ドラムのパワーとトーンの関係性考察(も少しヲタ)⑨
筆者は弱小文章力の癖に気紛れな想い付きをしたためるもんだから話が前後して済まないが、漏らしたくないのが幾つか出て来てしまった。
先ずは「バチはケチらずに振れ」で、しかし闇雲に振り回せって意味じゃない。
これは当シリーズの③後部で触れたが、体験談を書いとくとしよう。
何時もの様に個人差は不明乍ら、俺は可能なら普通の叩き方では必要な振り巾をケチらなくしたら安定度が上がったのだ。
従前は加減って言葉しか使わなくてそれも当りだが、微細なミスの悪影響が低下したのだ。
つまり例えば角度で言うと30°が29°になるのと90°が89°になるんじゃ、「誤差割合」が後者の方が1/3に少なくなる。
人は機械じゃないから常に誤差があって当然で、確かに鬼の訓練を達成したら人間技じゃ無い領域へだって到達出来るかもしれない。
それでも0%なんてのは儚い夢でしかなく、他にも方法があるんならそれを用いない手は無い。
ハナッから同じ「音になり易い」叩き方をなるべくしてみようと、勇気を出して発想のプチ革命をしてみた様なもんだった。
Ringo Starrは当初から一貫して俺言い「ケチらん叩き方」で通してるが、ハチャメチャな環境体験が世界一だったからなのかも知れない。
「良く聴こえないけど、多分こう叩いときゃ大丈夫」ってか、そう云や叩きながら歌うのも常にあったしね。
それがBONZOになると普段のショットは正反対傾向だが、不思議なのは指を使う叩き方の時は異常にストロークが大きくなる処だ。
細かく素早くすれば普通は逆になるのに何故とずっと疑問だったが、身体の重さを掛けられるか観点で気付きが出た。
指以外も使える時は重さをバチへ載せられるが、連続リバウンドフル活用時はそれが不可能になる。
激重の腕は脱力するとその分瞬時に落ちそうで、下手に普通人のストロークにしたら直ちにオーバーパワーで太鼓を壊しちまうのかも知れぬ。
だが指ストロークではこの絶大な重量パワーは利用不可なので、音量低下を避けるにはどんなに大変でもストロークを確保するしかなさそうって推論だ。
しかし何となく分析出来ても巨漢の外人以外不適応な方法で、悲しいかな分かったのは真似不能なだけだった。
けれどそんな輩達よりゃこちとら身軽な訳で、俺言いRingo式を採り入れて上を目指すしか無さそうだ。
超ローカルだがこれの類似案件が従兄と俺の間でも生じていて、かつてはずっと従兄≒Ringo・俺≒BONZOだったのが何時の間にか逆転していた。
従兄は太鼓奏法ヲタ且つ講師なので省エネ打法の追及の結果か、高度な技術体得のせいかスッカリ「小振り」になっていた。
2人の間比較では彼がしなやか系・こっちがゴリ系だったからか、俺はずっと「ちゃんと振る」のが億劫だった。
結局はお互い「無い物ねだり」憧憬の様な気もするが、従兄は毎日先生やってる内に前より腕が重くでもなったんだろうか!?。
苦手挑戦も腕向上や可能フレーズ増加には役立つから無駄じゃないけど、少なくとも俺程度の半端な腕なら本道優先が宜しかろう。
太鼓演奏だけが好きなら別だが、曲を演る方が大事なら骨格が成立せんと非実用的になっちまうからね。
次は前回「皮の揺れ感」の件で、バスドラをSimon Phillipsみたいなウルトラローピッチにした時の補足。
従兄の近代TAMAでは物がサイズ以外全く同じなのでそのまま普通に行けたのは当然だが、宅の骨董Ludwigでは体験を具体的に述べるとBassと合奏時に奏者本人により聴こえ難くなるのだ。
古いの程ある意味「近くより遠くでの音を重視した設計」なので、ハイピッチ以外では元から奏者聴き取りは劣っている。
但し別項に記した如く近代TAMAの眼前で目立っても、録ったら違ってて意外とバスドラの「含有量」は減ってた現象がある。
けれど骨董での逆現象も度が過ぎると目立た無さ過ぎとなって、録れるけど合奏自体にかなり苦労が伴ってしまう。
なので相当アベレージが強く踏めないと、骨董でウルトラローピッチは実用性に乏しいと云う事だ。
さてこのウルトラローには知識不足が原因もそれ用の配慮が必要で、Simon氏と同モデルのTAMAでもまんまでやるとボルトがすぐに緩んで来た。
これのウッドリムが角ばってるからかフックがダイキャスト製で、鉄板プレス物より柔軟性が無い。
リム自体も俺感覚じゃ木製と思えない程強固で、普通のピッチで使うなら狂い難いのかも。
だが皮がぶたれて揺れてリムへの応力が変動すると、その最弱時にボルトが回ってしまう様なのだ。
ウルトラロー=ボルトテンションが極限迄低いとなると、そこから下がれば瞬間的にノーテンションとなってそうだ。
これが各部がヤワだったら伸縮があるのでゼロにはならなさそうだが、それ位皮以外は微動だにしない位じゃ無いと今度はウルローじゃ鳴りが劣化しそうだ。
今週の実験を別項に記すがそれの兼合いで偶然発見したのが、メーカーから純正で出てた「バスドラム用ラバーストッパー」なる物だ。
現況で他社では見掛けないのでハテはSimon氏御用達と推察、ついでで購入し従兄の処で装着してみた。
長時間経過の具合は未明だが取敢えず踏んでる内にドンドンってのは無くなり、ウルロー化以前のピッチでも俺のバカ脚踏みで少しピッチが下がったりしてたのも起きなかったから効果はあるみたいだ。
更にウルローでちょっと驚かされた気付きがあったのが、余韻の性質の変化とミュートの役割が普通と違った処だ。
ピッチが下がれば余韻も正比例で短くなるのは分かってたが、その音量の下がり方は飽く迄徐々にだった。
それがまるでバネ最弱Speedkingの挙動みたいに、初めの1往復はワイドなのに直後はもうガクンと皮が揺れなくなっていた。
後から理屈で考えれば当たり前なんだけど、中々そこ迄下げてそこそこの音量が得られる事が無いので想像が付かなかった。
でもだから本家が両面張り・打面側のみ軽ミュート・オープン踏みなのに、タイトな音になるのねである。
それどころかクローズで踏むとあたかも音程がオクターヴ上がったかの如しで、リバウンド最弱だからか前出「1往復」の間は「触っちゃダメ」って感じだ。
皮がすぐ止まるとなるとその為のミュートじゃないのは明白で、音色も倍音の音域が下がるからかミュート有無でそんなに変わらなくなっている。
とすると万一不要共振が起きた場合の保険みたいな、役どころが変化してる事になる。
只まあ鳴るにしても最大音量が出る領域からは逸脱してる訳で、一般レベルより弱くしか踏めない様なら非実用的かも知れぬ。
今はRock系だと「生でもPA」だから可能だが、本生だと厳しくなりそうだ。
それと再三の指摘通り「録ったら思ったよりちっさい」懸念は健在そうで、尚且つ「1往復」分しか正規音量!?が出ないから音の量は少なくなる。
<つづく>
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