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2018年8月19日 (日)

Bass Drum Pedalの踏み方Ⅱ⑩足・脚の動かし方「力学」編

執拗に念じ続けてる「脚上げ」だが、今回は力学的観点から検証する。
毎度の「手足一緒論」も叩く相手が同じ太鼓だからで、叩かれる側から見たらそれが手か足かバチかビータか等知ったこっちゃないかも知れないからだ。
太鼓君にしたら使われる物より「どう叩かれるか」が気になる筈で、相手が存在するからには人の側からだけで考え続けても片手落ちだ。

Photo_2
いきなりシンプルな図が出たが、フットボード上の「力関係」である。
青はバネによる引き上げる力で、オレンジと赤は各々図上のその位置で青に拮抗させるのに必要な力をイメージした物だ。

これの意図はアップヒールで踏んでると、何時頃からフットボードが上昇しそうかを想像して貰う為だ。
特に足の位置が深い場合だと奏者の脚上げ開始意識より、実際の上昇はかなり遅れそうだ。
図示した如くフットボードの反発力が赤よりオレンジはかなり弱く、その分「重さに弱い」ので足甲程度の重さでも影響を受けるからだ。

ここでもう一点注意して欲しいのがバネ強さとの関係で、見掛け上はバネが強い程確かにフットボードは早くから上がり始める。
だがそれをこの図の様に表すと、「単純に全部の矢印が同じ比率のまま長くなる」だけだ。
脚より後で爪先を上げる式である限り、程度差はあっても必ず脚よりフットボードは上りが遅れてしまうのだ。

つまり奏者は普通に脚上げした積りでも、必ずしも必要なだけフットボードが上がって無い場合がとても多くなりそうと云う事。
どんなにバネを強くしても割合は変わらないので、この現象を皆無にするのは不可能だ。

普通のアップヒール奏法では足首は一切操縦せず、その動きは自然任せになる。
すると音を出すよりかなり早目に脚上げ開始しないと、フットボードが上がり切るだけの時間が足りなくなったりするのだ。
ところがそれで脚を上げてる時間が長くなるのでは、折角ペダルバネを利用して楽しようとしたのが無意味になってしまう。

だからって脚の都合を優先すればペダルにとっては不都合になるので、乱暴な表現だがアップヒールで楽になるのは「音がどうでも良ければ」と云う事になる。
更にバネ強の場合「踏むために上げる」のは楽になっても、ミュートの為にビータをヘッドに密着させるのに継続して物凄い力が必要になって来る。
大きい音を出すでもないのに、じっと我慢の子でずっと踏み付けてなきゃなんないなんてお気の毒様。

では沢山踏むならミュート時間が短くなるから平気かっつうと、今度は強いバネで疲れてそんなに沢山なんか踏めないのである。
要するに人間サイドからは見た目も良く動きも自然で滑らかなアップヒールが、力学的には誤りとなってしまうのだ。
バスドラペダルは単なる機械で、単に人から受けた力に応じて反応するだけ。
人が矛盾を押付け様としたって一切受け付けず忖度などゼロ、どんなペダルであれ飽く迄「人の側で何とかする」、しか方法は無い。

慣れや得手不得手もあるので強制まではせんですが、認識の段階で間違えたままで得する事は1つも無いよ。
駄目押し行きますが、本当によぉ~くお考えくんなまし。
そもそも「踏む」には足・脚が上がってなきゃ踏めないよね、なのでもしどんなに苦手でも先ずは上げなきゃ始まなんない。

上げる方にかなり制約があるとなると、踏む方を楽にするしかない。
それがバネを弱くする事で普通に歩けてるなら脚を上げられない訳が無いので、「ベタ足」(単に足・脚全体を上げる)が力学的には正解なのだ。
それともう1つの手段が「脚を上げずに踏む」式、つまり爪先で足首の力で踏めば良い。

カカトがフットボードのヒンジより後ろになってれば、押付けでもして無い限りカカトを上げる必要が全く無い。
ここで勘違いが多そうで参るのが、不適切な「バネ強」のままで爪先踏みを試す事。
もし足甲すら上げるのが億劫に感じる人でも足甲は脚よりは全然軽い、その分バネ弱にしてもアシスト量は全然減らんですから。

極端な例えをするなら「爪先踏みは脚より手に近い」、とでもイメージしてみては如何なもんざんしょ。
現代人の皆さんは何を勘違いされたか存ぜぬが、バスドラペダルは介護ロボットでは御座居ません。

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