ドラムのパワーとトーンの関係性考察(気持ちは公的)⑦
前回でっち上げた!?「不毛な太さ競争」をもう少し解析してくが、音色に対する感覚の出発点から再確認してみよう。
楽器に長く携わってたりすれば別だが楽器の詳細な差迄は、少なくともポピュラー音楽の顧客で判別可能者は少数派だろう。
それが出来て損はしないが音楽自体を味わい楽しむのに必須でも無く、知ってるが為余計な細かい処へ気を取られる方が却ってマイナスにすらなる。
予備知識の少なさは逆に印象面では敏感化したりもしそうだが、楽器単体の最初の1音のみで太さ等を正確に把握出来る可能性はとても低い。
しかも特定の楽器に耳を傾ける事も歌以外は少なさそうで、となると「単体単位」での音色演出はとても効果が低いとなる。
この環境下で音色に効果があるのは、すべからく「対比」となって来るのだ。
第1段階としてSnare太さを優先するなら、他楽器へ注文を付ける以前にドラムセット内で「そう聴こえる」状態を作る必要がある。
必ずしも一点豪華主義を勧める気は毛頭無いが、目的物を最大に強調したいなら他に方法は無い。
10:0より7:3とかになれば、最優秀者の勝ち星は減るし負けも付くんだから。
第2段階として太鼓太さを優先したい場合、多少従前より難しさが出て来る。
他パートの誰一人己の音に太さを求めて無ければ別だが、そんなのは滅多に無いだろう。
喧嘩別れして情けない連中を集め直したければ止めはしないが、果たしてそれで求めるアンサンブルサウンドが得られるのは稀有だろう。
現実的なのは相談して曲や場所で分担する事で、アンサンブルにとってもそれは有意義に働くだろう。
但しこれを上手に実現させるには、必要に応じて太くも細くも出来る様でないとならない。
気分的には普段から太くたって強調する際更に太くすりゃ良いじゃん等と言われそうだが、落差が小さければ効果も小さくなってしまうのに気付くべしだ。
奏者の個人差から来るデフォルトの太さは様々だろうけど、普段=普通としとくとその人なりにせよ太細の両側加減巾が確保出来る筈だ。
もし叩き方や道具選択を大きく誤ってでもいると不可能になるが、そうじゃない限り必要な巾は得られるものだ。
もしその人の音が道具如何で極端に変質する様な場合、ある意味それは不適合な道具かもと確かめた方が良いと思う。
その時の一点だけの着目で良さげと感じても、他の「見てない部分」の様々な個性や魅力が削がれている可能性があるからだ。
奏者の聴いて欲しい所と聴者のそれは一致する方が少ない位だし、大抵その様な「何処かが足りない音」はアンサンブルに入ると埋没するものだ。
これの1つの判定方法のキーワードは「自他共に」で、そうなれてると駄目出しを喰らうのも減らせそうだ。
第3段階からがある意味本筋となるんだが、前述の如く普段は「普通じゃなきゃダメ」をどう上手く処理するかだ。
曲によってはひたすらか細くしてOKもあるかもだが、一部にせよ「太くしたい」って事は頼りなくなるのは無しって事が多そうだ。
それには音色に依存せずに、逞しさ等を表現出来る様になる必要が出て来る。
それを実現するのがなるべく普通な道具を用いる事で、大変だが飽く迄叩き方であらゆる音が得られる様にするのが唯一の道だ。
しかし普通の歌物Rock BandならJazzやClassicより繊細方面は不要だったりするから、いきなり万能を要求される程困難な訳じゃ無い。
要は得意なのとか十八番位は、せめて自身で何とかしろって事だ。
奏者のパーソナリティが著しく乖離してれば困難かも知れぬが、心底好きなジャンルであれば滅多にその心配は無い。
そもそも上記が達成されてない事には○○ドラマーになれないんだから、他のアンサンブル構成員から排除されるのも時間の問題だ。
例えばRockなら小さ過ぎがJazzなら大き過ぎがご法度とかジャンル次第で優先事項は異なるが、そもそもこれ等が成立してないと「○○を演ってる」に聴こえないんだから。
これ等まとめて俺言い比喩をさせて貰うと、自転車で速く走ろうとしてる場合こんな感じになると思う。
楽器に頼り過ぎが補助輪付き・音響後処理に頼り過ぎはレースコースに文句を付けてる様なもんで、補助輪があるとカーヴで車体を深く傾けられないからスピードが出せないって具合だ。
単に音なら直線オンリーもあるけれど、曲となると字の如しで大抵は必ずコースの何処かに曲線が出て来ちゃうんだよね。
そうは云っても壁にぶち当たったり色々障害が訪れるが、もしそんなに困難な事なんならもっとドラムに挑戦する者が稀になってるだろう。
人によって時によって適合する方法は違うだろうけど、暫く美味くないからって簡単に諦めないで欲しい。
少なくとも基本的には自力でと云う正しい認識さえ維持出来てれば、いづれ必ず道は開けるのだ。
道具主体は効果が直ちに出るので目立つが、腕はちっとも上がらないのに大枚巻き上げられている。
稼ぐのだけは大得意の方は勝手にやっとくれだが、同じの買ったヤツのと殆ど同じ音が出るだけなんよ。
そしていち早く使いこなして運良く流行ればラッキーだけど、そんな時に限って猫も杓子も買っちゃうからアッと言う間に在り来たりになって寿命が終わっちまう。
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