アンサンブルの低音の作り方Ⅴ
グラフを掲載すると文字数が減って楽だが、説明は不足気味になるので続編だ。
今回は過去の欧米と俺が苦手な現代のを比べるが、現代本邦ののソースが不完全なのしか無いのはご了承だ。
上はTotoのRosannaで下はあのアニメの「けいおん」のDon’t say ’lazy’、現代と言いつつ最新でないのが年寄りの罪っぽいが傾向比較には用が足りてると思うので…。
今のJ-Pop的音創りの始まりは個人的には、デビュー時のAikoやPuffyの「下手な真似」からだと想定している。
彼女達のはBeatlesサウンドの当時的模倣と言え、後者等は奥田民生
+Jeff Lynneだから最早本物と言えよう。
それがゲーム等「打込みモノ」への対抗・拮抗へ拘り過ぎたか、段々と音圧だけに執心した挙句「機械より不自然な平坦さ」ばかりとなったのは悲しい。
切が無いから本題へ戻るが、前者はかつて一世を風靡したLAサウンドの典型だ。
下の方が軽いのは好み的には少し残念だが、昔のテレビ・ラジオ等の低音再生が苦手なのでも印象変化が極小なのが売りだろう。
現代では携帯プレーヤやスマホでもバスブースト機能付なので、後者がワイドレンジ化されてるの自体は理解出来る。
しかしこれはポピュラー音楽としては「但し書き」付で、まだ興味を持ってない人は今だって最初は低音が出ないので耳にする機会が多そうな点だ。
次は上がScandalの少女Sで下は金爆の女々しくてだが、高域がバッサリ落ちてるのは低質音源由来なので本来は切れて無い筈だ。
前出のと合せ現代本邦系ので一般に対して純然たるバンド系のScandalのだけ低域の削れが少ない様だが、やはり聴取環境差が考慮されてるのだろう。
だが耳にワイドレンジな割には低域が前回掲載のBeatlesに負け気味なのは、単なる国民性とかそんなのなのかちょっと疑問だ。
俺的に気になる&気に入らないのは高域の「傾斜」で、3~4kHzに角が出来て盛り上がってる処だ。
金爆に至ってはそれが10kHzにもなってて、煌びやかな派手さは出るかも知れないが少々音楽的には無理がある。
どのグラフでも高い方は基本的に斜めに下がってるが、これは飽く迄電気的な事なのを忘れてはならない。
以前ここの別項で指摘したが耳に聴こえる音量は、電気に変換すればオクターヴ上へ行く毎に半分の大きさがイーヴンなのだ。
だから自然な音場を得ようとしたら機器的限界到達迄は、本来峠は表れない理屈なのだ。
個人分析によると不要コンプの掛け過ぎで全てが団栗の背比べ状態となってしまい、歌詞の聴き取り等の為に一番目立つ帯域を仕方無く無理上げした様にしか映らない。
まるで通勤時間帯の山手線の電車内みたいになっちまって、どうでも目立たせる為に不似合いなバレーボール選手に窮屈なのを我慢して見張っとけみたいな…。
だがとぉ~っても残念ですが一見目立っても高音は基本的に非力で、低音にはとても勝てないので御座居ます。
最低でも大き目の低音が同時に鳴ると高音は「歪まされて」しまい、原形が保てなくなってしまうのです。
最後に例外を1つ挙げとこう。
これはShirley BasseyのGoldfingerで、007映画のテーマソングだ。
時代が’64な上娯楽作品なので伴奏がフルオーケストラなのが特徴で、この編成だと歌終りにそのままタイトルインストへ移行出来るのもあってかも知れない。
しかしバスドラが大太鼓ではなくセットを用いてるらしく、ペダルでノーミュートなのと低音残響豊富な欧州劇場のせいかローエンドが物凄い事になっている。
ちっとも激しい演奏ても無いのに迫力満点なのはBeatlesがCome Togetherで真似たかは不明だが、個人的にこう云うのは独創的で大好物だ。
40Hzが剣ヶ峰になってるのがその表れだが、全体的には高域への傾斜が随分緩いのは気になる処だ。
しかし耳味は低重心のままで、最初は高域の量は多いが恐らく装飾的な音の使われ方をしてるせいだと思った。
良く見直してみると実は上じゃなく中低域の空間を敢えて多めにしてあるみたいで、歌手の声は極太で歌詞の重要部分のメロの音域が低いからか。
やはりあれもこれもにし過ぎは無理なのの示唆とも映ったが、性格的に欲張りな俺でも素直にそう感じたのは漏らさず記しておきたい。
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