アップヒール奏法の功罪
今世間を見渡すとアップヒール奏法がポピュラーに映るが、俺にはまるで抗生物質の乱用の様に見えてしまう。
見た目の良さ以外にも実際利点はあるが発展性がとても乏しいので、俺言い「行き止まりの奏法」では副作用をもっとしっかり前説すべきなのだ。
ベーシック奏法は大した事が出来なくても将来の発展性に制限は無いべきで、俺からするとこの風潮は「ふーん、そんなにリア充なの」とつい溢したくもなっちまう。
こんなエエ加減なオヤジなので名称と内容の一致が微妙だが、足首とペダルバネの力を利用して脚上げする方法についての話しだ。
見た目以外の利点は
①腿の力が殆ど不要
②ペダルバネ力で脚上げアシスト
③連打時は更に省エネ化
これだけで済むなら結構な技だ。
しかし欠点があって主に
➊ストローク不足を起こし易い
➋最高速が低い
➌他の奏法への移行が困難
気付いて無い人が多そうでワシャ恐いよん。
例によって順に説明してくが欠点の根本原因は、足・脚の動作の時差と非制御になる部分がある事だ。
奏者意識ではフットボード上に足が乗ったまま爪先で蹴ると、爪先が動けない代わりにカカトが上がる。
その勢いとバネの力で「理論的には」爪先も上がって、結果的に脚・フットボード共上るとなる。
上記の「理論的には」は拙ブログ別稿を参照願うとして、今回は果たして確実に「現代バネ強ペダルなら平気」になってるのかだ。
弱いバネを強く効く様に調整したのならその通りだが、バネ強でもう強さが足りてるから設定(調整)は最弱のままだったりするとどうなるあるか?。
フットボードニュートラル位置近辺ではバネの力がほぼ無くなるので、その時爪先がまだ板上に残ってたりしたら知らぬ間に実際は押し上げ力不足になってる。
ので一般的にはバネ強いからOKとか思われてるが、現実は必ずしもそうはなっていないのだ。
その時の膝の上りが一定でも爪先も同じとは限らないので、無添加だと出音の粒や音色も実は不安定になり易い。
それで一工夫して足・脚動作に「確実なマージン」を盛った(添加物)として、今度は足・脚ストロークが過大になって来て燃費悪化・間隔延長…。
フットボードより随分沢山動かさなきゃなんなくて、それでいて別にパワーアップするでも無くご苦労さんでしただ。
俺言い「過労アップヒール」は足首を力ませてカカト着地を断固阻止式で、これなら脚重を板に乗せられ出力増大作用はあるしバネ凶徒労クローズには少しは効く。
だがその外観たるやもう殆ど単なるカカトが不着地のベタ足にしか見えなくなって、見た通り足首が固くなった分蹴り上げによる脚上げ効率が大幅低下とすっかりらしさが損なわれてる。
これとは逆に脱力出来てる俺言い「自然食アップヒール」の場合、次の2通りの動作のせいで脚重が板に届かなくなる。(伝わるのは勢いのみ)
前者は従兄の先生曰く「脚重抜け」が発生するんだが、爪先が先にフットボードへ着地するケースでその後に問題発生。
ここで足首が脱力でフリーになってっからカカトの重さ(肉体構造上脚重はほぼこちら側に集中)が爪先へ行かず、他所へ逃げてしまう。(大抵はペダルヒール部か地面)
それから限界速に近付くとだんだん爪先の「遅れ割合」が増加するが、それでカカトが先に着地すれば今度は「脚重の既に無くなった爪先」で踏む事になる。
それでもメリットが出るのが「一定間隔連打」時で、物理的には無駄な過剰ストロークもタイミングを取る為の間となると「全く無駄」では無くなる。
なのでフレーズ的に適してれば、アリな手法ではある。
だがしかしここからが非常に重要なのである。
「ベタ足で踏んでても」特定テンポ域の連打をしてると、「無意識に勝手に適宣アップヒール化する」のである。
正しいベタ足が出来てたなら自然と足首が動かないだけで、「絶対動かないもんね」と意識して力んでガチガチに固めてる訳やおまへん。
脚の上下が連続してある程度速くなって来ると慣性モーメントが増加し、だんだん爪先が足首の位置から自然と遅れ出すのはアップ君の時と同様だ。
そこが無意識ですから体が勝手に腿筋疲れたり足りなくなったら他の筋肉で補おうと作用して、爪先の蹴り成分が増えて来て…あら不思議何時の間にかアップヒールになっちゃったと。
これを逆視点で捉えるとフレーズ如何ではアップヒールが最適な場合があるとなるが、ほっときゃなるなら最初からわざわざしとくメリットがあるのかが論点になって来る。
で冒頭に吠えちゃった発展性云々とは何ぞやだが、必ずカカトから上るとか上へしか上がらない等の制約があるからだ。
アップヒールと名乗るからには踏み終ってもカカトが上がっててOKだが、
それだと直後にトゥ(爪先踏み)したい時に困窮する。
普通は爪先上げ→下げだけで完結するのに、その前にカカトを一々降ろさなきゃなんなくなっちゃう。
ところが非力なトゥをわざわざ出すのは、大抵はアップ君では役不足の「高速連打」をしたいからとかだ。
普段より時間が無いのにその時に限ってアクション追加って、理に反するし間に合わすのが大変だ。(出来るもんならやってみろい、オラ知らねっと)
直後スライドではそもそも「足甲の行き先」が違いうので、爪先蹴り上げが使えない。(蹴るのは連打の1打目になってから、酒タバコはハタチに…)
結局無理・無駄無しに奏法移行が可能なのは、スイベルとちょっと移行動作に違和感が出そうなベタ足だけとなってしまう。
細かく行けばバネ凶徒労クローズ以外でも小さい子供で足・脚が極端に非力で軽い等、特定条件下では有効性が出る場合はある。
しかし前述の通りベタ足意識で自動移行があるので(逆はまんず難しいよぉ)、ベタ足を差し置いてアップ君を教えるなんてのは最低の非人道対応になるんだぞ。
ベタ足を教えといて自動でなるのを許容すりゃ済む話しで、それでアップ君の習得も同時にしっかり出来てるんだもんねーえっ。
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