楽器の欠点と使用者の立場
ここんとこSpeedkingを筆頭に色んな楽器に振り回されてるが、楽器屋としては心が折れ気味だ。
例えどんな欠陥・弱点があろうと克服してみせたくなるので、それが叶わなかった時は罪の意識にも似たブルーになる。
でも落ち込んでても解決には繋がらないから気持ちの整理となるが、何処迄が開き直っても良いのかとなる。
なまじ中年ともなると図々しくなり勝ちで、却って無神経になるのを嫌悪してしまう。
ここは1つ理性で仕分けして、白黒付けてみようと思った。
1.Speedkingの左右ポスト開きは引き分けで、時間の悪戯で暗黙の了解みたいなのがどっかへ飛んじまったと解釈。
太鼓の基本設計がペダルのそれと乖離してなければ大きな問題が起きず、設計者が太鼓がこんなに固くなるのは予測不能だったろう。
使う側もそれなりの常識には準じて居たのだから犯人不在、よって誰も責任を感じる必要無し。
2.固定が弦ポストのナットのみのダイキャストペグ、これはやはり構造的欠陥と見做すべきだろう。
なので扱い者側に非は無く無罪放免。
只特異な条件下では不備があってもあると助かる場合も出て来る。
図の左側は欠陥ペグで右側は改良ペグを同じヘッドへ配置するとこうなるが、もし図よりヘッドを小さくしたかったら改良ペグでは入り切らなくなりそうだ。
こんなのは所詮邪道な裏技に過ぎないけれど、小型のダブルネックにでもしようとしたりすると他の条件を優先しなきゃなんない場合もある。
楽器も物としては部品の集合体である以上、バランスの都合で中々全部をベストには持って行けないもんだ。
3.Rickenbacker Bassのテールピース捲れ上がり、これは前出Speedkingのと同様で引き分けだ。
メーカーからちゃんと専用弦が供給されてるし、必要に応じて改良・改造もありと一時期のカタログに記載があった程だ。
それどころか最初からテールピースにネジが追加されてたのも出てたが、買う側が「あのお方達のと違う」って理由で落選してしまった模様。
楽器は最初は只の道具としてスタートしてるんだが、ひょんな事で歴史・文化○×△□等と別の存在に変貌してしまう。
こうなると道具として改良すべきでも「違ったら駄目」圧力ばかりが幅を利かせてしまって、進化を大いに阻害されてしまったりするものらしい。
文化遺産に近くなったりすると演奏目的では無く、コレクションや展示目的と楽器より美術品要素が高まるのだろう。
だがそこで俺が不思議に思うのは現在資金枯渇でお休みの、鉄道模型での例との比較だ。
模型の方では数が売れなくどうしても高価になるので、鑑賞専用のはモータを省略する等してお求め易いバージョンも出されている。
そして場所が無く走らせられないとか眺める方が好きな人等に大歓迎されてるし、そうでない人達からもほぼ文句は出ていない。
それなのに楽器となると脳天パーの成金供が、弾けもしないしないくせにちゃんと音の出るのじゃなきゃヤダと駄々捏ねる始末。
どう考えても玩具が高級になった電車を走らせるより、マトモな演奏をする方が遥かに難しいし膨大な訓練期間が要る筈なのにだ。
加えてそれを助長してるのが儲かれば良いだけの「偽の楽器屋」で、欠点等はひた隠しにして派手な売込みをしたりしてる処。
例え真実でも地味なのと派手なのでは後者が知名度を得るもんだが、そうしてる間にちょっと不都合だか必要な情報が世間から排除されて行く。
内容に注力すればどうしても宣伝は疎かになるから、作る人・弾く人はどうしたって売るだけの人・買うだけの人よりいつもマイナーサイドだ。
誰のせいだろうと楽器の扱いに失敗して、出費が増したり手を焼くのは実に痛い。
でもこんな状況を目の当たりにすると、一々気にするのなんてバカバカしくなって来るね。
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