Speedkingよもやま話➄手持ちペダル比較
筆者は環境と経済等の事情で現代ペダルには余り詳しくないけれど、全くの偶然乍ら一応3っつの名機なら経験豊富だ。
そこで前回の補足も含め、Ludwig Speedking,
Rogers SWIV-O-MATIC(一体型フットボードタイプ),
YAMAHA FP-702の比較を綴ってみる事にした。
どれもが設計が古い物なので無頓着な踏み方をすれば、現代ペダルみたいなパワーは出ない。
では非力なのかと云うとそうでは無く、特にSpeedkingは上手く踏めると恐ろしい大音量が出せるのだ。
それも付属の何の変哲も無いビータのままでで、後の2つはやはりビータをそれ用(セッティング含む)にしないと少々物足りないかも知れない。
だが気を付けて頂きたいのが強弱の問題で、俺は奏者意識に無関係にパワーが出るのを良しとはし辛い。
それって弱い側だけじゃ済まず、強い方だって得てして思い通りにならないからなのだ。
アンサンブルの状況如何で「ここぞ」にいつも以上が必要になった時、加減の効きが悪い現代ペダル(全てでは無さそうだが)では諦めるしかなくなる。
それで俺はSpeedking一押しだが、確かに他の現代ペダルとは操縦法も大分違うと感じられるかもしれない。
そんな場合に後の2つだったらバネこそ今の強いのよりは弱目だが、調整箇所やその仕方に現代のと大した違いは無い。
バネにしても上記は最弱時についてで、強める方はかなりの範囲迄対応可だ。Speedkingだと現代並強さにするのは困難だし、構造的にも非推奨だ。
なので多少苦労しようと徹底的に攻めたいのであればSpeedking、一番無難なのはFPだと思う。
但しFPではビータニュートラル位置調整がネジ穴の選択に依る為、俺個人にはベストな位置へ持って来られなくて気になってしまう。
その点SWIV-Oは全く自由になるので、主に厚いヒール部の問題さえ解決出来れば使い易いだろう。
表現が最適か不明だし個人差もあろうが、これでもなるべく主観を排除して表にしてみたつもりだ。
音量項目中の「ピーク:平均」の意味は簡単に言えば、録音した時のメータの振れと耳に聴こえる音量と考えて貰いたい。
詳細は次回に具体例込みで記すが、音の聴こえは物理のみに依らない為だ。
この傾向がまたアンサンブルに入るとより顕著になり、表中の「ピーク」が物理的・「平均」は「実用音量」と言い換えても良いと思う。
ドラマーだけの立場ではアタック・ピーク・高域倍音が多い程聴き取り易いし大きく感じられるが、他の奏者や聴者には寧ろ真逆になりがちで要注意だ。
演奏内容は分かり易いに越した事はないけれど、本来の目的はバスドラが入ったせいで全体が「どう化学変化するか」が重要なのだ。
またアンサンブル内に硬い音があると軟らかい音はパッと聴きだと脇役っぽくなるが、録音後や距離が離れたりするとこれも様相が異なって来るもんだ。
硬いのを最初の一口目が美味いとすれば、軟らかいのは何時までも忘れられない後味の良さと云う感じ。
これについては俺はマルチ奏者で自身の手による他パートにも拘りがあるので、なるべく単一楽器だけの都合で他を妥協したくない処から得られた知見である。
気のせいかも知れぬが単体の音色なら専業者のの方が優れてても、アンサンブル内(全体)だと兼業者(他楽器も演る人)のに音色の良かった印象がある。
又もし「負けない音」を目指すならそれを機材に依存するのはアウトで、ヤワな楽器から恐ろしい音が出せる様になれたら負ける気がしないとなる。
不要な音色の硬さは条件次第ですぐ無力化するが、それはその成分が出てる時間が極端に短いからだ。
にぎにぎしい系の音楽ではとかく音色の太さを要求されるが、それには上記理由も含まれてるからだ。
音が細過ぎると重なったり増えたりした時最初の印象と違って来てしまい、「後で」の処理も要する様になって何かと面倒が増える。
これはアンサンブルである以上はどんな楽器にも共通するが、太鼓みたいに時間の短いヤツ程影響が大きく出る様だ。
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