Ludwig Speedkingの使い方②
速報した俺2号機の事件!?のその後だが、半日以上を費やすも何とか邪魔なレバーは切除出来た。
そこで改めて宅で試運転した処バッチリ健康体に戻ったが、今度は全然別な処が気になり出した。
給油もして整備したばかりで動作も滑らかなのに、初号機よりどうも踏むのが疲れる。
この2号機購入時に一応同じセッティングにした積りだったが、最近トゥヒール系も多用する様になったら違いが演奏結果に出て分かる様になったらしい。
よく比べると2号機の方がバネが強いが、裏の調節ネジはもう底面表面に到達している。
初号機ではネジをそこ迄緩めるとニュートラル位置付近ではバネが無効になるので、多分バネかプッシュロッドの長さが違ってるんだろう。
やはり製造ロットか何かが初号機とは違うみたいだ。
今更気付くとはどうにもいい加減なもんだが、元が初号機は宅内用・2号機は宅外&予備用の位置付け。
それぞれ全く違う太鼓にしか使ってなかったし、従兄の所で宅より上手く操縦出来ないのはこれと先生からのプレッシャーのせいとすっかり思い込んじまってた。
毎度の事とは云え、もういい齢したオッサンの癖に頼り無くて情けなくなって来る。
それで第1段階として思い切ってネジがフレーム底面より出っ張るのを気にしないで、ビータの寝具合が同等になるまで緩めるとした。
バネ長さがもっと長けりゃ無理だったが、ネジがフレームから脱落しない位置で何とか収まった。
但し床が固かったりすればこれじゃあ亀の子状態になって、またフレームを変形させたりする危険がある。
本来は内部スプリングを切るなり削るなりして短縮すべきだ。
太鼓の設置場所の床状態が宅ではカーペット外装の木製ドラム台、従兄の所は定番のドラムマットと偶然弾力があるから許容されるだけだ。
それでもまだ僅かに2号機に重さを感じたが、使用頻度とポスト矯正からの機械的馴染み度の違いなのか。
なら良いが初号機ビータフェルトが擦り減って小さくなって軽くなってるせいだったら、厄介な課題を又抱えた事になる。
このL-1286にサイズ違い等無いが、他で代用したら材質が違うから音色が変わってダメ。
下手するとヘッドも余計に痛めそうだし、何故か大いに減ったビータでも音量・音質には全然差が感じられないのだ。
長さはリバウンドが変わるとこれのフル活用に支障するので、奏法の都合上変えられないと云ってもいい。
高速で沢山踏むにはこれ迄俺が予測してた以上に何でももっと軽いと良さげで、これは人間側がペダルに負けてるれっきとした証か。
思い出すとF1は車なのに車体がプラ(正確にはカーボンファイバだが)だとか、イチローのスパイクが厚手のソックスに迫るかもな軽さ。
同じ力で倍速を出すには重さは1/4じゃないといけないんだったけか、超高速域に入るとそれ以外の僅かな差も拡大されて現れるんだったね。
何となく俺がSpeedkingじゃないと困る理由が見えた気がするが、奏者が自身の限界迄攻めないと発見し難いかもね。
もう残された道は更なる完全脱力でも目指すしか無い様だが、このペダルのポテンシャルは底無しなのか死ぬ迄には是非知りたいもんだ。
これらの体験からも構造的にも、やはりSpeedkingは目指した設計が現代のとは真逆なんだろう。
なので現代と古代の壁を乗越えられる迄は奇妙に感じそうだが、俺には今のの方が間違えちゃってるとしか思えない。
手でも足でももし必要な音色とパワーが得られるなら重く固い必要等全く無く、使い方次第でBONZO達位迄のは出せると証拠がとっくに挙がってらい。
踏むのは半ば無視で脚上げに神経を没頭させねばならないが、こんなのであんな迄出せるんだからホントに現代ペダルは無駄骨ペダルだ。
唯一のメリットは丈夫さだろうが、それも万一相手(太鼓リム等)を傷付けても構わないならの但し書き付きと他を犠牲にしてでの嘘の強さだ。
こうしてみると製造中止の責任は我々ユーザー側のが重いと、尽々痛感させられる。
それと「クランプ締め過ぎは駄目」等の「使う為の情報」を、もっと世間に拡散・浸透して行かないとイカンと思った。
使い方を誤ると駄目だが見かけによらず演奏に対する耐久性は高く、これもBONZOのが「キコキコ」鳴り出す位迄連続使用出来てた証拠ありだ。
強いてメーカーに瑕疵があるとすれば取扱い説明が不十分な処か、新品購入の初号機の箱にその類は一切入ってなかったな。
それから左右ポスト開き問題だが、俺みたいにカムシャフト脱落が起きて無くてもとっとと矯正しとくのをお勧めする。
これはプッシュロッドとカムの接触位置がズレるので、そのままだと確実に偏摩耗が見込まれるからだ。
本来はフレーム変形を戻すのが一番だが、曲がらない様にした物を弄るのは素人には敷居が高い。
ちゃんとは計測していないのが又僭越だが、左右ポスト間でロッカーシャフトが余計な左右動出来てしまう隙間がベアリングの厚み(5mm位か)以下なら脱落は起きない。
が1~2mm以下じゃないと普段の動作に無問題でも、内部で上図中みたいな状況になってしまう。
旧型のカムは上図右の様にプッシュロッドを挟み込む「ツバ」が付いてるからポスト開きに耐性があるとも云えるが、脱落の心配が無くなる代わりに強く擦れて動作不良を起こしそうだ。
少し面倒なのはこれって外部からは全く判別出来ないので、動きに疑問を感じた時はグリス劣化と合せて確認すると良さそうだ。
もしプッシュロッドを抜いてポスト間隔が拡がる様なら同じ病気だ。
俺が速報で実施した方法は対処療法に過ぎないが、それでも上記の懸念を抱えたままにするよりはマシとの判断からだ。
もしこの修理を扱える専門店等がある様なら、そこへ依頼するのがベストだ。
打込みピンは昔のパールのタムホルダ等でも使われてたので、カノウプスなんかだったらその工具も工房にあるんじゃないかと思う。
俺は折角ご近所でも資金が無いのと、ポストとロッカーシャフトの隙間を無くすだけで行けるかをまず知りたかったからの措置だ。
アバウトなペダルなので今回の様に直接比較が出来ないと、本件での差も気付き難そうだ。
だが特にカムの偏摩耗が心配なのは、実際擦れる部分は恐ろしく小さな丸棒形状。
何せ現代ペダルだったらベアリング収納部程度の空間で収まる程小さいんだから、想定外に対する余裕は皆無とみていいだろう。
旧型にしてもツバとプッシュロッドの外側が設計より強く擦れるので、動作・摩耗両面で芳しくないのは同じだ。
俺は全く容認し難いがもしバネ強めが好みだったら尚更で、ハッキリ気付ける頃には手遅れになりそうだ。
それですら過去のだが欧米ではスタンダードだったから部品調達も不可能ではないが、我が国は英語圏じゃないので面倒が増えるの請合いだ。
※2018/8/20加筆修正
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