですかっての。
それ
幾ら頑張っても才能と適正無いと、誰にでも出せるもんじゃないんスけど。
出なくなったら歌うなとでも…!?。

一体何時頃からそう変ったのか目的も何もワシャ知らんし何となく知りたく無い気も湧いてるが、こんなの自動車教習所へ入って最初の練習がいきなりバックみたいなもんで絶対変でんがな。
素人向け歌唱の基本として先ずは地声で、それが高くなって出せなくなったら裏声でって順にやるのが理に適って居ります。
特にポピュラーではMiwa等表現上の理由での特例を除くと、地声で歌えなくなっては好きなのをカラオケで演れなくなっちゃうじゃんか。

も少し掘ってくと通常条件下では地声より裏声は声量が小さいもので、大きくなって超えるのはその人が出せる高域限界域に近付いてからだ。
特に低い側では極端な声量低下がみられるが、これは地声でも同様。
しかし幸いな事に裏にはまだ地が下にあるので、普通は同じ調子で歌ってデフォルト声量が出せる方へ切り替えれば解決だ。
そうすればこそ「楽に歌える」で、素人にこそ必要なものと思ってたがねぇ。

この文言はあるクイズの超サービスヒントとなるが、
ファルセット(裏声)の特技とは何ですかってのだ。
地声で出せる高い音程はギリギリに近付くと、かなり大声にしないと出せなくなる。
それをもし
ファルセット(裏声)にすると、大抵はかなり小さな声量で高さが出せちゃう。(息も断然楽)
って事はある意味小音量用の秘密兵器で、大きく出したい時に用いるのはあべこべのおバカさんなのです。

ここで歌声の正しい作り方とでも云うのを説明すると、最初は地声でなるべく大きな声を出すようにする。
但し不用意に喉を絞ったりして危険な負担は絶対に掛けず、普通にしゃべる時より少し綺麗目な声を目指してだ。
下手に体に見合った声量が得られる前に「声色」を加えると、物真似は得意になれてもそれで歌おうとした時に喉を壊す危険が生じる。

特に人に請われて調子付いたりして歌えば、ついもっと大きな声を出そうとしたりしちまうからだ。
地声でのシャウト唱法は普通に歌うより高負荷になるので、普通の声で大きくも出来ない内からやれば安全な加減が出来ない。
昔の野球部員等で張り切り過ぎて喉を潰したりしたのは、こう云う状態を無理に続けた結果なのだ。

もし上記の様なベーシック歌唱を入部迄に習得出来てたら、喉を潰す確率は激的に低下する。
大人つまり成長期が過ぎたって練習で歌唱力は上げられるが、声域や喉の強度は通常僅かな伸びしろしか無い。
この後者の部分は成長期に正しく取組めればかなりの向上が見込める上、喉が強くなれば風邪予防等にさえ効能をもたらす。

近年本邦では真昼間に子供が大きい声を出すのすら困難化しているが、健全成長の為にはとんでもない状況だ。
これが社会情勢で仕方無い面があるってんなら、せめて学校の音楽室等でだけでもやらせてあげないとイカンです。
特定の感情の時以外にそれなりの大きい声が出せなくなるとどうなるかっつうと、歌わせると蚊の鳴き声より小さく弱いのに友達とはしゃぐ時だけバカでかいなんてね。

昔よりそんな光景にしょっちゅう出くわすなと感じるのは、気のせいなんですかね?。
こっちからすると要は声の制御力が低下して声を出すのもだが、特に自分の出したのの大きさ判定が殆ど出来なくなってる様に伺えますな。
普段に気持ち以外で声量を加減する機会が普通orたまに内緒話し位しか経験出来ないんじゃ、感覚的に会得出来る訳無いんだわさ。

こんな処迄又2極化ですかいで問題になるのは、歌唱力の「中間層」が居なくなる処だ。
こんな不適切環境にめげずに抜群の歌唱力だったら凄いけれど、見方によってはそれだけ歌唱にしか興味が無いのかも知れない。
これが正統派オペラとかになら申し分無いんだが、ポピュラーとなると少し不都合も出て来るのだ。

音楽には違いないがそれ以外、流行・文化・趣味的要素等が不足だと音楽ヲタ専用と化す。
ポピュラーでは親しみ易さ第一なので下手過ぎては困るが、同程度の才能の持ち主でも「配分箇所」が増えれば単一能力は当然下がるからだ。
なのでポピュラー有望株になるのはちょっとオシャレで面白い奴で、普通より少し歌が上手なんてのが向いてる。
これを歌唱力のみで分類すると、中間層となるって寸法なのだ。

尤もそれが近年J-POPみたいに行き過ぎては、聴き取る段階でお客さんは疲れ切っちまうからOUT。
音程
・リズム・発音の正確さは大事だが、それは先ず歌声が「聴こえてから」の話しだ。
或は声量不足のまま無理に大声を出そうとすれば手一杯になって、普段の制御力が発揮出来なくなったりもするだろう。
全ては生演奏の前で普通に歌って「普通に聴こえる」様になってからなのだ。

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